プリンセスの休日 第3話

重機装士ヴァルダー

貴重なレアメタル「ルミナイト・オルガニウム(Luminite Organium)」産出国であるヴァルクルンド王国アストリッド王女の来日を歓迎する財界主催のパーティーに、母の代理で父と共に出席する綾瀬早弥香。そこで彼女が出会ったアストリッド王女は、大学の女子テニス部の先輩・阿佐光花に瓜二つだった。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

帰りの車中にて

 深夜の都心。

 高層ビルの灯りがまばらに残る街を、一台の黒塗りの車が静かに滑っていく。車内は外の喧騒とは切り離されたように静まり返り、わずかなエンジン音だけが低く響いていた。

 パーティーが終わって、帰りの車中での後部座席。

 隣り合って座る綾瀬秀太郎と早弥香は、しばし無言のまま夜景を眺めていた。

「……しかし驚いたよ」

 先に口を開いたのは秀太郎だった。

「アストリッド王女が、早弥香の大学での先輩と瓜二つだったとはね」

「うん……」

 早弥香も小さく頷く。

「私も本当に驚いたわ……あんなにそっくりだなんて……」

 昼間に見た光花の顔と、パーティーで間近に見た王女の顔が、何度も脳裏で重なっては離れる。

 あまりに現実離れした一致だった。

「世の中には、自分にそっくりな人間が最低三人はいる、なんて話もあるからねぇ」

 秀太郎は軽く肩をすくめた。

「まあ、その類いの偶然だと考えるのが妥当だろう」

「……そう、なのかな」

 どこか納得しきれないまま、早弥香は窓の外へ視線を移した。

 街灯の光が流れていく。

 沈黙が、再び車内を満たす。

 やがて――

「ところで、早弥香」

 秀太郎の声が、少しだけ低くなる。

「ん……?」

 早弥香は振り向いた。

来島陽依さんのことなんだが……彼女とは、どんな話をしたんだ?」

 問いかけは穏やかだが、その奥にわずかな探るような響きがあった。

「え?」

 一瞬きょとんとした後、早弥香は答える。

「学校生活の話とか、趣味のこととか……ほんと、普通のことばっかりよ」

 少し笑う。

「陽依ちゃんがどうかしたの?」

「……いや」

 秀太郎は短く首を振った。

「それなら、別にいいんだが……」

 言葉はそこで途切れる。

 その微妙な間に、早弥香はふと気づいた。

 父の表情に、ほんのわずかな陰りが差していることに。

「……ねえ、お父さん」

 少し躊躇いながら、口を開く。

「もしかして……陽依ちゃんには近づくな、ってこと?」

 声は静かだったが、その奥には不安と、ほんの少しの寂しさが滲んでいた。

帰りの車中の綾瀬秀太郎&早弥香父娘は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

 秀太郎は一瞬だけ目を細め――そしてすぐに首を横に振る。

「そうじゃないんだ」

 はっきりと否定する。

おじいさんの時のように、お前の交友関係に口を差し挟むつもりはないよ」

 その言葉に、早弥香の肩の力が少し抜ける。

 だが。

「ただ……」

 秀太郎は続けた。

「彼女の父親――来島士門議員については…」

 視線を前方に向けたまま、淡々と言う。

「いろいろと、あまり良くない噂も耳に入ってきていてね」

 それ以上は語らない。

 だが、その一言だけで十分だった。

「………」

 早弥香は何も言わなかった。

 窓の外に流れる街の光を、ただぼんやりと見つめる。

(陽依ちゃんは、あんなにいい子なのに……)

 胸の奥に、もやりとした感情が広がる。

 けれど、それをどう言葉にすればいいのか分からなかった。

 父の言葉を否定するだけの材料も、まだない。

 そして何より――

 秀太郎が、それ以上何も言わなかったから。

 それが、この話題の終わりを示しているように思えた。

 車は静かに走り続ける。

 誰も口を開かないまま、夜の街だけが流れていく。

 やがて早弥香は、ゆっくりと視線を落とし――

(……今は、いいや)

 小さく心の中で呟いた。

 深く考えるのは、やめておこう。

 そう決めることで、かろうじて心のバランスを保つ。

 父と娘。

 同じ空間にいながら、それぞれ別の思いを抱えたまま――

 車は夜の闇へと溶け込むように、静かに走り去っていった。

刺客現る

 翌朝――都内の高級ホテル最上階、ロイヤルスイート。

 大きな窓から差し込む朝の光が、白を基調とした室内をやわらかく照らしている。遠くには、まだ朝靄の残る都会の街並みが広がっていた。

 その優雅な空間の中心で、しかし空気はどこか重苦しい。

「午前は首相官邸にて総理との会談。その後、財界関係者との昼食会。午後はレアメタル関連企業の視察、続いて在日ヴァルクルンド人団体および福祉施設への親善訪問――以上が、本日のご予定でございます」

