ある日、鷺島国際大学報道部の鳳凰院優と漆崎亜沙美の二人は、親しい友人の羽鳥瑠璃華に呼び出されて縄抜け脱出訓練に挑戦させられることとなった。
いざ、実践訓練
「んっ、んんーっ!! んんーっ!!」
「んむむぅぅー!! んむむぅぅー!!」
手足をロープできっちり縛られて、ご丁寧に猿轡までしっかり嚙まされてしまった優と亜沙美。縄抜け訓練が目的なのだから猿轡は本来なら不必要な気もするが、瑠璃華曰く「歯で(もう一人を縛っている方の)縄を噛みちぎったりすることを防ぐため」とのこと。あくまで純粋な縄抜け術で脱出できなければ意味はないそうだ。そうして瑠璃華はコテージの中に二人だけ残して、自分は柏葉美佳と一緒に外へ出て行ってしまった。
瑠璃華からアドバイスされた通りに筋肉の収縮を利用してロープに弛みを作ろうと試みる二人だったが、一向に縄が緩む気配はない。さてはさっき美佳を縛っているロープよりもきつく縛って行ったのでは?という疑念が二人の脳裏に過ぎったその時だった!
「泥棒、入りやすぜ! ヒヒヒヒ!!」
泥棒参上
優と亜沙美が必死に縄抜けを試みていたところ、なんと本物の泥棒が現れた。最近市内近辺のキャンプ場を荒らして回っているという連続緊縛強盗に違いない!
「んぐんむむぅぅ!?(まさか本物の泥棒!?)」
「んぐぅぅ、んぐむむううー!?(そんな、嘘でしょ!?)」
泥棒は、縛られている優と亜沙美の姿を見て驚いた。
「あれれ…何だお前ら!! なんでもう縛られてるんだ!? まいっか、とりあえず手間が省けたぜww」
ニヤニヤと笑う泥棒。思わぬ展開に恐怖する優と亜沙美。ああ、夢なら早く醒めてほしい!!
ふと泥棒は、二人の顔をまじまじと見つめる。
「布噛ませ猿轡か…。俺はガムテ派なんだよ。おいお嬢ちゃん、今から猿轡を外してこのガムテープを口に貼り直してやるが、くれぐれもその瞬間に大きい声は出すなよ?」
「………」
猿轡を噛まされて喋れない亜沙美は、「言うとおりに従う」という意味で必死に何度も頷く。安心して亜沙美の口から布の猿轡を外してやる泥棒だったが…。
「キャアアッ!! 誰かァァッッ!! 瑠璃華さぁぁん!!助けて―!!」
「コラッ、大きな声は出すなと言ったろこのアマ💢」
「…んむむッッ!? んむぐぅぅッッー!!」
泥棒は手際よく亜沙美の口にガムテープを貼り直した。同じ要領で優の口も、噛ませ猿轡を外してガムテープに手際よく貼り換える。
「さて、大声を出したお嬢ちゃんにはお仕置きだ!」
「んんむーっ!! んんむむーっ!!」
亜沙美は辛うじて両足は地面についているものの、縄で拘束された両手を遥か頭上の天井から吊るされてしまった。両手首が天井の方へと引っ張られて縄が肌に擦れて正直痛い。
「ぐへへ…本番はこれからだww お嬢ちゃんたちを使っていろんな緊縛方法を試してやるぜ♪」
どうも優と亜沙美の緊縛姿に触発されて何か火がついてしまったのか?
