連続誘拐 閉ざされた村の夏 第9話

Seabreeze Aces

北関東某県にある蛇ノ谷村の公営キャンプ場へと合宿にやって来た、鷺島国際大学のテニスサークル「Seabreeze Acesシーブリーズ エーシズ」のメンバーたちだったが、2年の白川澪が大庭竜二と田淵毅の二人組に拉致されてしまうが、柏葉美佳と黒瀬律によって無事に保護される。しかし先日の集中豪雨の土砂崩れによって道路は寸断され、蛇ノ谷村は完全に孤立してしまった。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

蛇ノ谷村公営キャンプ場――思いがけないテニス体験

蛇ノ谷村公営キャンプ場に隣接するテニスコート。

周囲を深い森に囲まれたその場所には、今日もラケットがボールを打ち返す小気味よい音が響いていた。

「はいっ、もう一本!」

「ナイスショット、玲央!」

「次、こっちにお願いします!」

Seabreeze Acesの学生たちは、昨日までの騒動が嘘だったかのように、いつもどおりテニスの練習に励んでいた。

もちろん、村が孤立していることも、指名手配中の凶悪犯が潜伏していることも忘れたわけではない。

しかし、いつまでもコテージの中で怯えていても仕方がない。

三神玲央の判断のもと、学生たちは複数人で行動するという約束を守りながら、予定どおり練習を再開していたのである。

そんな彼らの様子を、テニスコートのフェンスの外からじっと見つめている少女がいた。

柏葉美佳。

そして、その肩には黒い体毛に覆われた、小さなリスのような生き物がちょこんと乗っている。

ブラックカーバンクルのクロエルだ。

「本当にテニスの練習してるんだ……」

美佳は、コートの中で元気に走り回る学生たちを眺めながら、心配そうに呟いた。

「大丈夫かな……?」

肩の上のクロエルは、特に返事をすることなく、じっと学生たちを観察していた。

その姿は、傍目には主人の肩で大人しくしているペットそのものだ。

だが、その小さな身体の中身は、数え切れないほどの年月を生きてきた異世界の大魔導士である。

(……若者というものは、危険を承知していても、日常を取り戻そうとするものなのだな)

クロエルがそんなことを考えていた、その時だった。

テニスコートの様子を眺める柏葉美佳とクロエル、コートの中の三神玲央と九条玲沙は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

「あっ、美佳ちゃん!」

フェンスの向こうから、明るい声が飛んできた。

振り向くと、コートでプレイ中だった九条玲沙がこちらに気づいて手を振っている。

隣には三神玲央の姿もあった。

「あ、どうも。見学させてもらってます」

美佳は慌てて頭を下げた。

玲沙はフェンスのそばまで歩いてくると、不思議そうに首を傾げた。

「あれっ? お兄さんは一緒じゃないの?」

「えっ!?」

美佳の肩がぴくりと跳ねた。

「あっ!? えっと……その……」

思わず言葉に詰まる。

そもそも、ここで玲沙が言っている「お兄さん」とは、昨日、美佳とともに白川澪をキャンプ場まで送り届けた青年――黒瀬律のことである。

もちろん、彼が名乗った「柏葉章介」という名前は偽名だ。

その正体は、美佳の魔法の師匠にして相棒であるクロエル。

そして、今そのクロエル本人は、美佳の肩の上に乗っている。

つまり、玲沙が探している「お兄さん」は、すぐ目の前にいるのだ。

ただし、現在の姿は黒い毛玉のような小動物だが。

「兄は今、ちょっと用事で出かけてます」

美佳はどうにか平静を装って答えた。

「そ、そうなんだ……」

玲沙は納得したように頷いたものの、すぐに表情を引き締めた。

「でも、美佳ちゃん。村の防災無線で聞いてるでしょ? 今は指名手配犯が村の中に潜伏しているのよ?」

「……はい」

「女の子一人じゃ危ないわ。こんなところまで一人で来ちゃ駄目よ」

「す、すみません……」

心配してくれているのは分かる。

分かるのだが、美佳としては少々複雑だった。

(いや、私の方は魔法少女だし……。むしろ、皆さんの方が危ないというか……)