 老執事は一分の隙もない姿勢で、手元のタブレットを閉じた。

「もう!」

 アストリッドは両手を軽く上げて、抗議の声を上げた。

「そんなにぎゅうぎゅう詰めの日程では、こちらの身体がまいってしまいますわ!」

 ソファに身を預け、ふぅと大げさに息をつく。

 だが老執事は眉ひとつ動かさない。

「すべてはヴァルクルンド王国のためでございます」

「はいはい」

 アストリッドは手をひらひらと振る。

「じいやの言うことは、いつもそればかりね。もうその台詞は聞き飽きました」

 そして、くるりと振り向く。

「ねぇ、貴女もそう思うでしょ? リネアさん」

 突然話を振られた銀髪の女性は、一瞬きょとんと目を瞬かせた。

「いえ……その……私は……💦」

 リネア=フリーデン=ヴァイサー

 アストリッド王女の護衛としてアスカロン財団から派遣された特務エージェント、“ライトシーカー”の一員である。

 長い銀髪と青い瞳を持つその姿は、冷静沈着なエージェントそのものだが――

 今は明らかに困っていた。

「……」

 どう答えても角が立つ状況。

 言葉を選びあぐねるリネアに、老執事の視線が静かに向けられる。

「姫、リネア殿を困らせてはいけません」

 ぴしり、と空気が締まる。

「それに、毎回申し上げておりますが、お返事は一回で結構でございます」

「……むぅ」

 アストリッドは頬をわずかに膨らませ、不満げに視線を逸らした。

 どこか子どもっぽい仕草だが、その気品が損なわれることはない。

 室内に、わずかな沈黙が流れる――

 その頃。

 ロイヤルスイート前の廊下では、別の緊張が静かに張り詰めていた。

 カートを押しながら歩いてくる一人のホテルマン。

 銀のカバーに覆われた朝食が、丁寧に並べられている。

 だが――

「待て」

 低い声が、行く手を遮った。

 ホテルマンが顔を上げる。

 そこには、黒いスーツに身を包んだ男が立っていた。

 加藤段十郎

 リネアと同じく“ライトシーカー”の一員である。

「……な、何でしょうか?」

 ホテルマンはわずかに動揺した様子で応じる。

 だが段十郎の目は、鋭く相手を見据えていた。

「食事なら俺が持っていく。お前はここでいいから戻れ」

「しかし……」

 ホテルマンは一歩も引かない。

「直接お客様のところまで運ぶようにと、上司から指示されておりますので」

「なら――」

 段十郎は一歩踏み込む。

「俺がその上司とやらに話しておく。所属部署と、上司の名前は?」

 一瞬の沈黙。

 空気が、変わる。

「……くそっ!」

 次の瞬間――

 ホテルマンはカートを蹴り飛ばし、懐から細身の忍刀を抜いた。

 銀の軌跡が、一直線に段十郎へと走る。

刺客が変装した偽ホテルマンと戦う加藤段十郎は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

 だが。

「――その構え」

 段十郎は動じない。

 刃を紙一重でかわしながら、低く呟く。

「楠木流……やはり、弥御影やみかげ一族か」

 偽装は、完全に見破られていた。

 ホテルマン――否、刺客は歯を剥く。

「よく見破ったな! さすがはライトシーカー!」

 その目に宿るのは、狂気じみた殺意。

「こうなったら、王女を仕留める前に――貴様から血祭りに上げてくれる!」

 廊下に張り詰める殺気。

 朝の静寂は、すでに消え去っていた。

 段十郎は静かに構える。

「来い」

 その一言とともに。

 ロイヤルスイートの扉の向こうで何も知らぬまま朝を迎える王女を守るため――

 死闘の幕が、切って落とされた。

意外な接触

 ――ガンッ!!

