北関東某県にある蛇ノ谷村の公営キャンプ場へと合宿にやって来た、鷺島国際大学のテニスサークル「Seabreeze Aces」のメンバーたちだったが……。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
Aパート 蛇ノ谷村の注意事項
蛇ノ谷村での夏合宿が始まって、しばらく。
昼前のキャンプ場は、蝉の声と学生たちの話し声に包まれていた。
その一方で、キャンプ場の管理棟では、三神玲央が管理人から説明を受けていた。

「では、これがテニスコートの出入り口と用具室の鍵です」
そう言って鍵を差し出したのは、蛇ノ谷村役場観光課の職員であり、このキャンプ場の管理人も務めている鹿渡崇志だった。
「ありがとうございます」
玲央は鍵を受け取る。
「テニスコートの利用時間については、先ほどお渡しした案内の通りです。用具室にはボールやネットの予備、それから簡単な整備用具などが入っています。使用後は必ず施錠してください」
「分かりました。みんなにも伝えておきます」
玲央が頷く。
鹿渡は穏やかに微笑んだ。
中年の、いかにも地方の観光課職員といった風貌の男だった。
ベージュの作業ジャケットにチェック柄のシャツ、黒いスラックス。
首からは職員証が下がっている。
一見すると、親切で物腰の柔らかな管理人。
しかし――。
よく見ると、その顔にはどこか疲れたような影があった。
「……あと、これは注意事項ですが」
「はい?」
鹿渡の表情が、ほんの少しだけ真剣になる。
「このキャンプ場から徒歩10分ほどの場所にある、蛇神神社には、なるべく近づかないでください」
「……蛇神神社?」
玲央が聞き返した。
「はい」
鹿渡は頷く。
「村の土地神様をお祀りしている神社なんですが……あの神社を信仰している村人の中には、村の外から来た人に対して排他的な人も多くて」
「なるほど……」
「観光客との間に、余計なトラブルを起こしたくないんですよ」
鹿渡は申し訳なさそうに頭を下げた。
「せっかく合宿に来ていただいているところ恐縮ですが、できれば神社の周辺には行かないよう、皆さんにも伝えていただけますか?」
「分かりました」
玲央は真面目な顔で頷いた。
「サークルの部員たちにも、俺からよく注意しておきます」
「ありがとうございます」
鹿渡は少しホッとしたような表情を浮かべる。
「どうも申し訳ありません。もうIT全盛の世の中だって言うのに、未だに『蛇神様の祟りだ!』と騒いでいて、閉鎖的な村人も多くてね」
「……祟り、ですか」
「ええ」
鹿渡は苦笑した。
「村の役場としても困っているんですよ。ハハハ……」
笑ってはいる。
しかし、その笑顔はどこかぎこちなかった。
玲央は一瞬、鹿渡の目を見つめた。
そこには、単なる困惑だけではない何かがあるようにも見えた。
「……?」
だが、玲央がそれを尋ねるより早く、鹿渡はいつもの穏やかな表情に戻っていた。
「では、私は管理棟におりますので。何かありましたら、いつでも声をかけてください」
「ありがとうございます」
玲央はもう一度頭を下げる。
「それじゃあ、失礼します」
管理棟を出ていく玲央。
その背中を見送った鹿渡は、しばらく無言で立っていた。
そして窓の外――。
木々の向こうに見える山へ、静かに視線を向ける。
「……今年も、何事もなければいいんだがな」
ぽつりと呟いた。
Bパート ダブルス対決
その頃、キャンプ場に隣接するテニスコート。
「よしっ!」
乾いた打球音が響いた。
パンッ!
羽柴蒼真のラケットから放たれたボールが、鋭い軌道を描いて相手コートへ飛んでいく。
「任せて!」
海老名碧斗が素早く前へ出る。
しかし――。
パシッ!
蒼真のショットは、碧斗の横を抜けていった。
「アウト!」
審判役の南條陽菜が声を上げる。
「あっ……!」
蒼真が苦笑する。
「惜しい」
ネット際にいた碧斗も笑った。
「今の、あとちょっとだったな」
「海老名、今のは取られると思った」
「いやいや、羽柴のショットが深かったんだよ」
ダブルスのコート。

