紅蓮の天使　第12話

悪のマッドサイエンティスト・暗黒大博士とハイテク犯罪者兄妹サイバーヴァイパーズによって誘拐された勢川理人たちを救うため、朝比奈テニスショップのオーナー・朝比奈梢こと紅蓮の乙女グリムゾンエンジェルは、デビルタワー内部で待ち構える各階の階層ボスフロアボスを次々と打ち倒して行き、いよいよ同タワーの10階に辿り着こうとしていた。

※文章は、（一部除いて）chatGPTで生成しております。

沙織、絶体絶命！

巨大人型機動兵器ヴァルカンブレードは、グリムゾンエンジェルの前に敗れた。だがそれは、同時に藤永沙織の身に命の危機が迫ることを意味していた。

「おいおい、お前の彼氏は負けちまったぜ？」
「どうやら愛しい彼女を見捨てることにしたみたいだな…」

グリムゾンエンジェルVSヴァルカンブレードの戦いの様子は、研究室のモニター画面にも映像として流れていた。そのヴァルカンブレードが敗れたということは、すなわち人質である沙織の命も危うい！

「ンンングゥッ!! ンンムグゥムムムーッ!!」

手術台のベッドの上で恐怖に怯えながら必死にもがく沙織に、黒いドクターの握る鋭利なメスが迫る！

事情聴取

デビルタワー7階。ここはすでにアスカロン財団直属の後方支援部隊 B.A.D によって制圧され、安全が確保されていた。

戦闘の傷跡が残る広間では、B.A.Dの隊員たちが、救出された人質たちの保護に当たっている。彼らの間を歩くのは、部隊の指揮官 グレッグ＝ボードマン だった。
鍛え上げられた体躯を持つ壮年の男であり、鋭い眼光を持ちながらも、部下や市民への気配りを忘れない歴戦の英雄である。

「星本有理紗、平瀬倫生……二人とも無事で何よりだ」

グレッグは落ち着いた声で語りかけた。だが、その表情には緊張が滲んでいる。敵のアジトの深部に潜り込み、敵の戦力を把握するのは容易ではない。彼は人質たちの記憶を頼りに、上層階の情報を得ようとしていた。

「君たちが捕まっていた場所の状況を詳しく話してほしい」

彼の言葉に、有理紗は戸惑いがちに口を開く。

「私……あまりよく覚えていません。連れ去られたときに気絶していて、目が覚めたら暗い部屋の中で……それから、何度か移動させられて……」

震える声で話す彼女に、グレッグは静かに頷いた。無理もない。極限状態の中で正確な記憶を保持するのは難しいことだ。

「それでいい。何か思い出したら教えてくれ」

次に、彼の視線が倫生へと移る。

「平瀬倫生、君はどうだ？」

倫生は唇を噛みしめた後、力強く頷いた。

「……タワーの10階に、沙織が捕まっています！」

グレッグの目が鋭く光る。

「藤永沙織……君と同じ朝比奈テニスショップの店員だな？ 確か――」

「……俺の彼女です。暗黒大博士の部下たちが、彼女を10階の研究室に監禁しているのを見ました」

「他の人質の居場所は？」

「理人と岸本さん……二人については分かりません。でも、少なくとも沙織は確実に10階にいます！」

倫生の声は必死だった。彼は自分が人質として囚われていたときの記憶を辿りながら、少しでも役立つ情報を絞り出そうとしていた。

グレッグは一瞬思案するように顎を撫でた後、すぐに無線を手に取った。

「本部へ。人質の一人、藤永沙織の居場所を特定。位置は10階の研究室だ。グリムゾンエンジェルが先行しているが、こちらも部隊を派遣する」

無線の向こうから短く了解の声が返る。グレッグは倫生の肩を軽く叩いた。

「ありがとう、平瀬倫生。君の情報は貴重だ。必ず沙織さんを助け出す」

「お願いします……！」

倫生の拳が強く握られる。彼は直接戦う力を持たないが、せめて情報を伝えることで、愛する人を救う助けになろうとしていた。

その瞬間、グレッグの無線が再び鳴った。

「こちらベータ小隊！ タワー8階で敵の部隊と交戦中！ 遠距離支援を要請する！」

グレッグはすぐさま倫生と有理紗をより安全な下層階、出来ればタワーの外まで避難させるように指示を出し、B.A.Dの隊員たちが戦闘態勢を整え始める。

「グリムゾンエンジェルが10階へ向かっている以上、我々もできる限りサポートするぞ！」

デビルタワー攻略戦は、ますます激しさを増していく――。

暗黒の操り人形

タワー10階――。
広大な研究室には無機質な機械音が響き、低温で保たれた空気が肌を刺す。

「沙織ちゃん、どこにいるの！？ いたら返事をして！！」

グリムゾンエンジェル は鋭い視線を周囲に巡らせながら、研究室の奥へと進む。
だが、返事はない。

そのとき――。

金属の床にブーツのかかとが打ち付けられる音が静寂を破る。

「……っ！」

グリムゾンエンジェルの胸に嫌な予感が走る。
理人のこの無機質な目――まるで意志がないかのような表情は、先ほど戦った 星本有理紗 と同じだった。

「まさか……彼も操られているの！？」

彼女の問いに答える代わりに、理人の手が動いた。
鋼鉄の指がグリップを握り締める。
エネルギーブレード ――青い閃光をまとった刀身が空間を切り裂き、鈍い音を立てる。

「……くっ、どうやらやるしかないみたいね！」

グリムゾンエンジェルは即座に構えを取る。
このままでは沙織を救うどころか、自分が倒される可能性すらある。
だが、相手は弟のような存在――それも、意識を奪われ、敵に利用されているだけなのだ。

「……理人くん！ 絶対に、あなたを取り戻してみせる！！」

言葉とともに、彼女のブーツが床を蹴った。
戦いの幕が、今開かれる――！

つづく。

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