連続誘拐 閉ざされた村の夏 第16話

Seabreeze Aces

北関東某県にある蛇ノ谷村の公営キャンプ場へと合宿にやって来た、鷺島国際大学のテニスサークル「Seabreeze Acesシーブリーズ エーシズ」のメンバーたちだったが、2年の白川澪が大庭竜二と田淵毅の二人組に拉致されてしまうが、柏葉美佳と黒瀬律によって無事に保護される。しかし先日の集中豪雨の土砂崩れによって道路は寸断され、蛇ノ谷村は完全に孤立してしまう。さらに今度は2年の南條陽菜と1年の高槻紗季が大庭たちによって拉致され、早乙女陽飛や佐伯瑛人もそれぞれ捕らえられてしまった。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

民宿の玄関先にて――星彩のルミナ、出陣!

 蛇ノ谷村の中心部から少し離れた、山あいの静かな民宿。

 その正面玄関では、柏葉美佳を無事に送り届けた羽柴蒼真と九条玲沙が、帰り際の挨拶を交わしていた。

「じゃあ美佳ちゃん、俺たちはこれで」

「送っていただいて、どうもありがとうございました。どうか帰りはお気をつけて」

 美佳は二人に向かって、ぺこりと頭を下げた。

「お兄さんにもよろしくね」

「はい。伝えておきます」

 玲沙が微笑みながら告げると、美佳もにこやかに応じる。

 もっとも、その言葉を聞いた美佳の胸中は、穏やかとはほど遠かった。

(……本当はお兄ちゃんじゃないし、今はそれどころじゃないんだけど!)

 そもそも、彼女がこの民宿に滞在しているのは、表向きには兄と旅行にきたということになっている。もちろん、それも彼女が魔法少女であるという秘密を守るための方便にすぎない。

 そして今、蛇ノ谷村では、テニスサークルの学生たち四人が行方不明になっている。

 そのうちの一人、佐伯瑛人が蛇神神社に連れ去られたことをクロエルはすでに目撃しているが、美佳はまだその事を知らないし、残る三人がどこにいるのかは分からない。

 美佳自身も、仲良くなった白川澪やテニスサークルの面々が危険にさらされていると知り、じっとしてはいられなかった。

(それに、クロエルったらいったいどこに行っちゃったのよ……!)

 蒼真と玲沙の姿が村道の向こうに消えたのを確認すると、美佳は玄関先で腕を組み、頬を膨らませた。

 そのときだった。

「待たせたな、美佳」

「――あっ!」

 聞き覚えのある声に振り返ると、そこには黒瀬律の姿があった。

 いや、正確には、黒瀬律の姿を借りた異世界の妖精、クロエルである。

戻って来た黒瀬律に怒っている柏葉美佳は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成しました。

「ちょっと律! いったいどこ行ってたのよ!? こっちは大変だったんだからね!」

 美佳は、戻ってきた相棒にさっそく詰め寄った。

 しかし律は、またすぐにクロエルの姿に戻ると彼女の剣幕にも動じることなく、落ち着いた口調で答える。

(あのテニスサークルの仲間の一人が行方不明になったのだろう?)

「どうしてそれを!?」

 美佳は目を丸くした。

 自分が蒼真たちと一緒に行動していた間に、クロエルがどこで何をしていたのかは分からない。だが、少なくとも彼女が聞いた話を、クロエルが知っているはずはなかった。

「……でも、行方不明になったのは一人じゃないよ。四人だよ!」

(……四人?)

 クロエルの表情が、わずかに険しくなった。

(私が見たのは一人だけだが……)

「一人だけって、誰のこと?」

(佐伯瑛人という少年だ。蛇神神社の境内で、蛇の顔をした面をつけた武者に捕らえられるところを目撃した。今も神社の中に拘束されている可能性が高い)

「蛇の顔をした武者……!?」

 美佳の顔から、さっと血の気が引いた。

 蛇神神社に現れた、蛇の頭部を持つ異形の武者。そして、そこで捕らえられたテニスサークルの学生。

 クロエルが目撃したというその怪人物が、村で語り継がれてきた蛇神伝説と無関係だとは考えにくい。

 しかし、今は考え込んでいる場合ではなかった。

「ともかく、その場所まで案内して!」

(分かった。ついて来なさい!)

 クロエルが踵を返し、村道を駆け出す。

「うん!」

 美佳は一度だけ周囲を見回した。

 幸い、民宿の玄関先には誰もいない。蒼真と玲沙も、すでに遠くへ行ってしまった。

 変身するなら、今しかない。

 美佳は胸の前で両手を重ね、力強く叫んだ。

「星よ、輝きを! 私に力を! スターライト・アセンション!」

 次の瞬間、彼女の身体をまばゆい光が包み込んだ。

星彩のルミナの変身シーンは、旅鴉様提供の動画@cryravens.bsky.socialによる投稿 — Blueskyからスクリーンショットを取りました。

 星屑のような光の粒子が宙を舞い、少女の姿を鮮やかな魔法少女の衣装へと変えていく。光の奔流が弾けたとき、そこに立っていたのは、正義の魔法少女――星彩のルミナだった。

