北関東某県にある蛇ノ谷村の公営キャンプ場へと合宿にやって来た、鷺島国際大学のテニスサークル「Seabreeze Aces」のメンバーたちだったが、2年の白川澪が大庭竜二と田淵毅の二人組に拉致されてしまうが、柏葉美佳と黒瀬律によって無事に保護される。しかし先日の集中豪雨の土砂崩れによって道路は寸断され、蛇ノ谷村は完全に孤立してしまう。さらに今度は2年の南條陽菜と1年の高槻紗季が大庭たちによって拉致され、早乙女陽飛や佐伯瑛人もそれぞれ捕らえられてしまった。星彩のルミナによって救出された陽飛たち4人はキャンプ場へと戻るのだが、その間にコテージは正体不明の蛇武者に襲われ、白川澪は再び連れ去られ、水瀬凛、桐谷茜、新海美羽は行方不明に。そして美佳を民宿まで送って行ったはずの羽柴蒼真と九条玲沙もまた、戻ってこないまま姿を消してしまった。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
再会
翌朝、蛇ノ谷村。
山々の向こうから朝日が昇り、村の景色を明るく照らし始めていた。空には雲一つない青空が広がっている。
しかし、村を覆う不穏な空気は、朝になっても消えてはいなかった。
◇
天宮家のお屋敷。
広い日本庭園に面した縁側では、天宮千代が座布団の上に腰を下ろし、気持ちよさそうに目を細めていた。

「大奥様、この辺りですか?」
千代の背後に立つ寺瀬聖佳が、両手でその肩を揉みながら尋ねる。
「おおー、そこじゃそこじゃ。う~ん、気持ちええのぅ~」
「ふふっ。それはよかったです」
聖佳は微笑みながら、力加減を調整してマッサージを続けた。
そのとき、屋敷の廊下から二人の若い女性が姿を現した。
水瀬凛と桐谷茜である。
二人は昨日、キャンプ場で蛇武者に襲撃された際、必死に逃げ回った末、命からがらこの天宮家の屋敷にたどり着いていた。そして、千代と聖佳の厚意によって、一晩ここに匿ってもらっていたのだ。

「大奥様、聖佳さん」
茜が二人に向かって頭を下げた。
「一晩匿っていただいて、ありがとうございました」
凛も続いて丁寧にお辞儀をする。
「これ以上ご迷惑はかけられませんので、私たちはここでお暇します」
しかし、その言葉を聞いた聖佳は、心配そうに眉を寄せた。
「そんな……! 外はまだ危険ですよ? 例の指名手配犯が、まだ村の中をうろついているみたいですし」
「お前さんたち二人さえよければ、いつまでここにいたっていいんじゃよ?」
千代も、二人を気遣うように声をかけた。
「お気持ちはありがたいんですが……」
凛は少し困ったように笑った。
「きっと仲間も心配していると思いますし……」
「そうかい……? なら、無理に引き留めるわけにもいかんのぅ……」
千代は残念そうに呟いた。
すると、聖佳が何かを思いついたように顔を上げた。
「待ってください。それなら私がキャンプ場まで行ってきて、そのサークルの誰か男の人に、ここまで迎えに来てもらいましょう」
「いえ、そこまでご迷惑をおかけするわけには……」
凛が遠慮がちに答える。
しかし、今度は茜が心配そうな顔で聖佳を見た。
「キャンプ場まで聖佳さんが一人で行くんですか? それこそ危ないですよ!」
「大丈夫です」
聖佳はにっこりと微笑んだ。
「こう見えて私、護身術には自信があるんです♪」
「えっ、そうなんですか?」
「はい。少しくらいなら、身を守ることもできますから」
そう言って、聖佳は軽く胸を張る。
その穏やかな物腰からは、とても荒事に慣れているようには見えない。しかし、彼女の言葉には妙な説得力があった。
千代はそんな聖佳を見て、満足そうに頷いている。
「この子はここに来た時から、なかなかしっかりしたところがあってのぅ」
「大奥様、そんなに褒めないでください」
聖佳は照れたように笑った。
そのときだった。
屋敷の玄関の方から、来客を告げる声が響いた。
「ごめんください!」
誰かが訪ねてきたようだ。
「おや、誰じゃろう?」
千代が首を傾げる。
聖佳が玄関へ向かおうとした、その直後――。
「やっぱりここにおったんか……」
聞き覚えのある少年の声が、廊下の向こうから聞こえてきた。
「……え?」
茜が振り向く。
そこに立っていたのは、Seabreeze Acesの一年生、霧島黎徒だった。
「霧島くん!?」
茜が驚きの声を上げる。
「霧島くん……!」
凛も顔を上げた。
その瞬間、彼女の目に涙が浮かんだ。
「うっ……ううっ……!」
「凛?」

