敵に捕まっている相馬晴彦と雨宮梨奈を助け出すため、イサム=ルワン=ラーティラマートと不破詩織は晴彦たちが監禁されているという廃墟ビルへと向かったのだが……。
※一部文章は、chatGPTで生成しております。
囚われの玲奈
ここは琴川玲奈と同じ学校のクラスメイトである生田敦信の父親が所有している郊外の別荘である。玲奈は今、ここの秘密の地下室に監禁されていた!
「助けて―!!誰か助けて―!!」
両手を鎖の付いた鉄枷で拘束されている玲奈は、精一杯の大声で叫ぶが、その助けを求める声が地上に届くはずもない。
「いくら騒いでも無駄だよ。この部屋は防音設備が整っているから、絶対に外へは聞こえない」
「生田くん……どうして!?」
「気に入ってくれたかな。この地下室は親父が昔使っていたんだ。自分が経営している会社の若い女子社員を度々連れ込んでは、イケナイ遊びを楽しんでいたんだよ」
学校での成績も優秀で教師からも信頼され、周囲の生徒の誰からも好かれるという、まるで絵に描いた好青年のような存在だった敦信の本性と裏の一面を見せつけられ、玲奈は今でも困惑を隠しきれないでいる。
「私を付け回していたストーカーは、あなただったのね!?」
「付け回していたとは心外だな。僕は君を見守っていただけだよ。悪い虫が寄り付かないようにね。例えば週刊誌に報道されていた、あの俳優Tみたいに…」
「違う! 私とTさんはそんな関係じゃないわ!」
「知ってるよ。あのフェイクニュースを週刊誌にリークしたのは、そもそも僕と、君の会社の社長なんだからさ」
「社長が!? どうしてそんな!!💦」
「もうそんなことどうだっていいじゃないか。これからは僕のことだけを永遠に見つめててくれよ、琴川さん……いいや、玲奈💓」
「気安く呼ばないで! このケダモノッ!!💢」
玲奈に罵倒された瞬間、それまでニヤニヤ笑っていた表情から急に鬼のような形相に切り替わった敦信は、玲奈の頬を平手でぶった。
「うっ…!!」
「口の利き方に気をつけろッ!! このメス豚がァァッッ!!💢」
突然気が狂ったように怒り叫ぶ敦信。そこへ高慢な目つきの中年女性が部屋の中に入って来る。
「ちょっとちょっと…大事な商品が傷物になるじゃないのよ。もっと丁重に扱いなさい」
「チッ、アンタかよ…」
「しゃ、社長!?」
「フフフッ…驚いたかしら、玲奈?」
その女は、玲奈が所属していた芸能プロダクションの社長・天満菊枝だった。
「あなたたち、グルだったのね。今まで信じていたのに…そんな…ひどいわ」
「お黙り小娘。一体誰のおかげで一流人気アイドルとしてやって来れたと思ってるの? 今こそその恩を返す時よ!」
「私を、どうするつもりですか…?」
玲奈の疑問に、敦信が答える。
「闇の芸能プロダクションって知ってるかな? 君はそこに移籍することになるのさ、所謂新たなステージでデビューってことだ、そこで俺は改めて君の新生ファンクラブ第1号だ!」
闇の芸能プロダクション――明らかに怪しい響きだ、このままでは最悪な未来しか待っていないことは玲奈にも容易に想像出来る。さらに菊枝が説明を続けた。
「これからその闇の芸能プロダクション主催の新規作品出演者を決めるオーディションが始まるわ。あなたにはそれに参加してもらいます。政財界VIPのお歴々も招かれる大事なイベントよ。う~ん、でも琴川玲奈一人だけだと、どうも華が足りないわね。もう一人、目玉となるアイドルが欲しいわ」
菊枝と敦信は、意気投合しているかのように薄気味悪くニヤリと怪しい笑みを浮かべる。それを見た玲奈は、思わずハッとなった。
「まさか亜弥を!? やめて! 私はどうなったって構わない! その闇のオーディションとやらにも出ます! だから…だから亜弥だけには手を出さないで!!」
生田敦信からの誘い
武智探偵事務所の室内は静寂に包まれていた。だが、その静けさとは裏腹に、そこにいる四人の胸の内には不安と焦燥が渦巻いている。
イサムと詩織が晴彦と梨奈を助けに向かってから、すでに数時間が経過していた。だが、いまだに連絡はない。
リネア=F=ヴァイザーは落ち着かぬ様子で腕を組み、窓の外を見つめながら呟いた。
「……イサムさんたちの帰りが遅いですね。もしや彼らの身に何かあったのでは……?」
その言葉に、加藤段十郎は腕を組んだまま目を閉じ、椅子に深く腰を沈める。
「アイツらなら自分たちでなんとかするだろ」
彼の言葉は冷静で、どこか突き放したようにも聞こえた。しかし、リネアはそれを聞いて、ふと微笑んだ。