 鈍い衝撃音が、ロイヤルスイートの静寂を切り裂いた。

 アストリッドが顔を上げる。

「……?」

 老執事も眉をひそめた。

「おや、何事ですかな?」

 わずかな緊張が室内に走る。

 その瞬間、リネアはすでに動いていた。

「私が見て来ます。お二人はここで」

 短く言い残し、扉へ向かう。無駄のない動きでドアを開け、廊下へ滑り出た。

 ――そして。

 そこに広がっていたのは、“すべてが終わった後”の光景だった。

 静まり返った廊下。

 倒れたまま動かない男。

 そして、その傍らに立つ加藤段十郎。

 彼のスーツにはほとんど乱れがなく、ただ空気だけが戦闘の余韻を帯びている。

「加藤さん、これは……」

 リネアが駆け寄る。

 床に倒れた男の口元からは、血が静かに流れていた。

「あと一歩で取り押さえるところだったがな」

 段十郎は淡々と答える。

「舌を噛み切りやがった」

 その声音には、わずかな苛立ちが混じっていた。

 リネアは一瞬だけ目を伏せ――すぐに表情を引き締める。

「……了解しました」

 振り返り、控えていたSPたちに静かに指示を出す。

「速やかに処理を。王女殿下には気取られないように」

 「了解」

 低い応答とともに、無駄のない動きで現場が片付けられていく。

 カートは元の位置へ、血痕は迅速に処理され、遺体は運び出される。

 ほんの数分後には、そこに何もなかったかのような“朝の廊下”が戻っていた。

 ***

 ホテル内の別室。

 重厚なソファに腰掛けた一人の女性が、優雅にティーカップを傾けていた。

「――ご苦労様」

 与党幹事長、ヴァレンタイン綾子

 段十郎とリネアからの報告を聞き終え、静かにそう言った。

 これは後で調べて分かったことだが、偽ホテルマンが持ってきた食事の中には案の定、痺れ薬が混入されていた。

加藤段十郎、リネア=フリーデン=ヴァイサー、ヴァレンタイン綾子は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

 紅茶の香りが、室内にほのかに広がる。

「もし日本滞在中にアストリッド王女殿下の身に万一のことがあれば――」

 カップをソーサーに戻す音が、小さく響く。

「日本とヴァルクルンド間で締結予定のレアメタル貿易協定にも、重大な影響を及ぼしかねません」

 その声は穏やかだが、含まれる意味は重い。

「危ないところでした……」

 そして、ゆっくりと二人を見据える。

「これからも王女の警護をお願いします。日本とヴァルクルンド両国の友好関係の発展、そして我が国の経済安全保障のために」

 一瞬の間。

 その空気を破ったのは、段十郎だった。

「……そしてアンタ自身の政界での地位をより盤石にするためにも、か?」

 遠慮のない物言い。

 だが綾子は、わずかに口元を緩めるだけだった。

「フフフッ……否定はしません」

 むしろ楽しんでいるような余裕すらある。

「ところで――」

 ふと話題を変える。

「お二人は、“重機装士ヴァルダー”の噂はご存知?」

 リネアが小さく頷く。

「はい。そのニュースなら私も」

 段十郎も腕を組む。

「最近あっちこっちで活躍してる、ブレイバーズのニューフェイスらしいな」

「ええ」

 綾子は意味ありげに微笑む。

「その件に関して、お二人に引き合わせたい人がいます」

 そして、扉の方へ視線を向けた。

「入りなさい」

 その一言で、ドアが開く。

 入ってきたのは――

 青い背広にオレンジのネクタイ、口髭に出っ歯が特徴的な、小柄な中年の男。

 場違いにも見えるほど庶民的な風貌。

 リネアがわずかに眉を寄せる。

「幹事長、この方は?」

 綾子はゆったりと紹介した。

「紹介します。こちら、亜斗夢重工氷室公成専務の秘書を務めていらっしゃる――三枝万蔵さんです」

 男は一歩前に出て、にこやかに頭を下げながら名刺を差し出す。

「はじめまして」

 どこか気の抜けた調子で、しかし妙に場慣れした声音。

「ワイ、亜斗夢重工専務補佐の三枝万蔵といいまんねん。どうぞよろしゅう」

 軽い関西弁。

 その飄々とした態度に、場の空気がわずかに揺らぐ。

 にこにこと人懐っこい笑み。

 だがその姿は、どう見てもこの張り詰めた場にそぐわない。

 段十郎は腕を組んだまま、じろりと三枝を見た。

「……亜斗夢重工の人間? アンタが?」

「へい、ワイが、でっせ」

 胸を張る――が、なぜか少し自信なさげに視線が泳ぐ。

「いやぁ、こういうお堅い場はちょぉ苦手なんですけどなぁ。上から“行ってこい”言われまして……あはは💦」

 乾いた笑い。

 場の緊張感を、一人だけ微妙にずらす存在。

 だがその“軽さ”の裏に、何かを隠しているのか――それとも本当にただの調子のいいだけの男なのか。

 リネアはわずかに警戒を強めながら、その様子を観察していた。

(つづく)


