雷霆連合とは?
「ちくしょー!! 放せ! 放せーッッ!!」
綾塚音祢、鷹松優姫と共に謎の男たちによって拉致された逢沢彩人は、到着した一味のアジトで音祢たちとは引き離され、一人寂しく地下の牢獄で拘束されていた。
「騒ぐな! うるさいぞ! 大人しくしろ! また痛めつけられたいのかッ!?」
見張りを務める極道な出で立ちの男が彩人の傍に詰め寄るが、その時、見張りの男の背後に天井のダクトから何者かが飛び降りて、あっという間に男を殴り倒して制圧した。
「お、お前は…!? もしかして寺瀬なのか!?」
「待ってろ。今すぐ自由にしてやる」
普段学校で掛けている眼鏡をしていなかったので彩人にはすぐには誰かは分からなかったが、見張りの男を倒して失神させたのは、紛れもなく寺瀬詩郎だった。詩郎は見張りの男のポケットを探ると鍵を取り出し、それを使って彩人の両手両足を拘束していた鉄枷を外した。
「助けてくれたんだから、一応礼は言うべきだろうな…。ありがとう。でも奴らは一体何者なんだ!?」
「奴らは雷霆連合だ」
「雷霆連合だって!? それって数年前に警察の掃討作戦で壊滅したはずの特定危険指定暴力団じゃないか!!」
雷霆連合――かつては悪の秘密結社おかめ党傘下のヤクザ組織だったが、おかめ党への上納金の支払いを拒否したことと、一般市民へも危害を加える急ぎ働きを繰り返したためにおかめ党から破門された。その後、警察による掃討作戦によって組織としては壊滅したはずだったが……。
「当時、その掃討作戦の指揮を執っていたのが、埼玉県警の綾塚刑事部長。つまり綾塚音祢の親父さんだ」
「…ってことは、雷霆連合の残党はお礼参りの目的で綾塚さんを攫ったのか!? くそーっ、何て奴らだ!」
詩郎から話を聞き、怒りに燃える彩人。しかし……
「でも寺瀬、何でお前がそんなことを知ってるんだ? やはりお前、只者じゃないだろ?」
「さぁな、機会が来たらそのうち話してやるよ。それよりもここは俺に任せて、お前はもう帰れ。奴らは普通の高校生の手に負えるような連中じゃない」
「断る! 綾塚さんを助け出すまで、例え地獄の果てでも俺はお前について行くぞ! 綾塚さんのいる部屋の位置にも当然心当たりがあるんだろ?」
「物好きな奴だな。なら勝手にしろ。ただし、途中で敵に襲われてもあまり構ってはやれないぜ。自分の身は自分で守るんだな」
その頃、音祢と優姫は?
同じアジトの彩人の捕まっていた部屋とは別の地下室で、音祢と優姫は手足を縛られて口にはガムテープを貼られて監禁されていた。この部屋でもヤクザ風の男2人が、音祢と優姫が逃げ出さないように見張っている。無論、彼らも雷霆連合の元組員である。
「んんー!!んんん!!んんんー!!」
突如、さっきまで隣に座っている音祢と同様に大人しく静かにしていた優姫が、見張りの男たちに訴えかけるように激しく呻き声を上げ始めた。
「何だ? 何か喋りたいのか? 仕方ねぇ。ガムテープを剥がしてやるか…」
「おいやめろ。騒がれたらどうするんだ!?」
「別に構りゃしねえよww ここは地下室だぜ。助けを呼んだところで、どうせ外に聞こえはしねーよ」
「フフフッ…言われてみれば確かにそうだなww」
男の一人が、優姫の口のガムテープをゆっくりと剥がした。
「お願いです。手首と足首を縛っている縄がとっても痛くて…。少しだけでいいので緩めてもらいませんか…?💓」
優姫は男たちに懇願する際に、まるで男たちの性的欲求を刺激するかのように、わざと胸や両脚の太ももを色っぽく強調するように動かして見せた。それを見て気分を良くした男たちは、優姫のことを相手が女だと思ってすっかり油断してしまった。
「とりゃあッッ!!」
「ふぐはッ!?」
「ぐわァァッッ!!」
手足にきつく巻かれていた縄が少し緩んだだけで、彼女にとってはもう十分だった。優姫はたちまち鮮やかに縄抜けを披露すると、目にもとまらぬ早業で見張りの2人組をノックアウトして見せたのだ。
「音祢ちゃん、大丈夫? 今縄を解いてあげるから!」
「んんむぅ…??」
普通の喫茶店の女マスターだと思っていた優姫の意外な動きを目の当たりにして、音祢はただただ驚くばかりだ。
「…ありがとうございます。でも驚きました。優姫さん、そんなに強かったんですね?」
「ちょっとした護身術よ。さあ、急いでここから脱出しましょう!」
こうして音祢と優姫も監禁部屋から抜け出すことに成功した。果たして彩人と詩郎、音祢と優姫の二組のペアは無事に合流を果たして、雷霆連合残党のアジトから完全脱出することができるのであろうか!?
