滞在中の都内のホテルから真夜中に脱走したヴァルクルンド王国のアストリッド王女は、SPに追われていたところをデート中だった皆上遼馬と綾瀬早弥香に助けられる。アストリッドのお忍びに付き合わされることになった遼馬と早弥香だったが、3人で訪れた神社で弥御影一族に襲われたところを加藤段十郎、リネア=フリーデン=ヴァイサー、三刀谷真玲に助けられる。その頃、阿佐光花はアストリッドと間違われてSPに身柄確保されてしまっていた。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
Aパート
日向宮神社――境内裏手の竹林。
風がざわりと竹を揺らす中、二つの影が激しく交錯していた。
鋭い斬撃。
乾いた銃声。
火花のように散る衝撃。
風祭兵庫介の刀が、音もなく空気を裂く。
対する加藤段十郎は、身をひねり、紙一重でかわしながら引き金を引く。
――パンッ!!
放たれた弾丸を、兵庫介は刀で弾いた。
「ほう……銃をここまで扱えるか」
「そっちはその時代錯誤な得物でよくやるな」
互いに距離を取る。
睨み合い。
だが次の瞬間には、再び踏み込む。
兵庫介の連撃は、まるで嵐のように苛烈だった。
段十郎はそれを忍術で翻弄する。
幻の残像を残し、位置をずらし、カウンターを狙う。
――決着はつかない。
互いに一歩も引かぬ、拮抗。
その均衡を破ったのは――
「加藤さん!」
銀の髪が揺れた。
リネア=フリーデン=ヴァイサー。
その隣には、木刀を携えた三刀谷真玲。
さらに、その後ろから駆け込んでくる早弥香の姿。
「……ちっ」
兵庫介が舌打ちする。
段十郎に加え、リネア、真玲。
三人を同時に相手にするのは――流石に分が悪い。
「どうやら勝負はお預けのようだな」
静かに言い放つ。
「フッ、逃がすとでも思ってやがるのか?」
段十郎が銃口を向ける。
その時だった。
――シュッ!!
どこからともなく飛来する小さな球体。
地面に落ちた瞬間――
ボンッ!!
白煙が一気に広がった。
「煙幕か!」
視界が一瞬で奪われる。
段十郎は咄嗟に後退し、警戒を強める。
煙の向こうに、一瞬だけ見えた影。
長い髪をなびかせた、くノ一。
「兵庫介様、こちらへ」
「うむ」
短い応答。
次の瞬間には、二人の気配は消えていた。
やがて煙が晴れる。
そこに残っていたのは――静寂だけ。
「チッ……逃がしたか……」
段十郎が小さく舌打ちする。
戦いは終わった。
だが、緊張の余韻はまだ消えない。
その中で――
早弥香は一目散に駆け出した。
「遼馬!」
地面に崩れ落ちるように座り込んでいる遼馬の元へ。
両肩を掴み、強く揺さぶる。
「どうしたの!? いったい何があったの!?」
「………」
遼馬の視線は、どこか虚ろだった。
焦点が合っていない。
ようやく、ゆっくりと瞬きをする。
「……?……あぁ、早弥香か……」
「遼馬……!」
安堵と不安が入り混じる。
その様子を、アストリッドも心配そうに見つめていた。
「リョウマ……」
その声に、遼馬はわずかに視線を向ける。
だが、まだ完全には戻っていない。

そこへ――
真玲がそっと歩み寄った。
「勇敢だけど……少し無茶が過ぎかな」
優しい声音。
遼馬の隣にしゃがみ込み、穏やかに微笑む。
「でも、そういうところ……なんだか私の弟と似てるかも」
「弟……?」
遼馬がかすかに反応する。
「年齢も、君と同じくらいなの」
「似てるか……?」
段十郎がぼそりと呟く。
「似て……はいないでしょう」
リネアが即座にツッコミを入れる。
「彼の場合は無茶というより……ただの戦闘狂なのでは……?」
「……というか、あのシスコン。この現場見ただけでも発狂しそうなんだがな……」
段十郎がさらに小声で付け加える。
「……?」
遼馬はきょとんとした顔をするが、話はそれ以上広がらなかった。
代わりに、彼は改めて三人を見上げる。
「あなた方は……いったい……?」
その問いに答えようとした瞬間。
――ピリリリリッ。
段十郎のスマホが鳴った。
「……もしもし、こちら加藤だ」
通話に出る。
そして――
「………何っ?」
眉が動く。
「王女の身柄を無事に確保しただと?」
その一言。
場の空気が凍りついた。
「えっ!?」
早弥香、アストリッド、リネア、真玲――全員が同時に声を上げる。
段十郎は、ゆっくりと視線を横へ向けた。
そこには、確かにアストリッド本人がいる。
「バカを言え」
低く言い放つ。
「アストリッド王女なら今、俺の目の前にいるぞ」
その直後――
今度は別の着信音。
遼馬のスマホだった。
「……陽莉からだ」
わずかに嫌な予感が走る。
通話ボタンを押す。
「もしもし、陽莉、どうした?」
耳に飛び込んできた声に――
遼馬の表情が一変した。
「……何だって!?」
思わず立ち上がる。
「光花先輩が……怪しい黒服の連中に連れて行かれた!?」
「――!!」
早弥香が息を呑む。
「それって、もしかして……!」
頭の中で、一つの線が繋がる。
“王女を確保した”という報告。
そして――
光花とアストリッドの、あまりにも似すぎた容姿。
偶然とは思えない一致。
竹林に、再び緊張が走る。
事態は、思っていた以上に――複雑に絡み合い始めていた。
Bパート
都内ホテル高層階――重厚な扉の奥に広がるロイヤルスイートは、外界の騒動などまるで存在しないかのように静まり返っていた。
だが、その空気の中に漂う緊張は、決して穏やかなものではない。

