人気アイドルグループ『Lumière³』の亜斗夢重工CM起用が決まり、社長の綾瀬秀太郎が直々に撮影現場視察のため沖縄まで出向くことになり、それに追随する形で皆上遼馬、綾瀬早弥香、西沢基樹、惣司陽莉、ルナ=ハートウェルの5人も沖縄へやって来る。早弥香とLumière³が接触している現場をカメラに収めようとした三枝万蔵も、基樹たちが連携プレイで撃退。その後、海での楽しいひと時を過ごす遼馬たちだったが、その翌日にLumière³が忽然と失踪したとの報せが!?
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
Aパート
ダンススタジオの前には、沖縄県警のパトカーが数台停まっていた。
規制線はすでに撤去されつつあったが、制服警官や鑑識員たちはまだ最後の確認作業を続けている。
しばらくして、鑑識主任が書類を閉じる。
「現場検証は以上です。関係者以外の立ち入りも許可します」
その言葉を受け、皆上遼馬たちはスタジオの中へと入っていった。
井幡寛奈はホテルへと先に戻り本部との連絡役を務めているため、この場にいるのは遼馬、綾瀬早弥香、ルナ=ハートウェル、惣司陽莉、西沢基樹の五人だけだった。
昨日までLumière³がリハーサルをしていた稽古場。
壁一面の大きな鏡。
木目のフローリング。
天井のスピーカー。
バレエバー。
どこにでもある、ごく普通のダンススタジオだった。

「……昨日、この部屋で三人が消えたんだよな。」
遼馬は部屋を見渡しながら呟く。
ルナは鏡の前まで歩いていき、ガラスを軽く叩いた。
「鏡の裏に隠し部屋とか……ないよね。」
コン、コン。
返ってくるのは乾いた音だけ。
基樹は壁際のコンセントや照明のスイッチを片っ端から確認している。
「秘密のエレベーターとか床下収納とか、そういうギミックでもありゃ面白いんだけどなぁ。」
「面白くないですよ、師匠。」
陽莉が呆れ顔でツッコミを入れる。
「誘拐事件なんだから。」
「冗談だって。」
そう言いながらも基樹は床を踏み鳴らし、空洞がないか確かめ続けていた。
一方、早弥香は昨日、自分たちがLumière³と話した時のことを思い出しながら、静かに鏡を見つめていた。
(まさか……鏡の中に吸い込まれたとか……。)
「そんなわけないか…」
小さい声で独り言のように呟く早弥香。
遼馬も部屋を一周して大きく息を吐いた。
「ダメだ……。」
「怪しい物は何一つない。」
「完全に行き詰まりだな。」
その時だった。
ガチャッ。
スタジオ入口のドアが開いた。
「失礼しまーす。」
聞き覚えのある女性の声。
全員が一斉に振り返る。
「……え?」
そこへ入って来たのは――
浅羽優鶴。
逢澤心音。
昨日まで行方不明だったLumière³の三人だった。

