美少年美少女を拉致監禁してコレクションとしている魔宮夫人が、今度は武智探偵事務所の学生探偵たちに挑戦状を叩きつけた。その事件を背後で操っていたのはおかめの御前だったが、計画はいつの間にかディド恒星系第三惑星ボンド星からやって来たボンド星人に乗っ取られていた。
仲間の雨宮梨奈と不破詩織が捕らえられていた監禁城の最上階、不気味な黒髑髏の御神体が安置された生贄祭壇の間に辿り着いた相馬晴彦とイサム=ルワン=ラーティラマート、そして笹南侑衣梨。しかし梨奈たちを助けるべく魔宮夫人と揉み合いになった晴彦は、誤って夫人を〇してしまった…!?
武智探偵登場!
「俺は…俺は人を〇してしまったのか…!?💦」
血まみれのサーベルを握ったまま、呆然と立ち尽くしている晴彦。
「そう…貴方は人を〇めてしまった。もう元の日常には戻れないのよ。さあ、私と一緒に行きましょう。貴方が人生をやり直して安寧に暮らせる楽園へと連れて行ってあげるわ」
完全に冷静さを失った晴彦に言葉巧みに甘い言葉を吹き込み、自らの世界に連れて帰ろうとする黒百合。
「待って晴彦! 行ってはダメ!!」
「これは正当防衛よ! 警察官である私が証人だわ!」
「晴彦! 行っちゃダメだ!」
黒百合に連れて行かれようとする晴彦を必死に呼び止める梨奈や侑衣梨たち。しかし今や黒百合の完全な精神支配下にある晴彦の耳に、もはやその言葉は届かない―――かに思われたその時!
「そこまでだ! 黒百合!!」
「…ちょ、ちょっと聖佳ちゃん! どこ行くのッ!?💦」
今まで大亀桃香と共に物陰に身を潜めていた寺瀬聖佳が、突然彼らの目の前に飛び出したのである。
「…あら、誰なの貴女? これからいいところなのに、邪魔しないでもらえるかしら」
晴彦を連れて行こうとするのを邪魔をしようとする聖佳に対して、不快感を示す黒百合。そして聖佳の顔に見覚えのある侑衣梨も反応する。
「…あ、貴女は、寺瀬聖佳!?」
「知ってるんですか!?」
「私たちが以前に壊滅させた犯罪組織おかめ党の最高幹部よ。あの時に炎上するおかめ城諸共運命を共にしたと思っていたけど、やっぱり生きていたのね!」
「残念だが、私はその寺瀬聖佳ではない」
「何ですって!? どういうこと!?」
寺瀬聖佳――と思われていたその少女は、頭のカツラを外し、顔からベリベリッとマスクを剥ぎ取り、着ていた服を一瞬で脱ぎ捨てると、名探偵・武智恭介が姿を現した。この監禁城にいた寺瀬聖佳は、最初から武智探偵の変装だったのだ! 半袖ポロシャツとショートパンツの中に、どうやって長袖長ズボンのスーツ上下をビシッと着込んでいたのか?……という点には決してツッコんではいけない。細けーことはいいんだよ!!
「安心したまえ晴彦君、君は誰も〇してはいないよ」
「――えっ!?💦 それは本当ですか!?」
武智の言葉で、ハッと我に返る晴彦。
「魔宮夫人はおかめの御前の分身であるアンドロイドだ。血など出るはずがない。おそらくは何らかの幻術でも使ったんだろう」
「…そうだったのか。くそっ、よくも騙したな黒百合め!!💢」
「全てはターゲットに定めた晴彦君に精神的ショックを与え、その隙を突いてマインドコントロール下に置こうとした黒百合の陰謀だ」
「フッ、さすがは武智探偵ね。でも私に構っていていいの? そのうち騒ぎに気付いたボンド星人とスパルトイの兵隊たちが、この階にも押し寄せて来るわよ」
しかし黒百合の言葉とは逆に、最上階へと駆けつけて来たのは鷹松優姫刑事と警官隊だった。
「そこまでよ! 両手を上げなさい!」
「先輩! 無事だったんですね! よかった…」( ノД`)シクシク…
「武智さんが助けてくれたのよ。さっきはよくもやってくれたわね黒百合! この御礼は倍にして返してあげるわ!」
学生探偵や警察に完全に包囲された黒百合。
「ボンド星人やスパルトイの連中はどうしたの?」
「ボンド星人とスパルトイは、すでにこの監禁城を放置して撤収したようだ。もうこの城には君しかいないよ? ボンド星人の企みに便乗して彼らすらも己の目的のために利用しようとした君の企てもこれまでだ!」
「くっ、でもまだ勝負はついていないわ!」
「――むっ!? いかん! みんな伏せろッ!!」
黒百合は自分は携帯酸素マスクを着けてから催涙ガス弾を床に投げつけると、その場から気球に飛び乗り逃走するのであった。
「…くっ、待て!!」
「もう少しで美少年を私の愛玩動物に出来たのに。覚えていなさい、武智恭介。この礼はいつか必ずしてあげるわ」
ところで本物の聖佳は?
