サバゲ―サークル「DRYADES」の新規加入メンバーである上江洲紗樹は、夜に自宅近くで変質者に襲われたところを星彩のルミナに救われた。それ以来、紗樹はルミナの熱烈なファンとなる。
しかしその後、女子大生を狙った新たな拉致監禁事件が発生。アスカロン財団の加藤段十郎も喫茶店Lilyに姿を現し、またDRYADES代表を務める羽鳥瑠璃華の発案で学生たちによる自発的な夜間パトロールも始まり、事態は俄かに動き出す。
小寺洸介と別城寿莉愛は、D地区をパトロール中、怪しげな不審車を目撃し、その車が敷地内に入って行った廃墟ホテルの内部へと潜入するが、ホテルから脱出直前に寿莉愛は行方不明となり、洸介は加藤段十郎と再会する。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
洸介からの連絡
夜の路地に、静けさが戻りつつあった。
倒れ伏したエル=カルニセロは、リネア=フリーデン=ヴァイサーの放つ淡い光に包まれ、まるで操り人形のように虚ろな目をしている。
銀髪の北欧系の美女――白いロングシャツにデニムのショートパンツという軽装ながら、その存在感は圧倒的だった。
リネアの能力【魅了(チャーム)】。
意思を縛り、真実だけを引き出す力。
「……さあ、答えてください」
柔らかな声に逆らえず、カルニセロは低く呻いた。
「……鳳凰院優は……廃墟のホテルだ。鷺島市内の……古いホテル……」
その言葉に、場の空気が一気に張り詰める。
「やっぱり……!」
相模路香が歯を食いしばり、星彩のルミナも小さく息を呑んだ。
菜花は不安そうに、自分のスマホを握りしめている。
「……もう一度、電話してみます」
鶴牧菜花が鳳凰院優の番号にかける。
しかし――返ってくるのは相変わらず無機質なコール音だけ。
繋がらない。
それはつまり、優が自分で電話に出られない状況にある可能性が高い、ということだった。
その瞬間。
リネアのスマホが、短く震えた。

