誘拐組織に属する女狩人(ハンター)・石鼠に拉致されてしまった鷺島国際大学報道部の小寺洸介と漆崎亜沙美。石鼠一味のアジト内のどこかに捕らえられている亜沙美の救出ゲームを強要される洸介。早く亜沙美を助け出さないと、彼女は猛毒サソリの餌食に!?
刻々とタイムリミットが迫る!
目が覚めると…?
ようやく亜沙美を見つけ出したと思ったのも束の間、亜沙美そっくりの偽者に首を絞められ気を失ってしまった洸介。やがて彼が気がつくと……
「んんー!!んんんー!!(洸くん!!洸くん!!)」
「んっ、んんっ…(あれっ、ここは…?)」
「んんーっ!! んんんむぅーっ!!(洸くん、目を覚まして!)」
「んんんぐぅ…んぐぅぅぅっっ!?(漆崎さん…? ここは!?)」
目を覚ました洸介は、ソファの上で自分と同じように縛られて口にガムテープを貼られている本物の亜沙美の隣に座らされていた。そして目の前には自分たちを拉致したあの女――石鼠がいた!
「あら、ようやくお目覚め? でもザァ~ンネン!! 偽者のトラップに引っ掛かっちゃったから、このゲームは失格よ。君の負け―!!」😜
「んんんーっ!!んんんぐぅーっ!!(てめぇ!ふざけんな!!)」
「ちなみにネタ晴らしをしてあげましょうか? あのお嬢ちゃんの偽者はね、よっこらしょっと…!!」
石鼠は人一人は入れそうな大きなケースを洸介と亜沙美の目の前に運んできて、蓋を開けて中を見せた。すると箱の中には亜沙美そっくりの等身大人形が収められていた。
「んんっ!?」
「フフフッ…マネキンじゃないわよ。ロボット…それも人工知能搭載の超優秀なアンドロイドよ。アタシが止めるのがもう少し遅かったら、あの時坊やの首の骨をへし折っていたかもねぇ…」
「………」
そこへブラザーズの累児が入って来て、何やら石鼠の耳に呟く。
「姐さん、例の準備が整いました」
「そう…。それじゃあお二人さん、しばらくそこで大人しくしてなさいね。逃げようなんて思うんじゃないよ?」
そういうと縛られたままの洸介と亜沙美をその場に残し、石鼠と累児はさっさと部屋から出て行ってしまった。
ニューゲームスタート!
「くっ、放せ! 放せよ!!」
「助けて!!」
別室へと移動した石鼠と累児を待っていたのは、毬雄によって連れて来られた桜庭陽平と鳳凰院優であった。
「ご苦労さん」
「なぁに、何の面倒もありませんでしたよ。”お前たちの仲間は預かった。返してほしかったら大人しくついて来い”って言ったら、コイツら本当に素直について来ましたww」
「約束だ! 早く小寺と亜沙美ちゃんを解放しろ!」
「早くこのロープを解いてください!」
「約束? 何のこと? アンタたちの仲間をタダで返してやるなんて言ってないわよww」
「そんな……」
「くそっ、やっぱり騙したんだな!?」
地団太を踏んで悔しがる陽平とショックを受けた感じの優だったが、自分たちも縛られてしまっている今となっては如何ともしがたかった。
「でも返してあげてもいいわよ」
「何だって!? 本当か!?」
「緑色のパーカーを着た黒髪の子と黄色のスウェットを着たポニテ娘なら、このアジトのどこかにいるから自力で探し出してみたら? 2人とも運よく見つけられたら、4人とも無傷で解放してあげる」
「なら僕たちを縛っているこのロープをまずは解いてくれ!」
「ダーメ! 両足さえ自由なら動き回るのに十分でしょ。両手は縛られたままで探しなさい。それが救出ゲームのルールよ」
「そんなのひどいわ…」
「行こう優ちゃん、時間がもったいない!」
涙ぐむ優を励まし、彼女と共に階段を上って上に向かう陽平。
そしてそれをヘラヘラと笑いながら見送る石鼠とブラザーズ。
「姐さん、あの2人が仲間を見つけられたら、本当に全員解放してやるつもりッスか?」
「アハハ! まさかww 今の2人は政治家の息子に名門華道家元のお嬢様なんでしょ? そんな高額の身代金をふんだくれそうな大事なカモを、そう簡単に逃がしてたまるかい!!」
「さすがは姐さん!!」
こうして卑劣な救出ゲームの第2回戦が開始された。
つづく。
コメント
偽亜沙美ちゃんの正体はなんと、人工知能搭載のアンドロイド!
随分ハイテクなもんを持ち出してきましたね姐さん、今回はガチですね姐さん!
そのアンドロイドの出所が気になるところですね、一応組織のバックアップがあるのか、それとも別の秘密結社からの提供なのか…後者だったら…「てめぇ組織裏切って勝手に他所についてんのかコラァ!?」ってことになりますね…そこは気になりますね…
>”お前たちの仲間は預かった。返してほしかったら大人しくついて来い”って言ったら、コイツら本当に素直について来ましたww
洸介くんと亜沙美ちゃんを人質にとられ、やむなく外道どもに逆らえずに捕らわれの身となってしまっ陽平くんと優ちゃん
いや清々しいほどの外道っぷりですね石鼠姐さんとブラザーズ、悪党が約束なんて守るはずないじゃん!
そして強引にゲームに参加させられることとなった2人、上半身を縛られたままでの捕らわれの2人を探せという、何とも酷いハンデでつけられた超難易度のゲーム、はたして2人は無事に洸介くんと亜沙美ちゃんを見つけ出し、無事にここから4人で帰ることが出来るのであろうか…
>「姐さん、あの2人が仲間を見つけられたら、本当に全員解放してやるつもりッスか?」
「アハハ! まさかww 今の2人は政治家の息子に名門華道家元のお嬢様なんでしょ? そんな高額の身代金をふんだくれそうな大事なカモを、そう簡単に逃がしてたまるかい!!」
デスヨネー、またどうせえげつない罠を仕掛けてるんでしょ、悪い人ですね~石鼠姐さんは、そしてまた4人が仲良く縛られ並ばされる姿が目に浮かんできますね、彼ら彼女らの苦難はまだまだ続きそうです、とんだ奴らに目を付けられてしまったものですね…
> 偽亜沙美ちゃんの正体はなんと、人工知能搭載のアンドロイド!
ついでに言うと、あのさそりもおもちゃの偽物です。
石鼠姐さんも、せっかく捕まえたリア充捕虜をそう簡単に始末したりはしません。
もっと遊んでやろうとするでしょう。
> そのアンドロイドの出所が気になるところですね、
おそらく今までの稼ぎをほとんど全部つぎ込んで、どこかから裏ルートから購入したんでしょうね。
それだけ石鼠姐さんも今回の作戦には入れ込んでいます!
恐るべき石鼠・・・今後の作戦も二重三重に罠を張り巡らせて二人組をまだまだ苦しめてほしいものです( ̄▽ ̄)
石鼠姐さんは、今回の作戦決行のためにかなりの経費をつぎ込んでいるようです。それこそ今まで誘拐エージェントの稼ぎを貯め込んでいたお金だけに留まらず、借金までしてるかもしれません。まさに今の彼女は背水の陣なのです。