恋中七香と寺瀬聖佳救出のため、日夜修行に励むグラビティ・ブレイカーズ。一方その頃、囚われていた七香は自力で脱出に成功したかに見えたが、聖佳を救い出す直前で仕掛けられた罠に嵌り、抵抗空しく再捕獲されてしまうのだった。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
特訓完了
山あいにこだまする轟音。
久我美輝の拳が、岩肌に突き立てられる。瞬間、鋼鉄のように固かった岩盤が内側から弾けるように砕け散り、土煙が空へと舞い上がった。
「……やった、やったぞ……!」
拳を握りしめ、膝をついた美輝の頬には、汗と涙とが入り混じる。肩で息をしながら、彼は真っ直ぐにその場に立つ老武道家――祖父・久我明徳の方を見た。
「じいちゃん……!」
明徳は静かにうなずいた。
「――金剛爆心掌、会得じゃ」
その言葉を聞いた瞬間、美輝は叫びもせず、ただ地面に額をつけるようにして深く頭を下げた。何度も、何度も。
「ありがとう……ありがとう、じいちゃん……!」
己の拳ひとつで守れるものがあると信じて、美輝はこの山中での過酷な修行に身を投じた。砕け散った岩壁の先に、確かに“奥義”があった。
だが――
「マサさん!? コウキさん!? トモさん!? モナさん!? どうしてここへ!?」
突然、背後から聞き覚えのある声が次々と響き、美輝が慌てて振り返ると、そこには山道を登ってくる四人の仲間の姿があった。
片倉ジョアン雅清、志道考貴、上月智晴、和泉原萌菜。グラビティ・ブレイカーズの仲間たちだ。
「ヨシくん、自分だけ奥義会得のために修行だなんて水臭いぞ!」
満面の笑みを浮かべて近づく雅清の声に、美輝の目が再び潤む。
「実は俺たちも、ヨッシーが修行してる間、翠琳さんに特訓してもらってたんだよ」
と、智晴が自慢げに言った瞬間――
「トモさんは途中で脱落しちゃったけどね」
と、萌菜がさらりと暴露した。
「……そ、それを言うなよ~!」
智晴が涙目で肩を落とすと、思わず皆が――
「ハハハハッ!!」
と笑い合った。
その空気に包まれながら、美輝の目から一筋の涙がつっと頬を伝った。
考貴が前に出て、美輝の肩をぽんと叩く。
「ヨシ、俺たちはみんな仲間だ! もっと俺たちを頼れ!」
「……うん、みんな……ありがとう……!」
涙ぐみながら、けれど満面の笑顔で頷く美輝。四人の仲間もまた、深くうなずいた。
こうして五人は、陽が落ちかけた山道を共に下り、久我家の道場へと戻っていった――
その夜。道場の玄関には、明かりが灯っていた。迎えてくれたのは周翠琳。深緑のチャイナ服に身を包み、どこか険しい眼差しを携えたまま、彼女は待っていた。
「お帰りなさい。奥義の修得……間に合って何より」
「翠琳さん……」
「本題に入るわ」
翠琳は道場の床の間に貼られた地図を指し示す。赤いピンが打たれているのは、神奈川県・横須賀の一角だった。
「いよいよ明日の夜、横須賀の港から竜門会の船が出港する。表向きは貿易商社の所有船舶。でも実態は密輸船よ。人間も“荷物”として運ばれる」
美輝が拳を強く握る。
「……恋中さんと、聖佳さんが、その中に……?」
「可能性は高い。昼間、船が港に停泊している時間が唯一のチャンス。強引にでも中に突入する。抵抗は覚悟しておいて」
「敵の幹部は?」
「……劉鉄嶺。張天喜に重傷を負わせた男。おそらく彼が中心となって人質を動かしている」
空気が張り詰める。仲間たち全員の表情が変わる。遊びも訓練も終わった。これは“戦い”だ。
美輝は静かに目を閉じ、深く息を吸い、そして言った。
「みんな……明日、決めよう。恋中さんと聖佳さんを、絶対に取り戻す」
「「「「おう!!」」」」
五人の拳が、道場の中心で重なった。
決戦の日は――すぐそこまで迫っていた。
ヴァネッサの陰謀
その夜、横須賀市の海沿いにそびえる外資系の高級シティホテル――「シーサイド・グラン・オリエンタル」のロビーには、どこか緊張を帯びた静寂が漂っていた。

シャンデリアの光が反射する艶やかな大理石の床を、ひときわ異質な存在が音もなく歩いてくる。
漆黒のビジネススーツに身を包み、艶やかな黒髪を背中まで垂らした長身の女。鋭利なラインの眼鏡の奥から覗くその瞳は、まるで深海の闇のように冷たい。そして、口元に浮かべられた妖艶な笑みは、見る者に言い知れぬ不安を与える。
彼女の名は――
ヴァネッサ=レイブンズクロフト。
「ご予約の……レイヴンズクロフト様でいらっしゃいますね?」
