北関東某県にある蛇ノ谷村の公営キャンプ場へと合宿にやって来た、鷺島国際大学のテニスサークル「Seabreeze Aces」のメンバーたちだったが、2年の白川澪が大庭竜二と田淵毅の二人組に拉致されてしまうが、柏葉美佳と黒瀬律によって無事に保護される。しかし先日の集中豪雨の土砂崩れによって道路は寸断され、蛇ノ谷村は完全に孤立してしまった。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
消えた陽菜
蛇ノ谷村公営キャンプ場。
森に囲まれたテニスコートの裏手では、先ほどから四人の部員が木々の間を歩き回っていた。
目的はただ一つ。
ダブルスの練習中、フェンスの穴をすり抜けて森へ飛んでいってしまったテニスボールを探すことだった。
「うーん……この辺じゃないのかな?」
紗季が周囲を見回す。
「おかしいなぁ。確かこの辺に飛んでいったはずなんだけど……」
陽菜も木の根元を覗き込む。
「ボールって、意外と見つからないものなのね」
「森の中に入ると、葉っぱとか草に紛れるからなぁ」
陽飛が苦笑しながら答える。
「瑛人、そっちはどうだ?」
「こっちもないっスねー」
瑛人が少し離れた場所から返事をした。
その時だった。
「……あれ?」
紗季が足を止めた。
地面に、何かが落ちている。
「みんなー!」
突然、紗季が大声を上げた。
「大変よー! こっち来てー!!」
「どうしたんだい、紗季ちゃん!?」
「何か見つけたのか!?」
陽飛と瑛人が慌てて駆け寄ってくる。
紗季は青ざめた顔で、森の地面を指差した。
「大変なんです! これを見てください!」

そこに落ちていたのは――一本のテニスラケット。
そして、そのすぐそばには、先ほどまで探していたテニスボールが二つ転がっていた。
「……ラケット?」
瑛人が眉をひそめる。
さらに周囲を見れば、土の上には複数の足跡が残されていた。
一方向に整然と続いているものではない。
まるで、誰かがここで激しく揉み合ったかのように、乱れている。
「これ……」
紗季が震える声で言った。
「陽菜先輩のテニスラケットです……!」
「えっ……?」
陽飛の表情が一気に険しくなる。
「陽菜の……?」
瑛人も周囲を見回した。

「まさか……」
その脳裏に浮かんだのは、つい先ほど知らされた情報だった。
指名手配中の凶悪犯、大庭竜二と田淵毅。
そして、昨日の白川澪の拉致監禁事件。
「もしかして……例の指名手配犯に出くわして、連れ去られたんじゃ……!?」
「……!」
陽飛の顔から血の気が引いた。
「……しまった!」
「どうするんスか!? 陽飛先輩!」
陽飛は一瞬だけ迷った。
だが、すぐに決断する。
「ともかく、この足跡を追ってみよう!」
そして紗季を見る。
「紗季ちゃんはコートに戻って、急いでこのことを三神たちに知らせてくれ!」
「分かりました!」
紗季は力強く頷いた。
「陽菜先輩、絶対に助け出しましょう!」
「もちろんだ!」
陽飛と瑛人は、乱れた足跡の先へ向かって走り出した。
「行くぞ、瑛人!」
「了解っス!」
二人の姿が森の奥へ消えていく。
残された紗季は、急いでコートへ戻ろうと踵を返した。
「早くみんなに知らせないと……!」
木々の間を走る。
一刻も早く。
一秒でも早く。
だが――。
「……!」
紗季が足を止めた。
前方の茂みが、ガサッと揺れた。
「え……?」
次の瞬間。
「おーっと!」
男が突然、森の中から飛び出してきた。

