アスカロン財団のライトシーカー、テリーサ=エリスとマッテオ=ラファエロ=グラツィアーニの二人は、巷で活躍しているという謎のスーパーロボットの調査をするために、常夏の楽園パシフィックゲートウェイ島に上陸した。謎のロボット「アクアライザー」と中村弘樹との関りを解き明かすため、単身エバーグレン高校に潜入したテリーサだったが、ネオブラックマフィアの怪人ヴェノムデビルに捕らえられてしまった!
マッテオ、動く!
テリーサがエバーグレン高校の中に潜入してしばらく時間が経った時のこと、校門の外で彼女が戻るのを待っていたマッテオの脳裏に、一瞬予知のビジョンが浮かんだ。教室に忍び込んだテリーサの背後に志賀野紗季が近づき、彼女を気絶させてどこかへと連れ去るという内容だった。
「テリーサが危ない!」
テリーサに危機が近づいていることを感じ取ったマッテオは、すかさず高校の校舎へと向かう!
「すみません! 見学です!」
「…ちょ、ちょっと君! 見学者ならこれに氏名を書いてもらわないと!!💦」
警備ゲートを強行突破して、テリーサのいる教室を探すマッテオ。その時、マッテオの胸元の携帯に着信音が鳴った。送信主はテリーサからだ。
「テリーサ、まだ無事ですか!?」
『もしもし神父! 緊急事態なの! 友美さんが! うっ…!?』
「もしもし!テリーサ!どうしましたか!?テリーサッ!!」
突然テリーサからの音声が途切れて、何かが壊れるような音がした瞬間、電話は一方的に切れてしまった…。
「くっ、遅かったか…! このままではテリーサが!!」
尚もテリーサの姿を探し回るマッテオ。そして駐車場の前を通りかかった時だった。再度マッテオの予知能力が作動し、気を失っているテリーサを肩に担いだ紗季が、駐車場に停めてある車の後部座席に彼女を乗せ、その車を運転してどこかへと走り去るビジョンが浮かんだ。
「この車か…」
目の前に駐車してある乗用車をくまなく調べるマッテオ。するとたまたま車のトランクの鍵が開いていたので、彼は迷うことなく即断でトランクの中に忍び込んだ。それから2~3分くらい経過した後、マッテオが予知した通りに紗季がテリーサを連れて来て一緒にその車に乗り込み、発進してどこかへと出発したのだった。
廃墟の中
「………(いったいどこへ向かっているんだ…?)」
トランクの中で息を潜めて隠れているマッテオ。やがて車はブライトバレー市内のどこかにある廃墟の建物に到着。運転席から降りた紗季は、眠ったままのテリーサを再び担ぎ上げ、建物の中に入って行った。慎重に周囲の様子を見ながら、マッテオは車のトランクの中から外へと出る。
「テリーサはこの中に……」
マッテオは廃墟の中に潜入して、テリーサの姿を探す。途中、戻って来た紗季とすれ違いそうになるが、咄嗟に隠れて上手くやり過ごす。
「あの紗季さんは、やはり偽者なのか…? だが、今はそれよりもテリーサを!」
あの紗季を尾行したい気持ちもあったが、今は相棒の救出を優先しなければならない。紗季が廃墟からどこかへ外出して行ったのを確認し、再びテリーサの捜索を続行するマッテオは、やがてとある一室に辿り着く。そこにはテリーサだけでなく、弘樹の姉である中村友美まで一緒に捕まっていた!

背景は、Stable Diffusion Onlineで生成しました。
「んぐむぐぅぅ~っっ!!」
「んんっ!!んむむ~っ!!」
「テリーサ!? 友美さん!?」
縛られて猿轡を口に嵌められていたテリーサと友美の姿を発見したマッテオは、すぐに彼女たちの傍へと駆け寄り助け出そうとするが、テリーサの口から猿轡を外した瞬間、彼女の口から驚きの意外な一言が――!?