コメント

  1. 旅鴉 より:

    帰りの車の中、やっぱり出る話題はあまりにも光花先輩と似ていたアストリッド王女の話と、陽依ちゃんのクソ親父の話…
    まあ秀太郎氏(すげぇ派手なスーツだな)は、多くは語りませんでしたが、空気で察する早弥香ちゃん、まあここであのジジイみたいに近づくなとか言わないところが秀太郎氏の良いところですね!
    そして、ホテルでは、何やら執事にぶつくさ文句を言ってるアストリッド王女、何やら既にお転婆姫の片鱗が…間に挟まれるリネアちゃんが可哀想ですね…
    だが、外では、食事を運んできたホテルマンを止める加藤の姿が、同じ忍びの臭いかホテルマンを刺客と看破した加藤、もはやこれまでと襲い掛かるホテルマンだが、まあ弥御影一族とはいえ、モブに後れをとる加藤じゃないですからね。
    あっさり勝負はついたものの、舌を噛まれてしまった、まあ王女が狙われているのは確実のようですね、そのためのライトシーカーですね。

    刺客騒ぎが落ち着いた時、突如ヴァレンタイン氏から重機装士ヴァルダーの話が、なんでここで急に?
    ブレイバーズのニューフェイスってことはアスカロン財団も掴んでいるようですが。

    ここで2人に会わせたいと、呼び出されたのは…三枝万蔵!?
    なぜ、こいつが?氷室本人が来いよ!
    こいつポンコツですよね、大丈夫かな…っていうかなぜここでヴァルダーが、その事が気になりますね~

    • 旅鴉 より:

      さて、Blueskyの方で書きましたが、ちょっと新キャラを…
      本当はこの「プリンセスの休日」の後に出すつもりだったのですが、自分も我慢できなくなりました…今回もSSから、下書きしたのち今回はAI先生に清書をたのみました

