BRAVERS EDITION episode.47

BRAVE SUCCESSION
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※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※掲載されている画像の無断転載を禁じます!
※アフィリエイト広告を利用しています。

スパルトイのアレクシア=バーンズから「星愛怜美花千早祐一郎稲垣千秋の3人を助けたければ一人で来い」と脅迫された天岸アンジェリカ愛優美は、その夜、密かに自宅から抜け出してわざと敵に捕まった。一方、スパルトイに捕まっていた千秋は、組織に潜入していた錦織佳代稲垣健斗、そして寺瀬詩郎によって助け出されていた。いよいよブレイバーズ側の反撃開始である!

※文章は、chatGPTで生成しております。

シグフェルVS竜牙(ドラゴントゥース)

人質が囚われているスパルトイのアジトへと急いで天凰輝シグフェルライオンレギウス・パワードモードだったが、その行く手の前にスパルトイのS級部隊「竜牙(ドラゴントゥース)」の主幹隊員、アレクシア=バーンズブライアン=ノーランクリストファー=デーヴィスの3人が立ちはだかった!

「俊一、ここは俺に任せて先に行け!」

シグフェルの強い声に、ライオンレギウスは一瞬足を止めて振り返った。その目には迷いが浮かぶ。

「長官、一人で大丈夫ですか?」

「心配するな。お前には人質を救出する使命がある。俺がここで奴らを食い止める!」

ライオンレギウスは迷いを振り切り、深くうなずくと全速力でアジトの奥へと駆けていった。

ブライアン=ノーラン、クリストファー=デーヴィスは、Leonardo.AiのモデルDreamshaper v7で生成しました。
アレクシア=バーンズは、Leonardo.AiのモデルLeonardo Anime XL(Character sheet)で生成しました。
天凰輝シグフェルの後ろ姿と背景は、Leonardo.AiのモデルLeonardo Anime XLで生成しました。

「さて、天凰輝シグフェル殿。お初にお目にかかります」先頭に立つアレクシア・バーンズが、慇懃無礼な笑みを浮かべながら語りかける。

「お前らがスパルトイか?」

「貴方のお相手は、我々スパルトイのS級部隊『竜牙』が務めさせていただきますわ。」

ブライアン・ノーランは無言のまま、その巨大な拳を構え、クリストファー・デーヴィスは銃剣を構えながら冷静に間合いを計る。

「いいだろう。まとめてかかってこい!」

シグフェルは炎障壁「バーニング・シールド」を展開しながら、火星剣マルスエンシスを構えた。戦いの火蓋が切って落とされた。

激闘の幕開け

最初に仕掛けてきたのはアレクシアだ。彼女は瞬時にシグフェルの死角に回り込み、高速振動するカランビットナイフで斬撃を繰り出す。その速さはシグフェルの目にも捉えきれないほどだった。

「速い…!」

シグフェルは咄嗟にバーニング・シールドを展開し、攻撃を防ぐ。しかし、アレクシアの動きは止まらず、別方向からの連続攻撃がシールドを削っていく。

「おいおい、遅いですよ!」

彼女の挑発的な声が響く中、クリストファーが遠距離から正確な射撃を加える。銃弾がシグフェルを狙い撃つが、彼はフェニックスウイングを広げて空中に飛び上がり、攻撃を回避する。

「甘い!」

空中から急降下し、炎翔撃を繰り出すシグフェル。その一撃は地面を揺るがし、ブライアンを直撃する。しかし、彼の屈強なサイボーグボディはダメージを最小限に抑え、反撃の拳を振り上げた。

「重い…!」

その一撃がシグフェルの装甲を大きくへこませる。自己再生機能が稼働するものの、彼の動きにわずかな鈍りが生じる。

苦戦の中の一閃

「さすがに3対1はキツイな…。このままじゃ押される…!」

シグフェルはマルスエンシスにエネルギーをチャージし、必殺技「斬天紅蓮」を準備する。

「チェスト!」

紅蓮の斬撃が放たれ、周囲一帯を炎で覆い尽くす。その威力にアレクシア、ブライアン、クリストファーは一時退避を余儀なくされる。

「やるじゃないですか!」

アレクシアが笑顔を崩さずに言葉を投げかけるが、その体には確かなダメージが刻まれていた。

決着の行方

シグフェルは息を切らしながらも再び構えを取る。しかし、竜牙の3人もまた息を整え、彼を取り囲む態勢を崩さない。

「さすがにタフだな…だが、ここで終わらせる!」

再び交錯する攻防。シグフェルはその卓越した技量でなんとか攻撃をいなし、ついにアレクシアのカランビットナイフを弾き飛ばす。

「しまった!」

その隙を突いてシグフェルの炎翔撃が彼女を直撃し、地面に叩きつける。しかし、ブライアンとクリストファーがすかさず援護し、彼女を救出する。

「ここは一旦引くぞ!」

クリストファーの冷静な指示で、竜牙の3人はその場を撤退する。

「逃がしたか…。竜牙(ドラゴントゥース)、恐ろしい奴らだぜ…」

シグフェルはひとまず深追いは避け、炎の翼を広げ、再び空へと飛び立つとライオンレギウスの後を追うのだった。

石鼠とのリベンジ戦

先行してスパルトイのアジト内部へと侵入したライオンレギウスは、そこで佳代たちに助け出された千秋と無事に合流する。そこで佳代たちと手分けして、一緒にペアで人質の居場所を探していたライオンレギウスと千秋が変身したスワローレギウスだったが…。