「ちょっと待った! 神父、せっかく助けに来てくれたのに悪いんだけど、このままにしといてくれる?」
「ハァ!? 何を言っているんですかテリーサ!💦」
「もう気づいてると思うけど、あの紗季さんはネオブラックマフィアの怪人が化けた偽者よ。まだ本物の紗季さんがどこかに捕まっているらしいの。本物の紗季さんの居場所を突き止めるまで、私はもうしばらく捕まったふりをしてたいのよね」
「ダメです。危険すぎます。第一、友美さんはどうするんです!?」
友美の方に視線を向けるマッテオ。テリーサと同じく猿轡を外してもらった友美も、テリーサと一緒に自分もこのまま残ると言い出した。
「私だってジャーナリストの端くれです! ヒロくんを怖い目に遭わせたネオブラックマフィアの尻尾を掴むまでは、逃げる訳にいきません。多少の危険は覚悟の上です!」
「早く猿轡を口に嵌め直してよ。さもないと大声出すわよ」
「…分かりました。分かりましたよ。やれやれ…ですが、くれぐれも無理をしてはいけませんよ?」
マッテオはテリーサに言われるがまま、仕方なく彼女たちの口に猿轡の布を噛ませ直すのであった。
つづく。
コメント
おおー異例展開‼本物の紗季さんの居場所を確認するまでは放置してほしいと捕らわれのお二人、さすがにマッテオ神父は戸惑っておりますが、管理人様を初めここに集う方々は好事のまなざしを持ってじっくりと眺めることでしょう。理想的な美を継続させてくれる二人は偉い‼と言わせていただきましょう。
「敵の内情を探るためにわざと捕まってるから、まだ自分を助けないで!」的な展開が、ここまで好評を得られるとは正直思いませんでした。やっはりDIDマニア的には「ヒロインには早く助かってほしくない」ということですかね( ̄ー ̄)ニヤリ
予知能力が良い所で発動、テリーサちゃんの危険を察知したマッテオ神父が動き出すが、一歩遅く誘拐されてしまうテリーサ、だが誘拐に使われる車を予知の能力で察知して、それが動き出すより先に乗り込むマッテオ神父、マッテオ神父の能力が上手く使われているのが良いですね!
そして監禁場所に辿り着いたマッテオ神父がテリーサちゃんと友美さんを助けようと猿轡を外すが、返ってきた言葉は、
>「ちょっと待った! 神父、せっかく助けに来てくれたのに悪いんだけど、このままにしといてくれる?」
なんて素晴らしい答えだ!いや、彼女達はもう1人捕らわれている紗季さんを助け出すため、その監禁場所を突き止めるために囮になると言ってくれている訳なのですが、テリーサだけでなく友美さんもそれに賛同してくれているとは、流石捕まり慣れてるだけ根性据わってますね!
これでしばらくはこの2人の緊縛猿轡姿が見られるのは嬉しいことですね、でも、その間マッテオ神父は何をすればよいのやら…とりあえず再びトランクに丸まってることになりそうですね(笑
> 予知能力が良い所で発動、テリーサちゃんの危険を察知したマッテオ神父が動き出すが、一歩遅く誘拐されてしまうテリーサ、だが誘拐に使われる車を予知の能力で察知して、それが動き出すより先に乗り込むマッテオ神父、マッテオ神父の能力が上手く使われているのが良いですね!
実は上手く書けるか自信がありませんでしたが、ここで相棒の危機にマッテオ神父が何もしないと、マジで彼がただのお荷物になってしまうので、なんとか彼の予知能力が活躍する余地を挿入できたのはよかったです。これもchatGPTの力を借りたおかげですね(;^_^A アセアセ・・・
> でも、その間マッテオ神父は何をすればよいのやら…とりあえず再びトランクに丸まってることになりそうですね(笑
とりあえずテリーサには別れ際に発信器を渡してありますので、仮にマッテオが目を離した隙に彼女たちが別の場所に移動させられたとしても、いつでも追尾は可能な状況です。
さすがにいつまでもトランクの中に引きこもっている訳にもいきませんので、まずはお姉さんのことを心配しているであろう弘樹くんのところに事情を説明に行かねば。
連縛美少女を間近に見るだけでも羨ましいのに、猿轡を外す&つけ直すまでやってのけるとは・・・おい、俺に代われ神父(# ゚Д゚)
結構このシーン、皆様からの評判がいいみたいです(^_^;)