黎徒が声をかけるより早く、凛は彼のもとへ駆け寄った。
「霧島くん!!」
「お、おい凛!?」
凛は黎徒の身体にしがみつくように抱きついた。
そして、堰を切ったように泣き出した。
「私……怖かった! 怖かったよぉ~~~っっ!!!!!!」
「お、おいおい……!」
突然のことに、黎徒はすっかり戸惑ってしまった。
普段は何かと気丈に振る舞っている凛が、ここまで取り乱す姿を見るのは初めてだった。
黎徒は一瞬どうすればいいのか分からずに固まったが、やがて彼女の背中にそっと手を回した。
「もう大丈夫や。怖い思いしたな……」
「ううっ……!」
「もう大丈夫やから。一緒に帰ろ?」
「うん……」
凛は涙を拭いながら、小さく頷いた。
その様子を見ていた茜も、ほっと胸を撫で下ろす。
「霧島くん、迎えに来てくれたのね」
「まあな。二人がここにおるんやないかと思って来てみたんや」
黎徒はそう答えると、千代と聖佳の方へ向き直った。
「大奥様、それに聖佳さん。仲間が本当にお世話になりました」
そして、深々と頭を下げる。
「いやいや、そんなにかしこまらんでもええよ」
千代は鷹揚に手を振った。
「困ったときはお互い様じゃ。気にせんでええ」
「仲間の方が迎えに来てくださってよかったですね」
聖佳も微笑みながら言った。
「はい。本当にありがとうございました」
黎徒はもう一度、丁寧に頭を下げた。
「気が向いたら、またいつでも遊びに来るがええ」
千代の言葉に、茜と凛も改めて礼を述べる。
「はい。ありがとうございます」
「それじゃあ、大奥様。聖佳さん、お元気で」
こうして三人は、天宮家の屋敷を後にすることになった。
◇
天宮家の門を出る直前。
黎徒はふと足を止め、屋敷の方を振り返った。
そして、門の内側に立つ聖佳を、ほんの一瞬だけ観察するように見つめた。
「…………」
聖佳は、そんな黎徒に気づいた様子もなく、穏やかな笑顔で三人を見送っていた。
だが、黎徒の表情はわずかに険しくなっていた。
――寺瀬聖佳。
かつて、世界征服を企む悪の組織ネオブラックマフィアにおいて、最高幹部の地位にあった少女。
彼女は弟の寺瀬詩郎と共に組織から脱走したものの、逃亡の途中で弟とは生き別れになった。それ以来、消息不明となっていた人物である。
一方、弟の詩郎はブレイバーズに保護され、現在は更生。正規隊員として活動している。
そして、姉である聖佳の行方は、ブレイバーズだけでなくアスカロン財団も追っていた。
その人物が、まさかこんな山奥の村で、何食わぬ顔をして暮らしていたとは。
黎徒は内心で驚きを隠せなかった。
(寺瀬聖佳……まさかこんなところにおったとはな……)
彼は視線を前方へ戻し、再び歩き始める。
(今のところは放っておいても問題なさそうやけど……)
聖佳の様子には、少なくとも表立って危険な行動を起こす気配は感じられなかった。
しかし、問題は別にある。
(もし星彩のルミナにでも見つかったら、どうなることやら……)
アスカロン財団と関係が深いと噂されるルミナが、聖佳の存在を知った場合、どのような反応を示すのか。
そのことを考えると、黎徒としても軽々しく動くわけにはいかなかった。
ましてや、今は蛇ノ谷村そのものが危険な状況にある。
――まずは、目の前の事件を解決することが先だ。
黎徒はそう考え、二人の仲間とともにキャンプ場へ向かった。
帰り道にて
キャンプ場へ続く山道。
朝日が木々の間から差し込み、三人の足元を明るく照らしていた。

