BRAVERS EDITION　episode.123

海底移動要塞〈ブレイバーベース〉と宇宙戦艦〈ラ・クーロンヌ・セレスト〉に関する機密情報を狙ってセントリネル・ハブに潜入していたMr.unknoun配下の天山桜桃は、牧村光平と仲里深雪によって阻止された。ネオブラックマフィアに捕まっていた本物の堰合幹事長も、ICPO特命捜査官の彩堂寺戒によって救出される。

地下迷宮を彷徨っていた錦織佳代、稲垣千秋、クリストフォロ=エヴァルド=コルティノーヴィス3世、安城アリアドネ明日香たち4人は、新たに八雲睦美も加え、いよいよ残る仲間の沢渡優香の救出に挑む！

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

ついに正体を現す偽堰合

　地下迷宮を抜けた五人――錦織佳代、稲垣千秋、クリストフォロ=エヴァルド=コルティノーヴィス3世（クリス）、安城アリアドネ明日香、八雲睦美。
　たどり着いた先は、石造りの壁に囲まれた不気味な広間だった。天井から滴り落ちる水音が、やけに耳に障る。

　その中央には「生贄の祭壇」としか形容しようのない台座が鎮座していた。
　祭壇の上には一脚の椅子。そこに沢渡優香が座らされ、全身を黒光りする鎖で幾重にも縛り上げられている。口には白布の猿轡。大きな瞳は恐怖に揺れ、 くぐもった呻き声で必死に仲間を呼ぼうとしていた。

　「んっ、んんっ……！」

　優香の隣には、見覚えのある男――堰合幹事長が立っていた。
　「ようこそ諸君。ここが最終ステージだ」

　その声に、佳代は憤りを隠せなかった。
　「ちょっと堰合さん！ いくら脱出訓練だからってやり過ぎじゃないの？ 女の子をこんな鎖で何度も縛り上げて……そもそも優香は医療チームの非戦闘要員よ！」

　堰合は鼻で笑う。
　「馬鹿め。この娘は本当の人質だ！」

　言うが早いか、堰合の肉体がぐにゃりと歪み始めた。
　皮膚が剥がれ落ち、鱗と異形の肢体が露わになる。人間の面影は瞬時に掻き消え、そこに立っていたのは――ネオブラックマフィアの怪人、クローカメレオン2世。

　虹色に輝く外殻を持つ爬虫の戦士は、怪しく光る双眸で一同を見渡した。
　「おや、驚かんのだな？」

　佳代は冷ややかに肩をすくめる。
　「そんなところじゃないかとは、最初から思ってたわよ」

　「フン、負け惜しみを！」
　クローカメレオン2世は高笑いを上げる。
　「今頃は、手薄になったセントリネル・ハブに潜入した我らの同志が必要な機密情報を盗み出している頃合いだ。今まで茶番に付き合ってくれてご苦労だったな！」

　その言葉に、千秋がぐっと拳を握る。
　「ねえ佳代さん、相手がヴィランの正体を明かした以上、もう遠慮しなくてもいいんですよね？」

　「いいわよ。思いっきりやっちゃって♪」
　佳代の笑みは冷たいが、確かな信頼を込めていた。

　「了解です！」
　千秋の瞳が燃える。次の瞬間、彼女の身体を蒼き光が包み込んだ。

　「ブレイブシフト！ スワローレギウス――パワードモードッ！！」

　翼が展開し、銀と赤紫の光を纏ったヒロインの姿が広間に降り立つ。
　スワローレギウス・パワードモード。大気を震わせるその登場に、鎖で縛られた優香の目に安堵の光が灯った。

　対峙するは、爛々と輝く異形の眼を持つクローカメレオン2世。
　祭壇の広間を舞台に、正義と悪の激突が幕を開ける――。

スワローレギウスVSクローカメレオン2世

――地下研究施設、白く冷たい廊下に轟音が響いた。

紫と白の装甲を纏い、翼をたなびかせるのは スワローレギウス・パワードモード。
その前に立ちはだかるのは、全身に変幻自在の迷彩を走らせる異形――クローカメレオン2世。

「ククク……速いな、ツバメよ。しかし、俺の擬態はお前の目をも欺く！」

クローカメレオン2世の姿が掻き消え、壁や床と同化していく。瞬間、後方から伸びる舌状のエネルギー鞭がスワローレギウスを襲った。

「読めてるッ！」
鋭いセンサーと分析力が、わずかな揺らぎを捉える。スワローレギウスは瞬速で横へ跳び、エナジーブレードを抜き放った。紫の光刃が閃き、振り返りざまに舌を断ち切る。