部屋の各所に黒服のSPたちが無言で立ち、厳重な警戒網を敷いている。その中心、豪奢なソファに座らされているのは――阿佐光花だった。
「……う~ん」
老執事は腕を組み、光花の顔をこれでもかと覗き込む。
「この娘……確かにアストリッド姫に似ているが……姫ではない……」
「だからぁ、さっきから何度もそう言ってるじゃないですかぁ!」
光花はぷくっと頬を膨らませ、不満を隠そうともしない。その仕草は怒っているはずなのに、どこか間の抜けた愛らしさを帯びていた。
彼女はポケットから学生証を取り出し、ぴらりと掲げる。
「ほらぁ、これ見てくださいよぉ。海防大学工学部2年、阿佐光花ってちゃんと書いてあるでしょぉ?」
老執事はそれを受け取り、じっと確認する。
そして深くため息をついた。
「……間違いない。完全なる人違いでございますな」
その一言で、周囲の空気が一気に重くなる。
「も、申し訳ありません……!💦」
SPたちは一斉に頭を下げ、縮こまる。だがその様子をよそに、部屋の片隅に立つ周翠琳は、無言のまま腕を組み、ただ静かに状況を見つめていた。表情はほとんど動かない。
その時――
ガチャリ、と扉が開いた。
「光花先輩!」
飛び込んできた声に、光花が顔を上げる。
「あれぇ? 皆上君! それに早弥香ちゃんも! どうしてここにぃ!?」
遼馬と早弥香が駆け寄る。その後ろには、加藤段十郎、リネア、そして三刀谷真玲。
早弥香は光花の姿を確認した瞬間、張り詰めていた表情を一気に緩め、安堵を滲ませながら駆け寄った。
「どうしてじゃないですよ! よかった無事で……。陽莉ちゃんから光花先輩が攫われたって連絡を受けて、心配したんですよ!」
息を少し弾ませながらも、その声には確かな安心が込められていた。
――そのやり取りを、少し離れた位置から見ていた面々は、それぞれに小声で言葉を交わす。
段十郎は腕を組み、感心したように片眉を上げる。
「なるほどな、確かによく似てやがる……」
リネアも静かに頷き、驚きを隠しきれない様子で続けた。
「私も驚きました……まるで鏡写しのようです」
一方、翠琳は無表情のまま首をわずかに傾ける。
「どういうことなの? 説明して」
その淡々とした問いに、真玲は苦笑を浮かべながら肩をすくめた。
「あ~、話せば長くなるんだけど……💦」
そして――
「じい!」
本物のアストリッド王女が姿を現した。
老執事は目を見開き、慌てて膝をつく。
「姫、今までいったいどちらに!?」
「お小言なら後で聞きます」
ぴしゃりと遮るアストリッド。その声音は柔らかいが、有無を言わせぬ力があった。
「今はそれよりも――」
彼女はゆっくりと光花の前へ歩み寄る。
二人の少女が向き合う。
まるで鏡合わせのように、同じ顔がそこにあった。
光花は目をぱちぱちさせながら首を傾げる。
「あ、あなたは……?」
その問いに、アストリッドは深く頭を下げた。
「光花さん。今日は私のために大変なご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません」
その姿は、王女としての威厳と、一人の少女としての誠意が混ざり合ったものだった。
「心よりお詫び申し上げます」
「え、えぇ~!? い、いえいえそんなぁ!💦」
突然の丁寧すぎる謝罪に、光花は逆に慌てふためく。
そのやり取りを見て、場の空気がわずかに緩んだ。

――ひとまずの収束。
誰もがそう思った、その時。
「……おい」
低い声が、遼馬の耳元に落ちる。
振り向くと、段十郎が顎で廊下を指していた。
「ちょっと面を貸せ」
「……? あ、あぁ……」
遼馬は戸惑いながらも頷き、二人は部屋を出る。
扉が静かに閉まると同時に、豪華な室内のざわめきは遮断され、廊下の静寂が支配する。
段十郎は壁にもたれ、ポケットに手を突っ込んだまま、遼馬をじろりと見た。
その視線は、値踏みするように鋭い。
「さて……」
かすかに煙草の匂いを残しながら、彼は口を開く。
「お前――どこまで分かってる?」
その問いは、ただの確認ではなかった。
これから踏み込む“何か”を予感させる、重い響きを帯びていた。
(つづく)
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