もちろん、そんなことを口にするわけにはいかない。

美佳は苦笑いを浮かべながら、話題を変えるように尋ねた。

「でも……そういう皆さんこそ、外に出て大丈夫なんですか? 澪さんが襲われたばかりなのに……」

すると、玲央が静かに答えた。

「その澪が言ったんだよ」

「えっ?」

「指名手配犯なんかに負けるわけにはいかない。毅然と平常どおり合宿を続けようってね」

玲央はコートの向こうに視線を向けた。

そこでは、白川澪が仲間たちと一緒にラリーを続けていた。

「もちろん、警戒は怠らない。単独行動は禁止しているし、何かあればすぐに対応できるようにしている」

「そうなんですか……」

美佳は改めてコートの中を見つめた。

澪はまだ、誘拐されたときの恐怖を完全に乗り越えたわけではないだろう。

それでも、仲間たちと一緒にラケットを振り、ボールを追いかけている。

その姿からは、もう一度いつもの日常を取り戻そうとする強い意志が感じられた。

(……すごいな)

美佳は素直に感心した。

自分も魔法少女として、どんな危機にも立ち向かおうと心に決めている。

けれど、目の前にいる大学生たちもまた、それぞれのやり方で困難に立ち向かっているのだ。

「そうなんですか……」

美佳が感心したように頷いた、その時。

「ん? あれ、美佳ちゃんじゃん!」

別の声が聞こえてきた。

「本当だ!」

声に気づいた数人の部員たちが、休憩を兼ねてフェンスのそばへ集まってきた。

その中には、桐谷茜と新海美羽の姿もある。

茜は美佳の顔を見て微笑んだあと、ふと、その肩に視線を落とした。

「……あれ?」

「どうしたの、茜?」

美羽も美佳の肩を覗き込む。

そして――。

「美佳ちゃん、その肩に乗ってる動物はなぁに?」

「えっ?」

美佳は、自分の肩に目を向けた。

そこには、相変わらず何食わぬ顔で周囲を眺めているクロエルがいる。

「ペットなの? もしかしてリス?」

美羽が目を輝かせた。

「え、ええと……」

美佳は助けを求めるようにクロエルを見た。

しかし、クロエルは涼しい顔でそっぽを向いている。

(クロエル、ちょっとは助けてよ……!)

心の中で訴えながら、美佳は曖昧に笑った。

「まあ、そんなようなもんです……」

「へえ~! 可愛い!」

茜と美羽の目が輝いた。

次の瞬間。

クロエルは美佳の肩から、ひょいっと地面に飛び降りた。

そして、二人の目の前まで小さな足取りで歩いていく。

「……」

ちょこん、とその場に座り込むクロエル。

まるで、自分を好きなだけ観察してくれと言わんばかりの堂々とした態度だった。

クロエルを愛でて可愛がる桐谷茜と新海美羽は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

「きゃあーっ! 可愛い~~~っ!」

茜が歓声を上げた。

「本当だぁ! ふわふわしてる!」

美羽もしゃがみ込み、クロエルの顔を覗き込む。

「ねえねえ、触ってもいい?」

「……」

クロエルは無言だった。

しかし、逃げる様子はない。

「じゃあ、ちょっとだけ……」

茜が恐る恐る手を伸ばし、クロエルの頭を撫でた。

「わあっ! すっごく柔らかい!」

「私も、私も!」

今度は美羽が、黒い体毛をそっと撫でる。

「ふわふわ~! 毛並みもすごく綺麗!」

「ねえ、この子、何を食べるの? 木の実とか?」

「リスなら、やっぱりどんぐりかな?」

「でも、リスにしてはちょっと違うような……?」

二人はすっかり夢中になっていた。

クロエルは相変わらず無言のまま、されるがままに撫でられている。

その内心では――。

(……まったく。私は異世界の魔法体系を熟知した賢者であって、愛玩動物ではないのだが)

と、いささか複雑な思いを抱いていた。

(しかし……)

茜が嬉しそうに頬を緩める。

美羽も満面の笑みを浮かべている。

(……この程度で彼女たちの気が晴れるのであれば、しばらくは付き合ってやるとしよう)