蒼真と白川澪のペア。
対するのは、海老名碧斗と桐谷茜のペアだった。

「澪、次は俺が前に出る」
「うん、分かった」
蒼真の隣で、澪が頷く。
白いポロシャツにプリーツスコート。
黒髪のお団子三つ編みツインテールを揺らしながら、澪は落ち着いた表情で相手コートを見据える。
「蒼真くん、海老名くんはネットプレーが得意だから、無理に勝負しないほうがいいかも」
「そうだな。じゃあ、まずは後ろに振ってみよう」
「了解」
その会話を聞いていた碧斗が笑う。
「さすが白川さん。よく見てるね」
「ありがとう、海老名くん。でも、君も私たちのことをよく見てるでしょ?」
「もちろん」
碧斗は爽やかに笑った。
「それがテニスだからね」
「じゃあ、次はこっちから行くよ!」
その声とともに、茜がボールを手に取る。
「羽柴くん、覚悟してね!」
「桐谷さん、また強いサーブを打つつもり?」
「もちろん!」
茜はサーブ位置につく。
ラケットを構え、軽くボールを弾ませる。
そして――。
「……いくよ!」
トス。
踏み込み。
鋭いサーブがコートへ突き刺さった。
「っ!」
蒼真が素早く反応する。
パァン!
ラケットに当たったボールが高く跳ね返る。
「ナイスリターン!」
澪が前へ出る。
「お願い、蒼真くん!」
「任せて!」
蒼真は守備型ストローカーらしく、相手の攻撃を粘り強く返していく。
一球。
二球。
三球。
ラリーが続く。
碧斗は機会をうかがいながらネットへ詰める。
「そこっ!」
パシッ!
ボレー。
「澪!」
「任せて!」
澪が安定したストロークで返す。
さらに茜が攻撃を仕掛ける。
「まだまだ!」
強烈なショット。
蒼真が走る。
「……取れる!」
パシッ!
ギリギリで返球。

「おお!」
審判台から見ていた陽菜が思わず声を上げる。
「蒼真くん、粘るなぁ!」
その隣では、記録担当の霧島黎徒がタブレットにデータを入力していた。
「蒼真さん、今日も守備範囲広いなぁ」
黎徒が感心する。
「こういうラリーになったら、ほんま安心感ありますわ」
こうして楽しいテニスの時間は続く。
Cパート 蛇谷神社にて
一方、その頃…。
蛇ノ谷村の中心部から少し離れた山中。
鬱蒼と生い茂る杉や楠の木々に囲まれた森の奥に、一軒の古びた神社がひっそりと佇んでいた。
昼下がりだというのに、境内には木々の葉が陽光を遮っているため、どこか薄暗い。
苔むした石灯籠。
長い年月を経て黒ずんだ鳥居。
そして、拝殿の奥にひっそりと祀られた小さな祠。
そこは蛇谷神社。
蛇ノ谷村で古くから土地神として崇められてきた「蛇神」を祀る場所である。
その拝殿の前で、二人の男女が静かに手を合わせていた。

