サバゲ―サークル「DRYADES」の新規加入メンバーである上江洲紗樹は、夜に自宅近くで変質者に襲われたところを星彩のルミナに救われた。それ以来、紗樹はルミナの熱烈なファンとなる。
しかしその後、女子大生を狙った新たな拉致監禁事件が発生。アスカロン財団の加藤段十郎も喫茶店Lilyに姿を現し、またDRYADES代表を務める羽鳥瑠璃華の発案で学生たちによる自発的な夜間パトロールも始まり、事態は俄かに動き出す。
加藤段十郎も敵のアジトの廃墟ホテルで鷹松優姫、リネア=フリーデン=ヴァイサー、星彩のルミナと合流して、囚われていた別城寿莉愛を救出した。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
出動準備
深夜の鷺島中央警察署。
庁舎内の一角では、慌ただしい空気が広がっていた。
「現場は鷺島中央通り付近、コンビニ前です」
「パトカー二台、すぐ出せます!」
男子大学生から寄せられた“拉致事件を目撃した”という通報を受け、則元刑事は部下の巡査たちに指示を飛ばしながら、出動準備を進めていた。
「よし、急ぐぞ」
そう言って歩き出そうとした、その時だった。
「――刑事さん!!」
廊下の奥から、必死な声が響いた。

振り返った則元の視界に飛び込んできたのは、先ほど署を後にしたはずの二人。
二人は血相を変え、廊下を駆けてくる。
「……ん?」
則元は眉をひそめる。
「君たちは、もう帰ったんじゃなかったのか?」
息を切らしながら駆け寄ってきた彩美が、勢いよく口を開いた。
「刑事さん!
亜沙美ちゃんと音祢ちゃんが誘拐されたって……本当なんですか!?」
その名前に、則元の表情が一瞬だけ引き締まる。
「……被害者は、君たちの友達だったのか」
静かにそう言ってから、二人を見つめ直す。
「だが、どうしてそれを知っている。
我々も、今しがた通報を受けたばかりだぞ?」
陽平が一歩前に出た。
「目撃者が、僕たちの仲間だったんです!
そいつが携帯で僕たちにも連絡をくれました!」
「……!」
その瞬間。
則元の胸に、嫌な感覚が走った。
(しまった……)
まさか、通報してきた目撃者が、陽平たちともつながりのある人物だったとは。
ただでさえ、これ以上民間人を事件に巻き込みたくない状況だというのに――。
則元は一度、深く息を吐いてから、きっぱりと言い切った。
「君たちの友達は、我々警察が必ず助け出す。
だから、君たち二人は――早く帰りなさい」
だが、陽平は一歩も引かなかった。
「そうは行きませんよ!」
続けて、彩美も声を張り上げる。
「私たちだって関係者なんです!
一緒に現場まで連れて行ってください!」
「……君たち……」
強い視線で見つめられ、則元は思わず言葉に詰まる。
正論ではない。
だが、二人の必死さは、明らかだった。
このまま無理に帰せば、きっと別の形で勝手に動き出す――
そんな予感も、はっきりとあった。
「……やれやれ」
則元は小さく頭を振った。
「仕方がないな……」
巡査たちが一瞬、驚いたようにこちらを見る。
則元は二人に向き直った。
「このまま君たちを帰して、また危険な現場を勝手にうろつかれても困る。
特別だ。パトカーに乗りなさい」
「本当ですか!?」
陽平の顔が、ぱっと明るくなる。
「ありがとうございます!」
彩美も深く頭を下げた。
だが、則元はすぐに念を押すように言葉を続ける。
「ただし――
現場で危険だと判断したら、今度こそすぐに帰ってもらう。いいな?」
「……はい!」
二人は揃ってうなずいた。
「よし、急ぐぞ!」
則元の号令と同時に、一行は足早に庁舎の出口へと向かう。
こうして、桜庭陽平と佐久良彩美は、
思いがけず再びパトカーの後部座席に乗り込むことになったのだった。
思わぬ再会
鷺島市郊外。
人の気配など、もう何年も途絶えているような――
寂れた廃工場の建物。その地下にある薄暗い一室で、上江洲紗樹は冷たいコンクリートの床に座らされていた。
口にはガムテープ。
両手と両足は、きつくロープで縛られている。
「…………ん……」
小さく喉を鳴らしながら、紗樹は肩を震わせていた。
さっきまで必死にこらえていたはずなのに、気がつけば、涙がぽろぽろと頬を伝って落ちている。
――怖い。
――お姉ちゃん……。
胸の奥に浮かぶのは、DRYADESの仲間たちと、そして里恵の姿だった。
その時。
――ギィ……。
重く、錆びついた扉が開く音が、地下室に響いた。
はっとして、紗樹は顔を上げる。
出入り口のほうへ視線を向けた瞬間――
その目が、大きく見開かれた。
「んんぐっ……!?」
(……音祢さん!?)
連れて来られた人物を見て、紗樹の心臓が跳ね上がる。
そこにいたのは――
高校の先輩であり、同じサバゲーチーム《DRYADES》のメンバーでもある、綾塚音祢だった。
だが、その姿は、あまりにも痛ましい。
音祢もまた、口にガムテープを貼られ、両手と両足を縛られた状態で、男たちに挟まれるようにして立たされていた。
「ここで大人しくしていろ!」
無機質な声とともに、犯人の一人が音祢の背中を強く押す。
「んんーっ!?」
よろめいた音祢は、そのまま部屋の中へと突き飛ばされるように放り込まれた。
次の瞬間。
――バタンッ!!
分厚い扉が閉まり、すぐにガチャリと鍵のかかる音が響く。
地下室は、再び静寂に包まれた。
残されたのは――
縛られた二人だけ。
「……んんっ、んんむっ……!?」
(紗樹ちゃん!? どうしてここに!?)
音祢は床に座り込んだまま、信じられないというように紗樹を見つめていた。
その目は、はっきりと動揺している。
紗樹も必死に首を振り、涙をにじませながら、音祢を見返す。
(音祢さん……)
言葉は交わせない。
それでも――
互いの存在を確かめ合うように、二人は少しずつ距離を詰めた。

縄に縛られたまま、体を寄せ合い、
肩と肩が、そっと触れ合う。
冷え切った地下室の床の上で。
上江洲紗樹と、綾塚音祢は、
寄り添うように並んで座りながら、必死に不安を押し殺していた。
――きっと、誰かが来てくれる。
そう信じるしかない夜が、
静かに、深く、二人を包み込んでいた。
(つづく)

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