BRAVERS EDITION episode.45

BRAVE SUCCESSION
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※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※掲載されている画像の無断転載を禁じます!
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天岸アンジェリカ愛優美の友人・星愛怜美花が秘密傭兵部隊スパルトイによって誘拐された。これをブレイバーズへの挑戦と受け取った副長官の仲里深雪は、獅場俊一稲垣千秋の両名に、県警と連携しつつ、犯人側から身代金の運搬役に指名された怜美花の彼氏・千隼祐一郎をガードするよう指示していたのだが、スパルトイに拾われ再生強化手術を受けた石鼠によってライオンレギウス(俊一)とスワローレギウス(千秋)は敗れ、俊一は重傷を負い、千秋も石鼠に連れ去られてしまうのだった。

スパルトイのアレクシア=バーンズから「怜美花、祐一郎、千秋の3人を助けたければ一人で来い」と脅迫された愛優美は、その夜、密かに自宅から抜け出した。

囚われた愛優美

天岸アンジェリカ愛優美イラストは、りばーさいど様。
背景は、Stable Diffusion Onlineで生成しました。

「んっ、んんっ…!!」

前回、スパルトイのサイボーグ兵たちに連れ去られた天岸アンジェリカ愛優美だったが、アジトに到着するなりすぐに発信器を付けていないかボディチェックをされた後、間髪入れずに縄で手足を縛られ口にも猿轡を噛まされて一室に監禁されていた。

「石鼠さん、娘は特に怪しい物は所持しておりませんでした」
「もしかして全くのノープランでついて来たってこと? バカなお嬢さんだことww」

愛優美の飛んで火にいる夏の虫な無鉄砲な行動を嘲笑う石鼠。しかし実はしっかりとボディチェックをしたつもりが、いつも愛優美が自分の髪につけているヘアピンの中に超小型の発信器が仕込まれていようとは、当の石鼠たちは気づく由もなかった。

光平、帰国

国際会議での用事を早めに切り上げて帰国したブレイバーズ長官・牧村光平。だがその彼を待っていたのは、昨晩から天岸アンジェリカ愛優美が忽然と姿を消し、自宅の彼女の部屋には「誘拐犯から連絡が来ました。捕まっている人たちを助けるためにわざとその誘いに乗ってみます」と記された置手紙が残されていたという知らせだった。

「愛優美ちゃんがいなくなったって!?」
「もしかして私が昨日、愛優美ちゃんに余計なことを言ったから…」

優香は、昨日愛優美に対して「今一番大事なのは、自分を責めることじゃなくて、彼らを助けるために何ができるかを考えることだと思うわ」と言って彼女を励ましたつもりが、その事がかえって裏目に出てしまったのでは?と悔やむ。

「優香、今は過ぎたことを悔やんでいる時じゃない。今大事なのは、愛優美ちゃんたちを助けるために俺たちが何をすべきか考える。 そうだろ?」
「光平くん…」

優しく優香を慰めた光平は、こんなこともあろうかと、事前にあらかじめ愛優美に着けてあった発信器の調子はどうなっているか?を尋ねる。

「深雪さん、愛優美ちゃんに着けてある発信器は?」
「順調に作動しているわ。場所はスパルトイに潜入中のスパイからの報告と合致しているから間違いないわね」
「決まりだな。直ちに俺が出ます」

今すぐ自ら出撃しようとする光平だったが、そこへ「ちょっと待ってくれ!」と叫ぶ声がした。病室から抜け出して着替えて来た獅場俊一だ。

「俊一!? もう大丈夫なのか!?」
「まだベットから勝手に起き上がっちゃダメじゃない!」
「こんな時にいつまでも寝てなんかいられませんよ。それに俺はもうこの通り大丈夫です! お願いです長官! 俺も連れて行ってください!」
「………」
「長官ッ!!」
「……分かった。お前には負けたよ。優香、いいよな?」
「ε-(;-ω-`A) フゥ…分かったわ。でも決して無理しちゃダメよ!」
「ありがとうございます!長官!優香さん!」

俊一の必死の志願に光平も優香も根負けし、作戦への同行を許可することに。

「俊一、くれぐれも足手まといにはなるなよ♪」
「勿論ッスよ♪」

こうして牧村光平=天凰輝シグフェルと獅場俊一=ライオンレギウス・パワードモードは、愛優美の付けている発信器からの信号と、すでにスパルトイ内部に潜入しているというブレイバーズ工作員からの報告を頼りに、セントリネル・ハブから人質救出のために出撃するのであった。

それにしても、そのスパルトイに潜入中だという味方のスパイとは、一体誰なのであろうか?