      闇の魔法少女…初陣へ…

      夜空の特等席には、不気味なほどに真ん丸な満月が腰掛けていた。
      街灯のオレンジ色と青白い月光が斑(まだら)に交錯する深夜の住宅街。清楚な白のブラウスに気品ある黒のフレアスカートを纏い、丸メガネをかけた少女――佐々倉紫乃は、近づきがたいほどの端麗なオーラを放ちながら歩いていた。
      彼女のすぐ傍らには、闇に溶けるような黒曜石の毛並みを持つ一匹の黒猫、ルナフィリスが不敵な笑みを浮かべて従っている。
      「――ヴァルダーってマジやばくね? 最新のパワードスーツとか超ウケるんだけど」
      静寂を切り裂いたのは、スマホの画面に齧り付いたまま横並びで歩いてくる、ギャル風の女子高生たちの喧騒だった。
      画面の青白い光に目を奪われ、完全に前を見ていない不純物の塊。お上品に歩く紫乃の存在に気づくはずもなく、その肩が、紫乃の華奢な身体へと容赦なく衝突する。
      「っ……!」
      短い悲鳴と共に、紫乃は冷たいアスファルトの上へとしりもちをついた。
      「ちょっとぉ~、どこ見て歩いてんのさ、危ないじゃん――」
      ぶつかったギャルの一人が、面倒くさそうに言葉を荒らげながら視線を下に向ける。
      しかし、その言葉は途中でひきつったように霧散した。
      下から彼女たちを射抜いたのは、お嬢様のそれとは到底思えない、底の知れない昏い光を孕んだ紫の双眸。ゾクりとするほどの冷徹な眼光に気圧され、ギャルたちは不快そうに顔を歪めた。
      「ちっ……なんなの、ガンつけてくんじゃねーよ」
      捨て台詞を残し、足早に立ち去っていく集団。
      紫乃は無言のまま立ち上がり、大切なお気に入りの私服スカートについた埃を丁寧に、お淑やかに手で払った。周囲に誰もいなくなったことを確認し、メガネの位置をそっと直す。
      その直後、完璧なお嬢様の仮面が、一瞬にして剥ぎ取られた。
      「あぶねーのはどっちだ馬鹿。スマホ見ながら横並びで歩くなよ、昭和のドラマかボケがッ!」
      可憐な私服姿からは想像もつかない、父親譲りのドスの利いたロック調のヤンキー口調が、夜の路地裏に吐き捨てられる。
      「ヴァルダー……またルミナちゃんの神聖なステージを邪魔する、企業案件のガラクタが出てきたわけね。目障りな……。美しさの欠片もないブリキの缶詰のくせに、主役面してウロついてんじゃねえよッ」
      紫乃の周囲の空気が、彼女の抱える深い闇の魔力によってピキピキと凍りついていく。その横顔に浮かんだのは、冷酷極まりない絶対悪の微笑みだった。
      「――目障りな不純物。今すぐハッキングして、システムごと跡形もなく潰してやろうかな……」
      『コラ、落ち着きなさいな、ノクタ』
      脳内に直接、艶っぽい大人のお姉さんの念話(テレパシー)が響く。
      紫乃が足元に視線を落すると、金色の魔眼を細めた黒猫が、面白そうに喉を鳴らしながら自分を見上げていた。
      『あの実用性重視のロボットさんとあなたでは、ボクシングで言う所のまだ階級が違うわよ、そんな相手に無駄なエネルギーを使うのはやめなさいな』
      「でも、最高に鬱陶しいんだよあのブリキ野郎。ルミナちゃんの主人公補正を邪魔する奴は、ヒーローだろうが大人の事情だろうが全員スクラップなんだよッ!」
      『ふふ、本当に気持ちが昂ると口汚くなるわね、あなたは……。そんなことより今、あなたがその絶対的な闇の魔力(すべて)を注いで相手をしなきゃいけないのは――その今あなたが言った『星彩のルミナ』でしょ?』
      「星彩のルミナ」――その名前がルナフィリスの口から紡がれた瞬間。
      紫乃の凶悪なヤンキー面は、一瞬にして消し飛んだ。
      「……っ! そう、ルミナちゃん……! アタシの至高の光、世界一愛おしい唯一無二の推し……!!」
      丸メガネの奥の瞳を、これ以上ないほどにキラキラと輝かせ、胸の前で両手をギュッと握りしめる。
      「あのきらめくツインテール、夜空の一等星みたいな気高い輝き……! あの光を引き立てて、泥に塗れさせて、最高のピンチから立ち上がらせる『宿敵(とも)』になれるのは、世界でアタシだけなんだから……っ♡ ヴァルダーなんか構ってる場合じゃなかった!」
      深夜の静寂に包まれた住宅街。アスファルトを踏むローファーの規則正しい音が、お淑やかに響いていた。
      お気に入りの私服である清楚な白ブラウスと黒のフレアスカートを纏った佐々倉紫乃は、数秒前までギャルたちにブチギレていたロック調の残響を頭の隅から追い出すように、ふぅ、と小さく息を吐いた。
      そんな少女の脳内に直接、金色の魔眼を細めた黒猫の、艶っぽい大人のお姉さんの念話が再び響き渡る。
      『そうよ、ノクタ。今はヴァルダーみたいな不純物のガラクタを相手にしてる場合じゃないの。まずは何よりも先に、あなたの愛する――星彩のルミナを徹底的に倒さなきゃいけないのよ』
      「う~ん……」
      紫乃は丸メガネのブリッジをそっと指で押し上げ、困ったように眉をひそめて小さな声を漏らした。
      「本当に、倒しちゃわなきゃ駄目かな……。アタシの理想のシナリオだとさ、徹底的に戦い抜いた最後の方でアタシが美しく負けちゃってぇ~、最後はやっぱりルミナちゃんの完全勝利で終わるのが一番尊いっていうか……」
      そこまで言って渋る紫乃に対し、足元を歩くルナフィリスがぴたりと足を止め、冷徹な大魔導士としての厳しい反論を脳内へと直接叩き込んだ。
      『駄目よ、甘いわ。まず周囲の有象無象にあなたの存在を完璧に認知させなきゃ。誰も太刀打ちできない、圧倒的な最凶のヴィランとしてね。――それに、今のルミナはちょっとばっかり敵がいないことに驕っているわ。それを分からせてあげるためにも、初戦は圧倒的な力で、完膚なきまでにねじ伏せないといけないのよ。それに……ねえ? 傷つき、追い詰められたルミナ……最高にそそると思わない?』
      「……っ」
      その悪魔の囁きのような言葉に、紫乃は思わずドス黒い興奮でゴクリと喉を鳴らした。
      脳内の限界オタクが、ルナフィリスの提示した最高のご馳走のシチュエーションに激しく激突する。
      『それにね、ノクタ。あなたにボコボコにされて、初めての絶望と挫折を味わったルミナが、悔し涙を流しながら修行して、新しい力をつけてアタシたちの前に戻ってくる展開なんて……凄く、凄く興奮すると思わない?』
      「思う!!」
      はっきりと、微塵の迷いもない大声が夜の路地裏に弾けた。
      お嬢様の淑やかな佇まいはどこへやら、紫乃は両拳をギュッと握りしめて激しく同意する。それはまさしく、王道にして至高の「主人公強化イベント」のプロデュースそのものだった。
      しかし、すぐに我に返ったように、また中学生らしいあどけないトーンで眉をハの字に曲げる。
      「でもぉ~……万が一、アタシの火力が絶妙に強すぎて、ルミナちゃんの心が本当にポッキリ折れちゃったらヤダなぁ……」
      するとルナフィリスは、金色の魔眼に確信犯的な光を宿し、少女の内に眠る『狂信』を鋭く焚きつけた。
      『あら。あなたの至高の光であるルミナの火が、その程度の挫折でそう簡単に消えちゃうと思うの? ――あなたの愛するルミナは、その程度のがっかりクオリティの代物かしら?』
      その言葉が、紫乃の最大級の逆鱗を直撃した。
      ルミナの気高さを侮るような発言は、たとえ契約相手のルナフィリスであっても、世界中の誰であろうと絶対に許さない。少女の細い肩が怒りで激しく震え、父親譲りのロックなヤンキー口調が一瞬にして爆発する。
      「違うッ!! そんなことあるわけねーだろうがコラァッ!! アタシのルミナちゃんはなぁ、どんな闇に泥塗れにされても絶対に諦めねえ、夜空に輝く絶対一等星の神聖な魔法少女なんだよッ!!」
      声を荒げて吼える紫乃を見て、ルナフィリスは『かかったわね』と言わんばかりに、猫らしからぬ不敵で妖艶な微笑を口元に浮かべた。
      『だったら……やるべきことは一つよね?』
      「……ハッ、わかったわ」
      紫乃はメガネの奥の瞳を冷酷な闇の色へと染め上げ、ドスの利いた声で低く笑った。
      「圧倒的な力を見せつけ、第一戦めは不純物を挟む余地もないくらい、徹底的にルミナちゃんを叩き潰すわ……!」
      『ええ、そう、その意気よ。流石はアタシが認めた闇の魔法少女――『常闇のレギーナ・ノクタ』。最高の初戦のステージ(地獄)を用意してあげましょう』
      ルナフィリスの満足げな念話を背に受けながら、紫乃はお気に入りのブラウスの胸元をぎゅっと掴み、昏い愉悦に身悶えしながらうっとりと呟いた。
      「待ってなさいルミナちゃん……。ちょっと今、良い気になっちゃってる可愛いあなたを、アタシの闇でちょっとばっかしお仕置きして、懲らしめてあげるからね……。あはっ♡ 圧倒されちゃったルミナちゃんが、絶望の中でどんな美しくて尊い表情を見せてくれるのか……今からもう、楽しみで堪らないわぁ……♡」
      完璧なお嬢様の私服を纏いながらも、その身から溢れ出る魔力は、夜の街をピキピキと凍りつかせるほどに禍々しい絶対悪のものへと変貌していた。大好きな推しを極限まで引き立てるための、最凶のプロデュース(初戦)の幕が、静かに上がろうとしていた。

