学生報道部VSグラビティ・ブレイカーズ　第5話

DRYADESメンバーたちの協力を得て特訓を重ねたグラビティ・ブレイカーズは、いよいよ闇パルクール本番へと挑む！

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

闇パルクール大会 開幕

　鉄骨とパイプが複雑に絡み合う無機質な工業地帯。
　錆びついた煙突からは黒煙が立ちのぼり、耳を澄ませば低い機械音が鳴り続けている。だが、そこに人の気配は一切なかった。
　不気味な静寂が、逆にこの地が「競技場」であることを際立たせていた。

　久我美輝、片倉ジョアン雅清、志道考貴、上月智晴、和泉原萌菜――
　グラビティ・ブレイカーズの五人はついに指定の場所に辿り着いた。
　張り詰めた空気に誰もが言葉を失い、ただ互いの呼吸音だけが響く。

　その瞬間だった。
　空間に突如、歪みが走り、宙に巨大なビジョンが浮かび上がった。

「ようこそ、グラビティ・ブレイカーズの諸君！」

　漆黒の会議室。その中央に豪奢な椅子を構えた仮面の男――闇パルクールのオーナーが座っていた。両脇には、異形の仮面を被った幹部たちが並ぶ。誰もが微動だにせず、不気味な威圧感を漂わせていた。

「お前が……闇パルクールの親玉か！？」
　雅清が憤りを隠さず叫ぶ。

「洸介さんと亜沙美さんは無事なんだろうな！？」
　美輝は一歩前に出て、鋭い眼差しで画面に食ってかかった。

　オーナーはわざとらしく顎に手を当て、ゆっくりと頷く。
「案ずるな。この通りだ」

　その言葉と同時に、黒服の部下たちが二人の人影を画面に押し出してきた。
　鎖で全身を縛られ、口をガムテープで塞がれた小寺洸介と漆崎亜沙美。目には恐怖と必死の訴えが浮かんでいた。

「洸介さん！　亜沙美さん！」
　萌菜が声を張り上げる。

「約束通り俺たちはここに来た！　今すぐ二人を解放しろ！」
　考貴が拳を握りしめて叫ぶ。

　しかしオーナーは冷ややかな笑みを崩さなかった。
「フッ……そうはいかん。人質を解放するのは――君たちが闇パルクールの全コースを見事クリアしてからだ」

「くっ……なんて奴だ……！」
　智晴が悔しさを噛みしめる。

　オーナーは椅子に深く腰掛け、悠然と手を振った。
「それでは――正面にある階段を上り、ゲートをくぐるがいい。その瞬間からゲームは始まる」

　最後に鋭い視線を投げかけると、オーナーは一方的に通信を切った。ビジョンは霧のように消え、再び静寂が戻る。

「……行こう、みんな」
　美輝が振り返り、仲間一人ひとりの目を見つめる。
「洸介さんと亜沙美さんを、必ず助け出すんだ！」

「おう！」
「行くしかねぇだろ！」
「負けてたまるか！」

　五人の決意が重なり合う。
　彼らは正面の鉄階段へと足を踏み出した。視線の先には、闇へと繋がる巨大なゲートが口を開けていた――。

第一ステージ ――罠の犠牲

　五人がゲートをくぐった瞬間、視界が一変した。
　そこは、工場の内部を改造したような巨大な迷路だった。パイプと鉄骨が入り組み、足場は不安定な鉄板や細い梁ばかり。床の一部は切り落とされて奈落の底が口を開け、空気には油と錆の匂いが濃く漂っている。

「ここが……第一ステージか」
　考貴が険しい表情で辺りを見回す。

　頭上からは機械音とともに赤いランプが点滅し、無慈悲な電子音声が響き渡った。
《ルールを告げる。チーム5人のうち、誰か一人でも最終ステージを突破すれば勝利。――ただし、それまでに命を落とさずに進める保証はない》

「ちっ……やっぱり命懸けってわけか」
　雅清が低く唸る。

　美輝たちは互いに頷き合い、最初の足場へ飛び移った。
　鉄骨はきしみ、バランスを崩せば即、奈落へ落ちる。
　しかし5人は息を合わせ、必死にステージを進んでいった――その時。

「うわっ！！」
　乾いた音と共に、突然床板が外れた。

「トモさんっ！？」
　振り返った美輝の目に映ったのは、崩落する足場に飲み込まれかけた智晴の姿だった。彼は必死に鉄骨の一部を掴み、辛うじて宙吊りになっている。

「大変だ！ トモさんを助けないと！」
　美輝が駆け寄ろうとする。

　だが智晴は血走った目で仲間を睨みつけ、叫んだ。
「ヨッシー！　みんな！　俺に構うな！　先に行け！！」

「で、でも……そんなの……！」
　美輝の声は震えていた。

「……行こう、ヨシくん」
　雅清が低く、しかし強く言葉を投げる。

「トモの気持ちを無にするつもりか？」
　考貴もまた、唇を噛みながら美輝を制した。

　迷いと苦悩が胸を締めつける。
　だが――美輝はついに決断した。
「……くっ……トモさん、ごめん！！」

　萌菜に腕を引かれ、美輝は仲間たちと共に前へ走り出す。
　後ろから智晴の声が、鉄と風の音に混じって響いた。
「絶対に……勝ち抜けよ……！」

　その声は、次の瞬間には機械の駆動音にかき消されていた。
　振り返ることは許されない。四人は苦渋の決断を胸に、ただ前だけを見て進むしかなかった。

　――そして、一人残された智晴の姿は、鉄骨の迷路の奥へと闇に飲み込まれていった。

（つづく）

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