BRAVERS EDITION　episode.15

エターナルフレンド再び！？

「先生、やっぱり綾塚さんの姿がどこにも見えません！」
「音祢ったら、いったいどこ行っちゃったのかしら…」

鷺島国際大学報道部の協力もあり平静を取り戻しつつあったビル内の民間人たちだったが、その中で社会科見学ツアーに来ていた埼玉県立琥珀高校の生徒たちを引率の教職員が点呼を取ったところ、女子生徒の一人――綾塚音祢がいなくなっていることに気づいた。教職員や音祢の女友達も心配する中、同じ見学ツアーに参加していた男子生徒の柏葉章介はというと――

「綾塚がいなくなったのか…。アイツ相変わらず天然なところがあるからなぁ～。よぉーし！」

章介は何を思ったのか、リュックの中に詰め込んでいたエターナルフレンドのコスプレ着替えセット一式を持って男子トイレの個室の中に駆け込んだ！

管制室の謎

「誰もいない…？」

管制室へと辿り着いた錦織佳代。しかしそこは、もぬけの殻であった。そこで佳代は、管制室デスクのチェアの座板に敷かれたクッションにそっと手を当ててみる。

「まだ温もりがあるわ。さっきまでここに誰かいた証拠。そう遠くには行っていないはず…」

実はすぐ近くに寺瀬詩郎と綾塚音祢、そして二人を捕らえているベラドンナの一味が身を潜めつつ佳代の様子を窺いながら隠れていたのだ！

「んんっ！んっ！んーんーっ！！（佳代さん、俺たちはここだ…！）」
「んんむむっ！！ んむむーっ！！（お願い！ 気づいて！！）」

「おいっ💦 二人とも静かにしろッ！ コイツでズドンッと撃たれたいのか!?💢」

暗闇の中で常に銃口を突きつけられて脅されているため、扉のすぐ向こうにいる佳代に思うように自分たちの存在を伝えられず、詩郎と音祢は焦りつつもどかしい思いを募らせる。
その時、ふと佳代は、管制室に隣接している守衛用の休憩室の扉が不自然に少し開いていることに気がついた。

「もしかして…そこに誰かいるの？」

警戒しながら扉へと慎重に近づき、休憩室の中へと踏み込んで明かりをつける佳代。しかしそこにも人は誰もいなかった。

「…何だ。結局空振りかぁ～」

この瞬間、一瞬だけ警戒心を解いてしまった佳代の隙を、扉の裏側に隠れていた累児は見逃さなかった。

「――ハッ!? …うっ!!」

背後に人の気配を感じ取った時には既に遅く、佳代は累次によって素早く手刀を首筋に打ち込まれ、その場に気絶して倒れてしまった。

「へへへ…いっちょあがり♪」(￣ー￣)ﾆﾔﾘ

実は詩郎と音祢は休憩室ではなく、その反対側の物置の中に閉じ込められていたのだ。こうして佳代もベラドンナの手に落ちてしまった。

報告

携帯電話で累児から報告の連絡を受けている、ベラドンナの狩人ハンター・紅虎。

「…なるほど、すると例の女補佐官は捕まえたのね？」
{はい、ですがまだターゲットの傍にはレギウスが一人いるんスよ}
「レギウスか…そいつは確かに厄介ね。何とかターゲットから引き離せない？」
{分かりました。やってみます}
「アタシもすぐにそっちに戻るわ！」

クリスのすぐ傍にいて彼を守っている獅場俊一ことライオンレギウスを、何とかしてクリスの側近くから引き離すよう累児に指示を伝える紅虎。電話を切ると、縛られて口にガムテープを貼られた状態で座らされている柏村晴真の方を一瞥する。

「…んっ、んんっ！んーっ！んーっ！（…こ、怖くなんかないぞ！ きっとブレイバーズが助けに来て、お前なんかやっつけてくれるんだからな！）」
「フンッ、そんな怖い顔してこっちを睨むんじゃないわよ。しばらくの間出かけて来るから、ここで大人しく待ってなさい。くれぐれも逃げようなんて思うんじゃないわよ？」

縛られたままの晴真をこの場に一人置き去りにして、紅虎はブレイバーズ東京オフィスが入居している例のビルへと戻って行った。

つづく。

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