悪夢の夏合宿　第14話

夏合宿に向かうテニスサークル「TEAM FRIENDS」のメンバー、勢川理人、岸本愛実、平瀬倫生、藤永沙織の4人は、仲の良い後輩の女子高生・星本有理紗を誘って、目的地である鬼哭山きこくさんのキャンプ場にやって来たのだが……。

凶悪犯によるキャンプ場襲撃事件も無事に解決したかと思いきや、理人たちは再び謎の集団に捕らえられてしまった！　勢川理人と融合を果たした異星人スーパーヒーローであるミラージュＸは、事件の黒幕であるハント星人と対峙するが…？

理人覚醒

人質にした有理紗を連れて逃げ出したハント星人指揮官。しかし人質諸共敵の殲滅を目論む非情なミラージュＸによって、とうとう追い詰められてしまう。

「ふっふっふっ…もうどこにも逃げ場はないぞ！ 覚悟はいいか？」
「待テ！ 本当ニ撃つツモリカ！？ コノ地球人ノ娘モ〇ヌゾ！！」
「んんーっ!! んんむむーっ!!」

しかしミラージュＸ必殺のミラージュ光線はまもなく発射寸前だ！

「んんーっ!! んんーっ!!（そんな…嘘よ！ わたしはここで〇んでしまうの！？ 助けて…理人さん！ 理人さあァァ～ッッんんッッ!!!!!!!!）」

その時、縛られて猿轡をされたままの有理紗の声にもならぬ嘆きの叫びが、ミラージュＸの体の奥底に眠る勢川理人の心に届き突き刺すように響いた。ミラージュＸの身体が急に金縛りにでも遭ったようにピクリとも動かなくなる。

「バ、バカなッ…！ 体が急に動かん!? これではミラージュ光線を撃つことが出来ぬではないか！」

「……やめ…ろ。有理紗ちゃんに…手を…出すな」

「まさか勢川理人の意識が目覚めて私の邪魔をしようとしているのか！？ お、おのれ…今頃になって裏切りおってェェェッッッ！」

「…ウォォォッッっ!!!!　俺の身体から出ていけェェェッッッ!!!!!💢💢💢」

「ぐぬぬ…クソがァァッッ!!💢」

なんと理人は精神力でミラージュXを自分の身体から追い出したのだった！
元の自分に戻り正気を取り戻した理人は、すぐに有理紗の口から猿轡を外した。

「大丈夫か有理紗ちゃん！？」
「よかった…理人さん。元に戻ったんですね。嬉しいです」
「待っててくれ。すぐにロープも解いてやるから！」
「ありがとうございます。でも理人さん、大変言いづらいんですけど、何か大事なことを忘れていませんか…？」(;^_^A アセアセ・・・
「えっ…？💦」

有理紗に指摘されて理人が後ろを振り返ると、そこには……！

「フハハハハハ！！！ 邪魔者のミラージュＸを追ッ払ッテクレタコトは礼ヲ言ウゾww　ソレデハお前もコイツで縛ラレテモラオウ？」(￣ー￣)ﾆﾔﾘ

ロープを持って今にも理人をぐるぐる巻きに縛り上げようとするハント星人指揮官が、眼前に迫っていたのであった。

捕まった優姫と倫生

一方その頃、ハント星人に捕まっていた平瀬倫生と鷹松優姫は、一足先にハント星人の宇宙船に乗せられていた！ 船は今まさに出航直前である！

「ちきしょー！！ 放せー！！ 放せー！！」
「ソノ鎖は地球人に外スノハ不可能ダ、諦メロ」

見張りのハント星人下級兵士の言うとおり、ハント星の超合金製の鉄枷は倫生がどんなに暴れてもビクともしなかった。一方の優姫は、言葉を喋れないよう口をテープで塞がれ、両手両足を縛られてソファに座らされていた。

「んっ、んんっ…!!（このままだと本当にこいつらの母星とやらに連れて行かれてしまうわ。この船が飛び立つ前に何とかしなければ！）」

何とか脱出の方法はないかと思案する優姫。そんな彼女の様子を窓の影からこっそり覗いて窺っている者がいた。ついさっき理人の体から追い出されたばかりのミラージュＸだ。

「先程は不覚を取ったが、次はそうはいかん。さて、今度は誰の体に融合してやろうか？」(￣ー￣)ﾆﾔﾘ

果たしてミラージュＸが次に憑依しようと狙っているのは優姫か？　それとも倫生か？

つづく。

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