「おや、意外とあの人たちを信頼しているんですね?」
段十郎はわずかに目を開けると、鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「フン、どうだかな……」
そんなやり取りの最中、突然室内にスマートフォンの着信音が響いた。
椎穂亜弥のスマホだった。
表示された発信者の名前を見た瞬間、亜弥の表情が強張る。
「……生田くん?」
彼女は恐る恐る通話ボタンを押し、震える声で応じる。
「もしもし……生田くん?」
受話器の向こうから、静かながらも確信に満ちた男の声が聞こえてきた。
「椎穂さん、実は琴川さんについて話したい大事なことがあるんだ。今日の夜、出て来られるかな?」
「……えっ?」
亜弥は困惑し、傍にいる段十郎とリネアに視線を送る。段十郎は無言で頷き、敦信の言葉に応じるよう促した。
亜弥は一瞬の躊躇の後、意を決したように答えた。
「……うん、分かった。今夜九時、学校の近くの公園ね。必ず行くわ」
通話が切れた瞬間、事務所の空気が張り詰める。
リネアは段十郎を睨むように見つめ、「どうするつもりなのです?」と詰め寄った。
段十郎は低く笑いながら呟いた。
「予想通りだ。琴川玲奈が闇の芸能プロダクションの手に落ちた以上、次のターゲットは玲奈と同じく人気アイドルである椎穂亜弥……つまり、お前さんってわけだ」
リネアは険しい表情を崩さず、「まさか……」と呟いた。
「亜弥さんを囮にするつもりですね?」
その言葉に、驚いたのは日高マネージャーだった。
「そんな! 亜弥さんが危険ですよ!」
「私も反対です。もう玲奈さんの監禁場所は分かっているんですよ! 私たちだけで乗り込んで彼女を助け出せば済むはずです!」
だが、段十郎は腕を組み、冷静に首を振った。
「しかし、今俺たちだけで乗り込んだとしても、検挙できるのは蜥蜴の尻尾ばかりだ。闇の芸能プロダクションの大元を叩き潰せる絶好の機会を、みすみす不意にするつもりか?」
リネアは押し黙った。
段十郎は軽く肩をすくめ、「ま、嫌なら無理強いするつもりはないけどな……」と静かに言った。
沈黙の中、亜弥がゆっくりと口を開いた。
「……私、行きます!」
その声には、確固たる意志が宿っていた。
「玲奈を助けられるなら、どんな危ないことだって覚悟の上です!」
リネアは驚き、日高マネージャーは愕然とした。
「亜弥さん……!」
だが、亜弥の決意は揺るがない。段十郎はその姿を見て、満足そうに笑った。
「フフッ、話は決まったな」
こうして、亜弥は罠と知りつつも、生田敦信の誘いに応じることとなった。
つづく。
コメント
天満社長に騙されて、闇のプロダクションの人間に誘拐され、生田家の別荘に連れて来られた玲奈ちゃん、地下室の拷問部屋のようなところへ監禁されてしまう…ってなんで別荘にこんなもんがあるんだよ!
その疑問にすぐに答えてくれる変態野郎の敦信くん、
>「気に入ってくれたかな。この地下室は親父が昔使っていたんだ。自分が経営している会社の若い女子社員を度々連れ込んでは、イケナイ遊びを楽しんでいたんだよ」
まあ…やっぱりこのガキの親か…ろくでもない会社の社長だってのは想像つきます…
そしていやらしく玲奈ちゃんに迫る敦信だが、玲奈ちゃんは気丈にも反抗、するとすぐに暴力を振るい口汚く罵ってくる敦信、中身は本当にクソ野郎って感じですね…
そこに現れるもう1人の裏切者、天満菊枝!
>「一体誰のおかげで一流人気アイドルとしてやって来れたと思ってるの? 」
どの口が言ってんだか、本当に傲慢なクソどもが揃ったものですね、そして似た者同士の傲慢醜悪クソコンビが何かを閃く、どうせ売り飛ばすならもう1人居た方が華があるんじゃない?
そして奴らの次なる狙いは亜弥ちゃんに…
…ってことを予想していたのは、加藤段十郎。
案の定敦信のクソ野郎から亜弥ちゃんに誘い出すような電話が、
そこで加藤は、あえてその誘いにのるように提案、所謂亜弥ちゃんを囮にすると…
>「ま、嫌なら無理強いするつもりはないけどな……」
それを断るわけないと解って言ってるところがいやらしいぞ加藤!
案の定乗ってくる亜弥ちゃん、闇の芸能プロダクションの大元を叩き潰すチャンスとはいえ、ちょっと危険な賭けではありますね、
友達思いの女の子の善意を利用する形で策を立てる加藤、悪い奴ですね~、まあどこまで本意か解りませんが。
さあ、玲奈ちゃん救出のための囮大作戦開始!
…って、学生探偵社、事務所まで使われてるけど、早く帰ってこないと誰が主役だか解んなくなるぞ!