闇の芸能プロダクションに捕らえられている琴川玲奈を助け出すため、加藤段十郎の立案した作戦に乗り、わざと敵に誘拐される椎穂亜弥。いよいよ闇の芸能プロダクション主催の秘密オーディションが始まろうとしていた。
用済み
生田家別荘の地下、つい先ほどまで琴川玲奈が監禁されていた拷問室の隣に、生田敦信の父が主に会社の取引先の人間などを接待する際に使っていたパーティー用の小ホールがある。そのカーテンで仕切られたステージの上で、暗い空間の中で手足を椅子に縛り付けられ、口をテープで塞がれた玲奈は、この状況から逃れようと懸命にもがいていた。
だがきつく縛られた縄は軋む音をたてるだけでビクともしない。
「ムムゥ~ッ!ンムゥゥーーーッ!!」
必死に声を上げるも呻き声にしかならず、閉じられたカーテンの向こうにも届くことはなかった。
(このままじゃ私…何とかしないと…)
そう思い、自分を縛める縄に力を込めようとした玲奈だったが…
ガチャ
音を立てて舞台裏に通じる部屋の扉が開く、現れたのは玲奈を誘拐した生田敦信と…
「ンンーッ!ンムムゥッ!!」
(そんな…嘘…なぜ…亜弥が…!?)
男に引きずられるように姿を現したのは、玲奈と同じく人気アイドルで同じ学校のクラスメイトでもある親友、椎穂亜弥だった。
亜弥も玲奈と同じように手を縄で後手に縛られ口をガムテープで塞がれ、呻き声を上げながら、敦信の手の中でもがいていた。
「良い子にしてたかな玲奈、喜んでよ。君のパートナーを連れてきてあげたよ、随分懸命に君のことを捜してたからね、こっちから招待してあげたよ、これで寂しくないよね?」
(この人、狂ってる…)
改めて敦信の狂気を目の当たりにして、背筋を震わせる玲奈。
そんな玲奈の表情を卑しげな笑みを浮かべ見つめながら、敦信は彼女の横に新たに椅子を並べ、そこに亜弥も座らせ同じように縛り付けた。
(ああ亜弥…私のせいであなたまで…)
自分と同じように捕らわれの身となった亜弥を見つめ、心の中で詫びながら涙を流す玲奈、そんな彼女の表情を見て「あなたは悪くない」っと言っているかのように首を振って応える亜弥。
「感動のご対面だね~、俺は玲奈推しだけど、やっぱりあの女社長が言った通り2人揃った方が映えるね~、そして縛られた姿が並んで見られたのがまた感動的だよね」
そう言って、縛られた2人のアイドルを交互に見つめながら、厭らしく舌なめずりをする敦信。
「ンンーッ!ンンムゥゥーーーッ!」
そんな敦信の態度に、声をならない悪態をつく亜弥。
「おやおや、椎穂さんも玲奈と同じく悪い子のようだね、オシオキが必要かな?」
そう言って亜弥に迫ろうとする敦信、体を縮めるように身構える亜弥。
「ンンムゥゥーッ!ムウゥングウウゥーーー!!(やめて!亜弥には手を出さないで!)」
縛られた体を無理矢理持ち上げようとしながら、亜弥を庇うように男に向かって叫ぶ玲奈。そこへ、事もあろうに自社所属タレントである玲奈を闇の芸能プロダクションに売り飛ばした張本人・天満菊枝が、数人の黒服男たちと共に現れた。どうやら敦信を呼びに来たようだ。
「その辺にしときなさい、坊や。そろそろオーディションが始まるわ。私たちは控室へ行きましょう」
「チッ、分かったよ。じゃあね玲奈、後でまた会いに来るから♪」
だがしかし、ここで突然黒服男たちが懐から銃を抜き、その銃口を敦信と菊枝に向けるのだった。
「…な、何の真似だ!? お前ら!?💦」
「もうお前たち二人には用はないってことさ」
「そろそろ腐れ縁を切らせてもらうとのボスからの言伝だ」
「そ、そんな…!! 話が違うわ!💦」
「ちくしょー!!騙したなッ!!💢 …は、放せーっ!! 玲奈!! 玲奈ァァッッ!!」
土壇場で闇の芸能プロダクションに裏切られた天満菊枝と生田敦信は、例の拷問室に閉じ込められてしまうのだった。自業自得とはいえ、哀れな末路である。
闇のオーディション
やがて小ホールのステージを仕切っていたカーテンが開けられる。今まで暗かったステージ上が照明が差し込んで急に明るくなり、縛られている玲奈と亜弥の目に飛び込んで来た光景とは、仮面舞踏会のような扮装をしているVIPたちが、拍手を送りながら自分たちに注目している異様な光景だった。
「これより日本を代表する超人気アイドル、琴川玲奈と椎穂亜弥の両名を自社制作の映像作品に出演させることが出来る権利獲得を目指して、ご来場の皆様にはオークションに参加して頂きます」
司会を務めるオークショニア(競売人)の掛け声と共に、招待客たちが次々と高額な金額を提示して、玲奈と亜弥にかけられた価格をつり上げて行く。
このままでは再び表舞台でスポットライトを浴びることなく、別の意味での地下アイドルとしてファン(?)達に、握手以上のサービスを強いられることとなるだろう。
「ンムゥゥーーーッ!!ンンムゥーー!!」
「ングゥッ!!ンンムゥーッ!!」
口を塞がれたアイドル二人は、当てられたスポットライトと絶望の中、歌の代わりに呻き声を響かせていた。
(助けて…誰か…助けて!!)