    • > こいつポンコツですよね、大丈夫かな…っていうかなぜここでヴァルダーが、その事が気になりますね~

      はい、三枝はポンコツです。どう考えても段十郎やリネアちゃんとは不釣り合いな人間です。
      さて、この両者にどんな絡みが展開されるのかは、次回以降のお楽しみ。

      > 闇の魔法少女…初陣へ…

      SSキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
      旅鴉様のコメント、SS、Blueskyに投稿されるAIイラストは、どれも全部、当方のブログ更新のモチベーションアップに繋がります!
      佐々倉柴乃ちゃんこと常闇のレギーナ・ノクタ。
      「ルミナに倒されることを望む」独自の悪の滅びの美学の持ち主であると同時に、「ルミナの絶望顔が見たい」という相反した願望も同時に持ち合わせるなど、明らかにヤバイ奴!
      上江洲紗樹ちゃんがルミナ好きをさらに拗らせてヤンデレ化したような感じですね。
      これはヴァルダーや他の悪の組織が下手に接触しようものなら、かえって大やけどをしてしまいそうですねぇ…。

      セーラームーンのルナをそのまま悪人化したようなルナフィリス。
      https://bsky.app/profile/cryravens.bsky.social/post/3mlxvwzzuwc2v
      ↑この画像、見てて怖かったです((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
      コイツもクロエルみたいに人間に化けたりするのでしょうか?

