ここは名探偵・武智恭介が新宿の一等地にオフィスを構える武智探偵事務所。ここでは相馬晴彦、雨宮梨奈、イサム=ルワン=ラーティラマート、不破詩織の4人の武智探偵が見込んだ優秀な大学生が探偵助手としてアルバイトをしている。そして今日も探偵事務所に依頼が舞い込む…。
舞い込んだ依頼
「暇だなぁ…」
梨奈が退屈そうにつぶやく。今日、武智探偵は晴彦とイサムを伴い、静岡の綾小路邸に赴いて事務所を留守にしていた。綾小路家で発生した遺産相続絡みの連続密室殺人事件を解決するためである。男どもに置いてけぼりを食らい梨奈一人はいかにも不満そうだが、もう一人の留守番である詩織は表情一つ変えずにデスクの上のパソコンに向かい担当している経理事務を淡々とこなしていた。
イサム曰く、女の子だけが置いて行かれた理由は「今回の事件は女の子には刺激が強すぎるから」とのこと。梨奈にしてみれば、何だか見くびられた気分だ。
そこへピンポーン!♪と、訪問者を告げるチャイムが鳴る。
「あのー、ごめんください。武智探偵事務所とはこちらでよろしいですか?」
現れたのは、梨奈や詩織と同世代の若い女性だった。
「はいはーい! 武智探偵事務所は間違いなくこちらでーす! 迷い猫探しや浮気調査、殺人事件の捜査まで何でもお引き受けしますよ♪」(^^♪
つい数秒前までソファの上で退屈そうにゴロゴロしていた梨奈は、嬉しそうに飛び起きて目を輝かせたワクワク顔で依頼人と思しき訪問客を応対する。やる気100パーの梨奈に、訪問者の女性は若干引き気味だ。それを見ていた詩織は、そっと梨奈の袖を引っ張る。
「ちょっと梨奈…!」
「えっ? あっ、ごめんごめん💦 ささ、こちらへどうぞ。詩織、お客様にお茶持ってきて!」
「まったく…調子がいいのです」┐(´д`)┌ヤレヤレ
詩織が呆れつつもお茶を入れに向かっている間に、梨奈は女性を応接間へと案内する。
「それで、どんなご用件でしょうか?」(^^♪
「あのー、ところで武智先生は?」
「今日は先生は用事で外出中なのです。よろしければ私たちが代わって伺うのです」
ポットからお茶を入れて戻って来た詩織が、女性にお茶を差し出す。
「実は…」
女性は、重い口を開いて話を切り出した。
謎の研究施設
一方その頃、どこかの怪しげな研究施設の地下室では、監禁されていた大学生らしき男子が、何者かによって謎の液体を注射されようとしていた!
「さあ、お注射の時間だ。最初の内はちょっとチクッとするけど我慢しな。すぐ終わるからなww」
「…い、いったい俺に何をする気だ!? や、やめろ…やめてくれ!!」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
いざ潜入!
ここは黒曜館大学体育学部の中央スポーツセンターである。日夜、肉体の限界に挑み鍛錬に励むアスリートたちの健康面から精神面に至るまで万全なサポートを行う施設で、在籍している学生以外の一般人も利用できる。
「黒曜館大学…。オリンピックの金メダリストも多数輩出しているスポーツの名門中の名門ね」
「依頼人さんの話では、この建物で彼氏さんが失踪したそうなのです」
先程探偵事務所を訪れた依頼人の名は、小嶋結衣。黒曜館大学体育学部3年の女子大生で、陸上部のマネージャーだ。その結衣のボーイフレンドである同じ陸上部のエース走者・同じく体育学部3年の有馬俊介がここ数日間行方不明なのだという。その俊介の行方を探してほしいとの結衣の依頼を引き受けた梨奈と詩織は、2人でそのスポーツセンターの正面入口の前まで来ていた。結衣の話では、俊介との音信が途絶える直前、直接連絡があって彼がここを訪れていたことが分かっているのだという。
「調べてみたところ、俊介さんの他にも多数の男子アスリートがこのスポーツセンターで行方不明になっていたことが判明したのです。でも梨奈、もしそれが事実だとすると、警察もマスコミも動き出してもっと大騒ぎになっていないとおかしいのです。今もそうなっていないということは……」
「何かアタシたちの想像を超えた大きな力が働いているってことね…」
「やっぱり私は単独捜査には反対なのです。先生に連絡して、先生や晴彦くんたちの帰りを待つべきなのです!」
「イヤよ! ここでアタシたち女子を除け者にした男子どもを見返してやらないでどーするの!? ……大丈夫よ♪ 別に不法侵入しようって訳じゃないんだから。それよりも外からのサポートお願いっ」
「…もうっ、分かったのです。でも危なくなったら深入りしないですぐに戻ってくるのですよ!」
「うん、分かった」
早速単身でスポーツセンターへと潜入を開始した梨奈。一般見学者を装って誰にも見つからないように一般利用者区域から地下の関係者以外立ち入り禁止の区域に入り込むと、数人の男子たちが監禁されていた牢屋を発見した!
