美少年美少女を拉致監禁してコレクションとしている魔宮夫人が、今度は武智探偵事務所の学生探偵たちに挑戦状を叩きつけた。その事件を背後で操っていたのはおかめの御前だったが、計画はいつの間にかディド恒星系第三惑星ボンド星からやって来たボンド星人に乗っ取られていた。
スパルトイ兵に捕らえられた謎の女・黒百合を助け出さんと、勇み足に出たミラージュマスクは果たして勝てるのか!?
ミラージュマスクVS竜牙
「待て待て~っ!! か弱い美女を拷問しようなどと、うらやまけしからん奴らめ! お前たちのような外道はこのミラージュマスクが許さん!」
「…な、何だお前は!?」
「殺ってしまえ!!」
いきなり現れたミラージュマスクに応戦するスパルトイ兵たち。しかしさすがの秘密傭兵部隊の精鋭たちでも、異星人のスーパーヒーローでは相手が悪かったようだ。あくまでも牢屋の巡回警備と捕虜の尋問が主任務だった兵士たちは大した武装もしていなかったこともあり、あっけなくミラージュマスクに無双されてしまった。
ところがである……。
「あら、何か面白い鼠が入り込んでいたみたいね」
「久々の腕試しが出来そうだなww」
スパルトイのS級部隊竜牙の3人、アレクシア=バーンズ、ブライアン=ノーラン、クリストファー=デーヴィスが騒ぎを聞きつけて現れたからさあ大変。今度はミラージュマスクがフルボッコにされる番だった。敵を舐めてかかったミラージュマスクは、あっさりと返り討ちに…。
「すんません。私が悪ろうございました。どうかお命ばかりはお助けを!」🙇
「フハハハハハッ!! 正義のヒーローともあろう者が無様に命乞いか。情けない奴だぜww」
スーパーヒーローにあるまじき醜態を晒すミラージュマスクを嘲笑うアレクシアたち3人。しかしそちらに気を取られているうちに、迂闊にもとんでもないことが起こっていた。
「…た、大変だ! 女が逃げたぞ!💦」
「何ですってッ!?💦」
柱に鎖で縛り付けられていたはずの黒百合は、まるで煙のように姿を消してしまっていたのである。
桃香危うし!
アレクシアたちの竜牙の注意がミラージュマスクに向いているうちに、自力で拘束を解いて脱出した黒百合は、たまたま近くにいたのを見つけた大亀桃香を拉致すると、瞬く間に監禁城の別の階へと移動した。
「助けて! 私をどうするつもり!?💦」
縛られて恐怖で怯える桃香。しかし――
「下手な芝居はおよしなさい。貴女ならそんな緩々の緊縛から自力で逃れることくらい、造作もない筈でしょ?」
「…な、なんのことかしら?💦」
「あくまでとぼけるつもりなの? まあいいわ。人質ごっこを続けるつもりなら、私もそれに付き合ってあげる」
どうやら黒百合は、桃香の正体に薄々勘付いているようだ。
「さあ、これから貴女の両手首も縛るから、両手を椅子の背もたれの後ろに回しなさい」
「わ、分かりました…。言うとおりにします。でも…痛いことだけは…しないで」
「ウフフフッ…とっても素直でいい子ね」
桃香の両手を後ろ手に縛り、口に猿轡を噛ませた黒百合は「用事があるから」と言い残して、縛られている桃香を一人だけ残して部屋の外へと出て行った。去り際にこう一言だけ言い残して…。
「あと、私は年増のオバサンじゃなくてよ。もし次に言ったら、その時は〇すわよ」
「………(やべぇ、聞こえてたッスか💦)」
つづく。
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