暗闇の中で、冷たい風が吹き荒ぶ戦場。廃工場の跡地には崩れた鉄骨とコンクリートの瓦礫が散乱し、その中央に堂々と立ちはだかるのは、悪の女サイボーグ戦士・石鼠(せきそ)だった。背中の鋭い翼を広げ、不気味な光を放つその姿は、かつての敗北の記憶を思い起こさせる。

「よく戻ってきたね、ブレイバーズのヒーローたち。今度はどんな言い訳で負けるつもり?」

嘲笑混じりの声が響く。だが、ライオンレギウスとスワローレギウスの表情には、決意が宿っていた。

「前回みたいにはいかないぞ、石鼠!」 ライオンレギウスが拳を握りしめる。隣で、スワローレギウスが冷静な声で続けた。

「二度も同じ手は通用しないわ。あなたの『ヘルリッパー・カタストロフ』は、もう対策済みなんだからッ。」

石鼠は嗤い声を上げると、翼を広げ、ゆっくりと高速回転を始めた。

「対策済み、ねえ…。なら試してみなさいなッ! ヘルリッパー・カタストロフ!」

刹那、空気を切り裂く真空の刃が嵐のごとく広がった。高周波音波が鼓膜を揺さぶり、瓦礫が粉々に砕け散る中、ライオンレギウスとスワローレギウスは瞬時に行動を開始した。

「千秋、頼んだ!」

「サウンド・ブレイカー、起動!」

スワローレギウスが特殊装備を操作すると、周囲に透明なバリアのような波動が広がり、石鼠の音波攻撃が相殺される。

「何だと!? そんな装備を…!」

石鼠が驚愕する中、ライオンレギウスが地面を蹴り、一気に加速して真空刃の中を突き進む。

「これで動ける。次は翼だ!」

スワローレギウスが双剣を抜き、宙を舞うように石鼠の正面に切り込んだ。その鋭い攻撃が石鼠の意識を引きつける間に、ライオンレギウスは背後から接近し、一撃必殺の拳を振り上げる。

「ライオンバーストパンチ!」

轟音と共にライオンレギウスの拳が石鼠の翼の基部を打ち砕く。翼が軋む音を立てて崩れ落ち、真空刃の嵐が止んだ。

「お前たち…私の翼を…!」

地上に落ちた石鼠は機動力を失い、焦りを見せ始める。しかし、ここからがライオンレギウスとスワローレギウスの真骨頂だった。

「千秋、行くぞ!」

「ええ、決めるわ!」

ライオンレギウスが全エネルギーを込めた突進で石鼠を押さえ込み、その動きを完全に封じる。

「レギウス・ファイナルラッシュ!」

千秋が空中高く跳び上がり、高速回転する「スワロー・ダイブスラッシュ」で石鼠にとどめを刺す。一閃が閃光のように石鼠を貫き、彼女の機体は大爆発を起こして四散した。

「ギャアアッ!!!!!!!!!!!!!!」

爆風が収まり、二人がゆっくりと立ち上がる。

「やったな、千秋!」

「ええ、これで終わりね。」

互いに笑顔を交わす二人。その姿は、再び立ち上がる覚悟と絆の力を象徴していた。

エピローグ

スパルトイのアジトは制圧され、ブレイバーズの人質救出作戦は成功した。天岸アンジェリカ愛優美、千隼祐一郎、星愛怜美花の3人は、無事に救出された喜びと安堵で顔を輝かせている。

愛優美は祐一郎や怜美花と抱き合い、互いの無事を確かめ合う。何より愛優美は生きていた寺瀬詩郎のもとに駆け寄り、その胸に飛び込んだ。涙が彼女の頬を伝い落ちる。詩郎は少し驚きながらも、そっと彼女の頭を撫でて言った。

「詩郎、無事だったんだね! 心配してたんだよ! このバカバカッ…!!」

「大丈夫だ、愛優美。心配かけて悪かったな。」

「詩郎……!」

愛優美は言葉にならない感情を胸に、彼の温もりを感じていた。

祐一郎と怜美花もその光景を見守り、互いに顔を見合わせて微笑んだ。

「いやあ、本当に助かりました。正直俺たち、絶対に助からないと諦めかけてたから…」祐一郎がブレイバーズのメンバーに向かって深々と頭を下げた。

「本当に感謝しています。ありがとうございました。」怜美花も続いてお辞儀をし、涙を拭った。

後から追いついた牧村光平はその様子を見ながら静かに頷いた。「無事で何よりです。皆さんの元気な笑顔が見られて、我々も嬉しいです。」

周囲にはまだ残る夕焼けの名残が漂い、砂浜を包む空気には達成感が満ちていた。

愛優美は涙を拭いながら、詩郎に笑顔を向けた。「ねぇ詩郎、これからもずっと一緒にいられるんだよね?」

詩郎は少し困ったように笑いながらも、力強く頷いた。「もちろんだ。俺たちはもう仲間だからな。」

その言葉に愛優美はさらに笑顔を深くし、夜の帳が静かに降りるまで、皆はその場で幸せなひとときを分かち合った。

生きていた石鼠

燃え盛る炎の中で、石鼠の体はその威容を保ったまま大爆発を起こした。しかし、爆発の衝撃波により、彼女の金属製の体は炎の中から飛び出し、空高く放り出される。そのまま遠く離れた海岸へと放り投げられ、海面に激しく叩きつけられた。