「あ、あんたは…!?」
「皆さん大丈夫ですか!? この中に有馬俊介さんっていますか?」
「有馬俊介は俺だけど…」
「小嶋結衣さんから頼まれた者です」
「何だって!? 結衣が!?」
「ちょっと待ってて。今開けます!」
梨奈は長い髪の中に隠していたピンセットを取り出し、鉄格子の錠前を開けた。
「さっ、今のうちに早く!」
ところが牢屋の中から外へと出た男子学生たちは、全く逃げようともせず逆に梨奈を取り囲んだ。そしてそのうちの一人の男子が梨奈に腹パンをお見舞いした!
「えっ!?💦…うっ!!……ど、どうしてッ…!?」
ニヤリと不気味に笑う男子学生たちに取り囲まれながら、梨奈はその場に崩れ落ちて気を失ってしまった。
囚われた梨奈
「んんーっ!! んんーっ!!」
気がついた梨奈は、研究室のような部屋で椅子に座らされていて、手足を縛られ口にも猿轡を噛まされていた! 今のところこの部屋には他に人はいないようで、いるのは捕まっている梨奈一人だけのようだ。果たして彼女はこの危機を脱出できるのか!?
つづく。
コメント
女性サイドが始まりましたね~
男どもに置いてきぼりになり、ソファの上でくさっていた梨奈ちゃん、そんなところに現れた依頼人に一瞬でテンションマックスに、
助手の分際にもかかわらず、詩織ちゃんの忠告を無視して勝手に依頼を引き受けてしまう…この娘、やばいですね…行動的と言うより、何も考えずに動く確かにプロフィール通りのお転婆ですね…カモネギだこりゃ…
依頼内容は行方不明になった陸上部のエースのボーイフレンドを探すってことで、その行方不明になったスポーツセンターにいきなり下調べもなく潜入…この娘、探偵として何かが足りてない…
そして潜入した先で見たものは、牢屋に監禁されている数人の男達だった…え…話が違う…今回は女の子が捕まる話だって…(´;ω;`)
厳重な牢屋をあっさりとピッキングで開き、捕まった男達を解放しようとした梨奈ちゃんだった…ほらとっとと逃げろよ野郎ども…ってあれ?
なんと野郎どもは逃げようとせず、梨奈ちゃんを取り囲み、あろうことか時代劇でよくある腹パンを梨奈ちゃんにお見舞い、そう言えば最初にところでお注射されてた野郎がいたが…なんだか面白くなってきましたね~
そして目を覚ました梨奈ちゃん、何と手足を縛られ猿轡を噛まされ、研究室のような部屋に…さっそくきましたね~梨奈ちゃんの緊縛、こっちでは初お披露目のお姿ですね!
もう野郎どもだけだとどうしようかと思ってましたが、眼福です有難う御座います!
さて、野郎どもの裏切りと謎の研究施設、謎が深まる展開ですね、続きが楽しみです!
> そして目を覚ました梨奈ちゃん、何と手足を縛られ猿轡を噛まされ、研究室のような部屋に…さっそくきましたね~梨奈ちゃんの緊縛、こっちでは初お披露目のお姿ですね!
> もう野郎どもだけだとどうしようかと思ってましたが、眼福です有難う御座います!
次回はもっと梨奈(そして詩織も)のイラストを載せたいと思いますので、ご期待ください。
>「イヤよ! ここでアタシたち女子を除け者にした男子どもを見返してやらないでどーするの!? ……大丈夫よ♪ 別に不法侵入しようって訳じゃないんだから。それよりも外からのサポートお願いっ」
そういう意気込みで臨むと…、と思っていたら案の定捕まってしまいましたね。注射された薬物の正体は、そして、何故男子だけなのか、まあ、怪しげな超人化計画が進んでいるのは確実なようで…。そして、詩織ちゃんにも魔の手が…、といったところでしょうか。早速ご要望にお答えいただき誠にありがとうございました。今後の展開も楽しみにしております。
> そういう意気込みで臨むと…、と思っていたら案の定捕まってしまいましたね。注射された薬物の正体は、そして、何故男子だけなのか、まあ、怪しげな超人化計画が進んでいるのは確実なようで…。
いずれ女子バージョンの似たようなエピソードも考えてみたいですね。