スパイの正体

稲垣千秋と背景は、Leonardo.AiのモデルLeonardo Anime XLで生成しました。
スパルトイのサイボーグ兵は、Leonardo.AiのモデルLeonardo Anime XL(Character sheet)で生成しました。

重々しい静寂が漂う監視室。

「んんっ!!…んんぐっ!!」

石鼠に連れ去られて囚われの身となっていた稲垣千秋は、見張りの竜牙隊員ドラゴントゥースたちからいいように甚振られていた。サイボーグ兵に足で踏まれながらも必死に屈辱と痛みに耐えている千秋。

サイボーグ兵たちは終始無言で、全身を覆う装甲強化服のせいで感情を窺い知ることはできないが、その冷酷さは機械的な動作と沈黙から十分に伝わる。

そんな中、金属ブーツが床を叩く音が響いた。扉が開き、同じ装甲強化服をまとったサイボーグ兵2人が姿を現す。

「交代ノ時間ダ」

低く機械的な声が鳴り響く。

見張り役の1人が首を傾げた。「…?? マダ交代ノ時間ニハ早イ筈ダガ?」

扉から現れたサイボーグ兵の1人が肩をすくめるように動く。「ソウカ…交代スル気ガナイノカ。……なら仕方がねぇな!!」

突如として言葉遣いが流暢になり動きが変わった2人のサイボーグ兵は隠し持っていた武器を取り出し、電光石火の速さで見張り役のサイボーグ兵3人を打ち倒す。鋭い衝撃音とともに次々と倒れていく見張り兵たち。その光景を見て千秋の目が驚愕に見開かれた。

倒れたサイボーグ兵たちを確認した2人は、静かにヘルメットを外す。現れたのは寺瀬詩郎錦織佳代の2人だった。佳代は、千秋の口からそっと優しくガムテープを剥ぎ取り、彼女の身体を戒めていた鎖の拘束を解き外した。

「詩郎くん!? 佳代さん!?」千秋は驚きと安堵の入り混じった声を上げる。

佳代が耳元の通信機に指を当てながら微笑む。「健斗、もう降りて来ていいよ」

天井裏から小さな声が聞こえる。「了解! よっこらしょっと!」

次の瞬間、少年の姿が軽やかに天井から飛び降り、音もなく床に着地した。装備は忍者そのもの。現れたのは千秋の弟、稲垣健斗だった。

「姉ちゃん、遅くなってごめんな!」健斗はニカッと笑う。

「健斗まで……! 一体どういうことなの?」千秋は混乱した表情を浮かべながら3人を見回した。

詩郎がゆっくりと千秋に近づき、肩に手を置く。「千秋、大丈夫か? だいぶ痛めつけられたみたいだな…」

「このくらい、何ともないわ」と千秋は首を振る。「それよりも詩郎くん、無事だったの!? それに佳代さんと健斗まで、どうしてここに!?」

佳代が苦笑しながら答えた。「あー、話せば長くなるんだけど……」

佳代が説明を始めた。密かにスパルトイへの潜入任務についていた彼女と健斗は、ブライアン=ノーランに狙撃されて海に落ちた詩郎を密かに救出し、療養させていたのだ。そして回復した詩郎と合流し、このタイミングで千秋救出の作戦を決行したという。

千秋は話を聞き終え、ホッとしたように微笑んだ。「そうだったの……ともかく助かったわ。ありがとう、佳代さん、健斗、詩郎くん」

健斗がニヤニヤしながら口を挟む。「姉ちゃん、本当は俊一兄ちゃんに助けに来てほしかったんだろ?」

「コラッ、健斗!」千秋は顔を真っ赤にして叫ぶ。「こんな時に揶揄わないでよッ!!」

健斗は悪戯っぽい笑顔を浮かべて肩をすくめた。

詩郎が状況を戻すように口を開く。「急ごう千秋。他のスパルトイの奴らの立ち話を聞いたんだが、どうやらここには愛優美も捕まっているらしいんだ」

「何ですって!? 愛優美ちゃんが!?」千秋は驚愕の表情を浮かべた。

佳代が小さく頷く。「ええ、だからここで止まっている暇はないわ。千秋ちゃん、行ける?」

「もちろんよ!」千秋は力強く頷き、立ち上がった。

こうして千秋を助け出して仲間に加わった4人は、天岸アンジェリカ愛優美や他の囚われている人質を救出するため、新たな行動を開始するのだった。

つづく。


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コメント

  1. bakubond より:

     ご無沙汰しております。前回旅鴉様が佳代ちゃんと健斗君はどうした、と気をもんでおられましたが、見事なまでの忍びっぷりを見せてくれましたね。(矛盾した表現になってスミマセン…)しかも詩郎君救出のオマケまで…。

    >石鼠に連れ去られて囚われの身となっていた稲垣千秋は、見張りの竜牙隊員(ドラゴントゥース)たちからいいように甚振られていた。サイボーグ兵に足で踏まれながらも必死に屈辱と痛みに耐えている千秋。

