おかめ城攻略戦　第7話

　粛清の危機にある寺瀬姉弟を救出すべく、DRYADES、学生報道部、喫茶店Lily、そしてシブルリックオーダーも加えたの各チームが共に手を携えて立ち上がった！　しかし悪の組織おかめ党の総本山、おかめ城へと乗り込んだまではよかったものの、敵の罠に墜ち、次々と捕らえられていく仲間たち！

　鳳凰院優と漆崎亜沙美が戦闘員によってどこかへ連行されて行くのを発見した笹南侑衣梨と瀬尾梨帆は、密かに尾行を開始するが……。

3人Pとは！？

　鳳凰院優と漆崎亜沙美は、意外な展開に戸惑っていた。逃げられないよう足に鉄球付きの鉄枷こそ嵌められてはいたが、おかめ党の首領である「おかめの御前」が、自分専用のテレビゲーム用ホームシアタールームに彼女たちを招き、なんともてなしをしてくれるとは！

「あらあら、優ちゃん、亜沙美ちゃん、お待たせしたッス。ケーキはいかがっすか？」

　おかめの御前が、笑顔でティーセットから取り出したケーキを優と亜沙美の前に丁寧に置く。

「えっ、でも…私たちは敵ですよね？」

　優が戸惑いながらも、おかめの御前の手に取るケーキが美味しそうで、ついつい口に運んでしまいます。

「そんなことは気にせずに、今宵は思う存分楽しむッス。今夜は朝になるまでゲームで遊ぶッスよ！」

　おかめの御前が元気よく提案すると、3人はテレビゲームの前に座ります。そう…3人Pは3人Pでも決していかがわしい意味での3人Pではなく、テレビゲームの3人同時プレイのことだったのだ！　アイドル並みにルックスがよくて可愛い女子大生の女の子二人と仲良くゲームで夜更かし。まさにこれぞ日本中のキモオタ男子の夢！ 漢のロマン！

「では、始めましょう！」

　亜沙美がボタンを押すと、ゲーム画面が明るくなり、3人の冒険が始まった。

　優はゲーム中も、亜沙美とおかめの御前と笑い合いながら、ステージをクリアしていく。ティーセットからは、ケーキやお菓子が次々と供され、彼女たちは心地よいひと時を過ごしている様子。

「おやおや、このステージで大活躍ッスね、優ちゃん！」
「…は、はい、ありがとうございます」(;^_^A アセアセ・・・

　亜沙美も興奮しながらゲームのキャラクターを操作し、テレビ画面に熱心に集中している。一方、優は静かに彼女の耳に寄り添い、「ここでこんなことをしてていいの？ 逃げ出すチャンスを探るべきではないのかしら？」と、おかめの御前には聞こえないようにそっと囁く。

　亜沙美は一瞬ゲームの画面から目を離し、優の問いに微笑みながら答えた。

「私たちがここで大暴れしたって、何も変わらないでしょう？ 逃げ出すために、そして他にまだ捕まっている仲間たちを助け出すためには、敵を油断させる必要があるんだから、まずはここで『おかめの御前』の遊びに付き合って信頼を勝ち取るのが賢明だと思うわ」

　優は亜沙美の冷静な判断に感心しながら頷く。彼女の頭脳と機転に頼り、二人はおかめの御前とのゲームを楽しみながら、敵を欺きつつ脱出のチャンスを窺うことを決意していた。その一策一策が、彼女たちの絆と知恵を示すものとして、この困難な状況においても希望を抱かせるのであった。

ここからは別行動

　さて、その様子を物陰から逐一観察していた笹南侑衣梨と瀬尾梨帆だったが……。

「あれって……？」
「どう見てもテレビゲームで遊んでますよね…」
「あのケーキ美味しそう…」(๑º﹃º​๑)ｼﾞｭﾙ
「侑衣梨さん！ 今はそんなこと言っている場合じゃありませんよッ!!💢」
「…ご、ごめんごめん」🙏

　とりあえず優と亜沙美に、直ちに身の危険が迫ることはなさそうだ。

「梨帆ちゃんは当面ここの監視をお願い。私は先輩や他の仲間を探して来るわ！」
「分かりました。こっちは任せてください。侑衣梨さんも気をつけて」

　この場を梨帆一人に任せ、侑衣梨は一人別行動を取ることになった。果たしてこの先にはどのような展開が待ち構えているのだろうか！？

つづく。