冷たい海水が石鼠の体に押し寄せ、傷ついた彼女の体を徐々に沈めていく。だが、石鼠は諦めなかった。彼女の瞳に宿る復讐の炎は消えていない。壊れたセンサーから火花が散り、背中の翼は半ば粉々になっていたが、それでも石鼠は自らの意思で動き続けた。

波間に揺れながら、彼女は力強く海水をかき分け、重傷を負った体を引きずるようにして陸地へと這い上がる。砂浜に横たわった彼女の体は、ひどく損傷していた。鋼鉄の皮膚はところどころ剥がれ落ち、内部の機械がむき出しになっている。片目は完全に動かず、呼吸の代わりとなる冷却装置も機能不全に陥っているようだった。

「ククク… あの程度で… このアタシを… 葬ったつもり……?」

石鼠は歪んだ笑みを浮かべながら、かすれた声で呟く。彼女の脳内に焼き付いたのは、ライオンレギウスとスワローレギウスのリア充カップルの勝ち誇った姿だった。自分を破壊した張本人たちの顔が浮かび上がり、その度に彼女の心の奥底から湧き上がる怒りと憎しみが体を突き動かす。

「次は… 次こそは… 奴らを… このアタシの手で……葬る!」

言葉に込められた執念は、暗い海の向こうへと響き渡るかのようだった。石鼠は砂浜を這い進み、近くにあった岩陰に身を隠す。ここならばしばらく休息を取ることができるだろう。だが、彼女にとって休息とは復讐の準備期間に過ぎない。彼女の中で破壊された回路が次々と修復され、徐々に機能を取り戻していく。

「待っていな… ブレイバーズ… この石鼠が… 必ずや貴様らを地獄に叩き落としてやるからね…」

その言葉は、まるで呪詛のように響いた。波音に混じりながら、彼女の復讐の誓いは闇夜の海岸に吸い込まれていった。そして、その瞳に再び宿ったのは、かつて彼女が持っていた威厳と凶暴性—それが混じり合った邪悪な光だった。

遠くでは、夜空にブレイバーズが勝利の光を放ち、正義の象徴として輝いていた。しかし、その光は石鼠にとって屈辱そのものであり、彼女の怒りを燃え上がらせる燃料となった。

「奴らの笑顔を… その手で引き裂いてやる……覚悟しておけ、ブレイバーズ!」

石鼠の声が波間に消える頃、彼女の体は完全に影に隠れ、その姿は夜の闇に溶け込んでいった。復讐という名の執念に突き動かされる彼女は、新たな力を手に入れるべく、自らを修復し、次なる戦いへの準備を始めるのだった。

END


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コメント

  1. 旅鴉 より:

    >そこは妄想で補完して頂きたいのですが、よろしければコメント欄でその間の様子を詳しく描いたシーンを追加投稿してくださると嬉しいです。

    …いつもならスラスラ思いつくエロ妄想が、頭が働かないです…💦
    思いついたところでは鮮度が落ちそうですし…スイマセン…

    さて、最終決戦、まさか牧村氏こと天凰輝シグフェル殿が殿を務めるとは…
    しかもその相手は、アレクシアチームかい!

    流石に分が悪いか…瞬殺かな…って善戦しとる!
    あれ…こいつらはまあ、少なくともベラドンナのハンターなんぞよりは強く設定して考えてましたが…こんなに強かったんか!
    凄い連携攻撃、良い戦闘シーンを見せてもらいました、でも流石に天凰輝シグフェル、やはり勝てませんよね…でもここまで追い詰めただけでも凄いものです!

    そしてレギウスコンビは、アイアンビッチの石鼠姐さんと再戦!
    返り討ちしようと余裕ぶっこいてた石鼠姐さんだが、レギウスには一度見せた技は二度も通用しない!
    性懲りもなくぶっ放した「ヘルリッパー・カタストロフ」はスワローレギウスの「サウンド・ブレイカー」によって相殺され、その隙をライオンレギウスの一撃によって解り易い弱点の翼をぶち壊され、優位性を失い、更にレギウスコンビの愛の連携プレイによってとうとうトドメを刺され爆〇!
    石鼠姐さんは花火のように儚く散っていったのであった…

    そして大団円、無事に助け出された愛優美ちゃんは祐一郎くんと怜美花ちゃんと抱き合い、互いの無事を確かめ合った…ってこら愛優美ちゃん空気読みなさい、ここは2人っきりにして熱い抱擁でもさせときなさい!
    君はほら、詩郎くんとだね…って、言うまでもなくさっそくイチャイチャですか、何だかもう音祢ちゃんの入る隙間はなさそうですね。

    さて…ここで自分にとっての誤算が…
    まあ、石鼠姐さんが生きているとは思ってましたが…まさか復讐に燃えて格好良く退場するとは想像してなかったです…
    ちょっとぶっちゃけますと、前に言ってた出したいな~って思ってる新キャラですが、実は正義サイドの方でして…
    見苦しく逃げ出した石鼠姐さんを新キャラで軽くボコボコにしてお持ち帰りしてやろうかと思ってました…
    まあ石鼠姐さんはベラドンナ、おかめ党、スパルトイを渡り歩いてる人間ですから、情報源としては最高なんで…

    さて…ちょっとだけ出して見ますか…

    • > 流石に分が悪いか…瞬殺かな…って善戦しとる!
      > あれ…こいつらはまあ、少なくともベラドンナのハンターなんぞよりは強く設定して考えてましたが…こんなに強かったんか!
      > 凄い連携攻撃、良い戦闘シーンを見せてもらいました、でも流石に天凰輝シグフェル、やはり勝てませんよね…でもここまで追い詰めただけでも凄いものです!

