悪辣な社長令嬢・蜂嶺百合子の陰謀で、星本有理紗と岸本愛実がブラックマフィアに誘拐された!
しかし蜂嶺家所有のクルーザーの船内に監禁されていた二人は、ベラドンナの介入によって奪われて別の場所へと連れ去られてしまう!
果たしてブラックマフィアから獲物を横取りしたベラドンナの目論見とは?
裏切り!?
「………」
ここは勢川理人が監禁されている蜂嶺家の別荘。片足に鉄球付きの厳重な鉄枷を嵌められてはさすがに逃げられないと諦めたのか、理人はさっきからずっと部屋の片隅でじっと腰を下ろして座っている。そこへ何やら険しい表情の鉢嶺百合子が取り巻きたちを引き連れて現れた。
「立ちなさい! 今すぐ場所を移動するわ!」
理人の鉄枷の鍵を外そうと彼に近づく百合子だったが、床の一部が水浸しになって濡れていることに気がつく。
「…濡れている?? そういえば確かこの辺りには花瓶が――」
その時、突然理人が立ち上がって百合子を羽交い絞めにし、首筋に割れた花瓶の破片を突きつけた! まだ百合子たちが来る前に部屋に遭った花瓶を床に叩きつけて割り、この時のために今までずっとその破片を隠し持っていたのだ!
「動くなッ! お前たちのお嬢様がどうなってもいいのか!?」
百合子を人質に取って脱出を試みようとする理人だったが、何故か百合子もその取り巻きたちも少しも動じる様子もなく、理人のことをせせら笑っていた。
「フフフッ…馬鹿ね? それでこの私よりも優位に立ったつもり?」
「何だと!? どういうことだ!?」
「こういうことよ!」
百合子は視線を向けて手下に合図し、あらかじめ捕らえておいた平瀬倫生と藤永沙織を部屋の中へと連れて来させた。
「んんーっ!!んんんーっ!!」
「んっ、んむっ、んぐふっ!!」
理人の前に引っ立てられて来る、縛られた状態の倫生と沙織。
「倫生!? 藤永さん!? ちくしょー! 卑怯だぞッ!!」
「形勢逆転ね。さあどうするの? あの二人を見捨てて自分だけここから逃げる?」( ̄ー ̄)ニヤリ
「くっ…!!」
理人は無念と苦渋の表情を浮かべながら、右手から花瓶の破片を手放した。解放された百合子は、直ちに理人も倫生や沙織と同じように縛り上げるよう手下に命令する。
「んっ、んんっ…!!💢」
「オホホホホッ!! いい気味だわ♪」
悔しさいっぱいに百合子を睨みつける理人と、それを高みから嘲笑う百合子。しかしその直後に異変は起こった。なんと手下たちが主人であるはずの百合子も強引に組み伏せてロープで縛り上げ始めたのだ!
「…あ、あなたたち! いったいどういうつもり!?💦 私にこんなことをしてパパが黙ってると思ってるの!?」
「いいからジタバタするな! このアバズレがッ!!」
「――!? あなた、うちの使用人じゃないわね!? いったい誰なの!?」
「フフフッ…今頃気がついたの? おバカなお嬢さんね」
「…女??」
「この屋敷の連中には全員眠り薬で眠ってもらったわ。使用人連中は文字通り始末してもよかったんだけど、〇体にすると後始末がいろいろと面倒なのでねww」
百合子のボディーガードに成り済まして蜂嶺家の別荘に潜入し、護送途中だった平瀬倫生と藤永沙織の身柄をブラックマフィアから奪い、土壇場で百合子を裏切った男――いや、表返ったこの女こそ、変装の達人である猟犬(ハウンド)、「演劇部」その人であった!
ブラックマフィア首領の怒り
一方、ブラックマフィアも一連の誘拐妨害劇の仕掛け人がベラドンナであることに、ようやく気がついていた!
「そうかやっぱりベラドンナの仕業だったのかァァッッ!!💢 あの魔女のアマァァッッ!!💢 舐め腐りやがってェェェッッッ!!💢」
「ボス、いかがいたしましょう?」
「知れたことよ。これから奴らのアジトにカチコミだァァッッ!! ブラックマフィアを怒らせるとどういうことになるか、たっぷりと思い知らせてやるぜ! おい暗黒大博士! 準備はいいか!?」
「コラ、暗黒大博士ではない! 暗黒大博士じゃ! まあ見ておれ。儂のご自慢の戦闘サイバーロイド軍団を送り込んでやろう。楽しみにしとるがよい!」
いつの間にかブラックマフィアに雇われていた暗黒大博士(;^_^A アセアセ・・・
いよいよブラックマフィアVSベラドンナ、全面戦争の時来たる!
つづく。
コメント
どこぞの過酷な拷問受けてる姫様のごとく、鉄球付きの枷を嵌められ体育座りでしょんぼりしている理人くんの前に、再び姿を現す百合子嬢、
だが、理人くんの鉄枷の鍵を外そうと彼に近づいたところ、なんか床が濡れている、その近くにあったはずの花瓶が…
諦めて観念していたフリをしていた理人くんが突如百合子嬢に襲い掛かり、割れた花瓶の破片を百合子嬢の首筋に突きつける、なかなかやりますね~
…がしかし、外道レベルは百合子嬢の方が上、新たな人質の倫生くんと沙織ちゃんの登場で形勢逆転、
新たな人質を用意して再び理人くんを捕え、意気揚々の百合子嬢だったのだが…ここでまさかの裏切り、なんと手下どもは今度は百合子嬢に襲い掛かり、縛り上げてしまった!
NDK、自分が縛られて見下される気持ちってどんな気持ち?聞かせてお嬢様~
>「いいからジタバタするな! このアバズレがッ!!」
これ言ったの誰?もう1人は演劇部ですねやっぱり、口調はそれで問題ないですよ、
なんか結構前から侵入してたっぽいですね、あともう1人の「アバズレ」言った奴の方も気になりますね、誰だろ?「背骨」?「黒狗」?
なにはともあれ理人くん、助けが来たぞ…てなわけねーですねはい、そして同じく捕らわれの身となってしまったアバズ…百合子お嬢様の運命は…
>「そうかやっぱりベラドンナの仕業だったのかァァッッ!!💢 あの魔女のアマァァッッ!!💢 舐め腐りやがってェェェッッッ!!💢」
怒っとる怒っとる(笑
怒髪天なブラックマフィアのボスがとうとう反撃に、そこで呼ばれて現れたのが…なんでお前がここいんの…?
今から愉快犯としてどこぞで事件でも起こすかと思ったら、マフィアの犬になってるとは…語るに落ちたなこのマッドサイエンティストは…
でも、少々面倒くさいのがブラックマフィアサイドにいるみたいですね、これは何だか面白いことになってきましたね~
> これ言ったの誰?
すみません。「演劇部」です。まだこの時点では男装して男のふりをしていたので男口調のままです。まあこの直後にすぐ女である正体を明かすわけですが……。
もし違和感があれば、この場には黒狗もいて彼が「アバズレ云々」の台詞を口にしていたことにしてもOKです🙇