「……?」
画面に表示されたのは、見覚えのない番号。
「誰かしら…」
一瞬だけ考え、彼女は通話ボタンをタップした。
「もしもし……?」
『もしもし、リネアさんですか!?』
切羽詰まった少年の声。
「その声……もしかして、あなたは……?」
『小寺洸介です!』
思わず目を見開くリネア。
以前、別の事件で顔を合わせたことのある男子大学生だった。
洸介は息を切らしながら、廃墟ホテルで加藤段十郎と遭遇したこと、そして上江洲里恵が拉致され、その車を段十郎が追ってここまで来たこと、さらに周囲一帯にジャミングがかけられていることを簡潔に説明した。
「……なるほど」
電話を切ったリネアは、すぐに状況を整理する。
「加藤さんも今、その廃墟ホテルにいる。カルニセロの供述とも一致します。……優さんも、間違いなくそこにいます」
星彩のルミナは拳をぎゅっと握った。
「里恵さんまで捕まっていたなんて…! でも、行き先は一つ、だね」
その横で、菜花が一歩前に出る。
「……もしかして優は、私のために危ない目に遭ってるんじゃないですか?」
震える声。それでも、はっきりとした意志があった。
「だとしたら……友達の危機を見て見ぬふりは出来ません。せめて、私にも何か手伝わせてください!」
一瞬、沈黙。
リネアは菜花の目をまっすぐ見つめ、ゆっくりと首を振った。
「菜花さん。あなたの気持ちは、痛いほど分かります」
そして、優しく微笑む。
「でも――ここから先は、命の危険が伴います。あなたは戦う側ではない」
菜花は唇を噛んだが、リネアは続けた。
「大丈夫。優さんは必ず助けます。約束します」
そして隣の少女忍者へ視線を向ける。
「路香ちゃん。菜花さんを自宅まで安全に送ってあげて」
「……うん。分かった」
相模路香は力強く頷き、菜花の肩にそっと手を置いた。
「帰ろ、菜花さん。ここからは、私たちの仕事だから」
「……お願いします。必ず……必ず、優を……」
そう言い残し、菜花は路香と共にその場を離れていった。
残されたのは、銀髪の少女と、星の光をまとう魔法少女。
リネアはスマホをしまい、星彩のルミナに視線を向ける。
「洸介くんとは、近くの公園で合流します」
ルミナは夜空を見上げ、小さく頷いた。
「――行こう。みんなを、取り戻しに」
星の光が、静かに瞬いた。
状況整理
同じ夜、ほぼ同時刻――だが、そこから離れた別の場所。
街灯の下に集まっていたのは、DRYADES代表の羽鳥瑠璃華、報道部副部長の白鳥玲音、そして桜庭陽平と佐久良彩美の四人だった。
空気は重く、誰もが口を開くのをためらっているようだった。
その沈黙を破ったのは、陽平だった。
「……僕が、目を離したばっかりに……」
声が震える。
「里恵さんが……」
俯いたままの陽平に、玲音がやや強めの口調で言った。
「桜庭。いつまでもクヨクヨすんな。過ぎてしまったことを悔やんでも、仕方がないだろ?」
「でも……僕の油断のせいで……」
言葉を絞り出す陽平に、彩美が堪えきれず声を荒げる。
「それだけじゃないでしょ!?
小寺くんと寿莉愛とも連絡が取れなくなったんだよ!?
そのうえ紗樹ちゃんまで自宅から誘拐されて……!」
拳を握りしめ、彩美は叫ぶ。
「これ、どう考えても普通じゃない! 絶対にヤバいよ!!」
その時だった。
少し離れた位置で腕を組んでいた男――埼玉県警の則元刑事が、低く咳払いをして口を開いた。
「……だから言わんこっちゃない」
冷静だが、厳しい声。
「街を守ろうとした君たちの正義感は買う。だがな、素人が危ない橋を渡ろうとするから、こういう事態に巻き込まれるんだ」
瑠璃華が反論しかけたが、則元はそれを制するように続けた。
「上江洲里恵さんが行方不明になった現場付近にいた桜庭陽平君。
それから、妹の紗樹さんの誘拐現場を目撃した佐久良彩美さん」
二人の名前を呼び、はっきりと言い切る。
「事情聴取のため、これから警察署に同行してもらう。
――あとの二人は、速やかに帰りなさい」
「……分かりました」
玲音は静かに頭を下げた。
「どうもご迷惑をおかけしました」
しかし、その隣で瑠璃華が一歩前に出る。
「……ちょ、ちょっと待ってよ!💦」
必死な声だった。
「仲間が行方不明になってるのに、家に帰って引っ込んでろって言うの!?
それで全部、警察に任せて終わりなの!?」
則元の目が鋭く細まる。
「これ以上は、警察としても迷惑だと言っている!」
その一喝に、瑠璃華は言葉を失った。
「……っ」
唇を噛みしめ、俯く。
玲音がそっと瑠璃華の肩に手を置いた。
「羽鳥さん……もう行こう」
「……うん……」
瑠璃華は悔しそうに歯を食いしばりながらも、玲音に促されてその場を離れていった。
やがて、陽平と彩美はパトカーの後部座席へと乗せられ、赤色灯を回さずに静かに発進する。
続いて、則元も自分のパトカーへ向かった。
――その直前。
彼はふと足を止め、ある方向へ視線を投げた。
ほんの一瞬、誰にも気づかれないほどの仕草で、無言の合図を送る。
その視線の先。
電柱の陰には、二つの人影があった。

最後のパトカーが走り去るのを見届け、二人は静かに姿を現した。
「……行くわよ、侑衣梨」
優姫の声は、冷静で迷いがない。
「私は洸介くんと寿莉愛ちゃんの行方を追う。
紗樹ちゃんは彩人くんたちが追ってるみたいだから……たぶん大丈夫でしょ」
そして、街の暗がりへ消えていった瑠璃華たちの方向を見る。
「あなたは瑠璃華ちゃんたちをお願い。
あの子が、このまま大人しく帰宅するとは思えないから」
「はい、先輩」
侑衣梨は力強く頷いた。
二人の若い女性警察官は、それぞれ別の闇へと歩き出す。
この夜、街の裏側では――警察の表の動きとは別に、静かな追跡がすでに始まっていた。
(つづく)

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