「ところで凛、それに茜先輩」
歩きながら、黎徒が尋ねた。
「美羽先輩の行方は分からんのか?」
「そう言うってことは、まだ美羽はキャンプ場には戻って来てないのね?」
茜が不安そうに聞き返す。
「残念ながらな。俺が来たときには、まだ戻ってきてへんかった」
「私たちも逃げるのに必死だったから、美羽先輩とは途中ではぐれちゃったの……」
凛が俯きながら答えた。
「そっか、ならしゃあないな……」
黎徒は少し考え込むように前を向いた。
「美羽先輩、大丈夫かな……」
凛の声には、不安がにじんでいた。
「心配だわ……」
茜も同じ気持ちだった。
行方不明になっている仲間は、まだ何人もいる。
白川澪。
新海美羽。
そして、羽柴蒼真と九条玲沙。
全員の安否が分からないまま、時間だけが過ぎていく。
そんな二人を見て、黎徒は努めて明るい声を出した。
「あの人なら大丈夫や!」
「えっ?」
「確かに明るく元気過ぎて、ちょっとそそっかしいところもある人やけどな。意外としっかりしてるところもあるし」
黎徒は二人に向かって笑いかけた。
「キャンプ場に戻ったら、みんなで捜しに行こ!」
「うん!」
凛は、先ほどよりも少しだけ表情を明るくした。
「そうね。私たちもできることをしなくちゃ」
茜も頷いた。
三人は再び歩き始めた。
だが、彼らがキャンプ場に到着するまで、そう時間はかからなかった。
そして――。
事態急変
蛇ノ谷村公営キャンプ場。
「……ん?」
敷地内に入った黎徒は、すぐに異変に気づいた。
コテージの周辺が、何やら騒がしい。
学生たちが慌ただしく出入りし、何人かは今にも外へ飛び出していきそうな様子だった。
「早乙女先輩、どうしたんスか? なんか騒がしいようやけど」
黎徒が声をかけると、早乙女陽飛が血相を変えて振り向いた。
「霧島! 大変なんだ!」
「えっ?」

「咲耶ちゃんがいなくなった!」
「……なんやて!?」
黎徒の表情が一変した。
「どういうことですか!?」
「さっき部屋に様子を見に行ったら、もうコテージのどこにもいなかったんだ! 置き手紙もないし、荷物もそのままなんだよ!」
陽飛は焦った様子で説明を続ける。
「きっと……」
その声が、少し沈む。
「きっと、白川さんが自分の身代わりになって蛇武者に攫われたことを、ずっと気にしていたんだと思う。だから、一人で澪を捜しに行ったんじゃないかって……!」
「そんな……!」
凛が口元を押さえる。
「咲耶ちゃん……」
茜も顔を曇らせた。
昨日、咲耶は泣きながら陽菜にしがみついていた。
自分のせいで澪が連れ去られた。
その思いが、彼女を追い詰めてしまったのだろう。
「それで、玲央先輩たちは?」
黎徒が尋ねる。
「三神たちも、もう咲耶ちゃんを捜しに行ったよ!」
「そうですか……」
黎徒は一瞬だけ考え込んだ。
そして、すぐに決断する。
「俺も捜しに行ってきますわ!」
「霧島くん!」
「先輩、凛と茜先輩を頼んます!」
「ああ、分かった!」
陽飛が力強く頷く。
「二人は俺たちが責任を持って守る。霧島も気をつけてくれ!」
「了解です!」
黎徒は二人の先輩に背を向け、森へ続く道へと駆け出した。
「霧島くん……!」
凛はその背中を心配そうに見送った。
茜も、ただ黙って彼の姿を見つめていた。
行方不明者がまた一人増えてしまった。
このままでは、仲間たちが次々と危険に巻き込まれてしまう。
――一刻も早く、全員を見つけなければならない。
黎徒の足取りは、いつになく速かった。
蛇神の岩牢に囚われた少女
その頃――。
蛇ノ谷村のどこか。
地上から隔絶された、薄暗い地下洞窟があった。
自然にできたものなのか、それとも何者かが掘り進めたものなのかは分からない。
湿った岩肌から水滴が落ち、洞窟の奥には冷たい空気が漂っている。
その一角に、頑丈な鉄格子で囲まれた岩牢があった。