      スパルトイ「竜牙」の3人は旅鴉様の生み出したキャラクター、云わば旅鴉様にとって可愛い子供も同然です。そんな大事な子供たちを、いかに悪役や敵キャラとはいえ、こちらのチートキャラの踏み台にして一方的にフルボッコだなんて雑な扱いが果たして出来ましょうや?
      元々アレクシアたち3人には強キャラ感がありましたし、何とか敵味方双方のメンツが立つ落としどころとして、バトルの結末はああいう感じにしてみました。

      > さて…ここで自分にとっての誤算が…
      > まあ、石鼠姐さんが生きているとは思ってましたが…まさか復讐に燃えて格好良く退場するとは想像してなかったです…

      復讐に燃えて格好よく退場するにせよ、惨めに見苦しく逃走するにせよ、どちらにしろ今の石鼠姐さんは大ダメージを受けて身体はボロボロの状態です。捕獲してお持ち帰りするのは容易だと思われます。

      > ちょっとぶっちゃけますと、前に言ってた出したいな~って思ってる新キャラですが、実は正義サイドの方でして…

      ここでまさかの正義側からの新キャラが!?
      ブレイバーズ、シブルリックオーダー、喫茶店Lily、ミラージュ星人、検非違使、武智探偵事務所の内どれかの関係者か!?
      それとも文字通り本当の意味で全くの新キャラが絡んでくるのか!?
      とっても楽しみです! SS楽しみにお待ちしております!

      • 旅鴉 より:

        お言葉に甘えてSSを書かせて頂きます、新キャラって言うより新組織ですね。

      • 旅鴉 より:

        竜殺しの剣 光の探究者

        燃え盛る炎の中で、石鼠の体はその威容を保ったまま大爆発を起こした。しかし、爆発の衝撃波により、彼女の金属製の体は炎の中から飛び出し、空高く放り出される。そのまま遠く離れた海岸へと放り投げられ、海面に激しく叩きつけられた。
        冷たい海水が石鼠の体に押し寄せ、傷ついた彼女の体を徐々に沈めていく。だが、石鼠は諦めなかった。彼女の瞳に宿る復讐の炎は消えていない。壊れたセンサーから火花が散り、背中の翼は半ば粉々になっていたが、それでも石鼠は自らの意思で動き続けた。
        波間に揺れながら、彼女は力強く海水をかき分け、重傷を負った体を引きずるようにして陸地へと這い上がる。砂浜に横たわった彼女の体は、ひどく損傷していた。鋼鉄の皮膚はところどころ剥がれ落ち、内部の機械がむき出しになっている。片目は完全に動かず、呼吸の代わりとなる冷却装置も機能不全に陥っているようだった。
        「ククク… あの程度で… このアタシを… 葬ったつもり……?」
        石鼠は歪んだ笑みを浮かべながら、かすれた声で呟く。彼女の脳内に焼き付いたのは、ライオンレギウスとスワローレギウスのリア充カップルの勝ち誇った姿だった。自分を破壊した張本人たちの顔が浮かび上がり、その度に彼女の心の奥底から湧き上がる怒りと憎しみが体を突き動かす。
        「次は… 次こそは… 奴らを… このアタシの手で……葬る!」
        言葉に込められた執念は、暗い海の向こうへと響き渡るかのようだった。石鼠は砂浜を這い進み、近くにあった岩陰に身を隠す。ここならばしばらく休息を取ることができるだろう。だが、彼女にとって休息とは復讐の準備期間に過ぎない。彼女の中で破壊された回路が次々と修復され、徐々に機能を取り戻していく。
        「待っていな… ブレイバーズ… この石鼠が… 必ずや貴様らを地獄に叩き落としてやるからね…」
        その言葉は、まるで呪詛のように響いた。波音に混じりながら、彼女の復讐の誓いは闇夜の海岸に吸い込まれていった。そして、その瞳に再び宿ったのは、かつて彼女が持っていた威厳と凶暴性—それが混じり合った邪悪な光だった。
        遠くでは、夜空にブレイバーズが勝利の光を放ち、正義の象徴として輝いていた。しかし、その光は石鼠にとって屈辱そのものであり、彼女の怒りを燃え上がらせる燃料となった。
        「奴らの笑顔を… その手で引き裂いてやる……覚悟しておけ、ブレイバーズ!」
        石鼠の声が波間に消える頃、彼女の体は完全に影に隠れ、その姿は夜の闇に溶け込んでいった。復讐という名の執念に突き動かされる彼女は、新たな力を手に入れるべく、自らを修復し、次なる戦いへの準備を始めるの…筈だった…
        「おやおや…随分とボロボロじゃねーか、派手にやられたな~」
        突如何者かに声をかけられる石鼠、月明かりに照らされ、1人の男が姿を現す。
        それは癖のある黒髪が特徴的な、スーツを着崩した怪しげな東洋人だった、男はゆっくりと石鼠に近づいてくる。
        バンッ!
        乾いた銃声と共に男の右腕が肩口から吹っ飛ばされた。
        石鼠の腕に仕込んでいたギミックの銃が火を噴いたのだ。