クロエルは小さく息を吐き、再び大人しく撫でられることにした。

「ふふっ、二人ともすっかり夢中ね」

玲沙が微笑ましそうに眺める。

そして、ふと思いついたように美佳へ向き直った。

「そうだ、美佳ちゃん!」

「は、はい?」

「よかったら、私たちと一緒にテニス、やってかない?」

「……えっ!?」

美佳は目を丸くした。

「そんな……お邪魔しちゃ悪いです!」

「遠慮しないで」

玲沙はにっこりと笑う。

「澪の命の恩人なんだから。私たちとしては、むしろ一緒に楽しんでもらいたいくらいよ」

「い、いや、でも……!」

「咲耶!」

玲沙は、少し離れたところにいた藤堂咲耶へ声をかけた。

「美佳ちゃんに予備のラケットとテニスウェアを持ってきてあげて!」

「了解です♪」

咲耶は元気よく返事をすると、コテージの方へ走っていった。

「えええっ!?」

美佳は慌てた。

「ちょ、ちょっと待ってください! 私、テニスなんてそんなに経験ないですし……!」

「大丈夫、大丈夫!」

茜が立ち上がり、満面の笑みを浮かべる。

「最初はみんな初心者なんだから!」

「そうそう! 私たちが教えてあげるよ!」

美羽も楽しそうに頷いた。

「えっと……あの……」

美佳は玲沙、茜、美羽の顔を交互に見た。

誰も断らせてくれそうにない。

そして、地面ではクロエルが、ようやく解放されたとばかりに小さく身体を震わせ、毛並みを整えていた。

(……なるほど。こういう展開になるわけか)

クロエルは、どこか達観した様子で美佳を見上げた。

(人間社会における交際とは、なかなか強引なものだな)

「クロエル~~~!」

美佳が小声で抗議する。

「ちょっとは助けてよぉ……!」

しかし、クロエルは知らん顔だった。

やがて咲耶が、予備のラケットとテニスウェアを抱えて戻ってきた。

「美佳ちゃん、お待たせ!」

「えっ、あっ、はい……!」

手渡されたラケットとウェアを受け取る美佳。

こうして彼女は、本人の心の準備が整うよりも早く、Seabreeze Acesの面々からテニスを教わることになってしまったのである。

(……私、今日は蛇神神社の様子を見に来たはずなんだけどなぁ……)

美佳は手元のラケットを見下ろし、困ったように笑った。

その足元では、クロエルが小さな身体で大きく伸びをしていた。

(さて……この娘がテニスを覚えるのが先か、それとも蛇神が目を覚ますのが先か……)

黒い妖精は、誰にも聞こえない声で呟いた。

(どちらにせよ、退屈な一日にはなりそうにないな)

森に囲まれたテニスコートには、再びボールを打つ音と、学生たちの明るい笑い声が響き始めていた。

――その平穏が、いつまで続くのかも知らぬままに。

初めてのテニスウェア

蛇ノ谷村公営キャンプ場に隣接するテニスコート。

森の木々の間から木漏れ日が差し込み、コートの上には爽やかな風が吹き抜けていた。

その一角では、藤堂咲耶に用意してもらったテニスウェアに着替えた柏葉美佳が、少し恥ずかしそうに立っていた。

藤堂咲耶と白川澪からテニスを教えてもらう柏葉美佳は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

白いポロシャツに、白いスコート。

普段、中学での部活はコーフボール部である美佳にとって、テニスウェアを着るのは初めての経験だった。

「ど、どうでしょう……?」

美佳はスコートの裾をそっと押さえながら、遠慮がちに尋ねた。

咲耶は満足そうに頷く。

「うん、よく似合ってるわよ! ちょうど中学生にもサイズの合うウェアがあってよかったわ」

「そ、そうですか……?」

「ええ。せっかくだから、今日は楽しんでいってね!」

「は、はい……!」

美佳は頬を赤らめながら、小さく頷いた。

コートのフェンス脇には、黒い体毛に覆われた小動物――クロエルが様子を見守るようにちょこんと立っている。

もちろん、周囲の学生たちは彼を珍しいペットだと思っているのだが。

(……まったく。魔法少女ともあろう者が、テニスウェア一着でこの有様とは)

クロエルは呆れたように美佳を見上げた。

(もう少し堂々としたらどうなのだ)

「……何か言いたそうだね、クロエル?」

美佳が小声で問いかける。

「キュ?」

クロエルは、わざとらしく首を傾げた。

「……もう!」

美佳が頬を膨らませたところで、彼女の前に白川澪が歩み寄ってきた。

「美佳ちゃん、お待たせ。じゃあ、まずはラケットの握り方から練習しましょうか」

「あ、はい! よろしくお願いします!」

美佳は慌てて背筋を伸ばした。

澪は微笑みながら、彼女の持つラケットに目を向ける。

「ラケットはこう握るのよ」

そう言って、澪は自分のラケットを手に取った。

柄を握る手の位置を示しながら、丁寧に説明する。

「強く握りしめすぎると、手首が動かしにくくなるの。だから、力を入れすぎず、でもラケットがぐらつかない程度に握ってね」

「こ、こうですか?」

美佳は教わったとおりにラケットを握る。

「そうそう。上手よ」

「ほ、本当ですか?」

「ええ。最初から完璧にできる人なんていないんだから、焦らなくて大丈夫」

澪の優しい言葉に、美佳の表情も少しずつ和らいでいった。

「ありがとうございます、澪さん!」

「ふふっ、どういたしまして。それじゃあ、次はボールを打つ練習をしてみましょうか」

「は、はい……!」

美佳は緊張した面持ちでラケットを構えた。

その様子を見守りながら、クロエルは小さく息を吐いた。

(……ひとまず、こちらは問題なさそうだな)