「「「えぇっ!?」」」
遼馬たちは思わず声を上げる。
女性マネージャーが駆け寄った。
「あなたたち、一体どこへ行ってたの! どれだけ心配したと思ってるの!💢」
だが――
麗衣奈は面倒くさそうに前髪をかき上げた。
「あー、うるさいなぁ。
帰ってきたんだから別にいいでしょ?」
その投げやりな口調に、マネージャーは固まる。
「れ、麗衣奈……?」
優鶴も腕を組み、ため息をつく。
「朝から説教とか最悪なんですけど。」
「ライブ中止になったくらいでそんな騒ぐことですか?」
ライブ中止ともなれば相当な損害が出ているはずだが、心音に至っては鼻で笑っている有様。
「ふん。」
「ほんっと面倒。」
スタッフたちは互いに顔を見合わせる。
「どうしたんだ、三人とも……」
「何かあったのか……?」
しかし三人は誰の心配にも耳を貸さない。
まるで周囲の人間などどうでもいいと言わんばかりの態度だった。
遼馬も言葉を失う。
(昨日の三人と……全然違う。)
昨日、自分たちに気さくに接してくれた彼女たち。
早弥香の話を笑顔で聞き、恋愛相談を一緒に盛り上げてくれた三人。
目の前にいる彼女たちは、それとは似ても似つかなかった。
その時。
麗衣奈の視線が、早弥香とぶつかった。
「……。」
数秒。
沈黙。
そして麗衣奈は冷たく言い放つ。
「なに? なんか用?」
まるで他人を見るような目だった。
早弥香は思わず一歩引く。
「……い、いえ……別に。」
その横で心音が鼻を鳴らす。
「ふんッ。」
それだけ言うと、三人は遼馬たちなど眼中にない様子で控室の方へ歩いていってしまった。
重苦しい空気だけが、その場に残った。
結局、Lumière³の三人は無事に戻ってきた。
事件そのものは一応の「解決」を見たことになる。
遼馬たちも、それ以上スタジオに残る理由はなく、ホテルへの帰り道を歩いていた。
沖縄の青空。
眩しい日差し。
だが五人の表情は晴れなかった。
ルナが最初に口を開く。
「何なの、あの態度!
昨日とは別人じゃない!」
基樹も肩を落とす。
「結局さぁ……。
普段の天使みたいな笑顔も、全部ファン向けの営業スマイルだったってことか。」
陽莉も残念そうに俯いた。
「なんか……幻滅しちゃった。」
三人とも落胆を隠せない。
しかし。
早弥香だけは黙って歩いていた。
(違う。)
(あれは違う。)
昨日、自分が出会った三人。
恋愛相談のラジオ投稿を覚えていてくれた。
自分を一人のファンとして温かく迎えてくれた。
あの優しい笑顔。
あの柔らかな話し方。
(あんな人たちじゃない。)
胸の奥がざわつく。
まるで誰か別の人間になってしまったような違和感。
いや――
“別人”。
その言葉が頭から離れなかった。
早弥香は急に足を止める。
「……ごめん。」
全員が振り返る。
「忘れ物しちゃった。
遼馬たちは先にホテルへ戻ってて!」
遼馬が怪訝そうに眉をひそめた。
「早弥香……?」
「何忘れたんだ?」
「すぐ戻るから!」
それだけ言うと、早弥香は踵を返した。
「あっ、おい!」
遼馬が呼び止める間もなく、彼女はスタジオの方向へ駆け出していく。
風に黒髪をなびかせながら、一人で。
遼馬はその背中を見送り、どこか胸騒ぎを覚えた。
「……早弥香。」
彼女の勘は、決して根拠のないものではない。
昨日、Lumière³と心を通わせたからこそ分かる違和感がある。
その違和感の正体を確かめるため、早弥香は再び、あのダンススタジオへと向かっていくのだった。
Bパート
ダンススタジオへ向かう道を、綾瀬早弥香は一人で駆けていた。
「昨日のあの人たちが、あんな態度を取るはずがない……」
胸の奥で膨らみ続ける違和感。
それを確かめずにはいられなかった。
スタジオに戻ると、スタッフたちの姿はほとんどなかった。
警察の事情聴取も終わり、ライブ中止の後始末に追われる者たちは、それぞれ別の場所へ移動しているようだ。
(控室……。)
早弥香は静かに廊下を進む。
すると、一番奥の控室から話し声が漏れてくるのが聞こえた。
(麗衣奈さんたち……?)
ノックしようとした手が止まる。
だが、その直後に聞こえてきた声は、昨日までの彼女たちとはまるで違う、冷たい響きを帯びていた。
思わず息を潜め、ドアの脇に身を寄せる。
――盗み聞きなどしてはいけない。
そう思いながらも、身体は動かなかった。