武智探偵の活躍により、危うく黒百合に連れ去られるところだった晴彦は窮地を切り抜け、監禁城は警察により制圧された。その騒ぎのどさくさに紛れて城から脱出していた大亀桃香ことおかめの御前は、宇宙空間を光速移動しながらネオおかめ星への帰還の途についていたが……。
「あの聖佳ちゃんが中年男の探偵の変装だったとは…。余もすっかり騙されたッスよ。すると、本物の聖佳ちゃんは今どこに…?」
いつの間にか監禁城からボンド星人やスパルトイがあっけなく撤退していたのは、一番肝心な美少女を未だ手中に収めているからだ。
「んっ、んんんっ、んーんーっ!!」
本物の寺瀬聖佳は、今もまだMr.unknounの息のかかった某施設の中に捕らえられていた!
取調室にある尋問(という名のプレイ)用の監禁椅子に拘束されている聖佳を待ち受けている運命とは!?
ところでタイトルにもある「黒髑髏の美女」って一体何だったの?
END
コメント
人を〇してしまったことに絶望する晴彦くん、そんな彼に甘い言葉を囁く黒百合姉様…まあ、この状況で一番怪しいのはこの人ですよねやっぱり…
…ってことは、ここで現れる予定の武智恭介が変装しているのは、消去法で考えて…
やっぱり聖佳ちゃんかよ…OTL
可憐な聖佳ちゃんの中の人があんなキザったらしいオッサンだなんて…
骨格まで変えられるのかアンタは…
危ないところで晴彦くんの持ち帰りを防ぎ、黒百合姉様の陰謀を阻止した武智恭介!
だが、まだ懸案事項が…スパルトイ兵とボンド星人殿が…
…っと思ったら、駆け付けたのは優姫様と警官隊、まさか警察組織にスパルトイを追い払う程の実力が…って監禁城を放置して撤収したようだった、ここで銃撃戦とかちょっと蛇足になったかもですからね。
それにしてもおかめの御前様すら騙すとは、武智恭介大した男ですね、おかめの御前様も「余の顔を見忘れたッスか」まで言って自分から正体バラしてましたからね、ちょっと黒歴史になったかもですね。
さて、それでは聖佳ちゃんの行方は…未だMr.unknounの手の内のようですね、いったいどんな運命が待ち受けているのやら。
> さて、それでは聖佳ちゃんの行方は…未だMr.unknounの手の内のようですね、いったいどんな運命が待ち受けているのやら。
Mr.unknounにお伝えください。聖佳ちゃんのことは「もう好きなように弄んじゃってください!」と…。
そうか、武智探偵は実はどこかの異世界から転生してきた魔法使いだったんだ!···というのは冗談ですが、まあ突っ込んだら負けなんでしょうね(笑)。昔の2時間ドラマの明智小五郎ものとかでもわりと無茶な変装があったような気がしますが。
新キャラの黒百合姐さんは趣味全開のトリックスターとして今後も出没しそうですね。彼女が目をつけそうな美少年美少女には事欠かないですし。優姫さんは姐さんに何をされていたのか?についてもいろいろ妄想がはかどりますw囚われの聖佳ちゃんについてはまだまだ話が続きそうですが、彼女を助けるのはやはり詩郎君の役割になりそうな気がします。
> 新キャラの黒百合姐さんは趣味全開のトリックスターとして今後も出没しそうですね。彼女が目をつけそうな美少年美少女には事欠かないですし。
亡八者様のブログからは中村姉弟をお借りしておりますように、JUDO様のブログからも誰かキャラクター借りたいと前々から考えていたのですが、発想の転換で被害者の少年少女ではなく加害者のヴィランをお借りすることにした次第です。使い勝手が良さそうなキャラなので、今後も出番は増えそうです。