「よしっ! 行こう、クロエル!」

(承知した)

 クロエルは地上を駆け、ルミナはその頭上を舞うように飛翔する。

 二つの影は村の家並みを抜け、木々が鬱蒼と生い茂る山道へと向かっていった。

 目指すは蛇神神社。

 そこには、彼女たちの知らない危機が、すでに待ち受けていた。

森の中のキャンプ場

 ――その頃。

 蛇ノ谷村のどこか、蛇神神社へと続く山道からさほど離れていない森の中では、場違いなほどのんびりした光景が広がっていた。

 木々の間に張られた小さなテント。

 その前に置かれた簡易テーブルの上には、湯気を立てるカップラーメンが二つ。

 そして、その横では、一人の少女と一匹の黒猫が、まるで休日のキャンプを楽しむかのように寛いでいた。

森の中でキャンプしている常闇のレギーナ=ノクタと黒猫ルナフィリスの画像生成AIイラスト@cryravens.bsky.socialによる投稿 — Blueskyは、旅鴉様提供。

 少女の名は、常闇のレギーナ=ノクタ。

 ついさっきまで蛇の谷村の集落を「佐々倉紫乃」として散策していた、闇の力を操る悪の魔法少女である。

 彼女は割り箸を手に、カップラーメンをすすっていた。

「ふふっ。たまにはこういうのも悪くないよね。外で食べるカップラーメンってのも」

 麺をすすり、満足そうに息をつくノクタ。

 その足元では、相棒の黒猫ルナフィリスが、どこか遠い目をしていた。

(なんかさ、最近、猫缶ってのにも慣れてきたわけなのよ……。もう舌がどんどん猫になっていく……)

「何よ、ルナフィリス。文句あるの?」

(いや、別に? ただ、そろそろ人間らしい食事が恋しくなってきたというか……)

「カレー作ってもよかったんだけどさ」

 ノクタは、箸を持ったまま肩をすくめた。

「アンタ、玉ねぎ食って死にそうで怖いからね……」

(誰が好き好んで猫になったと思ってんのよ! こっちは元々、人間の食事を楽しんでた側なの!)

「はいはい。じゃあ、猫缶で我慢してね」

(……あんた、絶対に私のことを猫扱いするのを楽しんでるでしょ)

「気のせい気のせい」

 ノクタは悪びれもせず、再びカップラーメンに口をつけた。

 そのときだった。

 彼女の表情が、ぴたりと止まった。

 蛇ノ谷村の全域に、目には見えない魔力の網が張り巡らされている。

 それは、ノクタが村のあちこちに仕掛けた魔力探知網だった。人間の気配を感知するだけでなく、一定以上の魔力が発生すれば、即座にその存在を彼女へと知らせる仕組みになっている。

 そして今、その網が何かを捉えたのだ。

 ノクタは、ゆっくりと顔を上げた。

 次の瞬間――。

「……フフフッ」

 唇の端が、三日月のようにつり上がる。

 その笑みには、獲物を見つけた狩人の喜びと、待ち焦がれた相手との再会を期待するような、奇妙な高揚感が入り交じっていた。

 ノクタはカップラーメンをテーブルに置き、勢いよく立ち上がる。

「ついに来たか……!」

 両手を広げ、彼女は森の奥を見つめた。

「ルミナちゃん!!」

 その声は、静かな森の空気を震わせた。

 ようやく、待ち望んでいた舞台の幕が上がる。

 ノクタにとって、この村で起こる出来事は、単なる悪事でも、無差別な破壊でもない。

 彼女が求めているのは、ただ一つ。

 星彩のルミナとの、誰にも邪魔されない戦い。

 そして、その戦いの果てに訪れる瞬間だった。

(……さて、どうやって楽しませてもらおうかな、ルミナちゃん?)

 ノクタは、心の底から愉快そうに笑った。

 その足元で、ルナフィリスがカップラーメンの残り汁を見つめながら、ぼそりとつぶやく。

(……せめて、戦いが始まる前に食べ終わっておきなさいよ)