        「ブレイバーズの追っ手か?」

        そこでようやく男に質問する石鼠。

        「噂通りのやべぇ女だなお前…いきなりひでぇな~」

        「なっ!?」

        石鼠は驚き声を上げる、男は片腕を吹き飛ばされたというのに平然としながら、何ごともなかったように歩みを進めてきたのだ。
        バンッ!バンッ!バンッ!
        さらに3発の弾丸が飛ぶ、更に男の左腕、足、更に頭と吹っ飛ばされる、だが男の体はそのまま倒れ込むわけでもなく、すっと霞のように消えた。

        「おいおい、挨拶ぐらいさせろよ、せっかちな女だな」

        今度は背後、直ぐ真後ろから男の声はする、石鼠は慌てて振り向くと、腕に仕込まれたブレイドで今度は男の首を刎ねた、男の首が地面に転がる。

        「だから落ち着けっての、まったく面倒くせぇな~」

        今度は切り落とした生首が喋り出す。

        「ば…化け物…!?」

        「お前には言われたかね~な、生身を捨ててサイボーグになっちまうようなイカれ女に」

        そう言って生首はすっと消える。

        「で、気が済んだか?」

        そして男は無傷のまま石鼠の目の前に姿を現す。

        「何者だお前…」

        「やっとその質問か、まずは最初の質問に答えるが、俺はブレイバーズじゃねーぞ、俺はあんなお行儀の良い奴らとは違う」

        そう言って一息つくと、男は自己紹介を始める。

        「俺はアスカロン財団、特務課『ライトシーカー』所属の、加藤ってもんだ、名刺いる?」

        そう言いながら加藤と名乗った男は、惚けた表情で胸ポケットに手を入れる。

        「アスカロン財団…噂は聞いている、あの…正義組織を支援しているという…」

        「そ、正義の組織を支援したり、大真面目にヒーロー探したり、てめぇら悪党を狩ったりしてる、あのアスカロンだよ」

        「要するに正義の味方様ってことか」

        そう吐き捨てるように言う石鼠に、加藤は肩を竦めながら答える。

        「まあ組織はそっちサイドかな…」

        そう言いながら、気だるそうに頭を掻く加藤。

        「まあ自己紹介はこんなもんで、さて、散々色んな悪の組織を渡り歩いて、再び絶賛フリーターになりかけてる石鼠さん、なんか復讐心で盛り上がってるとこ悪いんだけどさ、一緒に来てくんね~かな?」

        そう言いながらそっと手を差し出す加藤。

        「ふざけてんのかお前…なんで私がお前みたいな胡散臭い野郎と一緒に行かなきゃいけないんだよ?」

        そう言いながら、加藤を睨みつける石鼠。

        「だろうな、こっちも端からてめぇが素直についてくるとは思ってね~よ、だから少しは
        解らせてやろうと芸の1つでも見せてやったんだが」

        「さっきのくだらない手品のことか?」

        「一応幻術ってやつなんだけどな~」

        そう言いながらニヤリと笑う加藤。

        「言っておくが、お前はもう3回はぶっ〇してんだけど」

        そう言って溜息をつく加藤に、ブレイドを振りかざし襲い掛かる石鼠。
        加藤は体を少し動かしただけでその攻撃を軽く躱した。

        「はい、これで4回」

        キンッっと甲高い音と共に、折れたブレイドが地面に突き刺さる。
        気が付くと、加藤の手にはナイフのようなものが握られていた。

        「ちぃっ!」

        石鼠は加藤に仕込み銃の銃口を向ける。
        だが、加藤は流れるような動きで石鼠の横を通り過ぎる。

        「はい5回目な」

        今度は石鼠の銃を仕込ませた腕が根元から切り落とされた。

        「オリハルコン製の超振動ナイフだ、この技術がお前らだけの専売特許だと思うなよ」

        そう言いながら、そのナイフを腰のバックルの鞘に戻す加藤。

        「ボロボロの状態のお前が今の俺に勝てるわけね~だろ、と言うか、万全のお前であっても負ける気がしなかったがな」

        「舐めんなー!」

        そう言いながら飛び掛かってくる石鼠の攻撃を躱しその腕をとると、加藤は今度はその体を思いっきり投げ落とした。
        ドスンと言う重い音とともに、辺りに砂が飛び散る。

        「あ~やっちまった、砂が口に入った、まったく…そろそろ凝りてくんね~かな」

        面倒くさそうに地面に倒れ伏す石鼠に声をかける加藤、それを悔し気に睨みつける石鼠。

        「舐めんじゃねーぞ、この正義の味方気取ってるクソ野郎が…」

        「別に正義気取っちゃいねえよ、ただお前みたいなこの世の不幸を背負ってるつもりでいる甘ったれた奴を叩きのめして悦に浸ってるだけだ」

        そう言いながらにやけ顔で石鼠を見下ろす加藤。

        (くそ…私を…私を見下ろしやがって…だがこいつは確かに強い…せめて空が飛べたら、『ヘルリッパー・カタストロフ』が使えたら何とかなったかもしれないけど…こうなったら使える機能を総動員して自爆覚悟で…)

        そう思い、石鼠が身構えたその時…
        地面が突如輝き始める、そして体にシュルシュルと何かが絡みついてくる感触を覚える。

        (か…体が動かない…何をされた!?)

