からくり監禁城　第8話

「ここは…！？」
「この監禁屋敷……いえ、このからくり監禁城のメインシステムルームよ。とも君がマダムの手下になったフリをしていながら、彼自身がマダムの隙を見てここの場所を調べ上げたの」

沙織に案内されて、屋敷の秘密の地下室にやって来た理人と愛実。
沙織が倫生から聞いた話によれば、捕獲したコレクションを監視・管理し、屋敷からの逃亡を妨害するためのシステムが、この部屋のメインコンピューターによって機能しているのだという。
理人たちがこの屋敷に囚われたあの日、当日の天気予報になかった予想外の悪天候だったのも、このコンピューターの気象システムの仕業だった。

「嘘だろ…。僕たちを捕まえておくためだけに、わざわざこんな大掛かりな科学設備まで！？」
「このコンピューターがある限り、私達はいくら頑張ってもここから逃げ出すことなんてできないの」
「だったらやることは一つね！」
「こんなコンピューターぶっ壊しちまおう！！」

理人、愛実、沙織は各々ラケットとボールを取り出し、前面にあるコンピューター設備めがけて剛速球の魔球をお見舞いした。理人の体からオーラが湧き出る！　愛実が分身する。そして彼女が打ったボールも分身する。沙織の打ち込んだサーブで炎が燃え上がり、竜巻が発生する！　宇宙空間が出現した上でテニスボールが隕石の如く飛来し、メインコンピューターのモニター画面を叩き割った！！

「僕たちを怒らせて本気を出させたこと、たっぷりと後悔させてやるぜ！！」

一方その頃、平瀬倫生は、屋敷内の一画の実験室にある被験体用チェアに拘束されていた。

「くそーっ！放せ！放せーっ！　俺を一体どうするつもりだ！？」
「お前はこれから若さのエキスを全て抜き取られるんだ！」
「何だって！？」
「エキスを全て抜かれた肉体は、ただの魂の抜けた肉塊になり果てるが、喜べ。若さのエキスは全てマダムに捧げられる。そうなればお前は永遠にマダムと生き続けることが出来るのだぞ！」
「冗談じゃない！　あんなクソババアと一心同体にさせられてたまるかよ！」
「貴様、マダムに対して無礼だぞ！」

その時、突然実験室の電源がショートし停電が発生。

「地下で火事だ！」
「まさかメインコンピュータールームが！？」
「急いで原因を調べるんだ！！」

戦闘員たちが大慌てで実験室から出て行く中、拘束されたまま一人取り残された倫生。

「そうか、理人たちがやってくれたんだな」

状況を悟った倫生は、あとは3人が無事に逃げてくれることを祈るのみだったが……。

「何勝手に自分一人だけ脱出を諦めてるんだよ」
「――えっ！？」

戦闘員が誰もいなくなったところで、理人たち3人が倫生を助けに来たのだ！

「とも君、今助けるから！」
「バカ野郎ッ！　何で来たんだ！！」
「自分一人だけカッコつけようなんて、ずるいよ、平瀬くん！」
「僕たちは4人揃ってTEAM FRIENDSだ！　生きるも死ぬもいつだって一緒だ！」
「お前ら……ありがとう。うっ、ううっ…」

思わず感情が込み上げ嬉し泣きしてしまう倫生。拘束を外された倫生は理人たちと合流を果たし、数日ぶりにTEAM FRIENDSの4人が勢ぞろいしたのだった！

「さてと、ここから逃げ出す前に…」
「あのマダムにきっちりとお礼はしてやるぜ！」

「何だって！？」

部下の戦闘員から、屋敷のメインシステムが完全に崩壊したことを告げられるマダム。

「マダム、残念ながらこの屋敷の位置も、すでに警察に通報されているものと…」
「急ぎこの屋敷を放棄して脱出を！」
「やってくれたね～～！！あのガキどもォォッッ！！」

理人たちの逆襲に怒り狂うマダム。いよいよ次回、からくり監禁城編・最終回！！

第9話へ続く。