泥棒は、人質となった女の子二人を相手に緊縛ごっこを始めた。
ティータイム
一方その頃、羽鳥瑠璃華と柏葉美佳は、優たちがいるコテージから少し離れた東屋にて持ち込んだお茶やお菓子でティータイムを楽しんでいた。
「瑠璃華さん、そろそろ1時間立ちますよ。優さんたち大丈夫でしょうか?」
「そうだね。じゃあ時間だから様子でも見に行ってやるか♪」
楽しいお喋りティータイムもお開きにして、優と亜沙美の縄を解いてやりにコテージへと向かおうとした瑠璃華と美佳だったが、その前をパトロール中の村の駐在さんが自転車に乗って通りかかる。
「あのーお嬢ちゃんたちねー、ついさっき本庁から連絡があってねー、ここいら近辺でキャンプ場荒らしを専門にする連続緊縛強盗が目撃されたそうだから、気をつけるようにねー」
それだけ言って如何にも定年間近の老巡査に見える高齢の駐在さんは去って行ってしまった。
「瑠璃華さん、まさか…」
「急ごう!」
何故か急に不安になってきた瑠璃華と美佳は、優たちのいるコテージへと急行した。そこで彼女たちが見たものとは!?
「あっ、瑠璃華さん! 美佳ちゃん!」
「あ、あなたたち…これは一体!?💦」
優と亜沙美が心配になってコテージへと急いで戻って来た瑠璃華と美佳が見た光景とは、すでに縄抜けを終えてニコニコ笑って立っている亜沙美、脱力したように床に座り込んでいる優、そして床に伸びている黒ずくめの怪しい男と転がっている金属バットであった。
亜沙美の話によると、侵入して来た泥棒に人質にされている最中にようやく縄抜けに成功した優は、亜沙美の方に注意が向いていた犯人の隙を突いて、たまたま傍に置いてあった金属バットで犯人の後頭部を背後からゴツン!と一発。犯人は気を失って倒れたものの、亜沙美の縄を解いた優は我に返った途端に力がスーッと抜けてその場に座り込んでしまい、今もまだ精神的ショックで動けないらしい。
「…と、とにかく二人とも無事でよかったわ💦」
「ありがとうございます瑠璃華さん! あたしも優も助かったのは瑠璃華さんから教わった縄抜け術のおかげです♪」
「今回ばかりは心から感謝するわ瑠璃華…。でもごめん、もうしばらくここに座ってていい…?」
「え、ええ…勿論いいわよ💦」
「優さん、無理しないでください。とにかく今、警察と救急車を呼びますから!」
こうして近辺のキャンプ場を騒がせていた連続緊縛強盗は報道部女子のお手柄によってめでたく御用となり駆けつけた警察に引き渡され、多少のトラブルはあったものの縄抜け訓練の方も今回は無事に終了したのであった。
END
コメント
瑠璃華さん的には縄を切って脱出するのは邪道というわけですか。そして、突然強盗が出現して訓練がいきなり実戦に‼これもまたよくある展開ですね。
それにしてもすごいこだわりを見せる泥棒さんですね。この泥棒さん、実はおかめ党の入党希望者で一連の事件は入党試験だったなんてことを思ってしまいました。まあ一人に気を取られている隙にゴツンされるぐらいなので不合格でしょうね。免許皆伝とまではいかないにしろ二人には合格点を与えられそうです。
> 瑠璃華さん的には縄を切って脱出するのは邪道というわけですか。そして、突然強盗が出現して訓練がいきなり実戦に‼これもまたよくある展開ですね。
必ずしも縄切りがNGという訳でもなかったとは思いますが、そう簡単にナイフやガラスの破片や尖った石が都合よく床や地面に落ちてるケースも少ないでしょうから、今回の訓練ではあくまでもがく形で縄抜けを達成せよ!という趣旨だったのだと思います。
> この泥棒さん、実はおかめ党の入党希望者で一連の事件は入党試験だったなんてことを思ってしまいました。まあ一人に気を取られている隙にゴツンされるぐらいなので不合格でしょうね。免許皆伝とまではいかないにしろ二人には合格点を与えられそうです。
ちなみに「お嬢ちゃんたちを使っていろんな緊縛方法を試してやるぜ♪」まではセーフですが、着ている服を脱がせようとしたり、レ〇プや〇人などの急ぎ働きを行う凶悪犯の外道には、おかめ党員としての刺客はありません。入党試験は即失格どころかその場で粛清されるでしょうね( ̄ー ̄)ニヤリ
どうでもいい話ですが、本日の「チコちゃん叱られる」でお多福とおかめの違いをやってましたね、お多福は大店の呉服屋に見初められた幸福の女性で、おかめは大工の旦那の失敗を助言して助けるも、妻に助けられた男と噂が広まらないように、その名誉を守るため自害した不幸な女性ってことでしたね、おかめにそうゆう逸話があったことは知らなかったですね。
縄抜け訓練だった筈が…
>「泥棒、入りやすぜ! ヒヒヒヒ!!」
>泥棒参上
>優と亜沙美が必死に縄抜けを試みていたところ、なんと本物の泥棒が現れた。最近市内近辺のキャンプ場を荒らして回っているという連続緊縛強盗に違いない!