帰り道で見つけた指名手配犯

 一方、民宿を後にした羽柴蒼真と九条玲沙は、キャンプ場へ戻る道を並んで歩いていた。

 村の中心部からキャンプ場までは、徒歩でしばらくかかる。

 普段なら、サークルの練習や今後の予定について話しながら帰るところだろう。

 だが、今の二人にそんな余裕はなかった。

 白川澪の救出後、再び四人の仲間が行方不明になった。

 早乙女陽飛、南條陽菜、佐伯瑛人、そして高槻紗季。

 四人の身に何が起きたのか。彼らはどこへ消えたのか。

 そして、蛇ノ谷村を騒がせている指名手配犯の大庭竜二と田淵毅は、今もどこかに潜伏している。

 そんなことを考えながら歩いていた、そのときだった。

 村道の先、二人の視界を横切るようにして、見覚えのある男たちの姿が現れた。

 蒼真は、思わず足を止めた。

「……ん?」

 玲沙も彼の視線を追い、目を細める。

 そして二人は、ほぼ同時に気づいた。

田舎道を歩く田淵毅と大庭竜二は、PixAI|AIイラスト・AI画像生成サイト|無料で自動生成のモデルTsubaki.2で生成しました。

 あの顔。

 あの人相。

 キャンプ場の管理棟に貼り出されていた指名手配ポスターに載っていた、二人の男に間違いない。

 大柄で粗暴そうな男、大庭竜二。

 その隣を歩く、金髪の男、田淵毅。

大庭と田淵を目撃した瞬間の羽柴蒼真と九条玲沙は、Dreamina: Create realistic talking avatars with AI avatar generatorで生成した画像をAI画像・動画・チャット・ツールを無料で楽しめるAI創作コミュニティ | SeaArt AIのクイックツール AI画像編集で加工しました。

 蒼真は息を潜め、玲沙の腕を軽く引いた。

「玲沙姉ぇ、あれ……!」

「ええ。間違いないわね……!」

 二人は物陰に身を寄せ、男たちの様子をうかがった。

 大庭と田淵は、こちらに気づいている様子もなく、気楽な足取りで村道を歩いている。

 そして、その会話が風に乗って二人の耳に届いた。

「さて、アジトに戻ったら午前中の続きと行くか」

 大庭が、さも楽しげに言った。

 田淵も下卑た笑みを浮かべる。

「今度はもっと手荒に責め上げてやりましょうや! 何しろ、こっちには三人も人質がいるんですからね」

 ――人質。

 その言葉を聞いた瞬間、蒼真の表情が険しくなった。

「アイツら……!!」

 拳を握りしめ、男たちを睨みつける。

「やっぱり陽飛先輩たちがいなくなったのは、奴らの仕業かッ!」

 これまでの状況が、一気につながった。

 澪を誘拐したのも、この二人だった。

 そして今度は、四人もの仲間が姿を消している。

 そのうち三人を人質に取っているという発言は、蒼真たちにとって、ほとんど決定的な証拠だった。

 だが、玲沙はすぐには動かなかった。

「でも、捕まえたのは三人と言ってたわよ?」

「……!」

「いなくなったのは四人なのに……」

 その指摘に、蒼真の顔から一瞬だけ険しさが消えた。

 確かに、四人が行方不明になっているのに、人質は三人。

 残る一人はどこにいるのか。

 そもそも、彼らが言う「午前中の続き」とは何を意味しているのか。

 考えるべきことはいくらでもあった。

 しかし、何よりも優先すべきなのは、今まさに目の前を歩いている犯人たちを見失わないことだった。

「ともかく、俺はアイツらをつける」

 蒼真は決意を込めて告げた。

「玲沙姉ぇは戻って、このことを玲央兄ぃたちに――」

「ダメよ」

 玲沙は、即座に蒼真の言葉を遮った。

「玲央から単独行動を禁止されているのを忘れたの?」

「でも……!」

 蒼真は、思わず声を強めた。

「女の子には危険すぎる!」

 その言葉に、玲沙の眉がぴくりと動いた。

「……蒼真」

「えっ?」

「女だからって、舐めないで」

 玲沙は静かに、しかし有無を言わせぬ口調で告げた。

 普段は冷静で落ち着いた彼女だが、その目には確かな闘志が宿っている。

「私だって、Seabreeze Acesの統括メンバーよ。仲間や後輩が危険な目に遭っているのに、何もせずに戻るつもりはないわ」

「玲沙姉ぇ……」

「それに、二人で尾行すればいいだけでしょう? 決して足手まといにはなったりしないから」

 玲沙の言葉に、蒼真は困ったように頭をかいた。

 彼女が一度こうと決めたら、簡単には引き下がらないことを、蒼真はよく知っている。

 何より、玲沙の実力も度胸も、彼は十分に認めていた。

「う~ん……分かったよ。仕方ない、二人で行こう」

「ええ」

 玲沙は小さくうなずいた。

「ただし、無理は禁物。あくまで尾行よ。相手は凶悪犯なんだから、見つかったらすぐに距離を取ること」

「分かってる」

 蒼真は男たちの背中を見つめながら答えた。

 大庭と田淵は、相変わらず何かを話しながら、村道の先へと歩いていく。

 蒼真と玲沙は、十分な距離を保ちつつ、慎重にその後を追い始めた。

 木造の民家がまばらになり、道の両側に森が迫ってくる。

 村の中心部から離れるにつれ、人影は少なくなっていった。

 やがて男たちは、山林へと続く細い道へ折れていく。

 その先に何があるのか。

 彼らの言うアジトとは、いったいどこなのか。

 そして、残る一人は、誰によってどこへ連れ去られたのか。

 蒼真と玲沙は、まだその答えを知らない。

 だが、仲間を救い出すための手がかりは、確かに目の前にあった。

 二人は互いに目配せを交わし、さらに慎重に足を進める。

 その先に待ち受ける危険を、まだ知る由もなく――。

 蛇ノ谷村の森の奥で、二つの異なる戦いが、いままさに始まろうとしていた。

――次回へ続く。

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