続 探偵の災難if

TEAM FRIENDSの事件簿
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※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※掲載されている画像の無断転載を禁じます!
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※原文より一部改変しております。

作:旅鴉様

「沙織、遅いな…」
『愛実に付きまとっていたストーカーの件で話がある』
そう藤永沙織にメールで呼び出された岸本愛実は、待ち合わせ場所である公園で彼女を待っていた。
(沙織、ストーカーのこと『私がなんとかするから』って妙に張り切ってたけど、危ないことしてなければ良いのだけど…)
自分がストーカーに付きまとわれていたことを沙織に相談したことを少し後悔していた愛実、彼女は友達思いで尚且つ正義感も強い、それが良いところでもあるのだが、やや無鉄砲なところもあり、幾度となく危うい目にも遭っていた。
(今回も無茶なことしてなければ良いのだけど…それにしても…)
待ち合わせに指定された公園はやけに寂しげだった、住宅街からも離れていて雑草も生え放題、遊具も壊れ錆び付いたものも多く明らかに放置されていた、もちろん公園で遊ぶ者はおらず、それどころか人っ子1人いない。
(なんで沙織はこんなところを待ち合わせ場所に…)
そう思っていた愛実の背後から、突然何者かが声を掛ける。
「やぁ~久しぶりぃ、愛実ちゃ~ん」
驚き肩を震わせながら後ろを振り返る愛実、そこに立っていた男を見て更に驚く、それは彼女がもっとも嫌悪する相手だった。
「なぜあなたがここに…」
目の前にいるのは、なんと愛実をストーカーしていた男だった。
「なぜってそれは、君に会いたかったからだよぉ~」
そう言いながら、ゆっくりと愛実に近寄っていくストーカー男。
「近寄らないで!大声だしますよ、人を呼びますよ!」
怒鳴るようにそう言いながら、ストーカー男を睨みつける愛実。
「待ってよ、そんなに怒らないでよ、可愛い顔が台無しだよ、それにほらせっかく君の友達も一緒なんだし」
男はポケットからスマホを取り出し、画面を愛実の方に向ける。
「嘘…そんな…沙織ちゃん…」
画面に映っていたのは、手足を縛られ猿轡を噛まされ、車のシートであろう場所に転がされている親友の藤永沙織の姿だった。
「もしかして…あのメールは…」
「そう僕、また君と会いたくてさ、騙してゴメンね」
そう言っておどけた表情を見せる男、それを憎々しげに見つめながら、愛実は男に問い詰める。
「あなたは沙織に…沙織に何をしたの!?」
「まだ何もしてないよ、僕のことが気になってたみたいだからこっちからご招待しただけだよ、少し暴れたので大人しくしてもらったけどね」
「そんな、沙織は関係ないじゃない!」
「そうなんだけど関わってきたのはあの娘からだからね」
そう言いながら男は、スマホの画面に映る沙織の画像をいやらしく指で撫で回す。
「お願い…やめて…お願いだから、沙織には酷いことしないで!」
悔しさを噛み殺し、目に涙を浮かべ男に懇願する愛実。
「それは君次第だね、とりあえず僕についてきてくれるよね?」
愛実は哀しげに目を伏せ、男の言葉に小さく頷いた。


(なんとか…今のうちに何とか逃げないと…)
ワンボックスカーの後部座席で必死に縛めと格闘する沙織、だがここには先程の廃屋のような釘はない。
その時、音をたて車のスライドドアが開く、そこにはストーカーの男ともう1人、
(愛実…)
そこにいたのは、目の前の男にストーカー行為を受けていた、当の被害者である岸本愛実だった。
「大人しく良い子にしてた?ほらお友達を連れてきたよ」
男はまるで子供をあやすような言い方で、沙織に向かってにっこり微笑みかけた。
そのおぞましい笑顔に、沙織の背筋にぞわぞわと嫌な寒気が走った。
(ごめんね愛実…私のせいで、お願い・・・私のことはいいから早く逃げて!)
「んんんーっ!んんぐぅーっ!んぐぅーッ!」
布で塞がれた不自由な口で、懸命に愛実に逃げるよう促す沙織。
「ははは、沙織ちゃんは君が来てくれたことをこんなに喜んで・・・ぐふぅッ!?」
男が沙織に意識が向いていたその瞬間、愛実は男におもいっきり体当たりをした、予期せぬ攻撃に無様に飛ばされ地面に転がる男。
「沙織、今助けるから!!」
男が起き上がる前に、急ぎ沙織に駆け寄る愛実だったが、
「勇敢だね~お嬢ちゃん、それにしても本当にドジだなお前は…」
絵実の動きよりも速く、運転席から別の手が沙織の方へと伸びる、その手には光るナイフが握られていた。
「それ以上動くと、君の大事な友達の身体に傷がついちゃうけどいいの?」
「そんな…」
予期していなかったストーカー男の仲間、その驚きと絶望感に声を震わせる愛実。
「酷いなぁ~愛実ちゃん、愛実ちゃんも沙織ちゃんと同じように良い子にしてもらわないといけないようだね」
服についた土埃をはたき、ゆっくりと立ち上がり、男は呆然とする愛実へと迫り寄った。

