ブラックマフィアVSベラドンナ　第2話

　悪辣な社長令嬢・蜂嶺百合子の陰謀で、星本有理紗と岸本愛実がブラックマフィアに誘拐された！
　しかし蜂嶺家所有のクルーザーの船内に監禁されていた二人は、謎の第三勢力の介入によって別の場所へと連れ去られてしまう！

迫られる理人

「な、何のつもりだ！？💦」
「ウフフッ…コラ、逃げないの。この女王クィーンたる鉢嶺百合子が、下級国民に過ぎない貴方に身も心も委ねようというのよ。光栄に思いなさい？」

　勢川理人は狼狽していた。愛実と有理紗を人質に取られて自身も蜂嶺家の別荘に幽閉され、蜂嶺家の配下の者が理人の自宅から盗み出してきた自分のテニスウェアに着替えさせられたと思ったら、あられもない白いシルクの〇着【※1】姿で部屋に現れた百合子が迫って来て、今にもベッドの上に押し倒されそうな勢いなのだ。

【※1】「〇着」の〇の部分には「下」でも「水」でも、お好きな漢字一文字を選んで想像してお楽しみください(^^♪

「目を逸らすんじゃないわよ！ 下級国民如きがこの鉢嶺百合子から目を背けようなんて、それだけでも許すべからざる大罪だわ💓」
「や、やめろー!! 近づくなッ!!」((((；ﾟДﾟ))))ｶﾞｸｶﾞｸ

そこへ突然、蜂嶺家に仕える黒服男が部屋に中に入って来る。

「失礼いたします。お嬢様、トラブルです！」
「何なの！？ 今いいところなのに！気が利かないわね!!💢」
「申し訳ございません。まずはお耳を拝借」

黒服男は百合子の耳に何かを囁いた。すると彼女の表情がみるみるうちに険しくなっていく。

「何ですって！ ブラックマフィア……思ったより役に立たない奴らね!!💢 理人君、悪いけど愛の営みを育むのは、また後日にさせてもらうわ」
「一体何が起こったんだ!? まさか愛実や有理紗ちゃんの身に何かが!?」
「余計な事を考えるんじゃないの！ 誰かこの男が逃げられないように、足に鉄球付きの鉄枷を嵌めておいて！ それじゃあ理人君、ごきげんよう」(￣ー￣)ﾆﾔﾘ
「………」

　理人は、百合子の手下によって、遠くに逃げられないように重量のある鉄球と鎖で繋がれている鉄枷を片方の足首に嵌められてしまう。百合子たちが部屋から出て行き、また部屋の中で一人だけになってしまう理人。

「ちくしょう…。このまま僕が大人しくしてると思うなよ？ 必ずここから脱出して見せるからな！ 愛実！ 有理紗ちゃん！ もう少しだけ待っててくれ！」

おかめ党の目論見

　一方こちらは、世界征服を企む悪の組織おかめ党の本部、おかめ城である。悪の組織同士のホットラインを通じて、ブラックマフィア首領がおかめ党に対して糾問して来たのだが……？

「すると岸本愛実と星本有理紗を横取りしたのは、本当にお前たちではないんだな？」
「当然ッス。確かに畜生働きを働くお前たちブラックマフィアのやり方は我がおかめ党とは相いれないッスが、あくまでもそれはそれ。これはこれ。余所の悪の組織のやり方にちょっかいを出すほど闇の世界の暗黙の掟が分からないような我々ではないッス」
「それを証明できるか？」
「これはしたり。やってないことを証明するのは悪魔の証明ッスよ。どうしても疑うならお互い腕ずくで決着をつけてもイイっすよ？」
「フン、まあいいだろう。調べればすぐに分かることだ。もしおかめ党の仕業だと明らかになった時はタダじゃおかんからなッ!!」

　吐き捨てるようなセリフと共に、一方的に通信を打ち切りブラックマフィア首領のホログラフィが消えた。

「チッ、相変わらず面倒な口うるさい奴ッス!!💢」
「しかしどういたしましょう御前様。このままでは悪の組織同士で激突することに…」

事態を憂慮し、心配そうな表情をする寺瀬聖佳。

「その心配はないっしょ。奴らの獲物を横取りするような命知らずは、我がおかめ党以外となると、アイツらしかいないッス」
「なるほど。やはりベラドンナの仕業か…」

おかめの御前の言葉に、寺瀬詩郎も納得したように呟く。

「クククッ…ブラックマフィアとベラドンナ、この二大組織が潰し合ってくれたら、おかめ党にとってはこれ以上ない好都合な展開ッスよ。ここは静観に徹するに限るッスww」(￣ー￣)ﾆﾔﾘ

　おかめの御前は、この機にブラックマフィアとベラドンナの共倒れを期待しようという狡い考えのようだ。おかめの御前のオブジェの両目が怪しく光るのであった。

つづく。