大量誘拐作戦!?　その七

立体映像の罠

「イヤァァァッ!!　助けて―!!　助けて―!!」

両手両足を鎖につながれて身動きできず、このまま獰猛なエイリアンモンスターに食べられてしまいそうな鳳凰院優。笹南侑衣梨の道案内でその現場を発見した彼女の親友の漆崎亜沙美は、考えなしで優の側に駆け寄っていく！

「待ってて優！　すぐに助けるからッ！！」
「待って！　不用意に近づいてはいけないわッ!!」

同行していた鷹松優姫が止める暇もなく、亜沙美は囚われの優を一刻も早く救うべく彼女に飛びつこうとする。しかし……

「あ、あれっ？…あれれ？?」💦

優の身体に触れようとした亜沙美は、なぜか優の身体を幽霊のようにすり抜けてしまうのだ。それだけでなく、何故か優は亜沙美を見ても無反応で、まるだテープレコーダーを再生しているかのように「イヤァァァッ!!　助けて―!!　助けて―!!」という一字一句に至るまで全く同じセリフをさっきからずっと何度も繰り返している。

「もしかして立体映像！？」
「亜沙美ちゃん！　すぐに彼女から離れて！　これは罠よ！！」
「……えっ！？」

だが気づいた時は既に遅し。亜沙美、侑衣梨、優姫の立っている地面が一気に崩れ出し、3人は悲鳴と共に奈落の底へ……。

「しまった！？　キャアアッ！！」
「イヤァァァッ！！」
「キャアアッ！！」

宇宙へ

“品評会”は終わった。おかめ党の秘密基地から引き揚げていくクライアントたち。そして今回最も多くの“商品”を“落札”した悪の異星人・ハント星人は、大勢の囚われの美少女たちを自分たちの宇宙船に乗せて、太陽系から旅立つ前にまずは地球の静止軌道上に浮かんでいる極秘の宇宙ステーションへと立ち寄ろうとする、そう、石鼠が天岸アンジェリカ愛優美を人質にして陣取っているあの宇宙ステーションである。

「んんー!!　んんー!!」
「んむむぅぅー!!」

ようやく再会を果たせた漆崎亜沙美と本物の鳳凰院優だったが、その場所がこれから宇宙に連れ去られようとしている美女たちを乗せた悪の異星人の格納庫であるとは皮肉な話だ。

「生体サンプルの積み込みヲ急ゲ！」
「コレヨリ宇宙ステーションに向ケテ発進スル！」

次回、いよいよ宇宙ステーションにて元凶・石鼠と決戦か！？
大量誘拐作戦のクライマックスが迫る！！

つづく。