楯岡彩葉と入れ替わり、久我美輝に案内されてスーパーヒーロー事業部に駆けつけて来たアストリッド王女は、誘拐された阿佐光花の救出作戦への協力要請を快諾する。事前に打ち合わせた段取り通り、わざと誘拐犯一味に囚われるアストリッドだったが…。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
Aパート
夜の郊外――。
街灯のまばらな幹線道路を、一台の黒いバンが静かに、しかし確かな速度で走り抜けていた。
その車内、後部座席。

アストリッドは両手を後ろ手に縛られ、口にはガムテープを貼られた状態で座らされている。揺れる車内でバランスを取りながらも、その背筋はまっすぐに伸びていた。
「ククク……上手くいったな」
「まさか本当に一人で来るとはな。王女様も案外チョロいもんだ」
前方、運転席と助手席の男たちが下卑た笑いを漏らす。
だが――
アストリッドの瞳は、そんな男たちを鋭く睨み据えていた。
(……愚かな人たち)
時折、露骨に敵意を込めた視線を向ける。
それでも騒ぎ立てたり暴れたりはしない。
むしろその内心は、驚くほど静かだった。
(発信器は見つかる前提……問題ありませんわ)
事前に説明されていた。
例え通信手段を破壊されても、人工衛星《オービタル・スキャン》が追跡を継続すること。
つまり――
(必ず、皆が来てくれる)
その確信が、彼女の心を支えていた。
――その頃。
夜風を切り裂き、一台のバイクが幹線道路を疾走していた。

二人乗りのまま、限界近いスピードで闇を駆け抜ける。
耳元の通信機から、惣司陽莉の声が響く。
『お兄ぃ! アストリッドさんを乗せた車は、今○○地点を通過、○○方面へ向かってる!』
「了解した!」
遼馬は即座に応答し、ハンドルを強く握り直す。
「この位置なら……俺たちの方が先に追いつける!」
スロットルをさらに捻る。
エンジンが唸りを上げ、バイクは一段と加速した。
「おいおい、マジで行くのかよ!?」
後ろの基樹が叫ぶ。
「ヴァルダーに装着しなくて大丈夫なのか!?」
「そんな暇はない!」
遼馬の声は、風に負けないほど力強かった。
「このまま急行する!」
一瞬の沈黙。
だが次の瞬間、基樹はニヤリと笑う。
「……はっ、言うじゃねぇか」
しっかりと遼馬の肩を掴み、叫んだ。
「ここまで来たらどこまでも付き合うぜ!!」
夜の風を切り裂くように――
「行けェェェッッッ!! 遼馬ァァァ!!」
「おうッ!!」
応えるように、バイクはさらに加速する。
街灯の光が線となって流れ、景色が一気に後方へと引き剥がされていく。
誘拐犯のバンと、追跡する二人のバイク。
夜の道路で――
その距離は、確実に縮まりつつあった。
Bパート
同じ頃――都内の幹線道路。
夜の街を、ひときわ異彩を放つ巨大な車両が走っていた。

亜斗夢重工・スーパーヒーロー事業部が誇る移動基地トレーラー――《ATベースキャリア》。
その巨体は、まるで鋼鉄の要塞がそのまま道路を進んでいるかのような威圧感を放ちながら、車列の中を力強く突き進んでいく。
運転席。
ハンドルを握るのは、屈強な体格の男――救仁郷 康晴。

黒い半袖Tシャツの胸元には、亜斗夢重工のロゴが白く浮かび上がっている。隆々とした腕でステアリングを操るその姿は、頼もしさの塊のようだった。
耳元のインカムに、少女の声が飛び込む。
『クニさん、遼馬兄ぃとの通信、そっちでも聞いてたでしょ! こっちも急いで!』
陽莉の声だ。
康晴は口元をニヤリと歪めた。
「おう!任せとけ!」
アクセルを踏み込みながら、低く力強く応じる。
「安全運転で急行するぜ!」
――安全運転、と言いながら。
その巨体は明らかに“常識の範囲ギリギリ”のスピードで車線を滑るように進んでいた。
重量級とは思えない俊敏なハンドリング。
それは単なるドライバーではなく、“任務を担う者”としての熟練の技だった。
◆
その後部――コントロールルーム。
壁一面に展開されたモニターには、夜の道路地図と、移動する複数のポイントが映し出されている。
ひとつはアストリッドを乗せた車。
もうひとつは、それを追う遼馬たちのバイク。
そして――このATベースキャリア。

コンソールの前に座る陽莉は、忙しなく指を走らせながら叫んだ。
「美輝くん! ちょっとばかり飛ばすから揺れるよ!」
振り返る。
「しっかり掴まってて!」
「……えっ?」
隣に立っていた美輝は、一瞬きょとんとする。
が、次の瞬間――
「あ、うん!」
慌てて近くの手すりにしがみついた。
直後。
ドンッ、と車体がわずかに加速する衝撃。
大型トレーラーとは思えない鋭い加速に、室内の空気が一瞬で引き締まる。
「うわっ……!」
美輝の身体がわずかに持っていかれる。
だが陽莉は慣れた様子で平然と操作を続けていた。
「よーし、そのまま……逃がさないんだから!」
モニターの中で、点と点が徐々に接近していく。
彼女の瞳には、強い意志の光が宿っていた。
夜の幹線道路。
誘拐犯のバン、追跡するバイク、そしてATベースキャリア。
三者の距離は、刻一刻と縮まり――
それぞれの想いを乗せたまま、決戦の舞台へと収束しつつあった。
(つづく)
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