     グヘヘな方向性には行っていないようですが、これはこれで傷物にする気かーー‼と言いたい気分になります。

     さてこの後ですが、どちらの方向性に行くんでしょうかねえ…。

    1.Mr.unknoun殿への献上品として監禁場所から連れ出されるところを襲撃

    2.石鼠さんが
     「これを見ろ‼」
     と三人の連縛を見せて戦闘開始

    と二通りの予想を立ててみました。あと第三のパターンもありそうですが残念ながらそちらは具体化出来ませんでした。
      

     

    • > ご無沙汰しております。前回旅鴉様が佳代ちゃんと健斗君はどうした、と気をもんでおられましたが、見事なまでの忍びっぷりを見せてくれましたね。

      実は旅鴉様に指摘されるまで、すっかり佳代ちゃんの存在を忘れておりました(;^_^A アセアセ・・・
      最初は戦闘員に化けて千秋ちゃんを助けに現れるのは詩郎一人だけの予定だったのですが、せっかくなので海に転落した詩郎を佳代ちゃんが救助したことにして、ついでに健斗くんも出しちゃおうということにしたわけです。

      > 1.Mr.unknoun殿への献上品として監禁場所から連れ出されるところを襲撃

      Mr.unknounって、野郎の献上品もOKでしたっけ?
      祐一郎くんには、怜美花ちゃんと愛優美ちゃんに脅して言うことを聞かせるための人質という利用価値はあるとは思いますが…。

  2. JUDO より:

    待ちに待った愛優美ちゃんの柱緊縛ですが、ボディチェックが甘いのも悪い人たちの鉄則でしたね(;^ω^)

    そして、必ずすり替わられる戦闘員クラスも鉄則でしたか(^▽^)/

  3. S-A より:

    千秋ちゃんに愛優美ちゃんまで捕まり、さらに俊一君も重症とこれブレイバーズ詰んだ?と思いきや今まで姿を見せなかった面々はスパイとしてスパルトイに潜入しており、愛優美ちゃんに取り付けられた超小型発信機にも気付かないあたり、スパルトイは割とガバガバな組織のようですね。ともあれ次回以降詩郎君のリターンマッチにも注目ですが···俊一君あまり無理するなよ?
    一方縛られ転がされた千秋ちゃんの図、中々そそられるものがあります。欲を言えばもう少し長い間捕まっていて欲しかったですが、まあそれは次エピソード以降に期待したいですね。それにしてもこの子、登場するたび痛い目にあっている気がします。

    • > スパルトイは割とガバガバな組織のようですね。

      スパルトイの名誉のために申し添えておきますが、割とガバガバなのはスパルトイという組織そのものではなく石鼠姐さん個人という気がします……ということにしておいてください🙇

      > 一方縛られ転がされた千秋ちゃんの図、中々そそられるものがあります。欲を言えばもう少し長い間捕まっていて欲しかったですが、まあそれは次エピソード以降に期待したいですね。

      まだ千秋ちゃんの着衣拘束シーンは、AIイラスト頼みなところがありますからね。いずれココナラで背景透過でも使える千秋ちゃんのイラストを数パターン作成してもらうつもりですが、その際に従来の三つ編みおさげのヘアスタイルを維持すべきか、それとも元々予定していた設定資料通りに髪を短く切ってしまうか、実は今とても悩んでおります💦

  4. 旅鴉 より:

    まんまと愛優美を誘き出し捕え、意気揚々の石鼠姐さん

    >「石鼠さん、娘は特に怪しい物は所持しておりませんでした」
    >「もしかして全くのノープランでついて来たってこと? バカなお嬢さんだことww」

    >愛優美の飛んで火にいる夏の虫な無鉄砲な行動を嘲笑う石鼠。しかし実はしっかりとボディチェックをしたつもりが、いつも愛優美が自分の髪につけているヘアピンの中に超小型の発信器が仕込まれていようとは、当の石鼠たちは気づく由もなかった。

    おい、サイボーグども、そうゆうのを検知するセンサーとかないんかい…
    S-A様の仰るとおりかもですが、こいつらどこか抜けてるんでしょうね…

    >石鼠に連れ去られて囚われの身となっていた稲垣千秋は、見張りの竜牙隊員ドラゴントゥースたちからいいように甚振られていた。サイボーグ兵に足で踏まれながらも必死に屈辱と痛みに耐えている千秋。

    なんか千秋ちゃんには悪い事言っちゃったかな…なんか思った以上に酷い目にあってる…

    そこへ同じ装甲強化服をまとったサイボーグ兵2人が姿を現す、まあこんなタイミングで姿を現すのは大抵は…

    なんとスパルトイサイボーグ兵に化けて千秋ちゃんを救いに現れたのは、我らが佳代ちゃんと…生きとったんかワレ!そりゃまあ生きてますわな詩郎くん、そしてもう1人頼れる弟健斗君、さすが管理人様、出すタイミングを考えていたのですね!

    >実は旅鴉様に指摘されるまで、すっかり佳代ちゃんの存在を忘れておりました(;^_^A アセアセ・・・

    聞かなかったことにしておこう…(ボソ

    さて、色々メンバーも揃い、反撃開始ってところですね!

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