藤永沙織と岸本愛実イラストは、KazuHanabi様。車内背景は、きむやん様。

ワンボックスカーの後部座席に2人の若い娘が座らされていた。1人は長い黒髪を両サイドでまとめた色白で清楚な感じ、もう1人はショートカットに日に焼けた肌とスポーティーな感じとそれぞれ対照的なタイプの2人。
2人とも手足を麻縄できつく縛られ、口は粘着テープでぎっちりと塞がれ、呻き声をあげながらもがいていた。
その様を楽しげに見下ろす男達。
「対照的な美少女の縛られた姿、絵になるね~、たまらないね~」
「お仲間が増えたのでこれで寂しくなくなっただろ、後で仲良く可愛がってやるからここで大人しくしてるんだぞ」
そして男達は車のスライドドアをゆっくりと閉めてゆく、それとともに娘達の助けを求める声も消えていった。

「んんーっ、うむぅ、んんんーっ!」
「んんぐぅーっ、んん、んむぅーっ!」

娘たちの声はノイズに掻き消されていく、走る車の中に捕らわれた娘達がいることに誰も気づかない、そして外の景色は街の風景から、いつの間にか木々の生い茂る森のような風景へと変わっていった、人気のない山の奥へ連れて行かれているのだ、そこではいくら叫んでも助けは来ないだろう。
(なんとかしないと…さっきは1人だったけど…今は…)
沙織は何かを訴えかけるように愛実の顔を見る、愛実もまたそれに応えるように小さく頷いた。

この先展開は、皆様のご想像にお任せします。

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TEAM FRIENDSの事件簿旧ブログからの転載
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コメント

  1. 旅鴉 より:

    なんか続きを書こうかと少し思ってちょっと書き込みましたが、やめました…
    やっぱり皆さんが色々と想像を膨らませた方が面白いでしょうから。

    自分の妄想は、ストーカーの相棒の男は資産家で山奥に別荘を持っている、
    先ほどの廃屋と違ってしっかりとした建物、しかも周りには民家はない、あるとしても誰もいない別の別荘だけ。
    車から降ろされ肩に担がれ、別荘へと連れ込まれる2人、そして更なる絶望が襲う、別荘に入りとある扉を開くと地下へと続く階段が、このまま地下室に連れて行かれたらもう外へと声が届かない…
    「んんん~!んんむぅ~!」(誰か~!助けて~!!)助けを求める声も階下へと消えていく…

    …ってな感じですかね。

    とりあえずSSの移動お疲れ様でした、またまた別のストーリーやキャラクターを楽しみに待ってます!

    • > なんか続きを書こうかと少し思ってちょっと書き込みましたが、やめました…
      > やっぱり皆さんが色々と想像を膨らませた方が面白いでしょうから。

      旅鴉様が執筆してくださる続きのSSは(管理人も含めて)期待していた人は多いと思いますが、ここは観る皆さんの自由な想像力を尊重したいとする旅鴉様のご意向を尊重したいと思います。管理人だったら多分この後、愛実と沙織のピンチを知った勢川理人と平瀬倫生が助けに来るのだと予感しますが、野郎が絡むストーリーは恐らく旅鴉様の本意とは違うと思いますので…。

      > 車から降ろされ肩に担がれ、別荘へと連れ込まれる2人

      足をバタバタさせながら運ばれて行く愛実と沙織を想像すると、なんか可愛いですね。(〃ノωノ)

      > とりあえずSSの移動お疲れ様でした、またまた別のストーリーやキャラクターを楽しみに待ってます!

      次回は、久保田改め譜久里知世ちゃんの小説をお引越しさせる予定です。(^^♪

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