つづく。
コメント
音祢ちゃん達を誘拐したのは、雷霆連合なる反社組織だった!
ええ~何々…かつては悪の秘密結社おかめ党傘下のヤクザ組織だったが、おかめ党への上納金の支払いを拒否したことと、一般市民へも危害を加える急ぎ働きを繰り返したためにおかめ党から破門された。その後、警察による掃討作戦によって組織としては壊滅したはずだったが……
おかめ党も、こんな奴ら飼ってたんですね…飼いならせなかったようですが…
その掃討作戦の指揮を執っていたのが、当時埼玉県警の綾塚刑事部長…なるほどそうゆう設定できましたか…
…壊滅させられた組が再び復活して、復讐として元刑事部長の娘の音祢ちゃんを誘拐したということですか…もはや極道って言うよりも仁義もくそもない半グレって感じですね。
それにしても…壊滅させられた組の残党にしてはこの隠れ家と良い、大げさな復讐といい、なんだか普通じゃなさそうですね…バックに別の目的を持った組織がいる予感がするのですが、また自分の考え過ぎでしょうか?
そして巻き添えで捕まった彩人くんを、颯爽と現れた詩郎くんが救出!
何やら雷霆連合のことに詳しく、音祢ちゃんの家族の事まで知っている詩郎くん、ちと喋りすぎじゃないでしょうかね?
これは彩人くんでなくても怪しみそうですが…今はそんなことより、愛しの音祢ちゃんを助けるため、詩郎くんと組んだ方がよさそうですね。
さて…久々の美女の連縛、この体勢の制服と私服スタイルって初めてではないでしょうか?
ここで優姫さん…まさかの色仕掛け、出来るんですこうゆうこと。
そしてちょろい見張り野郎どもを油断させ、見事脱出することが出来た優姫さん、ここから音祢ちゃんと2人で協力してここを抜け出すことが出来るのか!?
自分としては、そうはいきませ~んって展開を期待しているのですが…侑衣梨婦警ってやっぱり今回は出番なしなのでしょうか…?
> おかめ党も、こんな奴ら飼ってたんですね…飼いならせなかったようですが…
ちなみに警察による反社掃討作戦の際に、わざと情報をリークして雷霆連合を警察に売ったのはおかめ党です。おかめの御前はおかめ党に背いた者を決して許してはおかないのです( ̄ー ̄)ニヤリ
よって雷霆連合は、おかめ党に対しても相当な恨みを抱いている筈です。もし詩郎がそのおかめ党の幹部だと知られたら果たしてどうなることやら…。
> バックに別の目的を持った組織がいる予感がするのですが、また自分の考え過ぎでしょうか?
そこまで突き詰めてしまうとストーリーの収拾がつかなくなってしまう恐れがあるので、そこまではやらないと思います。ただし独自に背後関係を考察(妄想)されるのは自由です。コメント欄に書いてくだされば、あるいは作者も気が変わって本ストーリーに採用の可能性もあるかも……?
> さて…久々の美女の連縛、この体勢の制服と私服スタイルって初めてではないでしょうか?
はい、KazuHanabi様が音祢ちゃんの制服と優姫刑事の私服のいろんなパターンのイラストを仕上げてくださいましたので、またいろいろ挿絵のバリエーションも増やせると思います。残念ながらまだ優姫刑事のアクションポーズのイラストは、まだ依頼(発注)すら出来てはいない状況ですが…💦
> 自分としては、そうはいきませ~んって展開を期待しているのですが…侑衣梨婦警ってやっぱり今回は出番なしなのでしょうか…?
やはりご期待に応えて侑衣梨ちゃんも出さないといけませんね(;^_^A アセアセ・・・
次回エピソード辺りの冒頭で、チラッと出してみようかと思います。
KazuHanabi様,色々と服装バージョンを良心的に引き受けてくださっているので、制服バージョン、私服バージョン、部活着バージョンなどで当方もたいへん助かっています(⌒∇⌒)
お色気利用しての脱出は、どことなく某三代目大泥棒の愛人を連想しますな(^▽^)/あの方ってやはりアラサーくらいの御年なんでしょうかね(;^ω^)
> お色気利用しての脱出は、どことなく某三代目大泥棒の愛人を連想しますな(^▽^)/あの方ってやはりアラサーくらいの御年なんでしょうかね(;^ω^)
年齢の公式設定はないみたいですが、一応まだ20代とか言われていたような…💦
彼女が美人であることは認めますが、あくまで美少女至上主義のおかめ党にとって、美熟女=(見た目)オバサンなんぞに用はないのです!