中から低い男の声が聞こえる。
「首尾は上々のようだな……。」
聞いたことのない声だった。
続いて麗衣奈の声がする。
しかし、その口調は昨日の優しい彼女とは似ても似つかない。
「ハッ。誰も我らを偽者とは疑っておりません。」
早弥香の目が見開かれる。
(……偽者?)
男は満足そうに笑った。
「今頃、本物は手筈通り、例の船へ運び込まれている頃合いだ。
武永照大姉も、この報告を聞けばお喜びになられるだろう。」
「……!」
聞き慣れない名前。
そして――
「全ては我ら竜門会のために!」
今度は心音の声。
だが、その言葉に込められた狂信的な響きに、早弥香の背筋が凍る。
(ロンメンフイ……?
例の船……?
いったい何のこと…?
それに、本物って……まさか……!)
昨日、自分たちと笑い合っていた三人こそ本物。
それに対して、今ドアを隔てたすぐ近くにいる、この三人は――
偽物だった。
その瞬間だった。
「誰だ!」
鋭い怒声が部屋の中から響く。
「そこにいるのは!?」
偽物の優鶴の声だった。
「――!!」
しまった。
早弥香は反射的に駆け出した。
廊下を全力で走る。
曲がり角を一つ。
さらにもう一つ。
心臓が激しく鼓動する。
(逃げなきゃ……!
遼馬……!)
だが、焦りのあまり、見慣れない通路へ飛び込んでしまう。
照明は薄暗く、コンクリートの壁が続いている。
まるで地下施設のような空間だった。
「ここ……どこ……?」
振り返る。
来た道も分からない。
さらに走る。
だが――
行き止まり。
コンクリートの壁が立ちはだかっていた。
「行き止まり……!?」
逃げ場がない。
「どうしよう……!」
肩で息をしながら後ずさる。
その時。
カツ……
カツ……
静かな足音が近付いてきた。
暗闇の向こうから、一人の少女が姿を現す。
浅羽優鶴。
いや――
“優鶴の姿をした何者か”。
彼女は優雅に微笑みながら歩み寄ってくる。
「あら、早弥香さん。
こんなところで何をしているの?」
まるで昨日と同じ、穏やかな笑顔。
その笑顔が、今は恐ろしく感じられる。
早弥香は必死に平静を装った。
「わ、忘れ物を取りに戻ったら……
建物の中で道に迷っちゃって……。」
笑顔を作る。
だが、相手は一歩も騙されていなかった。
優鶴は立ち止まり、ゆっくりと首を傾げる。
「……待ちなさい。」
空気が変わる。
「さっき、アタシたちの話を盗み聞きしていたのは……あなたでしょう?」
その笑顔が消える。
「このまま逃がすとでも思っているのか?」
次の瞬間。
優鶴の口元が、人間ではあり得ないほど大きく裂けた。

裂けた口の奥には鋭い牙。
瞳は妖しく光り、顔は悪鬼のように歪んでいく。
「……!」
早弥香は震えながら後退した。
「優鶴さん……。
やっぱりあなた……!」
それ以上、言葉は続かなかった。
恐怖に凍り付いた次の瞬間。
スタジオ中に少女の悲鳴が響き渡る。
「キャアアアッ!!」
その頃――
ホテルへ戻る道を歩いていた遼馬たち。
「しかし、本当に何だったんだろうな。」
基樹が腕を組みながら首を傾げる。
「さっぱり分かんねぇ。」
ルナも浮かない表情だった。
「早弥香、大丈夫かな……。」
陽莉も心配そうに振り返る。
その時だった。
遼馬の足がぴたりと止まる。
「……!」
頭の奥に。
誰かの声が響いた気がした。
『――遼馬、助けて!』
一瞬だった。
だが、聞き間違えるはずがない。
「あの声……!」
遼馬は思わず振り返る。
「今、早弥香の声が聞こえなかったか!?」
基樹は目を丸くした。
「え?」
「いや、別に……。」
ルナも首を横に振る。
「私は何も聞こえなかったけど……。」
陽莉も不思議そうに兄を見る。
「お兄ちゃん?」
だが、遼馬の表情は真剣そのものだった。
「間違いない。
あれは早弥香だ。」
そう言うや否や、踵を返す。
「ごめん!
俺もちょっと行ってくる!」
「えっ!?」
陽莉が慌てて声を上げる。
「どうしたのお兄ちゃん!?」
「おい待てよ遼馬!」
基樹が呼び止める。

しかし遼馬は振り返らない。
人混みをかき分け、
信号も、
雑踏も、
何もかも構わず全力で走り始めた。
「早弥香……!」
胸騒ぎが止まらない。
理由は分からない。
だが、本能が叫んでいた。
――急げ。
一秒でも早く。
「どうか無事でいてくれ!」
強く拳を握り締めながら、皆上遼馬はダンススタジオへ向かって全速力で駆け出した。

(つづく)
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