しかし、クロエルはまだ知らなかった。

この穏やかなテニスコートのすぐ近くで、思いもよらぬ危険が迫っていることを。


森へ消えたテニスボール

一方、隣のコートでは、別のメンバーたちがダブルスの試合を楽しんでいた。

ダブルスのペアを組む佐伯瑛人と高槻紗季は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

対戦しているのは、佐伯瑛人と高槻紗季の一年生ペア。

ダブルスのペアを組む早乙女陽飛と南條陽菜は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

そして、三年生の早乙女陽飛と二年生の南條陽菜のペアである。

「よーし、次は僕のサーブだ!」

陽飛がボールを手の中で弾ませる。

「陽飛先輩、手加減してくださいよ!」

瑛人がラケットを構えながら声を上げた。

「何を言ってるんだ、瑛人! 試合は真剣勝負だぞ!」

「そう言いながら、さっきから紗季にばっかり狙ってボールを打ってません!?」

「気のせいだ、気のせい!」

「絶対わざとですよね!?」

「瑛人くん、集中して!」

隣で紗季が苦笑しながら声をかける。

「陽飛先輩のサーブが来るわよ!」

「おっと、そうだった!」

瑛人は慌てて姿勢を整えた。

陽飛はニヤリと笑うと、ボールを高く放り上げる。

「それじゃあ、いくぞ!」

ラケットを振り抜いた瞬間――。

バシィッ!

鋭い音とともに、ボールが勢いよく飛び出した。

ところが。

「……あっ!」

ボールはコートの隅を大きく外れ、そのままフェンスへ向かって一直線に飛んでいった。

そして――。

ポーンッ!

金網フェンスの破損した部分をすり抜け、森の中へと消えてしまった。

「…………」

一同が沈黙する。

やがて、瑛人がゆっくりと陽飛を振り返った。

「……陽飛先輩」

「な、何だ?」

「今の、完全にアウトですよね?」

「……まあ、そうなるな」

陽飛は気まずそうに頬を掻いた。

「いやあ、ちょっと力が入りすぎちゃったかな?」

「ちょっとどころじゃないですよ!」

紗季も呆れたようにため息をつく。

「もう……。だから力加減してくださいって言ったのに」

「ごめんごめん。反省してます!」

陽飛は両手を合わせて謝った。

しかし、飛んでいったボールを放置するわけにもいかない。

何しろ、ここは山間部の古いテニスコート。

利用料金が安い代わりに、設備の老朽化が目立っている。

フェンスにはあちこちに穴が開き、コートの隅には傷んだ箇所もある。

そのため、ボールがコートの外へ飛び出すこと自体は、決して珍しいことではなかった。

「仕方ないな……。みんなで探しに行こう」

陽飛がそう提案すると、瑛人と紗季も頷いた。

「そうっスね」

「すぐ見つかるといいけど……」

こうして四人は、フェンスの破損箇所を通って、コート裏手の森へと足を踏み入れた。

その様子を見ていた伏見湊が、念のために声をかける。

「おい、あまり遠くへ行くなよ?」

「大丈夫だよ、湊!」

陽飛は振り返って答えた。

「僕たち四人で一緒に、なるべく離れないようにするから」

「……ならいいが」

湊は念を押すように続けた。

「ボールを見つけても、森の奥まで追いかけるなよ。何かあったら、すぐに戻ってこい」

「了解!」

陽飛は軽く手を振ると、三人を連れて森の中へと入っていった。

湊は彼らの後ろ姿を見送りながら、わずかに眉をひそめた。

村の中には、まだ指名手配犯が潜伏している。

もちろん、テニスボールを探しに行くだけなら、何も問題はないはずだ。

だが――。

昨日の白川澪の事件を考えれば、念には念を入れる必要があった。

「……何事もなければいいが」

湊は小さく呟き、再びコートへ視線を戻した。


森の中の不穏な影

コートの裏手に広がる森。

木々の間から差し込む陽光が、地面に複雑な模様を描いていた。

四人は周囲に気を配りながら、草むらや木の根元を探して歩いていた。

森の中でテニスボールを探す早乙女陽飛と佐伯瑛人は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。
森の中でテニスボールを探す高槻紗季と南條陽菜は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

