サバゲ―サークル「DRYADES」の新規加入メンバーである上江洲紗樹は、夜に自宅近くで変質者に襲われたところを星彩のルミナに救われた。それ以来、紗樹はルミナの熱烈なファンとなる。
しかしその後、女子大生を狙った新たな拉致監禁事件が発生。アスカロン財団の加藤段十郎も喫茶店Lilyに姿を現し、またDRYADES代表を務める羽鳥瑠璃華の発案で学生たちによる自発的な夜間パトロールも始まり、事態は俄かに動き出す。
小寺洸介と別城寿莉愛は、D地区をパトロール中、怪しげな不審車を目撃し、その車が敷地内に入って行った廃墟ホテルの内部へと潜入するが、ホテルから脱出直前に寿莉愛は行方不明となり、洸介は加藤段十郎と再会する。しかしその頃、羽鳥瑠璃華たちは、埼玉県警の則元刑事によって夜間パトロール隊を強制的に解散させられてしまうが、瑠璃華はその後単独行動を開始、そして笹南侑衣梨と意外な形でペアを組むことに。加藤段十郎も敵のアジトの廃墟ホテルで鷹松優姫と合流した。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
段十郎と優姫
地下深くに造られた秘密指令室。
薄暗い室内に、青白いモニターの光だけが浮かび上がっていた。
壁一面に並ぶ画面には、廃墟ホテル一階ホールの様子が映し出されている。
倒れ伏す部下たち。
その中央に立つ、加藤段十郎と鷹松優姫。
それを眺めながら、スペクター=エヌは、どこか拍子抜けしたような声を漏らした。
「……あれれ~。みんな、やられちゃったじゃないかぁ……」
まるでゲームのキャラクターが全滅したかのような、軽い口調だった。
隣で腕を組むヴォルフ大佐は、感情の読めない無表情のまま、短く告げる。
「すぐに、次の部隊を繰り出す」
その瞬間、エヌは片手をひらりと上げて制した。
「待ってよ」
ヴォルフのほうを振り返り、口元に薄い笑みを浮かべる。
「ここはさ……俺に任せてもらえないかな?」
「……ほう?」
「せっかくアスカロン財団の凄腕エージェントが来てくれてるんだ。
直接、遊ばせてもらわないとね」
エヌの目が、モニターの中の段十郎を捉えて、静かに細くなる。
*
一方、廃墟ホテル一階ホール。
静寂が戻ったかに見えたその場所で、鷹松優姫はジャケットの内ポケットから一枚の写真を取り出し、段十郎の前に差し出した。
「この男よ」
写真に写っているのは、無表情でこちらを見つめる三十代後半の男だった。
「“Specter_N”。
本名、久遠寺直哉。三十七歳」
淡々と、しかしはっきりと告げる。
「大手セキュリティ企業で天才技術者として有名だったけど、社内の女性社員への執拗なストーキングが発覚して、三年前に解雇。
その後は裏社会に潜って、ハッキング、監視システムの乗っ取り、個人情報の売買、企業へのサイバー攻撃……そういう仕事を専門に請け負っている闇の技術者よ」
段十郎は、写真を一瞥しただけで視線を戻す。
「……この男が、今回の件にも絡んでいるってわけか」
「ええ。その可能性は高いわね」
優姫の表情が、わずかに険しくなる。
「彼の異常性は、ただの“技術者の転落”なんかじゃない。
対象を観察して、支配して、人生を壊していく……それ自体に快楽を覚える、かなり歪んだタイプよ」
短い沈黙のあと、段十郎はふっと鼻で笑った。
「なるほどな」
そして、無造作に言い放つ。
「後は俺が引き受ける。
女刑事さんは、さっさと帰んな」
「……はぁ?」
優姫のこめかみに、ぴくりと青筋が浮かぶ。

「何言ってるの?
私が来なかったら、あなたさっき撃たれてたかもしれないんだけど?」
「助けてくれと頼んだ覚えはないがな」
「くっ……こいつぅ~ッ……!!💢」
思わず拳を握り締める優姫。
だが、その瞬間だった。
――低く、耳障りな電子音。
ブゥゥン……という羽音のような振動が、四方から迫ってくる。
二人は同時に顔を上げた。
崩れた天井の隙間、廊下の奥、吹き抜けの上部。

暗闇の中から、赤い小さな光を点滅させながら、小型の武装ドローンが次々と姿を現す。
一機、二機ではない。
十数機の群れが、ゆっくりと円を描くように、二人を包囲していった。
「……チッ」
段十郎が舌打ちする。
優姫も即座に拳銃を抜き、段十郎の背中側へと移動した。