…なぜキャンプ場限定…?
まあ厳重な家より襲いやすいからでしょうけど、金銭目的ではなく、趣味でやってるってのが良く解りますね。
入ったところでまさか既に縛られている美女が2人、男にとっては何ともラッキー!
2人にとってはとんだ災難、こんな状況でこんなピンポイントに変態強盗がくるなんて、徳を積んでそうな2人なのに、なんでこんな目に遭おうのだろうか…?見えざる神の力が働いてるとしか…
そしてなんとこの強盗はガムテ派だった…自分もガムテ好きですが、噛ませ批判とは…ちょっと少し話そうか…
そして大声出すなと言われてからの…
>「キャアアッ!! 誰かァァッッ!! 瑠璃華さぁぁん!!助けて―!!」
>「コラッ、大きな声は出すなと言ったろこのアマ💢」
>「…んむむッッ!? んむぐぅぅッッー!!」
>泥棒は手際よく亜沙美の口にガムテープを貼り直した。同じ要領で優の口も、噛ませ猿轡を外してガムテープに手際よく貼り換える。
>「さて、大声を出したお嬢ちゃんにはお仕置きだ!」
この流れ好き!DID企画とかでよくやってたやつですね、そして待っているのは更にきつい縛り、吊るしもよくありましたね~
さあ…ぐへへタイムだ…
パトロール中の村の駐在さんの話を聞いて心配になって駆け付けた瑠璃華姉さんと美佳ちゃんが見たものは…
きゃあああああ!!
男が〇んでる!いや〇んでないか…
特訓の成果か、縄抜けに成功した優ちゃんが、亜沙美ちゃんにぐへへしようとしていた強盗の頭をなぜか置いてあった金属バットで…〇す気か!!
なにはともあれ無事助かった2人、陽気な亜沙美ちゃんとは裏腹に、咄嗟とは言え相当ショックを受けている優ちゃん、怒らすと実は優ちゃんの方が恐いかも…
さて、縄抜け訓練、今度は音祢ちゃんかな?(毎度やられてる気もするが…
> どうでもいい話ですが、本日の「チコちゃん叱られる」でお多福とおかめの違いをやってましたね、お多福は大店の呉服屋に見初められた幸福の女性で、おかめは大工の旦那の失敗を助言して助けるも、妻に助けられた男と噂が広まらないように、その名誉を守るため自害した不幸な女性ってことでしたね、おかめにそうゆう逸話があったことは知らなかったですね。
「おかめ」にそんなシリアスな由来があったとは知りませんでした……💦
ちなみに「おかめの御前」の元ネタは、1982年に東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送されていた、故・中村吉右衛門氏主演のテレビ時代劇『斬り捨て御免!』第3シリーズに登場した敵組織のボス「翁の御前」です。
> この流れ好き!DID企画とかでよくやってたやつですね、そして待っているのは更にきつい縛り、吊るしもよくありましたね~
『DID企画』―――その昔はドリーム出版さんと共に大変お世話になりましたね。まだ動画ダウンロード販売サイトなどでは作品を見かけることはありますが、残念ながら本サイトは閉鎖されてしまったようですね。犯人役の男優さんが、別のエピソードでは救出役などの味方ポジションで出演していたケースも度々ありましたよね。
まさかの緊縛に拘り持った泥棒さん登場( ´艸`)
もしかしたらこの泥棒はおかめ党員の可能性も……。