  2. 旅鴉 より:

    とりあえずクソ長くなりそうですが、プロフィールを、またここ占領してスイマセン💦

    https://cdn.bsky.app/img/feed_fullsize/plain/did:plc:54f5z4vfq6z47dx6anbdx7ix/bafkreid3o4ejq6qp7in25h3je22fwokay36t4547eayx45pxgrxpyua4nu
    https://cdn.bsky.app/img/feed_fullsize/plain/did:plc:54f5z4vfq6z47dx6anbdx7ix/bafkreigvy62jupkfubke5o7rdinp6ckcxtyieh44xlfble4a6eqazxajoy

    名前:佐々倉 紫乃(ささくら しの)
    年齢・学年:13歳(中学1年生)
    所属:中高一貫の進学校(女子高)
    【概要】
    名家の血を引く端麗な容姿と高い知性を持ちながら、複雑な家庭環境から深い闇を抱える少女。
    政略結婚の末に離婚した両親を持ち、現在は会社社長の母親と暮らす。しかし、過剰な教育を押し付けつつも私生活は家政婦任せにする母親に強い辟易感を抱いている。すでに家政婦を自らの側に引き込んでおり、母親から得た知識を駆使して自ら株で資産を稼ぎ出すなど、中学生らしからぬ狡猾さと行動力を持つ。
    【性格・特徴】
    基本は拗らせた性格で、両親の裏切りから「男」という存在を一切信用していない。
    普段は理性的だが、元ロックスターを目指していた父親の血筋か、感情が高ぶると口調が途端に荒くなる。
    内面では「魔法少女」などの可愛いものを心から愛している。しかし母親から「大人になれ」と否定され続けた結果、現実に絶望し、退屈でセピア色の世界を生きていると思い込んでいた。
    【魔法少女としての運命】
    本物の魔法少女「星彩のルミナ」との邂逅により、世界に輝きを取り戻す。しかし、とある運命的な出会いによって彼女自身が変身したのは、ルミナと敵対する闇の魔法少女「常闇のレギーナ・ノクタ」であった。憧れの存在であるルミナに、いつかヴィランとして打倒される日を夢見ながら、彼女は夜の街に立ち塞がる。

    『常闇のレギーナ・ノクタ』

    略称:ノクタ

    ❖ 基本情報
    正体:佐々倉 紫乃(13歳/中学1年生)
    立場:光の魔法少女「星彩のルミナ」と対をなす、一匹狼の闇の魔法少女(ヴィラン)
    変身の経緯:熱狂的なルミナ信者であったが、「ピンチになり傷つくルミナが見たい」という歪んだ欲望を黒猫ルナフィリスに唆され、敵対者となる道を選んだ。
    口調の変化:普段は中学生の女の子らしいが、感情が昂ると元ロックスター志望だった父親の血筋が目覚め、ロックで口汚い調子に変貌する。

    ❖ 戦闘能力・戦闘スタイル
    圧倒的な適正と実力:元々抱えていた心の闇の深さと天性の素質により、闇の魔法少女として覚醒。すでにルミナに匹敵する極めて高い基礎能力を持つ。
    初戦での圧倒:手段を選ばない禁忌なき「闇の力」と、ファン目線で徹底的に調べ上げた「ルミナへのリサーチ力(弱点や行動パターンの把握)」を駆使し、初戦からルミナを完全に圧倒する。
    多彩な魔法体系:
    o主軸:闇属性魔法、召喚魔法
    o広範な属性行使:創造魔法、爆炎、氷結、電撃魔法までをも高レベルで使いこなす。

    ❖ 歪んだ行動理念(狂信的ヴィラン)
    真の目的(打倒されること):
    o目的は「ルミナを倒すこと」ではなく、極限まで戦い抜いた末に「ルミナに倒されること」。
    oルミナがピンチの窮地から立ち上がる瞬間を特等席で見るため、ギリギリの生命線まで徹底的に追い詰める。
    o刃を交え、ルミナを最も身近に感じる瞬間に至上の悦びを感じている。
    「ルミナ以外」への絶対的な残虐性:
    oルミナへの攻撃は寸止め(ギリギリ)で抑えるが、それ以外の存在には一切の容赦がない。
    oルミナとの聖戦を邪魔する存在を激しく嫌悪する。他の正義のヒーローはもちろん、味方ヅラして援護に来た別組織のヴィランであっても容赦なく徹底的に叩き潰す。
    孤高の組織論:
    o基本は誰とも組まない一匹狼。ルミナを輝かせるための「踏み台」として他組織を利用することはある。
    o邪魔者を蹴散らすためだけの私兵(サーバント)を創造・召喚することはあるが、神聖なルミナとの決戦の場には絶対に介入させない。

