ネオブラックマフィアの首領・デスクローン総統から、ブレイバーズ長官・牧村光平の誘拐作戦を強要された黒百合は、安土市のブレイバーズ本部「セントリネル・ハブ」に潜入し、次の週末に光平が休暇を取り沢渡優香や錦織佳代と一緒にピクニックに出掛けるという情報をキャッチ。
黒百合の罠によって佳代たちと分断された光平と優香は、森の中で助けを求めて来た謎の少女を保護したのだが…?
※文章は、一部除きchatGPTで生成しております。
森の小屋と黒百合
光平は少女が指差した方向に進み、薄暗い森の中を慎重に歩いていく。やがて、樹々の間に小さな木造の小屋が姿を現した。古びた外観に苔が張り付いているが、窓の隙間からわずかに漏れる光が中に明かりが灯っていることを示していた。
「何だ…ここは?」
光平は眉をひそめ、小屋の周囲を警戒しながら近づいた。足音を殺し、周囲を確認した後、慎重に扉を押し開ける。古びた蝶番が軋む音を立てたが、幸い中に人の気配は感じられなかった。
小屋の中は最低限の家具があるだけの質素な造りだった。中央にテーブルと椅子、隅には古びたベッドと棚がある。光平は足元に注意を払いながら、隅々までくまなく調べた。しかし、怪しい物も人影も見当たらない。
「何だ、空振りか…?」
その瞬間、背後から女性の声が響いた。
「ようやくお目にかかれたわね、牧村光平ブレイバーズ長官。」
光平は反射的に振り向いた。そこには、全身を漆黒のライダースーツに身を包んだ女性が立っていた。ヘルメットはなく、長い黒髪が艶やかに揺れている。美しい顔立ちだが、その目は冷たい光を帯び、背筋がぞくりとするほどの異様な気配を放っていた。
光平は一瞬で状況を理解し、身構える。
「何者だ!?」
女は薄く笑い、挑発的に名乗った。
「初めまして。いいえ、初対面というわけでもないかしら。私の名は黒百合(ダークリリィ)。よろしくね、長官さん…それとも『天凰輝シグフェル』と呼んだ方がいいかしら?」
「ダークリリィ…?」
光平はその名前に聞き覚えがなかったが、女のただならぬ雰囲気に一層警戒を強める。
黒百合は軽い口調で続けた。
「実はね、今日はあなたを誘拐しに来たの。」
光平は不敵に笑い返した。
「誘拐だと? 俺を? お前がか?」
目の前の女性は確かに只者ではない。彼女の気配に全く気づけなかったことがその証拠だ。しかし、それでも彼女はただの生身の人間に見える。大の男であり、しかもスーパーヒーローである自分を女一人で誘拐しようなどというのは、普通ならばあり得ない話だ。
「俺を相手にそんな無謀な真似をするとは、ただの狂った女か、それとも…」
光平の言葉に、黒百合はゆっくりと肩をすくめ、にやりと笑った。その表情には妙な自信が満ちていた。
「さあ、どうかしらね?でも…あなたにはこれから知ってもらうわ。私の優れた頭脳の力を。」
その一言と共に、室内の空気が変わった。まるで温度が下がるような冷たい気配が光平を包み込む。
「何をする気だ?」
光平は身を低くして女の動きを注視する。戦闘態勢に入った彼の瞳は冷静さを保ちつつも、目の前の女が何を仕掛けてくるのかを探っていた。
牧村光平、ついに捕らわる!
「んん~っ!んんっ!!んんんーっ!!」
「優香ッ!?」
警戒しながら身構えていた光平の目に飛び込んで来たのは、縛られて口に猿轡を噛まされカメレオンの怪人に引っ立てられて来た優香の姿だった!
