ボンド星人の陰謀　その二

前回「ボンド星人の陰謀 その一」からの続き。
地球に襲来したディド恒星系第三惑星ボンド星人による誘拐ゲーム開催宣言の告知により、俄かに地上の暗黒街は色めき立った。そして日本各地で若者を狙った誘拐事件が続発した！

正体不明の黒ローブ男に背後から銃口を突きつけられ、両手を上げながら洞窟の中を延々と歩かされる女子大生・天帆美空。大学からの下校中に、突然車に乗せられ連れて来られたのだった。

「私を…いったい何処へ連れて行くつもりですか？」
「口を開くな。黙って歩け」
「私の家はお金持ちなんかじゃありません。きっと身代金なんか払えないと思います。だから…どうか助けて！ この事は警察にも誰にも言いませんから！」
「生憎だが、金が目的ではない。無事に自分の家に帰りたかったら、大人しく俺の言うことに従うんだ。いいな？」

やがて美空は、四方を石造りの壁に囲まれた一室へと連れ込まれ、そこで両手両足を鎖付きの鉄枷で拘束されてしまった！

「誰か…誰か助けてェェッッ！！」
「フフフッ…好きなだけ大声で叫んでいいぞ。どうせ洞窟の外には聞こえはせん」
「どうして…？ どうして私にこんなひどい事をするんですか！？ 私が何をしたっていうの？」
「理由だと？ そんなものはない。お前はゲームに巻き込まれたんだよ」
「分かんない…分かんないよッ！ ゲームって一体何？ 私をここから出して！！」

黒ローブ男は「もうすぐゲームの進行役が捕虜の見分に来る。それまで窮屈だろうが大人しく待っていろ」とだけ言い残して、美空の懇願を無視してどこかへと立ち去ってしまった。静かに涙を浮かべる美空に、救いの手は訪れるのであろうか？