> 囚われの聖佳ちゃんについてはまだまだ話が続きそうですが、彼女を助けるのはやはり詩郎君の役割になりそうな気がします。
今後の寺瀬聖佳の扱いについては、『時空戦士スピルバン』におけるヘレンを参考にするつもりです。ヘレンがヘルバイラになったように、聖佳ちゃんも悪の変身ヒロインになって詩郎の前に立ちはだかるかもしれません。
当方から出向の黒百合様も一旦退場ですかね(^▽^)/
こちらでもそろそろ大活躍の予定ですが(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
どこにその衣装収納してたの!?ってのは、古今東西の名探偵やら名怪盗やらでありがちな謎・・・そういえば、科学特捜隊なんかもどうやって隊員服下に着こんでるの・・・?
むしろ、どうやって完全に声帯を女性に・・・?というのが気になったりします(^▽^)
> 当方から出向の黒百合様も一旦退場ですかね(^▽^)/
もし黒百合様が晴彦くんのお持ち帰りに成功していたら、彼はJUDO様お好みの長袖長ズボン姿に着替えさせられていたかもしれませんね(^^♪
> むしろ、どうやって完全に声帯を女性に・・・?というのが気になったりします(^▽^)
元祖?土ワイ版の美女シリーズの明智小五郎は、姿形は女性に変装できても女性の声帯模写まではできない設定でした。初代・天知茂版の第22作「禁断の実の美女」では、助手の文代さんが明智の代わりに女の声真似をしていました。その設定を踏襲していたのか、二代目・北大路欣也版の第5作「神戸六甲まぼろしの美女」でも、女性に変装していた明智は終始無言でした。ちなみに同じ北大路版の第1作「妖しいメロディの美女」に登場した明智のライバルの怪盗・恐怖王は声も含めて完璧に女性に化けていました。
>「魔宮夫人はおかめの御前の分身アバターであるアンドロイドだ。血など出るはずがない。おそらくは何らかの幻術でも使ったんだろう」
ですよねえ~。前回あまりにも衝撃的すぎる展開に度肝を抜かれてしまいましたが、全ては黒百合(ダークリリー)様の罠、はまりかけた晴彦君を救ったのは聖佳ちゃん、に変装していた武智探偵‼これほどツッコミどころ全開の変装パターンもないような気がします。
その頃本物の聖佳ちゃんは未だMr.unknown殿の手の中に…。おかめの御前様との駆け引きの切り札として重宝することでしょうね。
今回はすっかり蚊帳の外となった感があるベラドンナの魔女ですが、黒百合(ダークリリー)様の出現にあんな小娘に舐められてたまるか、闘志を燃やしていそうな気がします。同時に黒百合(ダークリリー)様を年増呼ばわりしたおかめの御前様にも失笑していそうです。
「あんな小娘を年増呼ばわりするとはお
> その頃本物の聖佳ちゃんは未だMr.unknown殿の手の中に…。おかめの御前様との駆け引きの切り札として重宝することでしょうね。
Mr.unknownは聖佳ちゃんを人質に取ることで、おかめの御前の喉元に恐るべき白刃を突きつけているのかも…。
> 今回はすっかり蚊帳の外となった感があるベラドンナの魔女ですが、黒百合(ダークリリー)様の出現にあんな小娘に舐められてたまるか、闘志を燃やしていそうな気がします。
そういえばスパルトイの影に隠れて、最近ベラドンナが出て来ませんね~。石鼠姐さんが退場した今、紅虎さんに頑張ってほしいですね。