一人は、鷺島国際大学教育学部に通う三年生――黒瀬律。
教育実習生として鷺島市の公立中学校に赴任している、物静かな青年である。
そしてもう一人は、律が教育実習先で受け持っている中学生、柏葉美佳。
傍から見れば、教育実習生と教え子。
だが――二人には、誰にも明かせないもう一つの顔があった。
黒瀬律。
その正体は、異世界からこの世界へやって来た妖精――ブラックカーバンクルのクロエル。
長い年月を生きてきた彼は、人間の青年へと姿を変え、この世界で暮らしている。
そして柏葉美佳もまた、ただの女子中学生ではない。
彼女は、正義のために戦う魔法少女――星彩のルミナ。
その秘密を知る唯一の師弟として、二人はこの村へやって来ていた。
しばらくして、二人はゆっくりと顔を上げた。
美佳が周囲を気にしながら、小声で尋ねる。
「ねえ、クロエル。この神社で近々、大きな禍が起こるっていうのは……本当なの?」
律はすぐには答えなかった。
祠の方へ視線を向ける。
その表情は若者らしからぬほど静かで、長い年月を生きてきた者だけが持つような重みがあった。
「……間違いない。私が見た予知夢では、この祠の地下に眠る土地神――大蛇が目を覚ます。そして、麓の街へ下りて暴れ回る姿が見えた」
「大蛇……」
美佳の顔がわずかに強張る。
「今のところ、目立った異常は確認できない。だが、予知夢というものは必ずしも発生の直前に見るとは限らないからな。警戒しておくに越したことはないだろう」
「じゃあ、とりあえずしばらく村に滞在して様子を見ましょ?」
美佳はそう言って、少しだけ明るい表情を見せた。
「冴佳さんが村の民宿の部屋を取ってくれたんだって。一週間分、予約しておいてくれたそうだよ」
「そうか。そこまで手配してくれたのか」
「うん。だから、しばらくは村の様子を調べながら待機できるよ」
律は小さく息を吐いた。
「せっかくの夏休みだというのに、こちらの都合に付き合わせてしまって申し訳ないな」
「いいよ、そんなの」
美佳は笑った。
「ルミナとして、村の人たちが危険な目に遭うかもしれないなら放っておけないもの」
「……そう言ってくれると助かる」
律もわずかに口元を緩める。
だが――。
美佳の表情から、ふっと笑みが消えた。
「ねぇ……」
「何だ?」
「これって……また、アイツが絡んでるのかな……?」
その言葉を聞いた瞬間、律の表情が僅かに険しくなった。
「…………」
美佳の言う「アイツ」。
それは――常闇のレギーナ=ノクタ。
正体不明の少女。
そして、ルミナと同じく魔法を操る謎のヴィラン。
前回の戦いで、美佳はノクタに完膚なきまでに敗北した。
なぜ自分にそこまで執着するのか。
何故、ルミナを狙うのか。
その理由すら、未だに分かっていない。
ただ一つ確かなのは――。
ノクタという存在が、未だ反撃の糸口すら掴めていない美佳の心に深い恐怖を残しているということだった。
律はそんな美佳の横顔を見つめる。
「……それは、まだ何とも言えないな」
慎重な口調だった。
「今回の件とノクタの間に繋がりがあるという確証は、今のところない。憶測だけで結論を出すべきではないだろう」
「……うん」
「だが――」
律は祠へ視線を戻す。
「もし、またノクタとルナフィリスが現れた場合には……」
その瞬間だった。
「――コラッ!💢」
「えっ!?」
森の中に怒鳴り声が響いた。
二人が振り返る。
そこには、杖を手にした初老の村人が立っていた。
険しい顔でこちらを睨みつけている。
「お前ら! こんなところで何をしてるだ!」
「……!」
美佳が思わず一歩後ずさる。
律はすぐに状況を察した。
「申し訳ありません。私たちは――」
「ここは余所者が近づいちゃなんねぇ場所だ!」
村人は律の言葉を遮った。
「とっとと帰れ!」
「……分かりました」
律は反論しなかった。
相手の怒りを刺激しても、何の得にもならない。
「美佳、行くぞ」
「……う、うん」
二人は静かに境内を後にする。
鳥居をくぐる際、美佳が一度だけ振り返った。
古びた祠。
薄暗い森。
そして、その向こうからこちらを睨み続ける村人。
何とも言えない不気味さが胸に残る。
やがて二人の姿が森の奥へ消えていく。
――その直後。
誰もいなくなった境内で、風もないのに木々がざわりと揺れた。
祠の奥から――。
ほんの僅かに、地鳴りのような低い音が響いた。
まるで。
何かが、長い眠りから目を覚まそうとしているかのように。
律も美佳も、その音には気づかなかった。
蛇ノ谷村に潜む異変は、まだ誰にも知られることなく、静かにその時を待っていた。
(つづく)
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