ワームホールに呑み込まれ、異世界タシェニュヴルアのアルスネス島へと漂着した中村弘樹は、そこでシルカイ族の若きリーダー・レイヴンと出会う。シルカイ族に保護されていた女神官のエリュナは海賊ゲロム一家が放った密偵の本性を現し、レイヴンの妹セリーナを人質にとった!
この危機的状況の中、地球から橘拓斗、滝沢俊彦、レイラ=ジェーン=ウィルソンの3人がそれぞれの専用機アストラルロイドを駆って、時空と次元の壁を越えてタシェニュヴルアへと駆けつけて来た。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
アルスネス島・シルカイ族集落 臨時作戦会議室
外では、夜の海風が島の木々をざわつかせていた。立て籠もりの続く小屋を遠巻きに照らす松明の炎が、ゆらゆらと心細い影を作っている。
レイヴンの詰所として使われている木造の建物の中。大きなテーブルを囲むのは、異世界から来たばかりの三人のパイロット――橘拓斗、滝沢俊彦、レイラ=ジェーン=ウィルソン。そして一足先にこの世界で来ていた、彼らと繋がりを持つ少年、中村弘樹。そしてシルカイ族の若き長、レイヴンだった。
緊張した空気の中、先ほど駆けつけてきたレイヴンが拓斗たちに状況説明を終える。
場が重い沈黙に包まれた。
拓斗の拳が、ぎゅっとテーブルの下で握り締められる。
俊彦が腕を組み、冷静な声で言った。
「なるほど。大方の事情は分かった」
「要は偽女神官に人質に取られている、その妹さんを助け出せればいいんだな?」
「そうなんだ。力を貸してよ、拓斗くん! 俊彦先輩! レイラ先輩!」
だが、レイヴンは険しい表情で首を振った。
「これは本来シルカイ族の身内の問題だ。余所者の手を借りるわけにはいかない……」
そこで拓斗が、にっと笑って言い放つ。
「レイヴンさんよ。そういうの、水臭ぇって言うんだぜ?」
「……?」
「アンタたちは弘樹を助けてくれた。なら、今度は俺たちがアンタらの仲間を助ける番だろ?」
俊彦も無表情だが力強く付け加える。
「義理は返す。その方が気持ちがいい」
レイラも静かに手を胸に当てた。
「それに……囚われた女の子を見捨てるなんて、できませんから」
しばらく、レイヴンは三人を見つめていた。
やがて――ふっと笑った。
「……分かった。お前たちは信用出来そうだ。ここは素直に、君らの申し出に甘えさせてもらう」
「よっしゃ! 決まりだな!」
場の空気が少しだけ明るくなった瞬間、扉がバッと開き、レイヴンの部下が息を切らして戻ってきた。
「若! エリュナが、要求を出してきました……!」
「言ってみろ」
「水と食料を3日分……そして二人乗りの舟を夜明けまでに用意しろと。こちらが従えば、どこか安全な場所に到達したら、お嬢を解放すると……」
俊彦は即座に首を横に振る。
「悪党の“逃げ切ったら解放する”ほど信用できない言葉はない。逃亡が成功した時点で、人質の利用価値はなくなる」
レイラも表情を曇らせた。
「放っておけば……セリーナさんの命も危険です」
弘樹は唇を噛んだ。
「じゃあ……どうすれば……」
拓斗が手を叩いた。
「よし、作戦会議だ! みんな、耳を貸してくれ」
こうして異世界と地球の仲間たちは、
ひとりの少女を救うため、
世界の枠を超えた作戦会議を開始するのだった。
翌朝――アルスネス島・シルカイ族の集落前
薄い霧が立ちこめる朝の砂浜。潮騒の音だけが響く静かな時間帯に、レイヴンは部下とともに小屋の前へ現れた。
「船と水と食料の用意が出来た。要求どおりだ、エリュナ」
レイヴンがそう告げると、小屋の扉がギィ……と軋む音を立てて開いた。
ゆっくりと姿を現したのは、ナイフを握る女――エリュナ。
その腕の中には、縄で後ろ手に縛られ、口に白い布の猿轡を噛まされたセリーナの姿があった。

