アクアライザー只今参上！

誘拐事件発生！

　一年中が常夏の楽園と呼ばれるパシフィックゲートウェイ島の中心都市ブライトバレーで、身代金を目的とした誘拐事件が発生した！
　誘拐されたのは、島全体の経済や都市計画にも多大な影響力を持つ日本の滝沢グループの御曹司で、市内のエバーグレン高校理工科に通う男子高校生の滝沢俊彦だ。誘拐したのは、以前から島への進出の機会を狙っていたブラックマフィアと呼ばれる犯罪組織。俊彦の誘拐で得た身代金を上陸の足掛かりに使うつもりなのだ。

「おい坊主、気の毒だが身代金さえ手に入れてしまえばお前はもう用済みだ。消えてもらうぜww」
「んっ、んんっ…」

　さすがは急ぎ働きすら辞さない凶悪外道なことで有名なブラックマフィアといったところか。最初から俊彦を無事に解放する気など更々なかったらしい。しかし縛られて監禁されている当の俊彦は、怖い脅し文句を聞かされても意外に冷静な様子だ。だがその態度がかえって見張りの男の気に障ったようだ。

「何だてめぇ…その目は!!💢 すかしてんじゃねえぞ！ 何なら今ここですぐにでも始末してやってもいいんだぞ!!」

　抵抗できない俊彦に銃口を向けるブラックマフィア構成員。しかしその時周囲一帯が大きく揺れた！

「…い、いきなり何だ!?💦」
「地震かッ!?💦」
「…あ、相棒ッ！ あれを見てみろッ!!💦」: (((;”°;ω°;)):ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ
「な、なんじゃこりゃァァッッ!!」: (((;”°;ω°;)):ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

　ブラックマフィアの一人が指差した先の窓の外からは、何と白い巨大ロボットが顔を覗かせていた！
　そしてそのロボットの中から操縦者らしき人物（少年?）の声が、拡声器を通して聞こえてくる。

「おいお前ら！ 今すぐ武器を捨てて人質を解放しろ！ さもないと、こうだぞッ！！」

　白い巨大ロボットの大きな腕は無理やり窓とコンクリートの壁を突き破って、こちらに手を伸ばそうとして来る。すかさずブラックマフィアたちは発砲して応戦するが、弾は巨大ロボットの装甲に掠り傷一つすら付けられない。

「…ダ、ダメだ。こいつは敵わねえ!!💦」
「…に、逃げろォォッッ!!💦」

　ブラックマフィアたちは人質の俊彦を放って置いて、皆一目散に逃げだしてしまった。他に誰もいなくなったのを確認した白い巨大ロボットのパイロットはヘルメットをかぶって顔を隠した高校生くらいの少年であり、コクピットから身を乗り出して外へと出て来る。そして縛られていた俊彦を助け出した。

「拓斗、遅いじゃないか！」
「わりぃわりぃ…そう怒るなって。GPSを辿ってこの場所を割り出すのも一苦労だったんだぜ♪」
「…でも、きっと来てくれるって信じてたよ。だから…その…一応礼は言っとく⁄(⁄ ⁄-⁄ω⁄-⁄ ⁄)⁄ﾃﾚﾃﾚ。ありがとう」
「そりゃあ、どういたしまして。さあ帰ろうぜ！ みんな心配してる」

　最近、街の治安と平和を悪の手から守る、謎の白い巨大ロボット。そのパイロットが、実は俊彦と同じエバーグレン高校理工科の生徒である橘拓斗であることを知る者は少ない。

ブラックマフィアのアジトでは？

「バカヤローッッ！！💢」
「…ボ、ボスッ!! お許しをッ!!💦」

　一方その頃、アジトへと逃げ帰ったブラックマフィア一味は、組織のボスから大目玉を食らっていた。このアジト内部の中央に浮かぶ巨大な顔のホログラフィ（立体映像）こそ、泣く子も黙る暗黒街のドン、ブラックマフィアのボスなのだ。

「し、しかしボス！ あの白いインダストリアルメックは滅法強くて、俺たちの武器は一切効き目がないんでさぁ！」
「言い訳を聞いてるんじゃねえ！ よぉーし、ならいいだろう。お前たちにはとびっきりの武装インダストリアルメックを本部から贈ってやる。そいつを使って何としてもあの目障りな白い巨大ロボットを倒すんだ。それでもし今度しくじったら、どうなるか分かってるな？」
「も、勿論でさぁ…💦」: (((;”°;ω°;)):ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

　そこへ他の部下が、何やらボスに報告にやって来る。

「我々のアジト周囲を嗅ぎ回っていた妙な女を捕まえました。カメラを持っていましたので、どうやらマスコミの記者のようです」
「何だと！？ そうか、そいつは使えるかもなww　フフフッ……」

中村姉弟の危機

「んんーっ！！んんーっ！！」

　パシフィック・メディアの週刊パシフィックに所属する見習いカメラマンの中村友美。彼女もまた、突如として島に現れた正体不明のヒーローである白い巨大ロボットとそのパイロットを追っていたのだが、そうしているうちにブラックマフィアの縄張りに入り込んで網にかかってしまったようだ。

　しかし、姉・友美の窮地を直感的に感じ取った弟の弘樹が、見つけた姉の監禁場所に忍び込んで、隙を突いて彼女を助け出すことに成功したかと思われたのだが…？

「待て！ どこへ行く貴様らッ!!💢」
「…しまった！ 見つかっちゃった！ どうしようヒロくん!!💦」
「姉ちゃん、僕の側から離れないで！ これでも食らえッ!! うぉりゃァァッッ!!」

　行く手も退路も完全に塞がれ、挟み撃ちにされる状態の中村姉弟。弘樹は両手に握った鉄パイプを狂ったように振り回して、姉を守るべく必死に応戦するが…？

「ガハハハッ…何だ今の攻撃は？ 蚊にでも刺されたかなww」
「そ、そんな…！」
「日本じゃ鉄パイプでも振り回しておけばそこそこの奴らとは戦えたのかもしれねーけどなぁ、この俺様を日本の軟弱な犯罪者連中と一緒にするなよ？」

　ブラックマフィアの現場指揮官と思しき屈強なスキンヘッド男には、弘樹の鉄パイプ攻撃が全く効かなかった。友美と弘樹に危機が迫る！

　一方その頃、エバーグレン高校理工科の工房にいた拓斗と俊彦のところへ、同じクラスメイトであるレイナ=ジェーン=ウィルソンが血相変えて駆け込んで来た。

「拓斗！ 俊彦！ 大変よ！ 弘樹くんが友美さんを助けようとして、一人でブラックマフィアのアジトに向かったの！」
「何だって！？ アイツ…何て無茶なことをッ！ 待ってろ弘樹、すぐに助けに行くからな！！」

　街の人々が白い巨大ロボットと呼ぶ愛機のAE-78Xアクアライザーのコクピットに飛び乗り、出撃する拓斗。しかしブラックマフィアは、武装インダストリアルメックを用意して待ち構えている。

果たして拓斗は、弘樹と友美を無事に助け出すことができるのか？

つづく……と、言いたいところですが、今回はとりあえず紹介編というところで、この先は皆様のご想像にお任せします(;^_^A アセアセ・・・

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