おかめマン追跡編ノ巻 その三

＜前回までのあらすじ＞数々の誘拐事件を解決する謎のスーパーヒーロー『おかめマン』を取材すべく、鷺島国際大学報道部はサバゲ―チーム『DRYADES（ドリュアデス）』と合同で囮捜査を実施。おかめマンとの接触に成功したのも束の間、ドリュアデスのメンバーの一人、柏葉章介の妹・美佳に危機が迫る！

シブルリックオーダーVSおかめマン！？

「とどめだ！食らえェェェッ!!!」
「ぐっ…ぐわああッッ！！ む、無念…！！」

ハイテクオリハルコンスーツ「流星（オリオン）」を身に纏った紫城心翔の放ったバスタードソード必殺の斬撃が、妖魔結社ザイザムの蜥蜴妖魔獣人を撃破した。

「大丈夫？ 怪我はない？」
「あ、は…はい。どうも、助けてくださってありがとうございます」

どこか怪我はないか？と優しく語りかけながら確認する瀬尾梨帆に、美佳は深々とお礼を言った上でどこにも怪我はないと答える。

「ともかくこれで一件落着だな」
「何余計なことをしとるんじゃおんどりゃああッッ!!!!!!!!おかめキーックッッ！！」
「―ぐほぉッッ！？」

いきなりおかめマンが美濃本敦の背後に現れ、怒りの飛び膝蹴りをお見舞いした！！
勢いよく前方に吹っ飛ばされてしまう敦。

「痛ててて…。な、何だよいきなり！？」
「誰だお前は！？」
「余の名はおかめマン！ お前たち、なんて余計なことをしてくれたッスか！？」
「余計なこと？ どういう意味？」
「その女の子が敵に連れ去られる前に助けてどうするッスよ！？ まずは女の子を一度敵の手に渡してから救出に向かうというのが正義の味方のあるべき王道っしょ！ そんなことも分からないようでは、君らもスーパーヒーローとしてはまだまだッスね」┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ

おかめマンにここまで言われて、このまま大人しく引っ込んでいる心翔たちシブルリックオーダーのユニットチームではない。

「意味はよく分からないけど、何だか言ってくれるじゃないか！？」
「お前もザイザムの一味か！？ ご希望とあらば相手になるぜ！」
「さあ、どこからでもかかってきなさい！！」

「フッ、若造どもが。これも若さゆえの蛮勇か。よかろう、我が必殺おかめ流拳法の前に惨めなゴミとなって朽ち果てるがいいッス」(￣ー￣)ﾆﾔﾘ

お互い対峙して一触即発状態のシブルリックオーダーとおかめマン。だがその時—！！

「キャアアッ！！」

美佳の悲鳴が聞こえた。何と蜥蜴妖魔獣人がまだ生きていたのだ！
蜥蜴妖魔獣人は気を失っている美佳を右腕に抱えている。

「しまった！」
「そんな筈は！？ お前は確かに俺がこの手で！」
「フハハハハハ…残念だったな！ 俺は尻尾から何度でも再生できるんだ！ この娘は人質としてもらっていくぜ！」
「ま、待ちやがれ！！」

蜥蜴妖魔獣人は高笑いを上げながら、美佳を連れてどこかへと消え去ってしまった。その様子を見て安堵と満足の一言を発するおかめマン。

「美佳ちゃんは無事に連れて行かれたようッスね。いやぁ～よかったよかった♪」
「ちっともよくないわァァッッ!!ボケェェェッッ!!!!!!」
「―ぐぼわぁ！？」

ようやく追いついて来た美佳の兄の章介が、デリカシーのない発言をしたおかめマンに対して怒りの右ストレートをお見舞いしたww

「お前が余計な邪魔をしたせいで妹が連れ去られたんだぞ！？ 責任取れやｺﾞﾙｧ!!!!!」
「…く、苦しい。その手を放してほしいッス💦」😜

章介がおかめマンをぐいぐいと締めあげている中、羽鳥瑠璃華たちも追いついて来た。
ちなみに章介に締め上げられているおかめマンだが、いかにも苦しそうな素振りをしているものの、実は心の中では余裕で舌を出していたりするww

「シブルリックオーダーです。今連れ去られた女の子のお知り合いの方たちですか！？」
「あの蜥蜴の化け物に連れて行かれたのは、名前を柏葉美佳といいます。私たちの大事な仲間なんです。どうか助けてあげてください！」
「そうは言ったものの、一体どこに連れて行かれたのか皆目見当も…」
「美佳ちゃんが連れて行かれた場所なら分かるッスよ」
「なにぃっ！？ 本当かッ！？」

自分を締めあげる章介の手を簡単に振り払ったおかめマンは「美佳は滝郷村の洞窟にいる」とその場にいた全員に告げた。

「何でお前にそんなことが分かるんだよ？」
「余は千里眼と予知能力の持ち主なんスよ。美佳ちゃんの居場所を突き止めるくらい朝飯前ッス。信じる信じないはそちらの勝手ッスけどね」

その時、ピコーン！ピコーン！と音が鳴った。

「むっ、しまった！ 血液交換の時間が来てしまうとは！」
「血液交換だって！？ 何なんだよそれ！」
「では、いざ、さらばッス♪」

おかめマンは空高く飛び去ってしまった…。

「逃げたな…」
「逃げたわね…」
「逃げやがったな…」
「ぐぬぬ…あんちくしょー！！ 今度会ったらぎゅっという目に遭わせてやるッッ！！」

地団太を踏む章介。他の者たちも呆れる中、心翔たちは「いつまでもここで時間を潰していても仕方がない」と結論付け、美佳を救出するために滝郷村に向かうことになった。美佳の安否を心配する瑠璃華たちも無理を言って同行することに。次回いよいよ、おかめマン追跡編ノ巻 最終回！…かもよ。

「シブルリックオーダー！ そして、その他大勢の連中！ 待ってるぜ！ ぐへへへ！！」
「ムムゥ～ッ！ンムゥゥ――ッ!!」

発見！？

一方その頃、おかめ城の監禁部屋から逃げ出した小寺洸介は、広大な城内を彷徨っていた。

「どこまで行っても似たような廊下ばかり…。いったい出口は何処にあんだよ…？」

次第に表情にも疲労の色が出始めた洸介だったが、偶然にも、とある研究実験室へと迷い込んでしまった。

「これは…ま、まさかッ！？」

激しく動揺し狼狽する洸介。果たして彼は研究室で何を見てしまったのだろうか！？

つづく。