北関東某県にある蛇ノ谷村の公営キャンプ場へと合宿にやって来た、鷺島国際大学のテニスサークル「Seabreeze Aces」のメンバーたちだったが、2年の白川澪が大庭竜二と田淵毅の二人組に拉致されてしまうが、柏葉美佳と黒瀬律によって無事に保護される。しかし先日の集中豪雨の土砂崩れによって道路は寸断され、蛇ノ谷村は完全に孤立してしまう。さらに今度は2年の南條陽菜と1年の高槻紗季が大庭たちによって拉致された。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
廃工場発見
森の中を走る二人の足音が、静寂を切り裂いていた。
二人は、南條陽菜のテニスラケットが落ちていた場所から続く、乱れた足跡を追って森の奥へと進んでいた。

「陽飛先輩!」
先を走っていた瑛人が、突然足を止めた。
「どうした!?」
「……あれを見てください!」
瑛人が指差した先。
鬱蒼とした木々の向こうに、古びた建物が姿を現していた。

コンクリート造りの壁はところどころ崩れ、窓ガラスも何枚か割れている。錆び付いた鉄骨がむき出しになり、屋根も一部が崩落していた。
どう見ても、長い間使われていない廃工場だった。
「……あれは?」
陽飛が目を細める。
「森の中に、こんな建物があったなんてな……」
「足跡は、あの廃墟まで続いています」
瑛人は地面を見る。
土の上に残された複数の足跡は、まっすぐ廃工場の方へと向かっていた。
陽飛の表情が険しくなる。
「……ということは」
「陽菜先輩が、あそこに連れて行かれた可能性があります」
「よしっ!」
陽飛は拳を握った。
「行ってみよう!」
二人は慎重に廃工場へ近づいていく。
建物の周囲には雑草が伸び放題になっており、割れた窓からは薄暗い内部が覗いている。
風が吹くたび、錆びた金属板が、
――ギィ……。
と不気味な音を立てた。

「……」
陽飛は建物の壁に身を寄せ、窓から内部を覗き込む。
薄暗い工場内には、古い機械や資材らしきものが放置されている。
だが、人影は見えない。
「……たぶん、陽菜ちゃんはこの中だ」
陽飛が低い声で言った。
「瑛人、お前は三神たちのところまで戻って、ここの場所を知らせて応援を連れて来てくれ!」
「えっ!?」
瑛人が驚く。
「陽飛先輩はどうするんですか?」
「俺はここで見張ってる。陽菜ちゃんが中にいるなら、犯人がどこかへ連れ出さないようにしないとな」
「でも……!」
瑛人は不安そうに廃工場を見る。
「一人で大丈夫なんですか?」
「大丈夫だって」
陽飛は努めて明るく笑った。
「俺だって何も考えずに突っ込むほど無謀じゃない。中には勝手に入らないから安心しろ」
「……分かりました」
瑛人は頷いた。
「でも陽飛先輩、くれぐれも一人で先走ったりしないでくださいね?」
「分かってるって。いいから早く行け!」
「了解っス!」
瑛人は踵を返す。
そして、仲間たちの待つテニスコートへ向かって森の中を走り始めた。
「陽菜先輩……無事でいてくださいよ……!」
その背中を見送った陽飛は、もう一度廃工場へ視線を戻した。
「……絶対に助け出すからな」
蛇武者現る!
一方――。
森の中を一人で走る瑛人。
木々の間から差し込む日差しを頼りに、来た道を戻っていく。
だが、しばらく進んだところで――。
「あれ?」
瑛人は足を止めた。
目の前に、古びた鳥居が立っている。
「……ここは確か……」
その奥には、深い森に包まれた参道が続いていた。
蛇ノ谷村の人々が恐れ、キャンプ場の管理人・鹿渡からも、
――近づかないように。
そう忠告されていた場所。
「蛇神神社……」
瑛人は思わず唾を飲み込んだ。
昼間だというのに、そこだけ空気が違う。
高く伸びた木々が頭上を覆い、太陽の光をほとんど遮っている。
境内へ続く道は薄暗く、奥へ行けば行くほど何も見えなくなっている。
「まだ昼間だっていうのに……ここだけ妙に暗いなぁ……」
瑛人の背中を、冷たいものが走った。
「……管理人さんが近づくなって言ってたし」
瑛人は神社から視線を逸らした。
「触らぬ神に祟りなし、だよな……」
そのまま足早に通り過ぎようとする。
――その時だった。
「……?」
何かが、視界の端に映った。
瑛人は反射的に振り返った。
「……え?」
神社の奥。
林の中。
木々の陰に――何かが立っている。
最初は、古い石像かと思った。
だが。
違う。
それは――人間の形をしていた。
身体には、まるで戦国時代の落ち武者を思わせる古びた甲冑。
手には長い刀のようなもの。
そして、その顔は――。

「……蛇……?」
瑛人の目が大きく見開かれる。
甲冑をまとった人影の顔。
そこにあるのは、人間の顔ではなかった。
細長い蛇の頭部。
冷たい目が、木々の間から瑛人をじっと見つめている。
「…………」
蛇武者は微動だにしない。
ただ、瑛人を見つめている。
まるで――。
「……俺を……見てる?」
その瞬間。
蛇武者の目が、ギラリと光った。
「ば、化け物ォォッッ!?」
瑛人は絶叫した。
「うわああああああっ!!」
恐怖に突き動かされるまま、踵を返す。
走る。
とにかく走る。
木の枝が腕に当たっても、足元の石につまずきそうになっても構わない。
「はぁ……! はぁ……!」
背後を振り返る余裕などない。
「何なんだよあれぇぇぇっ!?」
必死に森の中を駆け抜ける。
やがて、蛇神神社の気配が遠ざかっていく。
瑛人はなおも走った。
走って、走って――。
ようやく足を止める。
「はぁ……! はぁ……!」
両手を膝につき、荒い息を繰り返す。
「……ここまで来れば……大丈夫だろう……」
額の汗を拭う。
周囲を見回す。
そこには、いつもの森の景色が広がっていた。
「……さすがに、あんな化け物が追ってくるわけ……」
そう呟きながら――。
瑛人は、恐る恐る後ろを振り返った。
「…………」
誰もいない。
「……ほっ」
胸を撫で下ろす。
「びっくりしたぁ……。あんなの、見間違いだよな……」
その瞬間。
――ザッ。
背後から、何かを踏みしめる音。
「……え?」
瑛人の顔から、血の気が引いた。

ゆっくり。
本当にゆっくりと。
彼は振り返る。
「…………」
そこに――。
立っていた。
先ほどの蛇武者が。
数メートル後ろに、まるで最初からそこにいたかのように佇んでいる。
「…………」
蛇の顔。
古びた甲冑。
そして、こちらを見据える冷たい瞳。
「…………う」
瑛人の喉から、声にならない声が漏れる。
蛇武者は何も言わない。
ただ、静かに一歩――。
前へ踏み出した。
「うわあァァッッ!!」
森中に、瑛人の悲鳴が響き渡った。
その声を、蛇神神社の方向へ向けて吹き抜ける風が、遠くへ運んでいく。
一方――。
蛇神神社の境内では。
深い森の奥に佇む蛇武者が、再び静かに姿を消していた。
まるで、最初からそこには何もいなかったかのように。
しかし――。
その不気味な気配だけは、確かに残されていた。
そして廃工場では、陽飛が一人、応援の到着を待っている。
さらに蛇神神社では、瑛人が謎の蛇武者と遭遇した。
蛇ノ谷村を覆う異変は、いよいよ一つの大きな渦となって動き始めていた――。
(つづく)
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