滞在中の都内のホテルから真夜中に脱走したヴァルクルンド王国のアストリッド王女は、SPに追われていたところをデート中だった皆上遼馬と綾瀬早弥香に助けられる。アストリッドのお忍びに付き合わされることになった遼馬と早弥香だったが、3人で訪れた神社で弥御影一族に襲われて…。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
Aパート
竹林の奥へ――。
遼馬に言われるがまま、綾瀬早弥香は必死に駆け込んでいた。
細く伸びる竹が密集するその場所は、外界の喧騒を遮断するかのように静まり返っている。だが、その静けさが逆に恐怖を際立たせていた。
(大丈夫……きっと大丈夫……!)
胸の鼓動がうるさいほどに高鳴る。
息を潜め、身を低くして、ただやり過ごす――そのはずだった。
――ザッ。
「……っ!」
足音。
一つではない。複数。
振り返った瞬間、黒装束の影が視界に飛び込んできた。
見つかった。

「……!」
反射的に走り出す。
竹をかき分け、足場の悪い地面を蹴る。
だが、普段運動しているとはいえ、戦闘のための逃走ではない。
焦りが足をもつれさせる。
「きゃっ――!」
つまずいた。
体が前のめりに倒れ、地面に手をつく。
砂と小石が掌に食い込む。
振り返る。
忍者が、すぐそこにいた。
無言のまま、刀を抜く。
陽光を反射する刃が、冷たく光った。
「い、いやっ……!」
後ずさる。
だが、背中はすぐに竹にぶつかる。
逃げ場はない。
「……来ないで!!」
叫びと同時に、忍者が踏み込む。
振り上げられる刀。
そして――振り下ろされる。
「キャアアッ!!」
思わず目を閉じた、その瞬間。
――ビシィッ!!
空気を裂く異音。
何かが弾けるような衝撃音と共に、忍者の体が横へ吹き飛んだ。
「……えっ!?」
恐る恐る目を開ける。
目の前で倒れている忍者。
そして――
その向こうに立つ、二人の少女の姿。
「大丈夫ですか?」
柔らかく、それでいて凛とした声。
銀色の長い髪が風に揺れる。
透き通るような青い瞳。
白いロングシャツにショートパンツという軽装ながら、どこか気品を感じさせる佇まい。
手には、ルーン文字が刻まれた杖――ワンド。
「あ、あなた方は……!?」
早弥香が戸惑いの声を漏らす。
その横で、もう一人の少女が一歩前に出た。
長い黒髪をなびかせた、大和撫子然とした美しい女性。
薄桃色のブラウスに黒のミニスカート、そして黒いニーソックス。
その手には――木刀。
「リネア、周囲にまだいるね」
穏やかな声音。
だが、その目には鋭い光が宿っていた。
「ええ、複数確認しています」
リネアと呼ばれた銀髪の少女が頷く。
「殺しちゃ駄目ですよ、真玲さん」
「わかってる、だから木刀持ってきた」
あっさりとしたやり取り。
だが、その余裕が、彼女たちの実力を物語っていた。

「女子如きに……我らも舐められたものよ!」
残る忍者たちが姿を現す。
竹林の影から、次々と。
「返り討ちにしてくれる!」
数で言えば、圧倒的に不利。
だが――
「下がっていてください」
リネアが早弥香の前に一歩出る。
その声音は優しく、しかし確固たる自信に満ちていた。
「ここから先は、私たちが引き受けます」
真玲もまた、木刀を軽く構える。
その所作は、まるで舞のように美しく、無駄がない。
「怖がらなくて大丈夫よ」
ふわりと微笑む。
「すぐに終わるから」
その瞬間――
空気が変わった。
リネアのワンドに、淡い光が灯る。
刻まれたルーンが青白く輝き、魔力が収束していく。
「――ᚠ(フェフ)」
小さく呟く。
次の瞬間、光弾が放たれた。
一直線に走り、忍者の一人を正確に撃ち抜く。
「ぐあっ!」
同時に――
真玲が動いた。
地を滑るように踏み込み、一瞬で間合いを詰める。
――スパンッ!
鋭い音。
木刀が振り抜かれ、忍者の手首を打つ。
刀が宙を舞う。
さらに一歩。
返す刀で胴を打ち、相手を地面に叩き伏せる。
「次」
静かな一言。
だが、その声音は戦いの中でわずかに高揚していた。
竹林に響く、打撃音と魔法の閃光。
圧倒的だった。
数の差など、意味をなさない。
リネアの精密な魔法と、真玲の流れるような体術と剣術。
それはまるで、計算され尽くした舞踏のようだった。
その背中を見つめながら、早弥香は呆然と立ち尽くす。
(なに……この人たち……)
恐怖よりも先に、驚きが勝っていた。
自分とはまるで違う世界に生きる人間たち。
だが――
その二人が、今、自分を守っている。
それだけは、はっきりと分かった。
竹林の戦いは、まだ終わらない。
だが、その流れは――すでに決していた。

