BRAVERS EDITION　episode.120

沢渡優香、錦織佳代、稲垣千秋、クリストフォロ=エヴァルド=コルティノーヴィス3世、安城アリアドネ明日香たち5人は、「地下迷宮ダンジョン」でバラバラになってしまうが…。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

佳代とクリス

　錦織佳代は、かすかな埃の匂いとひび割れた壁に囲まれた空間で目を覚ました。朽ち果てた窓から光が差し込んでいるが、ここは「地下迷宮」のはず――。それは敵が仕掛けた、どこか芝居がかった演出に違いない。

　彼女の身体は太い柱に縄で縛り付けられていた。だが、佳代は薄く笑った。
「…何これ？　フフッ、こんな縛り方なんて子供騙しね♪」

　忍びの家に育った佳代にとって、縄抜けなど呼吸のようなもの。肩をすくめて身体を捻ると、あっけなく縄は緩み、数秒後には完全に自由の身となっていた。

　そのとき、きしむ扉の向こうから駆け込んでくる影があった。
「よかった！　佳代さん無事だったんですね！」
　駆け寄ってきたのは仲間のクリス。安堵の色を浮かべたその瞬間――佳代の瞳が鋭く光った。

「クリス！　危ない！　そこを動いちゃダメ！」

「…えっ？」

　だが、警告は間に合わなかった。足元の床板が沈み、鈍い音と共に崩れ落ちる。
「うわああッッ！！」

　クリスの身体が闇へと吸い込まれようとしたその瞬間、佳代の腕がしなやかに伸び、彼の右腕をがっしりと掴んだ。

「くっ、佳代さん、その手を放してください！　このままだと二人とも落ちてしまいます！」
　必死に訴えるクリスの声。しかし佳代は眉を吊り上げ、歯を食いしばった。

「馬鹿言ってんじゃないの！　仲間を見捨てるくらいなら、忍なんて辞めるわ！　もう少しよ！　頑張って！！」

　冷たい風が吹き込む廃墟の中、二人の力がせめぎ合う。佳代の全身の筋肉が悲鳴をあげ、床に爪が食い込み、額から汗が滴った。それでも彼女は手を離さない。

　――絶対に、この手は離さない。

　その強靱な意志が、クリスの不安を希望へと変えていった。

近づく足音

　―― 一方その頃、別室。
　稲垣千秋は、頑丈な縄で両手両足を縛られ、さらに口にはガムテープを貼られたまま、椅子に座らされていた。薄暗い部屋の空気は重苦しく、どこか古びた洋館の一室を思わせる。

　幸い、身体自体は椅子に固定されておらず、千秋は身をよじらせながら立ち上がることができた。両手が塞がれているため自由には動けないが、それでも彼女は小さく「ぴょん、ぴょん」と跳ねるようにして、部屋のあちこちを調べ始める。

　――もしかしたら、何か脱出の糸口があるかもしれない。

　だが、ドアにはしっかりと外から鍵がかかっており、力任せに押してもびくともしない。他に窓や換気口も見当たらない。千秋の額に冷や汗がにじむ。

（……どうしよう。このままじゃ本当に出られない……）

　そんなときだった。廊下から、コツ、コツ……と靴音が近づいてきた。しかも二人分。
　千秋の心臓が跳ね上がる。敵か味方か――。縄で拘束されたままでは抗うことも逃げることもできない。

　ドアノブがガチャガチャッと動く。千秋の全身に緊張が走った。
　やがて扉がきい、と軋みながら開いた。

　そこに現れたのは、安城アリアドネ明日香と八雲睦美――頼れる仲間の姿だった。

「千秋さん！」
「無事でよかった！」

　二人の声を聞いた瞬間、千秋は胸の奥に詰まっていた不安が一気に解き放たれた。

（もう～！　脅かさないでよ！　本当に敵が来たかと思ったじゃない！💦）

　心の中で憤慨しつつも、同時に込み上げる安堵の涙。明日香と睦美はすぐに駆け寄り、縄を解き、口のガムテープを外してくれる。

「助かった……ありがとう、明日香さん、睦美さん！」
　息を整えながら千秋は二人を見上げ、深く感謝の言葉を告げる。

　明日香と睦美は微笑み返し、仲間を一人救えたことに胸をなで下ろしたのだった。

（つづく）

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