「うーん……どこ行っちゃったのかしら?」

紗季が辺りを見回す。

「結構、飛んでいったよなあ……」

瑛人も木々の間を覗き込んだ。

「陽飛先輩、あのサーブ、ちょっと威力ありすぎじゃないですか?」

「だから悪かったって!」

陽飛は苦笑した。

「でも、あれだけ飛んだんだから、意外と遠くまで転がってるかもしれないな」

そして、森の奥を指差す。

「瑛人、あっちを探してきてくれ」

「了解っス」

瑛人は元気よく返事をすると、少し離れた木々の間へ向かった。

「陽菜と紗季ちゃんはこっちを頼む。僕はもう少し先を見てくるよ」

「分かりました」

四人は互いの姿が見える範囲を保ちながら、それぞれボールを探し始めた。

――だが。

この森には、彼らが探しているテニスボール以外にも、見つけてはいけないものが潜んでいた。

木々が生い茂る一角。

人目につきにくい場所に身を潜めていた二人の男が、こちらの様子を窺っていたのである。

大庭竜二。

そして、田淵毅。

指名手配中の凶悪犯である二人は、土砂崩れによって村から出られなくなった現状を打開するため、何か使えるものはないかと村内を探り歩いていた。

そんなところへ、運よく――いや、学生たちにとっては最悪のことに――若者たちが森へ入ってきたのだった。

「兄貴……」

田淵が小声で呼びかける。

「あいつら……」

「分かってる。静かにしろ」

大庭は鋭い目つきで四人を観察した。

その視線が、やがて一人の女子学生に向けられる。

南條陽菜。

彼女は仲間たちと少し離れた場所で、草むらの中を覗き込んでいた。

「あれ……?」

陽菜が足を止める。

木の根元に、黄色いものが見えたのだ。

「もしかして……!」

近づいてみると、それは探していたテニスボールだった。

「あっ、あった!」

陽菜は嬉しそうに声を上げた。

そして、ボールを拾おうと、その場にしゃがみ込む。

「よかったぁ……。これで戻れるね」

ボールを手に取り、ほっと息をつく。

テニスボールを拾おうとしている南條陽菜と背景は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。
南條陽菜の前に立ちはだかる大庭竜二と田淵毅の後ろ姿は、Leonardo.Ai App – Generate AI Images, Videos & Designsで生成しました。

――その瞬間だった。

陽菜が顔を上げた、その目の前に。

二人の男が立っていた。

「……え?」

陽菜の動きが止まる。

目の前にいるのは、見知らぬ男たち。

一人は、短く刈った黒髪に、屈強な体格。

もう一人は、金髪の短髪で、落ち着きなく周囲を見回している。

田淵毅と大庭竜二は、PixAI|AIイラスト・AI画像生成サイト|無料で自動生成のモデルTsubaki.2で生成しました。

そして、黒髪の男が口元を歪めた。

「よぉ~、お嬢ちゃん」

大庭竜二は、ニヤリと笑った。

陽菜はその顔を見つめたまま、凍りついた。

「……あ……」

声が出ない。

手にしたテニスボールが、指の間から滑り落ちそうになる。

(うそ……)

陽菜の脳裏に、サークルの練習前ミーティングでの注意喚起や、村の防災無線で聞いた情報がよぎった。

昨日サークルの仲間である白川澪を攫った指名手配犯が、まだこの村に潜伏している。

大庭竜二。

田淵毅。

まさしく指名手配のポスターに載っていた顔写真そのもの。

まさか、目の前にいる二人が――。

「……あ、ああっ……!!」

陽菜の喉から、かすれた声が漏れた。

逃げなければ。

そう思うのに、足が動かない。

叫ばなければ。

そう思うのに、声が出ない。

恐怖と驚きでよろめいてしまった身体がそのまま硬直し、ただ目の前の男たちを見つめることしかできなかった。

恐怖でその場から動けない南條陽菜は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

大庭は、そんな陽菜の反応を見て、さらに口元を歪めた。

その背後では、田淵が周囲を気にするように森の中を見回している。

「……へえ」

大庭が低い声で呟いた。

「こんなところで、いい獲物に出くわすとはな」

陽菜の顔から、血の気が引いていく。

森の木々は、何も知らないかのように静かに揺れていた。

少し離れた場所では、瑛人と紗季、そして陽飛が、まだテニスボールを探している。

陽菜が危険な状況に陥ったことなど、誰も気づいていない。

果たして、陽菜の運命は――!?

次回へ続く!

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