「ギィッ！？」
クローカメレオン2世が苦悶の声を上げ、壁から剥がれ出る。

その隙を見逃さず、スワローレギウスは翼を広げた。
「――閃光フェザーショット！」
翼から無数のエネルギー弾が放たれ、通路を埋め尽くす。迷彩を纏ったクローカメレオンの姿が露わになり、爆ぜる光に追い詰められる。

だが敵も負けじと、舌を四方八方に伸ばし、床や壁を利用して縦横無尽に跳躍した。
「ははは！ そのスピード、俺も真似させてもらう！」
一瞬ごとに姿を変え、別方向からの奇襲を繰り返すクローカメレオン2世。

スワローレギウスは冷静に息を整える。
「……相手の動きを分析するのよ。揺らぎのパターン、跳躍の癖――すべて、読める！」

次の瞬間、彼の身体が霞のように掻き消えた。
「なにっ――！？」
――ツバメ疾風斬！
超高速の残像を描き、数瞬のうちに斬撃を叩き込む。クローカメレオン2世の胸装甲に火花が走り、鋭い衝撃音が響いた。

その戦いを遠巻きに見ながら、別の行動が進んでいた。
廊下の陰を走るのは、佳代と睦美。
彼女たちは祭壇上に囚われた優香のもとに急いでいた。

「今よ、睦美さん！　スワローレギウスが引きつけてる間に！」
「ええっ、行きましょう！」

二人は階段に繋がる電子ロックを解除し、祭壇への扉を開け放つ。
「優香！」
鎖に繋がれた少女の瞳が、猿轡を外されると同時に震えた。
「……佳代、睦美さん……！」
「もう大丈夫。急いで！」

佳代が器用に鎖を外すと、優香は力なく二人に抱きついた。
「ごめん……迷惑ばかりかけて……」
「いいのよ。今は逃げることが先！」

その間、さらに奥まった通路では、明日香とクリスが身を隠しながら戦況を見守っていた。
「……すごい、あんな速度で戦って……さすが千秋さん！」
クリスが息を呑む。
明日香は唇を噛み、ただ祈るように呟いた。
「頑張って、スワローレギウス……私たちの希望なんだから！」

再び戦場に視線を戻す。
スワローレギウスは宙を翔け、旋回しながら敵を包囲していく。
「これで決める――風神翔撃ッ！」

竜巻のような連撃が走り、クローカメレオン2世の迷彩を完全に吹き飛ばす。火花と轟音が廊下を揺るがし、紫の刃光が敵を貫いた。

戦闘終了

――地下廊下を轟音と閃光が貫いた。

「ウギャアアッ！！ デスクローン総統閣下、バ…バンザァァ～イッッ！！」

スワローレギウス・パワードモードの必殺連撃を浴びたクローカメレオン2世は、最後の断末魔を上げながら爆散した。迷彩を施した装甲は粉砕され、黒煙と共に瓦礫へと崩れ落ちる。

「……ふぅ……これで、終わりね」
鎧の装甲を燻らせつつも、スワローレギウスは静かに翼を畳む。

生贄の祭壇から救い出された優香が仲間に支えられて階下へ現れると、スワローレギウスの姿が光に包まれ、元の稲垣千秋へと戻っていった。
「優香さん、もう大丈夫です」
「千秋ちゃん……みんな……ありがとう……」
涙ぐむ優香の声に、安堵の空気が流れる。

――だが、その和らいだ空気を切り裂くように、かすかなヒールの音が響いた。

「お騒がせしましたわね……」
闇の奥から姿を現したのは、冷ややかな微笑を浮かべる女――ヴァネッサであった。

「申し訳ありません。まさか、あの堰合幹事長が怪人の化けた偽者だったとは……」
わざとらしく胸に手を当て、驚きを装う彼女。その声音は流暢で堂々としていたが、誰が聞いても言い訳めいた薄っぺらさを孕んでいる。

千秋は鋭い視線を向ける。
（……今頃現れて、よく言うわね）

睦美も腕を組んで睨みつけたが、証拠がない以上、強く追及することはできない。
佳代は小声で囁いた。
「どう見ても怪しいけど……下手に突っ込んだら逃げられるだけね」

優香も苦い顔で目を伏せた。彼女自身も、ヴァネッサと怪人の繋がりを直感していた。だが――。

「……まあいいわ。ともかく、優香が無事ならそれで」
佳代がそう締め括ると、仲間たちは視線を交わしつつも口を噤んだ。

ヴァネッサは勝ち誇ったように薄く笑い、ひとつ頭を下げる。
「ご理解いただけて嬉しく思いますわ。それでは、失礼」

足音を残して去っていく背中を見送りながら、優香は拳を固く握りしめた。
（次こそ……尻尾を掴んでみせる。絶対に――）

黒煙の残る廊下に、再び緊張が戻っていった。

（つづく）

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