Bパート
一方その頃、夕暮れの帰り道。
ショッピングモールでの買い物を終えた四人――阿佐光花、ルナ=ハートウェル、西沢基樹、惣司陽莉は、歩道をのんびりと歩いていた。
「今日はいっぱい買っちゃったねぇ」
両手に紙袋を提げた光花が、のんびりと笑う。
「ほんとですねぇ、ミツハ先輩。でも楽しかった!」
ルナが嬉しそうに応じる。
「次はあのアニメショップも行きましょうよ! 師匠、今度は財布持ってきてくださいね!」
「おい待てあかりん、なんで俺がスポンサー扱いなんだよ……っていうかそもそも――」
西沢基樹は、両手いっぱいの荷物をぶら下げながら、肩で息をしていた。
「なんで俺がこんな目に……!」
「日頃の行いの結果だよぉ」
光花がにこにこと、まったく悪びれずに言う。
「うぐっ……!」
と、その時だった。
――ドンッ!!
「うわっ!?」
「きゃっ!?」
背後から突然、強い衝撃。
基樹と陽莉は、まるでボウリングのピンのように前へ押し出される。
黒いスーツの男たちが、二人を押しのけるようにして走り抜けていった。
「いててて……って、おい!!」
基樹が振り返る。
「何なんだよオッサンたち! 人にぶつかっといて謝罪もナシか――」
だが、その言葉は途中で止まった。
黒服の男たちは、そのまま前方へ。

そして――
光花へと一直線に迫る。
「王女殿下、このような場所におられましたか!」
「すぐにホテルにお戻りください!」
「えっ……?」
光花がきょとんとする。
「どちら様ですかぁ?」
「おいオッサン!話聞いてんのかよ!?」
基樹が詰め寄る。
次の瞬間。
「フン!」
――バキィッ!!
乾いた音。
「へぶっ!?」
基樹の顔面に、見事なストレートパンチが炸裂した。
そのまま彼は――
くるくるくる……
まるでスローモーションのように回転しながら吹っ飛び、
ドサッ。
綺麗に仰向けで着地。

目はぐるぐる、口からは「ぷしゅ〜……」と魂が抜けるような音。
完全に気絶である。
「し、師匠ぉぉぉ!?」
陽莉が悲鳴を上げる。
「モトキ、しっかりして!!」
ルナも慌てて駆け寄る。
だがその間にも――
「どうやらアストリッド殿下は気が動転しておられるようだ」
「やむを得ん。ご無礼を!」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってくださいよぉ!?」
光花の腕が、がっしりと掴まれる。
「な、何するんですかぁ!? やめてください! んぐむむっ!!」
手際よく口を塞がれ、そのまま羽交い絞めに。

すぐ横に滑り込むように停まった黒塗りの車。
ドアが開き――
そのまま、強引に押し込まれる。
バタンッ!!
ドアが閉まる。
車は何事もなかったかのように走り去った。
「…………」
一瞬の静寂。
「うそっ……!? もしかして誘拐!?」
ルナが呆然と呟く。
「師匠! 気絶してる場合じゃないですよ! 起きてください!!」
陽莉が基樹の頬をぺちぺち叩く。
「ううっ……ここは……天国……? 光花先輩が天使に……」
「現実です!!起きてください!!」
バチーンッ!!
「いってぇ!?」
ついに平手が炸裂。
基樹はビクンと跳ね起きた。
「な、何がどうなった……?」
「光花先輩が連れ去られたんです!!」
「はぁあああああっ!?」
ようやく状況を理解し、顔色が変わる。

陽莉はすでにスマホを取り出していた。
「急いで遼馬兄ぃに知らせないと!」
震える指で発信ボタンを押す。
呼び出し音が鳴る中――
三人の胸には、同じ不安が広がっていた。
これはただ事ではない。
そして、何かとんでもないことが起きている――と。
(つづく)
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