自然と、互いの背中を預け合う陣形になる。
銃口の先には、無機質なレンズがずらりと並んでいる。
段十郎が低く言った。
「どうやら、口喧嘩してる暇はなさそうだな」
優姫は、視線を前方のドローンから外さずに、力強く答える。
「ええ……」
そして小さく息を吸い、
「やってやるわ!」
夜の廃墟ホテルのホールで、
人間と機械の、静かな殺気が正面からぶつかろうとしていた。
《エトワール・ブレイザー》実戦初起動
廃墟ホテルへと続く、ひび割れたアスファルトの道。
深夜の冷たい風の中を、リネア=フリーデン=ヴァイサーと星彩のルミナは並んで駆けていた。
遠くに見える、黒く沈んだホテルのシルエット。
その上層階の窓に、まだ不気味な灯りが瞬いている。
そのとき――
ルミナが、不意に足を止めた。
「あっ! リネアさん! あれを見て!」
指差した先。
闇の中から、赤い点滅光がいくつも浮かび上がる。
「……あれは!?」
リネアが息を呑んだ次の瞬間だった。

ブゥゥゥン――!
金属的な羽音とともに、建物の影や街路樹の上から、小型武装ドローンの群れが一斉に姿を現した。
まるで二人を狙い定めていたかのように、正確な編隊を組みながら急降下してくる。

リネアが即座に前へ出る。
片手を突き出し、空中に淡く輝く魔法陣を描いた。
「――ルーン展開。《防護陣・ティル》!」
青白いルーン文字が幾重にも重なり、二人の前方に半透明の結界が形成される。
直後。
バチッ、と乾いた閃光が弾け、ドローンの放った攻撃が結界に阻まれた。
だが、数が多すぎる。
「……さすがに、物量戦ね」
リネアが小さく歯噛みした、その横で。
ルミナが、静かに一歩踏み出した。
「リネアさん……私、やります」
「ルミナ?」
胸元の星型ブローチが、やわらかな光を帯びる。
ルミナは両手を胸の前で重ね、深く息を吸った。
「――展開。星律兵装……」

次の瞬間。
彼女の背後の空間が、きらめく星屑のように歪んだ。
「《エトワール・ブレイザー》!」
光の奔流とともに、複数の星型ユニットが次々と現れる。
小型でありながら、幾何学的な装甲と魔力結晶のコアを備えた、浮遊式魔導兵器群。
宇宙魔術と感情波動を融合させた、意思を宿す魔力結晶体メカ――
《エトワール・ブレイザー》。
それはまるで、ルミナの心に呼応するかのように、静かに空中へと散開した。
「……これが……」
リネアが思わず息を漏らす。
初の実戦投入。
だがルミナの表情に、迷いはなかった。
「お願い……みんな!」
彼女の声に応えるように。
星型ユニットが、一斉に淡い金色の軌跡を描いて飛翔する。
キィン――ッ!
鋭い高音とともに、正確無比なビームが放たれた。
一機、また一機。
ドローンのセンサーと推進部を狙い撃つように、星の光が次々と貫いていく。
爆音ではなく、静かな光の閃き。
だが、確実にドローンは制御を失い、夜空の中で力なく落下していった。
「……自律制御……しかも、反応が速い……!」
リネアは、即座に状況を見抜く。
「ルミナ、左上から三機来るわ!」
「はいっ!」
ルミナが視線を向けるよりも早く、
《エトワール・ブレイザー》の一体が、まるで意思を読んだかのように進路を変更。
旋回しながら光弾を連射し、迫ってきた三機をまとめて撃墜する。
「……すごい……」
リネアは小さく笑った。
「兵器というより……まるで、あなたの仲間ね」
「……はい」
ルミナは、少しだけ照れたように微笑む。
「みんな、私の気持ちに応えてくれるんです」
だが、戦いは終わっていない。
別方向から、さらに新たなドローンが現れ、二人を包囲しようと高度を下げてくる。
「数で押してくるつもりね……」
リネアは両手を広げ、今度は複数の魔法陣を同時に展開した。
「なら、こちらも遠慮はしないわ」
空中に刻まれたルーンが、次々と光を帯びる。
「ルミナ、合わせるわよ!」
「はい!」
星の兵器と、北欧のルーン魔法。
二つの力が交差する。
夜の廃墟ホテルの前で、
人知れず、もう一つの激しい迎撃戦が始まろうとしていた。
(つづく)

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