朝霧尋紀、友貞稜太、譜久里知世は、UFOマニアの仲良し小学生トリオである。雲龍峰の麓で偶然UFOを目撃した彼らは興奮し、すぐにその時に撮影した証拠写真を週刊誌に売り込もうとしたが、どこも相手にしてくれなかった。最後の望みをかけて鷺島国際大学報道部に向かうも、チーフディレクターの桜庭陽平に門前払いされてしまう。しかし尋紀たちのUFO写真に興味を持った漆崎亜沙美は、同じ報道部の小寺洸介に頼み込んで車を出してもらい、尋紀たち3人を引率する形で今度こそUFOの動かぬ証拠写真を撮ろうと再び雲龍峰へと向かった。
ハント星人の陰謀
地球征服を企む悪のハント星人一味は、休火山である雲龍峰に秘密基地を建設し、その地下に眠る豊富な地熱エネルギーを利用したデスマグマ砲を設置して東京に照準を合わせ、日本政府を脅迫して降伏を要求しようと企んでいた。
「急ゲ! モット工事ヲ急ガセロ! 何トシテモ予定ノ期日マデニ完成サセルノダ!」
そこへハント星人兵士が指揮官に報告に現れる。亜沙美たちが秘密基地の近くまで来て徐々に近づいていることを察知したのだ。
「指揮官殿、地球人がコチラに近ヅイテキマス!」
「何ダト!? 直チに全員ヲ捕獲スルノダ!!」
「待テ! 早マルナ!」
「同志ヨ、何故止メルノダ!?」
「騒ギニナッテハマズイ。ソノ地球人ドモガ気ヅカズニ通リ過ギルノヲ待ツノダ」
ハント星人指揮官は直ちに亜沙美たちの捕獲を命じるが、それを制止した科学士官の進言で、まずは地表に出ている建造途中のデスマグマ砲の砲台を光学迷彩で外から見えないように覆い隠すと、亜沙美たち一行が気づかずに通り過ぎるのを待つことにした。
秘密基地へと迷い込む
「UFOが飛んでいたのは、確かこの辺りの上なんだけど…」
「…あれっ!? おいみんな見て見ろよ! あんなところに洞窟の入り口があるぞ!」
「以前来た時に、こんな場所に洞窟なんかあったかしら…?」
「きっと宇宙人の秘密基地に違いないぜ! よぉーし、行くぞみんな♪」
謎の洞窟の入り口を見つけた尋紀、稜太、知世の小学生3人は、好奇心による胸の高まりを抑えられずに洞窟の中へと一斉に駆け出してしまった。
「ちょっとみんな待って! そんなところ行ったら危ないよ!!」
勝手に洞窟の中へと向かった尋紀たちに気づいて慌てて追いかけた亜沙美だったが、一歩遅く、洞窟の中で尋紀たちと完全にはぐれてしまったのだった。
「どうしよう…。尋紀くんたち無事ならいいけど……」
自分が引率していた手前、一瞬の隙に子供たちから目を離してしまったことに深く責任を感じる亜沙美。そんな時、洞窟の中を歩く一人の黒ずくめの男の姿を発見。亜沙美は慌てて岩陰に身を隠して様子を窺った。
「こんな山奥の洞窟の中をスーツを着た人が歩いてる…?? それも全身黒ずくめだなんて、見るからに怪しいわ。よしっ、この際あの人の後をつけちゃおうっと♪」
もしかしたら黒服男の行く先に尋紀たちがいるかもしれないと考えた亜沙美は、ちょっとした素人探偵気取りで男の尾行を始めた。果たして亜沙美の読みは当たっているのであろうか?
つづく。
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