        突如体が地面に縛りつけられ身動き出来なくされる、サイボーグのパワーを持つ石鼠であっても体を起こすことが出来ない。

        (クソ…またこいつの術か!?)

        そう思い加藤を睨みつける石鼠だったが、当の加藤は石鼠を見ず、彼女の背後に目をやっていた。

        「早かったなリネア、スパルトイの残党は狩れたのか?」

        「ええ、B.A.Dと人達と協力しておかしなスーツを着たサイボーグの人達を何人か制圧しました」

        加藤の呼びかけに応じるように、石鼠の背後から澄んだ女の声が聞えてくる。

        (もう1人いたのか…まったく気配を感じなかった…)

        女は石鼠の横をゆっくりと通り過ぎていく、姿を現したのは銀髪のロングストレートヘアの、青い目をした色白の西洋人の女だった、まだあどけなさの残るその顔は月明かりに照らされより美しく見えた。
        白いロングシャツにショートパンツといったややラフな格好をしているものの、どこか上品さを感じさせる。

        「そっか、ご苦労さん、なら休んでおけばいいのに」

        「心配でしたから」

        「俺が負けるとでも?」

        「いいえ、やりすぎないか心配だっただけです」

        「信用ないな…」

        「どの口が言いますか…現にもうやりすぎてるじゃないですか…」

        リネアと呼ばれた女は少し怒ったように頬を膨らせながら、地面に倒れ伏している石鼠を見る。

        (これは…この女がやったのか…?)

        石鼠は銀髪の女リネアを見上げる。

        (なんだ…この女から…誰かと同じ雰囲気を感じる…)

        石鼠は何か口を開こうとするが言葉が出ない、そんな石鼠の前にリネアはそっと跪く。

        「随分と哀しい目をしてますね、可哀想に…」

        そんな言葉を言いながら哀れむような目を向けるリネア、普通なら石鼠はそれを聞いただけでぶん殴ってる、それが出来ない今の状態でも唾ぐらいは吐きかけてる、だが、今の石鼠は…

        (なんだ…なんで言葉が出ない、こんな舐めた事を言うこんな小娘に…なんで私は言い返せない…なぜ私は今…恐いと思っている!?)

        石鼠は恐怖していた、目の前にいるこの女に。

        (そっか…こいつから感じる雰囲気…奴か…)

        リネアの姿があの女と重なった、可憐とも妖艶ともとれる黒い髪を靡かせたあの犯罪組織『ベラドンナ』を統べるあの冷酷な目をした魔女と言われる女ボスに。

        (なんで奴とは似ても似つかない女から、同じものを感じる…そうか…こいつも…)

        「魔女…」

        石鼠は思わずそう呟いた。
        そう、あの女にもその目を見つめられると途端に動けなくなった、人を恐怖させひれ伏させるようなあの冷たい視線、だがこの女からはまた違うものを感じた。

        (恐い…恐いけど違う…こいつから感じるのは…奴とは違う…)

        石鼠はリネアの瞳を見つめながら、震えながらつぶやく。

        「や…やめろ…私をそんな目で見るな…」

        (ふ~ん、こいつにはそんな効果がでるんだな)

        リネアと石鼠を眺めながら、何か納得したような顔をする加藤。

        (ずっと愛とか友情とかそんな絆みたいなものとか皆無であろう陰キャぼっちのこいつに、リネアの能力の『魅了(チャーム)』が効くかどうか不安だったんだが…ふ~ん)

        石鼠は恐怖していた、それは…自分の中にある、認めたくないそれが…湧き出てくるのを抑えられなくなってきていたからだ、この女の目に見つめられると、その声を聞くと、なぜか湧き出てくるその感情。

        「あなたはずっと欲してたのですよね、でも手に入らないと拒絶したそしてそれを否定して壊そうとした」

        「やめろ…知った風な事を言うな…私は…そんなもの望んで…」

        その時、石鼠の目の前に1人の少女が現れる、その少女は涙を流しリネアを見つめていた。
        石鼠はその少女に見覚えがあった、それは…

        (やめろ…消えろ…お前は…お前なんか…私じゃない!)