両腕を大きく広げ、紗季の進路を塞ぐ。
「どこへ行くのかな、お嬢ちゃん?」
「――!?」
紗季の顔が凍りつく。
短く刈った金髪。
落ち着きなく泳ぐ目。
そして、昨日から村内に潜伏している指名手配犯――。
「田淵……毅……!」
「へへっ……」
田淵は嫌らしい笑みを浮かべながら、紗季の前に立ちはだかった。
森の中に、逃げ道はない。
「さあて……困ったなぁ?」
紗季は後ずさる。
「い、いや……!」
その声は震えていた。
一方その頃。
陽飛と瑛人は、そんな事態が起きていることも知らず、森の奥へと進んでいた。
そして――。
蛇ノ谷村では、二つの危機が同時に進行しようとしていた。
蛇ノ谷村を歩く女
同じ頃。
蛇ノ谷村の中心部。
小さな商店や古い民家が点在する、のどかな田舎道を一人の若い女性が歩いていた。
「……静かなところね」
彼女の名は――ユキナ=マーティン。
日本から遠く離れたパシフィックゲートウェイ島に本社を置く巨大企業、
ネオ・ヴァンタジス・コーポレーション
その会長秘書室に勤務する女性社員である。
もっとも、今の彼女は仕事中ではない。
長期休暇を利用して、都会の喧騒から離れた日本の山村へとやって来ていた。
特に目的があるわけでもない。
ただ、普段とは違う場所を歩いてみたい。
そんな軽い気持ちで村を散策していた。
「たまには、こういうのも悪くないわね」
ユキナは周囲を見回す。
古い商店。
年季の入った民家。
遠くに見える山々。
都会ではまず見ることのできない光景だった。
その時――。
前方から、一人の少女が歩いてきた。
黒髪のロングヘア。
眼鏡。
白いブラウスに紺色の膝丈スカート。
見たところ、中学生くらいだろうか。
そして、その少女の足元には――一匹の黒猫が寄り添っていた。
「……?」
ユキナと少女の視線が、一瞬だけ交差する。

少女は立ち止まった。
こちらへ振り返ってじっとユキナを見つめる。
その瞳には、年齢に似つかわしくない険しい光が宿っていた。
「……」
そして――。
「チッ」
小さく舌打ちすると、少女はユキナから視線を逸らして再び前を向き、そのまま黒猫を連れて歩き去っていった。
「……変な子」
ユキナは肩をすくめる。
「まあ、いいけど」
それ以上気に留めることなく、再び歩き始めた。
だが――。
しばらく進んだところで、今度は前方から歩いてくる一人の女性が目に入った。
「……ん?」
その女性は、村で唯一のスーパーに向かっている様子だった。
見覚えのある顔。
ユキナの足が止まった。
「……あの女は――」

女性が横を通り過ぎようとした、その瞬間。
ユキナは確信した。
「寺瀬聖佳……!?」
先ほどまでの穏やかな表情が消える。
驚き。
そして、次第に口元へ浮かんでいく笑み。
「……まさか」
ユキナは振り返り、遠ざかっていく聖佳の姿を見つめる。
「まさか、あの女がこんなド田舎に来ていたとはね……」
そして――。
ニヤリ。
ユキナの口角が吊り上がった。
「これは……思わぬ収穫だわ」
彼女は周囲を確認すると、履いていたハーフパンツのポケットへ手を入れた。
取り出したのは、小型のリモコンだった。

黒い筐体に、いくつかのボタンが並んでいる。
ユキナはそれを掌の上で弄びながら、楽しそうに呟いた。
「ヴァネッサ先輩から預かっていたコレ……」
親指で、赤いボタンを軽く撫でる。
「まさか、こんなところで役に立つなんてね。
うふふっ……」
その笑い声は、先ほどまでの旅行者然とした彼女からは想像もつかないほど不気味だった。
なぜなら――。
彼女の正体は、普通の会社員などではない。
ユキナ=マーティン。
それは表向きの名前。
その裏に隠された真の姿は――。
悪の組織ネオブラックマフィアに所属する女怪人。
クラゲ型改造人間――フロストリア。
そして、ネオ・ヴァンタジス・コーポレーションもまた、表向きは世界的な巨大企業でありながら、その実態はネオブラックマフィアが社会に根を張るための巨大な隠れ蓑に過ぎなかった。
「ふふ……」
ユキナは、再び聖佳の背中を見る。
その手には、あのリモコン。
それは単なる電子機器ではない。
寺瀬聖佳を――。
普段の彼女とはまったく異なる存在へと強制的に変えてしまうための、恐るべき装置だった。
凶悪な仮面戦士――。
その力を呼び覚ますための変身強制装置。
「さあて……」
フロストリアは楽しげに笑った。
「どう料理してあげようかしら?」
しかし、その視線の先では、何も知らない聖佳が静かに村道を歩いている。
そして遠くでは――。
森の中で、陽菜と紗季がそれぞれ凶悪犯に遭遇していた。
さらに村の別の場所では、黎徒と凛が天宮千代から蛇神の伝承を聞こうとしている。
蛇ノ谷村に集まり始めた、いくつもの思惑。
その全てが、まだ一本の線には繋がっていない。
だが――。
確実に何かが動き始めていた。
「うふふふ……」
ユキナの不気味な笑い声だけが、静かな村道に小さく響いた。
次回――森では陽菜と紗季に最大の危機が迫り、そして寺瀬聖佳の運命にも、黒い魔手が忍び寄る……。
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