南の島の極秘調査　第7話

　アスカロン財団のライトシーカー、テリーサ=エリスとマッテオ=ラファエロ=グラツィアーニの二人は、巷で活躍しているという謎のスーパーロボットの調査をするために、常夏の楽園パシフィックゲートウェイ島に上陸した。

　謎のロボット「アクアライザー」と中村弘樹との関りを解き明かすため、単身エバーグレン高校に潜入したテリーサだったが、志賀野紗季に化けていたネオブラックマフィアの怪人ヴェノムデビルに弘樹の姉・友美と共に捕らえられてしまった！

※文章は、chatGPTで生成しております。

中村家の玄関先にて

　テリーサと友美が自ら申し出た囮作戦を渋々容認したマッテオ。だが友美の家族が心配しているだろうと考えた彼は、そのまま放っておくわけにもいかないので詳しい経緯と事情を説明すべく、ブライトバレー市近郊の住宅街にある中村家へと向かった。

　到着した中村家の玄関先。夕暮れ時の薄明かりが辺りを包む中、マッテオは静かにインターホンを押した。ほどなくして扉が開き、現れたのは友美の弟・弘樹だった。

　「……はい、どなたですか？」

　応対に出た弘樹の目には疑念と警戒の色が浮かんでいる。マッテオは冷静に、しかし慎重に口を開いた。

　「中村弘樹君ですね。この間も一度会いましたが覚えていますか？　改めまして、私はマッテオ=ラファエロ=グラツィアーニと申します。実は君のお姉さんの件で、大事なお話があります。」

　その名を聞いた途端、弘樹の表情が険しく変わる。

　「姉ちゃんの件だと！？」

　突然の怒声とともに、人が変わったように弘樹はマッテオの胸ぐらを掴んだ。その目は怒りと焦燥に満ちている。あの時、ネオブラックマフィアの怪人一味にあっさりと誘拐された非力な少年とは思えぬほどの物凄い力で、マッテオの首を締め上げる！

　「分かってるんだぞ！ お前たちが姉ちゃんの周囲を嗅ぎ回って、謎のスーパーロボットの正体を探ってるのを！ 姉ちゃんがさらわれたのも、どうせお前たちの仕業なんだろ！ 姉ちゃんをどこにやったァァッッ！？💢」

　「落ち着きなさい！ 私の話を最後まで聞いてください！（くっ、こ…この力はッ…！？）」

　アスカロン財団のエージェントとして、それなりに戦闘経験も積んでいるマッテオだが、自分を掴む弘樹の手を振り払おうとしても、彼の手は緩むどころか、自分の首を締め付ける力をますます強くなっていく。徐々に息苦しくなり危険を感じたマッテオは必死に説得しようとするが、弘樹の怒りは収まらない。その時だった。

　「弘樹！ 何やってるんだ！？ やめろ！」

　不意に飛び込んできた声が玄関に響いた。そこに現れたのは、エバーグレン高校の2年生、橘拓斗だった。拓斗は素早く弘樹の肩を掴み、彼を引き離した。弘樹のことが心配になり、少し様子を見に行くつもりで、たまたま中村家を訪れたところだった。

　「お前、どうかしてるぞ！ まずは頭を冷やせ！」

　「…た、拓斗くん！？」

　拓斗の強い声に促され、ようやく弘樹はハッとしたように手を離した。荒い息を整えながら、彼は気まずそうにマッテオに向き直る。

　「す、すみません……💦」

　「ゴホッ、ゴホッ…いいえ。君が心配するのは当然です。お姉さんのことを思えば無理もありません。」

　ようやく解放されたマッテオは、多少咳き込みつつも優しく微笑み、胸元を軽く整えた。拓斗も弘樹の肩を軽く叩きながら、場を和ませようとする。

　「悪かったな。コイツ、自分の姉さんのことになると、つい見境がなくなるんだ。勘弁してやってくれ。」

　「ありがとう。おかげで助かりました。」

　マッテオが感謝を述べると、拓斗は少し気恥ずかしそうに頭を掻いた。

　「ところで君は？」

　「俺は橘拓斗。エバーグレン高校の2年生で、弘樹のダチだ。」

　互いに視線を交わすマッテオと拓斗。これが、二人の最初の出会いだった。

連行

「んんーっ！！んんーっ！！」
「んむむーっ！！んぐぐーっ！！」

「コラッ、大人しくしろッ！」
「ジタバタするなッ！ さっさと乗り込め！」

　ネオブラックマフィアの戦闘員たちによって、強引に車に乗せられ場所を移動させられることになったテリーサと友美。実は一度マッテオが助けに来た時、別れ際に万一の場合に備えてこっそり発信器を渡されているので、仮に監禁場所を移動させられたとしても、マッテオにはいつでもテリーサたちの位置の追尾は可能な状態だ。

「………（いったい、どこへ連れて行かれるのかしら？）」

「………（これから連れて行かれる先に、もしかしたら本物の紗季さんがいるのかも。神父、しっかり追跡頼んだわよ！）」

　冷静に状況を観察しているテリーサと友美。果たして彼女たちの捨て身の囮作戦は実を結ぶのか！？　そして本物の志賀野紗季の行方は！？

つづく。

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