未知なる証明への挑戦
朝霧尋紀、友貞稜太、譜久里知世は、UFOマニアの仲良し小学生トリオである。雲龍峰の麓で偶然UFOを目撃した彼らは興奮し、すぐにその時に撮影した証拠写真を週刊誌に売り込もうとしたが、どこも相手にしてくれなかった。最後の望みをかけて鷺島国際大学報道部に向かうも、チーフディレクターの桜庭陽平に門前払いされてしまう。陽平は一切オカルトの類を信じない筋金入りの現実主義者なのだ。
がっかりした3人が帰ろうとした時、ちょうど入れ違いで尋紀たち3人とすれ違った漆崎亜沙美が部室の中に入って来た。
「チーッス♪ ねえ、今出て行った小学生たちは?」
「ああ、実は…」
事情を聴いた亜沙美はその小学生たちが持ち込んで来たというUFO写真に興味を覚え、すぐさま尋紀たち3人の後を追いかけた。
「ねえ君たちーっ! ちよっと待って!!」
「どうしたのお姉さん?」
「ひょっとして報道部の人ですか?」
「お願い! そのUFOの写真、お姉さんにも見せてもらえるかな?」
亜沙美は興味津々で見せてもらった写真を見て驚いた。UFOはハッキリと鮮明に写っていたからだ。
「すご~い! ここまでハッキリ写ってるUFO写真なんて、他に滅多にないよ」
「でも、どこもイタズラで作った合成写真だろ!って決めつけて、僕たち笑いものにされたんだ…」
「誰にも信じてもらえないなんて、このままだと悔しいなぁ……」
悲しそうに落ち込む尋紀たち3人を気の毒に思ったのか、ここで亜沙美が一つの提案をした。
「このままでは何も変わらないわ。あたしたちでもう一度動かぬ証拠写真を撮って、今度こそ周囲のみんなを驚かせよう! あたしも協力するから!」
「お姉さん、本当っ!? でもさっき報道部の人からは断られたけど…」
「大丈夫大丈夫♪ あたしは陽くん…じゃなかった💦 あの桜庭陽平っていう石頭のお兄さんと違って、そんなに頭は固くないから」(^^♪
「ありがとうお姉さん! 僕は朝霧尋紀!」
「友貞稜太といいます!」
「譜久里知世です。よろしくお願いします!」
「あたしは漆崎亜沙美。亜沙美でいいよ。こちらこそよろしく♪」
亜沙美は尋紀たちとすっかり意気投合して、お互いに固い握手を交わすのだった。
いざ、雲龍峰へ!
次の休日、亜沙美と尋紀たちは、同じ報道部の小寺洸介に頼み込んで車を出してもらい、5人で乗り込んで雲龍峰の撮影スポットへと向かった。
「やれやれ、勝手に部の車を持ち出して、こんなことが後で桜庭にバレたらえらいことになるぞ…💦」
「ごめんね、洸くん! だって同じ部で車を運転できるの洸くんしかいないんだもん♪ この埋め合わせはいつか必ずするから🙏」
こうして雲龍峰の麓の駐車場へと辿り着いた亜沙美たちであるが……。
「じゃあ俺は車の中で留守番してるから。あまり森の奥深くまでは行かないようにな?」
「心配してくれてありがとう。それじゃあみんな出発よ!」
「おぅー!!」
駐車場に乗って来た車と共に洸介一人だけを残し、亜沙美に引率された尋紀たちは、ほとんど軽いハイキングのノリで森の中へとUFO撮影に出発した。実は雲龍峰の地下に地球侵略を目論むハント星人の秘密基地が密かに建設されており、尋紀たちが撮影したUFOはそのハント星人の戦闘円盤であることなど露とも知らずに…。
「指揮官殿、地球人がコチラに近ヅイテキマス!」
「何ダト!? 直チに全員ヲ捕獲スルノダ!!」
亜沙美と小学生トリオに危機が迫っていた!
つづく。
コメント
報道部の連続のストーリーですね、今度は小学生トリオも一緒ですか、
>雲龍峰の麓で偶然UFOを目撃した彼らは興奮し、すぐにその時に撮影した証拠写真を週刊誌に売り込もうとしたが、どこも相手にしてくれなかった。
なんか巨大ロボやら色んな種類の外星人やらが暴れ回ってる世界なので、もうUFOごときだと珍しくもなんともなく、それで相手にされないのかな…って思ったら、本当に信じてもらえないだけだったんですね…まあ最近の技術だと、小学生でもアプリで合成写真とか作れそうですからね…
そしてオカルトアンチの現実主義者の陽平くんのおかげで報道部にも相手にされず…って、おい兄ちゃん、アンタくっそ怪しい外星人のミラージュマスクと絡んだことあるよな、何か?自分の目よりも現代科学を信じるタイプか?
ロマンのない陽平くんとは違い、ニューフェイスの亜沙美ちゃんが純真な小学生達の言葉を信じ、大人の行動力を見せるわけですが、ある意味最近ではこの娘が一番トラブルを持ち込んでませんか?
そして子供達と共にUFO目撃地点の雲龍峰の麓の駐車場へと辿り着いたわけですが、やはりただのUFO探索で済むはずもなさそうですね…待ち受けているのは…
>実は雲龍峰の地下に地球侵略を目論むハント星人の秘密基地が密かに建設されており、尋紀たちが撮影したUFOはそのハント星人の戦闘円盤である
うん、知ってた、そろそろくるんじゃないかと思ってました…こいつらが出るってことは、あの蜃気楼なんたらどもも今回も絡んでくるんでしょうねやっぱり…
なんだか小学生トリオと亜沙美ちゃん、どう転んでも無事に済みそうにないですね…
> なんか巨大ロボやら色んな種類の外星人やらが暴れ回ってる世界なので、もうUFOごときだと珍しくもなんともなく、それで相手にされないのかな…って思ったら、本当に信じてもらえないだけだったんですね…
昭和特撮あるあるですね。毎週日本のどこか(特に首都圏)の街中で怪獣や怪人が暴れて大きな被害も出ているのに、目撃した子供が周囲の大人に異星人や妖怪の存在を訴えても全然信じてもらえないという……。
> ロマンのない陽平くんとは違い、ニューフェイスの亜沙美ちゃんが純真な小学生達の言葉を信じ、大人の行動力を見せるわけですが、ある意味最近ではこの娘が一番トラブルを持ち込んでませんか?
亜沙美ちゃんは管理人にとって特に上位に入るお気に入りヒロインの一人ですので、どうしてもストーリーへの登板回数が多くなってしまうのです(;^_^A アセアセ・・・
> うん、知ってた、そろそろくるんじゃないかと思ってました…こいつらが出るってことは、あの蜃気楼なんたらどもも今回も絡んでくるんでしょうねやっぱり…
しばらくハント星人の出番もご無沙汰でしたので、久しぶりに出してみました。まだミラージュジャックが星本有理紗ちゃんに融合したままでしたので、そっちの件もついでに回収して行かないとと考えております。
一昔前の特撮あるあるなシチュエーションですね。
是非ともハント星人には、小学生トリオの拉致、幽閉というお仕事をきっちりこなしてほしいものです。
一昔前の昭和特撮では、もう少しで怪人に捕まりそうな半ズボン美少年が直前で通りかかったヒーローに助けられてしまうという残念な展開が何度あった事でしょう( ノД`)シクシク…
1983年8月6日に放送された『科学戦隊ダイナマン』の第27話「死の音セミシグレ」よ、お前のことだよッ!!💢