        それは幼少の頃の自分、施設に居た時の石鼠の…まだそんなコードネームなどない時の人だった頃の彼女の姿だった、いつも楽し気に輪を作り遊んでいた子供達を遠くから羨ましそうに眺めている、寂しそうな孤独な少女。
        自分だけ両親がいない、自分だけあの輪の中に入れない、その寂しさがいつしか怒りへと代わり、そしてそんな幸せな側にいる人間達をいつしか自分と同じ地獄へと引きずり込もうと思うようになった、手に入らないなら拒絶して壊してやる、そうやって強くなろうと生きてきた石鼠、それを今…逆に壊され否定されようとしていた、弱い自分を思い出さされることで。

        「お前は…お前は今私に…何をした!?」

        それが、今の石鼠にとっての恐怖の元だった。

        寂しさに泣いている少女は、ゆっくりとリネアに近づいていく、リネアはその少女を優しく抱き寄せた。

        「違う…私は…私はそんなもの欲しくない…そんなもの私は…」

        気付くと石鼠の目から大粒の涙が流れていた、そして伝わる温もり、気が付くとリネアがそっと石鼠の事を抱きしめていた。

        (くっそ…温かい…気持ちいい…これがもしかしたら母親の温もりなのか…こんなもの私に必要ないものなのに…くそ…)

        気付くと石鼠はリネアにその身を委ねていた、いつもの彼女では絶対にあり得ないことである。

        (なるほど…その対象がいなくても、愛を求める感情があれば掛かっちまうのか、こんなサイコ女にも、やっぱり恐いな…生粋の魔女、リネアの持つ『魅了(チャーム)』の能力は)

        リネアは生まれながらの魔女である、彼女には魔法意外に生まれながらに備わっている能力がある、その瞳でその声で相手を魅了する『チャーム』の能力が。

        「今は…今だけは、全てを忘れて、ゆっくりとその温もりの中で、お母さんのお腹の中に居た時のように…」

        そう言いながら、リネアはそっと石鼠のうなじに呪符を貼り付けた、それと同時に石鼠はゆっくりと眠りに落ちた。

        「ご苦労さん、こいつ黙らす手間が省けたよ」

        そう言ってリネアを労う加藤、だがリネアはどこか浮かない顔をしていた。

        「この人…私をすぐに魔女だと言い当てました…」

        「こうゆう裏社会で生きてるやつは妙に鼻が利くからな、なんとなく匂いで解ったんだろ」

        「私が…誰かに似てたと言うことでしょうか…?」

        「醸し出すオーラってやつか、それが似てただけだろ、だがあっちは黒でお前は白だ、真逆の存在だ、だから気にすんな」

        「でも…こんな心を弄ぶようなやり方で、また人を…」

        そう言って悲しそうな顔をするリネアの頭を軽くたたくように触れる加藤。

        「気にするな、クソみたいな奴が使えば危ない能力だが、お前のような人間が使えば優しい能力になる、魔術の黒と白ってのは使う人間によって変わるんだろ?」

        「そう言って貰えると…少し救われます」

        加藤の言葉に、少しリネアの表情が綻ぶ。

        「だが、こんなタイプの奴は正気に戻るとブチキレるだろうな」

        「でしょうね…永劫に魅了出来るものではないですからね…困ったものです」

        そう言いながら、2人は足元で眠る石鼠を見つめながら溜息をついた。

        「そっちは終わりましたか~!」

        遠くから声が聞こえてくる、2つ人影がこちらに向かって歩いてきていた。

        「流石予知能力者、ベストタイミングだな」

        そう言いながら、その人影に手を挙げて応える加藤。

        姿を現したのは、カソックを着た茶色い髪の西洋人の男と、パンクっぽいTシャツを着た黒いショートパンツの癖のある赤茶色の長い髪を持つ西洋人の女だった、女の方は麩菓子をもぐもぐ食べながら歩いていた。