フロントスタッフの青年が、やや緊張した面持ちで笑顔を作る。女の纏う異様な雰囲気に、喉の奥が自然と乾いていくのを感じた。
「ええ、よろしくね。旅の疲れを癒すには、まずは静かな部屋が必要でしょう?」
流暢な日本語で応じながら、ヴァネッサは細く整った指で金縁のルームキーを受け取る。その仕草一つ一つが、どこか演技めいてすらあった。
「チェックインは以上です。お部屋は――」
「分かっているわ。スイートの最上階でしょう?」
ヴァネッサは軽くウィンクすると、ヒールの音を響かせながら、背筋をまっすぐに保ったままエレベーターへと向かっていく。
その後ろ姿を、フロントスタッフはしばし呆然と見送った。彼女の歩いた後には、まるで何か異様な気配が残っているかのような錯覚があった。
ヴァネッサがエレベーターに乗り込むと、内部の鏡に彼女自身の姿が映る。自分の姿をしばし眺めたあと、彼女はふっと笑った。
「……この国の“正義”は、どこまで持つかしら?」
小さくつぶやく声は、まるで爪を立てるような甘やかな毒を孕んでいた。
表向きの肩書きは、世界最大のエネルギー企業「ネオ・ヴァンタジス・コーポレーション」の会長秘書。だがその実体は、世界征服すら視野に入れる国際犯罪組織――ネオブラックマフィアの女幹部。
彼女がこの横須賀の地を訪れたのは、偶然ではない。
「“竜門会”……そして、“グラビティ・ブレイカーズ”。ふふ……面白くなってきたじゃない?」
エレベーターの扉が静かに閉じる。
その瞬間から、久我美輝たちの知らぬところで、新たな陰謀の幕が上がろうとしていた。
――悪夢のような第二幕が、静かに口を開けているのだった。
(つづく)
コメント
>久我美輝の拳が、岩肌に突き立てられる。瞬間、鋼鉄のように固かった岩盤が内側から弾けるように砕け散り、土煙が空へと舞い上がった。
爆砕点穴か!!
まああれは人体には効かないですが、これ人体に効きそうですから危険ですよね…なんだか美輝くんが人外じみてきいましたね…
一格闘少年だった美輝くんが、レギウスともやり合えるんじゃね?的な強キャラになってきてますね…
さて、他のメンバーも修行を終え(約一名脱落)、いざ聖佳ちゃんと七香ちゃんの救出へ、敵は強大な竜門会、下手するとプロでも〇人が出るレベルの相手、皆無事に生還出来るのか!?
まあ、そこは翠琳ちゃんがなんとかするでしょ…
…って、そんなことはすんなりと収まりそうになさそうですね、横須賀の高級ホテルに不穏な影が…
ネオブラックマフィアの女幹部、ヴァネッサ女史到着、しかも厄介な爆弾の起爆装置を所持…これは嵐の予感ですね…
>「“竜門会”……そして、“グラビティ・ブレイカーズ”。ふふ……面白くなってきたじゃない?」
いやいや、グラビティ・ブレイカーズはただのアマチュアパルクールチームっスぜ姉さん💦
> 一格闘少年だった美輝くんが、レギウスともやり合えるんじゃね?的な強キャラになってきてますね…
少年漫画原作のバトルアニメや格闘技ゲーのキャラクターみたいな「変身したり巨大ロボットに乗り込んりしなくても人外の敵と戦えるヒーロー」に分類されるかと。
> まあ、そこは翠琳ちゃんがなんとかするでしょ…
美輝くん→劉鉄嶺と対決。
雅清たち他4人→雑魚の相手を担当(智晴くんはドローンを駆使して後方支援)。
翠琳ちゃん→その間に人質救出&その後偶発的にヴァネッサと対決を担当。
たぶん役割分担はこんな感じになると思います。勿論、明徳おじいちゃんはお留守番です。
> いやいや、グラビティ・ブレイカーズはただのアマチュアパルクールチームっスぜ姉さん💦
美輝くんたちが望むと望まざるに関わらず、もうグラビティ・ブレイカーズはただのアマチュアパルクールチームではなくなっている、いや、正確にはヴィラン勢力から警戒対象になってしまっているということです。今の段階ではまだそうでもないかもしれませんが、この後、美輝くんが見事に劉鉄嶺と対決して勝利してしまったら、今後ますますその傾向が強まるでしょう。
一見豪華なシーサイド・グラン・オリエンタル・・・必ず裏の一面か地下アジトがあると信じたくなる(;^_^A
一応、シーサイド・グラン・オリエンタルは真っ当なホテルという設定です。特に悪の組織御用達という訳でもなく、フロントでヴァネッサのチェックイン手続きを担当していた若いスタッフも、ごく普通のカタギで善良な一般市民だと思います(;^_^A アセアセ・・・
でも『ホテル・インヒューマンズ』みたいに、裏の一面を持つホテルというのも面白そうですね。