無力なアイドル達は心の中で助けを求め叫び続ける、その思いは届くのか…次に地上への扉を開けるのは助けなのか?それとも絶望なのか…?それはまだ彼女達には解らない…。
いよいよ次回、クライマックスへ!
つづく。
コメント
ご無沙汰しております。
やっぱりクズは使い捨てにされる運命から逃れられなかったようですね。
そしてついにオークションのステージに立たされてしまった玲奈ちゃんと亜弥ちゃん。最終的にはコルベール卿(に変装した晴彦君)が一騎討ちの末に落札、そこに本物のコルベール卿がトイレから救出されて対峙ということになりそうです。正体バレのピンチにイサム君と加藤氏が…、というのはほぼ決まりですね。
> そしてついにオークションのステージに立たされてしまった玲奈ちゃんと亜弥ちゃん。最終的にはコルベール卿(に変装した晴彦君)が一騎討ちの末に落札、そこに本物のコルベール卿がトイレから救出されて対峙ということになりそうです。正体バレのピンチにイサム君と加藤氏が…、というのはほぼ決まりですね。
ほぼbakubond様のご想像の通りのクライマックスでございます(^^♪
じっくりと舐めるように拝見させていただきたくなるルナ・ルーン様のイラストですな(*´σー`)エヘヘ
大首領JUDO個人の嗜好でありますが、連縛するなら髪型も服装も(できれば性格も)ちがった女の子同士にしたいのであります。
そして、当方もショートカットのヒロインを誕生させねば・・・
> そして、当方もショートカットのヒロインを誕生させねば・・・
新キャラ楽しみにしております。
出来ましたら白ショーパンを穿かせてください🙇
久々の連縛絵堪能させて頂きました!
さて、亜弥ちゃんもまんまと誘拐出来て、商品の揃いうっきうきの馬鹿2人に、待ち受けていたのは意外な裏切り!
おまえらの席もうねぇから!
闇の芸能プロダクション組織に裏切られ、拷問室へぶち込まれる敦信と菊枝、敦信はともかくBBAに需要あるんだろうか…?
でも…敦信に関しては…
親父さんは知らずにこの別荘貸してると思えませんし…考えられるとしたら…
①他に優秀な兄弟がいるからこんな愚息はいらん、どこぞへと売られてしまえ
②実は親父さんも闇の芸能プロダクション組織に会社ごとやられていて、既に行方不明…
③生田社長「息子を人質にとっただと…?なんやこらぁ!上等じゃぁ!戦争だこらぁ!潰されんのお前らじゃこらぁ!」
…の、どれでしょうか?
さて、いよいよ闇の芸能プロダクションによるオークションが開催されようとしてます!
果たして、玲奈ちゃんと亜弥ちゃんのアイドルコンビの運命はいかに…!?
次はいよいよクライマックス、学生探偵社はどう絡んでくるのか!?
そして美味しいところではやっぱり武智恭介氏登場でしょうね、加藤とひと悶着ありそうだな…
加藤「危ないところはガキどもに任せて、最後に良いところだけ持ってくのかよ名探偵様は」
武智「か弱い少女に囮役なんてさせるような君には、言われたくはないな」
…ってな感じで、そしてリネアちゃんオロオロみたいな…
> 敦信はともかくBBAに需要あるんだろうか…?
東京湾に沈めるまでの間、便宜上一時的に手近な拷問室に閉じ込めただけで、まさか本気でBBAを拷問する気はなかったと思いますが、世の中にはいろんな性癖の人がいますからねぇ。案外BBAを拷問する気だった可能性もゼロではないかもです(;^_^A アセアセ・・・
> 親父さんは知らずにこの別荘貸してると思えませんし…考えられるとしたら…
いえ、生田敦信の父親は何も知りません。敦信の父親は、よく言えば放任主義、悪く言えば息子に金だけ渡して後は無関心の育児放棄同然に近い状態でしたから。
でも③のパターンは見てみたいなぁ……とか思ってたりして(;^_^A アセアセ・・・
> 加藤「危ないところはガキどもに任せて、最後に良いところだけ持ってくのかよ名探偵様は」
> 武智「か弱い少女に囮役なんてさせるような君には、言われたくはないな」
実を言うとクライマックスで武智探偵は登場させる予定はなかったのですが、この台詞使ってみたかったので有難く使わせて頂きました🙇