「助けて! 助けてください! 私…怖い!!」
カメレオンの怪人は、自分の声を少女の声色に変えて、助けを求める台詞をわざとらしく言って見せる。それは先程助けた少女の声と同じものだった。
「お前は!?」
「クククッ…どうだ? 上手い芝居だっただろう?」
「くっ、そういうことかッ!!💢」
光平と優香に森の中から助けを求めて来たあの少女は、ネオブラックマフィアの怪人クローカメレオンの変身だったのだ。
「この時を待っていたのよ。察しのいいあなたなら、もう言わなくても分かるわよね? 少しでも抵抗したら、あなたの可愛い彼女さんの美しい白い肌に、一生消えない傷がつくことになるわよ?」
「んんんーっ!!んんんぐーっ!!んんんっ!!んんんぐーっ!!」
優香は必死に首を横に何度も振り、「自分はどうなってもいい!私に構わないで!」と言いたげに光平に要求に応じないよう目で訴える。だがこの時点で光平の意思は決まっていた。
「分かったよ。降参だ。さあ、どうとでも俺を好きにしろ」
両手を上げ、降伏の意思を示す光平。ついに牧村光平の捕獲に成功した黒百合の勝利の高笑いが、辺り一面に響き渡る。
「やったわ! ついにあの天凰輝シグフェルが私の手中に落ちたわ! アハハハッッ!!」
一足違い
一方、安土市のショッピングモールや甲府駿河間高速道路での人質事件で思わぬ足止めを食らい、何とかサクサクッと解決して遅ればせながらようやく銀嶺山に辿り着いて合流した獅場俊一、寺瀬詩郎、稲垣健斗の3人だったが――。
「確か佳代さんからの連絡だと、優香さんの従弟の男の子がここに預けられているはずなんだけど…」
とりあえず山頂展望台の観光事務所で待っているという柏村晴真を迎えに行った俊一たちだったが、そこで目に飛び込んで来た光景は、縛られて床に転がされている女性スタッフの姿だった!
「んんんっ!!んんんぐーっ!!」
「…こ、これは一体どうなってんだ!?💦」
「大丈夫ですかッ!?」
俊一たちは慌てて女性スタッフの猿轡を外して縄を解き、事情を聴く。
「一体ここで何が起きたんですか!?」
「そういえば、ここに預けられているという男の子はどこに!?」
「助けてくださってありがとうございます。実はつい数分前に蟹の化け物と怪しい男たちが押し入って来て、私を縛り上げて男の子を連れ去って行ったんです!」
どうやら柏村晴真は、ネオブラックマフィアの一味に連れ去られた後だったようだ。
「――しまった! 遅かったかッ!!」
「もしかして佳代さんや千秋姉ちゃんも危ないんじゃ!?」
「とにかく急ごう!!」
俊一たち3人は、大急ぎで山頂から降りて付近を捜索するのであった。
つづく。
コメント
なんと黒百合姐さんミッションクリア!光平君は自身がスーパーヒーローであるがゆえに「いざとなれば俺がシグフェルに変身すれば…」という油断があったのは否めないようで、そこを姐さんがうまくつけ込むことに成功した感じでしょうか。もちろん近場にいる佳代ちゃんと千秋ちゃん、さらに足止め食っていた男子組も救出に駆けつけるでしょうが、姐さんもそれは想定内のはずで、何か罠を仕掛けて待ち構えていそうですね。
> なんと黒百合姐さんミッションクリア!
黒百合にとって大変なのは、むしろこれからかもしれません。今は恋人の沢渡優香も一緒に人質に取っているので従順なように見えますが、あの牧村光平がこのまま大人しく捕まっているはずがないわけで、その監禁にかかるコストとリスクの大きさは黒百合自身が一番よく分かっているはずなのです。せっかく捕まえても、すぐに逃げられてしまっては元も子もありません。
> もちろん近場にいる佳代ちゃんと千秋ちゃん、さらに足止め食っていた男子組も救出に駆けつけるでしょうが、姐さんもそれは想定内のはずで、何か罠を仕掛けて待ち構えていそうですね。
まさしくS-A様のお見通しの通りで、次回、佳代ちゃんと千秋ちゃんにも敵の魔手が迫ります!