    ❖ 徹底した秘匿と正体へのこだわり(ネタバレ厳禁)
    完璧な正体隠蔽(認識阻害魔法):自身に強力な認識阻害魔法を常時展開しているため、周囲に正体が露見することは絶対にない。
    ルミナの正体へのスタンス:
    oルミナの現実の正体には「一切興味がない」。
    oむしろ自分の中で「ネタバレ厳禁」としており、無理に暴こうとしない。
    oもし互いの素顔を知る瞬間が来るならば、それは「全てが極まった瞬間の、運命的なものであるべき」という強い美学を持つ。
    特定班・詮索者の抹殺:
    o自分やルミナの正体をネット等で暴こうとする一般ユーザー、ネット民、他組織のヴィランは完全に敵とみなす。
    o逆に裏からハッキングや魔法で徹底的に逆追跡し、肉体的・社会的に叩き潰して二度と詮索できないようにする。

    ❖ 歪んだエゴサーチとネット上の狂気
    悪評エゴサの日常:ネット上で「常闇のレギーナ・ノクタ」としての自分の悪評(どれだけ凶悪か、ルミナをどれだけ追い詰めたか)をエゴサーチして楽しんでいる。
    逆鱗に触れるコメント(即時サイバー攻撃):
    o「ノクタ(ヴィラン)を応援・称賛するコメント」:悪の美学を汚す存在、またはルミナの敵を応援する不届き者として激怒する。
    o「ルミナを叩くアンチコメント」:最愛の光を汚す一番のゴミとして激昂する。
    o上記の書き込みを見つけた瞬間、猛烈に怒り狂い、その発信者をネット上から徹底的に攻撃・制裁する。

    紫乃(レギーナ・ノクタ)の契約者にして、盟友、そして師匠…異世界からの猫の形をした汚れた元魔導士

    名前:ルナフィリス(元大魔導士クロエルの弟子)
    種族:使い魔の黒猫(精神を移した姿)
    外見・特徴:大人の女性のような色香を漂わせる謎の黒猫。金色の魔眼を持ち、不敵な笑みを浮かべる。
    会話方法:念話(テレパシー)/普通の大人のお姉さん口調
    【能力・特性】
    精神攻撃無効:あらゆる精神干渉を受け付けない。
    魔眼:多種多様な能力を秘めた固有の眼。
    魔法の制限と同調:知識は豊富だが、猫の肉体では特殊能力以外の魔法を発動できない。しかし、接触して意識を同調した相手の体を借りることで、異世界からの転移ゲートを開くほどの強大な魔法を行使できる。
    契約:意識を同調した相手と契約を結び、自身の持つ魔法の力を授けることができる。
    【過去・経歴】
    異世界における元大魔導士であり、「星彩のルミナ」を魔法少女にしたマスコット(ブラックカーバンクル)のクロエルの弟子にあたる。かつて親友以上の存在だった姉妹弟子・ルーチェを政治闘争で失ったことで精神が崩壊。仇である兄弟子たちを皆殺しにし、魔族と契約して国家ごと侵略・滅ぼした凄惨な過去を持つ。師であるクロエルに討伐されたが、精神を使い魔の黒猫に移して生き延び、この世界へと亡命してきた。高い知能を持ち、短時間でこちらの世界の言語、歴史、文化、情報端末の扱いを網羅している。
    【目的・性格】
    世界征服などの野心は一切ない。自分を倒した師のことは今でも「お師匠様」と呼び、深く尊敬している。
    佐々倉紫乃の「ルミナの狂信者でありながら、傷つく姿も見たい」という歪んだ本質を見抜き、彼女と契約して闇の魔法少女「常闇のレギーナ・ノクタ」を生み出した。お師匠様(クロエル)が育てた「星彩のルミナ」と、自分が育てた「常闇のレギーナ・ノクタ」を激突させ、極上の戦いをご馳走として「遊び尽くす」ことだけを愉悦としている。

  3. 旅鴉 より:
  4. JUDO より:

    段十郎のイラスト2枚が良くできていますね(^▽^)/
    最近、イラスト生成サイトの消費クレジットが軒並み高くなっていて困惑してます(´;ω;`)

    • 今のところDreaminaとPixAI、Stable Diffusion オンラインは消費クレジットは変動ありませんね。
      Leonardo.Aiはバージョンアップしたんで1日に2~3枚しか生成できなくなってしまいましたが( ノД`)シクシク…

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