鉄格子は、ニコニ・コモンズのフリー素材あそび様のフリー素材より拝借しました。
口枷は、旅鴉様提供。
その中に、一人の少女が囚われていた。
白川澪である。
彼女は岩牢の床に腰を下ろしていた。
両手と両足には重い鉄枷が取りつけられ、身体は鎖で拘束されている。口には口枷を装着させられ、自由に声を出すこともできない。
「…………」
澪は、黙って目の前の鉄格子を見つめていた。
昨日、キャンプ場で仲間たちを逃がすために蛇武者の前に立ちはだかったこと。
そして、自分がそのまま捕らえられ、どこかも分からない場所へ連れて来られたこと。
そこまでは覚えている。
だが、ここが村のどこにあるのか、どれほど時間が経過したのか、まったく分からなかった。
――みんなは、無事に逃げられたのだろうか。
――咲耶ちゃんは……?
澪は、他に逃げた仲間たちの顔を思い浮かべる。
特に、最後まで自分のそばにいた藤堂咲耶のことが気がかりだった。
あの子は、自分が捕まったことを責任に感じているかもしれない。
どうか、自分のせいだなどと思わないでほしい。
そんな願いを胸に、澪は冷たい岩牢の中でじっと耐えていた。
そのとき――。
ガチャリ……。
鉄格子の扉が開く音がした。
「……!」
澪は顔を上げる。
入口に立っていたのは、白い蛇の仮面を被り、鎧を身にまとった異形の武者。
蛇武者だった。

その手には、盆に載せられた食事がある。
蛇武者は何も言わず、ゆっくりと牢の中へ入ってきた。
澪は、恐怖を押し殺すように蛇武者を睨みつけた。
どれほど怖くても、決して目を逸らすものか。
そんな意志を込めた視線だった。
しかし、蛇武者はまるで気にも留めていない様子だった。
ただ、澪の前に食事を置くと、彼女の口に装着されていた口枷に手を伸ばした。
カチャリ。
口枷が外される。
ようやく自由に声を出せるようになった澪は、すぐさま抗議の言葉をぶつけた。
「私をどうするつもり!?」
蛇武者は答えない。
「早くここから出して!」
澪は鉄枷に繋がれた手を動かし、鎖を鳴らした。
「どうして私をこんなところに閉じ込めるの!? あなたはいったい何者なの!?」
「…………」
蛇武者は、ただ沈黙を保っていた。
澪の問いかけに答えることも、怒りを示すこともない。
まるで、そこにいる少女など最初から存在していないかのように、淡々と食事の盆を置き直す。
「待って! せめて、ここがどこなのか教えてよ!」
澪は必死に呼びかけた。
だが、蛇武者は一度も振り返らなかった。
やがて、彼は岩牢の外へ出ると、鉄格子の扉を閉めた。
ガチャン!
重い施錠の音が洞窟内に響く。
「…………」
再び、一人きりになった澪。
彼女は食事の盆に目を落とした。
空腹ではあったが、すぐに手を伸ばす気にはなれない。
それでも、生き延びなければならない。
ここから脱出する機会が訪れるまで。
仲間たちが助けに来てくれる、その時まで。
澪は小さく息を吸い、目元に浮かんだ涙を拭った。
(みんな……どうか無事でいて……)
そして、彼女は食事に手を伸ばした。
冷たい岩牢の中で、少女はただ仲間たちの救出を待ち続ける。
その一方で、蛇ノ谷村の森では、黎徒たちが咲耶の捜索を始めていた。
行方不明の少女たち。
正体不明の蛇武者。
そして、村の地下に隠された謎の岩牢。
この事件の背後には、まだ誰も知らない秘密が潜んでいる。
次回へ続く。
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