        「へひぃふいふふゃふぃふぁいれ」

        「口の中のもん食い終わってから喋れテリーサ!」

        そう言いながら赤茶色の髪の女に文句を言う加藤。

        「ごっくん、何だよ既にボロクズじゃんこいつ」

        そう言ってテリーサと呼ばれた赤茶色の髪の女が、そっと石鼠の傍に跪き、その体に手を触れる。

        「やるね~ブレイバーズのレギウスの2人、『ライオンバーストパンチ!』ってえげつないな~」

        そう言いながら楽し気に笑うテリーサ。

        「テリーサ、読むのはこいつを連れて帰った後でゆっくりとやれ、スパルトイの奴らがこいつを回収しに戻ってきたら面倒くさい」

        そう言う加藤に…

        「その心配ないよ」
        「その心配はないですよ」

        …っと、テリーサとカソックを着た男が同時に答える。

        テリーサは言った、

        「あいつらの思念は感じない」

        カソックを着た男は言った、

        「そんな予知は見えません」

        「本当にお前ら万能センサーだな…」

        2人の答えに呆れた表情を見せる加藤。

        「マッテオ、この女の逃走経路を予知してくれたのは感謝するが、あまりくだらないことにその能力使うなよ、お前の能力は精神に負荷がかかりすぎる」

        「御心配感謝します」

        そう言って、マッテオと呼ばれたカソックを着た男は丁寧に頭を下げる。

        「そう言うダンジュロウは、ボロボロ状態のこのサイボーグ女相手に幻術使っていきりまくってたみたいじゃん!」

        そう言って楽し気に笑うテリーサ。

        「特にお前言いたいよテリーサ、サイコメトリーをほいほい使うんじゃねえ、残留思念も思考も勝手に読むんじゃねーよ!�」

        「わータンジュロウがマジギレしてる、助けてリネア!」

        そう言いながら、素早くリネアの後ろに隠れ、そっと彼女を抱きしめるテリーサ。

        「リネア…自分の能力のことに気にしなくて良いからね…アンタは一瞬でもこいつの心を癒したんだからさ…」

        「有難う御座いますテリーサ…」

        テリーサの囁きに優しく微笑み返すリネア。

        「おい、イチャつくのは後にしろ」

        「嫉妬?」

        「黙れ!」

        テリーサの言葉を吐き捨てるように流す加藤。

        「向こう岸はどうなってる?」

        「大団円ですよ」

        加藤の問いに、リネアが答える。

        「その輪には寺瀬詩郎も入ってるのか?」

        「はい入ってます、天岸さんとの絆も更に深まったみたいです」

        「ちっ…ふざけやがって、あのおかめ党の悪党幹部が…」

        ブレイバーズ面々がが喜びを分かち合ってるその方向を睨みつけ、加藤はそう吐き捨てた。

        それを見てやや複雑な表情を見せるリネア。

        「とりあえず、ベラドンナやスパルトイとその背後にいる奴ら、そしてずっと巣に籠って余裕こいてるMr.unknounを掘り出し、そして最終的にはおかめの御前を引っ張り出して、その舐めた能面を引っ剥がしてやろうぜ、そのためにもこの石鼠からとれる情報はとるぞ」

        そして、加藤はブレイバーズの、寺瀬詩郎のいる方向へと目を向ける。

        「だが、こいつだけじゃ足りない…もっと重要なヤツがいる…寺瀬詩郎…奴の正義面した化けの皮を剥がして奴の本性を引っ張り出す、悪の寺瀬詩郎からも聞き出さなきゃいけないことは多くあるからな」

        「本当にやるんですか…彼は、今は正義の組織の人間ですよ」

        やや困った顔で、加藤の言葉にそう言って返すリネア。

        「だが奴は2度ほど悪の記憶が戻っている、そうだよなテリーサ?」

        「うん、どろっどろに黒い奴の本性が2度見えたよ、1度は天凰輝シグフェルにボコボコにされてたけどね?」

        そう陽気に答えるテリーサ。

        「神父~、なんか未来見えた?」

        「その未来はクリアなものではないですが…しかし、彼の記憶が再び戻るのは間違いないでしょう」

        テリーサの問いにやや悲し気な目でそう答えるマッテオ。

        「奴は間違いなく元に戻りかけてる、そんな危険物をずっと使い続けている牧村の野郎の考えが解らね…しかもあいつはその意図をこっちに伝えてきやしねえ…ならこっちが直接出向いて強引に奴に接触するしかねえな、事はどんどん進んでいるだ、もたもたしてられねえ、次の的は寺瀬詩郎だ、リネア、お前が気乗りしないならテリーサと変わっていい、どうする?」

        「え~、あいつちょっと恐いからヤダなぁ…」

        そう言いながらやや不満そうな顔をするテリーサ。

        「大丈夫です、私も付き合います、もう1人の寺瀬詩郎を抑えるにも私の力が必要でしょ?」

        「そうだな、宜しく頼む、だが無理すんな」

        加藤の言葉に、小さく頷いて応えるリネア。

        再び加藤はブレイバーズの輪の方向へと目を向ける、そこには仲間と楽し気に談笑する寺瀬詩郎の姿がある。

        「そこはお前の場所じゃねー寺瀬詩郎、一応正義の組織としてはお前のような奴をほっとくわけにはいかねーんだよ」

        彼らの名は「ライトシーカー」、正義組織を支援する巨大組織「アスカロン財団」の特殊エージェントである、アスカロン…悪竜を退治したその剣の先は、今、寺瀬詩郎へと向いていた。

        • 旅鴉 より:

          また長たらしい文になってスイマセン…

          いつもながら「使えないなこいつら…」っていうことでしたらボツってもらってもOKです、
          一応こいつらOKでしたら組織プロフィールと人物のプロフィール載せようかと…ってまだプロフィ完成してないキャラもいたりしますが…

          • 深層心理を突かれて、新たに現れた謎の正義側組織の手に落ちてしまった石鼠姐さん。果たして彼女はこのまま退場でしょうか?

            そして何だか詩郎くんが、厄介な連中に目をつけられてしまったようですね。まだ姉の聖佳ちゃんはMr.unknounの手中にあるというのに、これはまた一波乱ありそうです。
            どうもアスカロン財団は非情に徹するタイプの組織のようで、同じ正義サイドでも穏健派のブレイバーズとはあまり関係はよくなさそう(;^_^A アセアセ・・・
            リネアたんとテリーサたん、文中の情報を頼りにしてプロンプトを組み立て、早速AIイラストを生成してみました。後日に公開します。
            ところで加藤氏とマッテオ氏ですが、10代~20代の少年・青年ですか? それとも中年以上のオッサンですか?

  2. JUDO より:

    今回は、手に汗握るバトル編でしたね(⌒∇⌒)
    さすがに石鼠姉さんは、無事というか再生完了のようですね。
    次は、どの組織(どの世界?)を渡るのか・・・

    • > 次は、どの組織(どの世界?)を渡るのか・・・

      旅鴉様の構想では、まだ組織か個人かまでは分かりませんが、石鼠姐さんの身柄は正義側の手に落ちるようです。
      石鼠姐さんは貴重な情報源として正義サイドから注目されちゃってるみたいでして、もしかしてイケナイ尋問とかされちゃうんでしょうか…?💦

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