背景は、Stable Diffusion Onlineで生成しました。
彼女の瞳は、兄の姿を見て冷静且つ気丈に振る舞っているように見える。
「いいかい! もし妙な真似をしたら、即座にこの娘の命はないからね!」
エリュナの声は朝の湿った空気を切り裂いた。
周囲にはシルカイ族の戦士たちが緊張した面持ちで固めており、拓斗・俊彦・レイラもそれぞれ持ち場に配置されている。
弘樹は拳を握りしめ、ただ彼女が無事であることを祈った。
エリュナはナイフをセリーナの喉元に押しつけたまま、慎重に、一歩ずつ砂を踏みしめながら前進する。
「船はそこだ。手は出さない」
レイヴンは静かに言い、両手を見える位置に広げた。
――作戦通り、焦らせるな。
――エリュナを“油断”させるんだ。
昨夜の作戦会議で立てた奇襲案。
レイラのフェアリーライトが光る眼で、昨夜のうちに小屋内部の構造とエリュナの癖を見抜いていた。
彼女は人質を盾にしつつも、右後方だけは無警戒になる――。
そしてその右後方には、拓斗と弘樹が潜んでいる。
エリュナが船まであと三歩というところで、
その視線がほんの一瞬、船の影の動きに気を取られた。
その刹那――
「今だ、拓斗!」
俊彦が低く叫ぶ。
拓斗と弘樹が、ほぼ二人同時に疾風のように飛び出した。
「うおおおっ! 隙ありだッ!!」
「えっ、な――!?」
エリュナの目が見開かれた。
次の瞬間には俊彦の投げた小型拘束ワイヤーが彼女の右手首に絡みつき、ナイフは弾かれて砂に落ちた。
同時にレイラが駆け込み、セリーナの身体を抱き寄せるように引き離す。
「セリーナさん、無事です!」
「んんっ……!」
猿轡で声にならないが、セリーナの表情は明らかに安堵に揺れていた。
エリュナは驚愕し、抵抗しようとしたが――
「観念しな!」
拓斗が肩口に回し蹴りを入れ、彼女は砂の上に崩れ落ちた。
動揺して立ち上がろうとするが、レイヴンの部下が一斉に飛びかかり、腕と脚を押さえ込んだ。
「ちくしょう! よくも……!」
束の間の抵抗も虚しく、エリュナは縄で厳重に拘束され、顔を砂に押しつけられる。
そして――
「兄さん!」
猿轡を外されたセリーナは、涙を浮かべながらレイヴンに抱きついた。
レイヴンもまた堪えきれず、妹の肩を強く抱きしめる。
「セリーナ……無事でよかった……! 怖い思いをさせたな」
「兄さん……ありがとう。私ならこの通り大丈夫よ……」
二人の再会を見守りながら、弘樹は胸の奥が熱くなるのを感じていた。
拓斗は弘樹の肩を軽く叩く。
「やったな、弘樹。無事に助けられたぞ」
「うん……本当によかった……」
その後――シルカイ族の屯所・地下牢
薄暗い牢に、縄で縛られたエリュナが投げ込まれた。
格子の向こうではレイヴンと拓斗たちが、じっと彼女を見下ろしている。

レイヴンは腕を組んだ。
「さて、エリュナ……っていうのもどうせ偽名なんだろ? 本名を聞かせてもらおうか」
「僕の他にも女の子が一人、この世界に迷い込んでいるはずなんだ! 何か知らないかな?」
「雇い主のゲロム一家のアジトはどこだ? すぐに吐け。どうせまだ仲間がいるんだろ?」
しかしエリュナは、壁にもたれかかり、挑発的な笑みを浮かべた。
その瞳には恐怖も後悔もなく、むしろ嘲るような光が宿っている。
「……ふん。あたしが口を割ると思うのかい?」
「黙ってるつもりか?」
レイヴンが低く声を落とす。
「好きにすりゃいいさ。どうせアンタらに教えることなんて……何もないよ」
エリュナは鼻で笑い、視線をそらした。
頑として口を閉ざす――まさに“スパイ”そのものの態度だった。
拓斗が悔しげに歯を食いしばる。
「チッ……やっかいな女だぜ」
レイヴンは静かに告げた。
「だが、必ず吐かせる。あいつの背後にはもっと大きな組織がいる……放ってはおけん」
エリュナは何も答えず、ただ薄暗い牢の奥で不敵に笑うだけだった。
その笑みは、これから起こる嵐を予感させるかのようだった――。
(つづく)

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