人間牧場の恐怖！　第8話

ネオ・ヴゥンタジス・コーポレーション主催のネプチューン・イニシアチブ見学ツアーに参加した橘拓斗らエバーグレン高校の生徒たち。しかしそこにはネオブラックマフィアの罠が潜んでいた。食事に睡眠薬を盛られて捕まってしまった拓斗たち。そして拓斗と滝沢俊彦は、それぞれ武装インダストリアルメックに乗せられ戦わされる羽目に！？

救世主登場！？

無理やり武装インダストリアルメックに乗せられ、互いに望まぬ戦いを強いられていた拓斗と俊彦。しかしそこへ思わぬ救世主が現れた！　別のインダストリアルメックを奪取して乗り込んだ中村弘樹と滝沢美香だ。

「やめるんだ！ 拓斗くん！ 俊彦先輩！」

弘樹の乱入のおかげで、拓斗と俊彦を乗せたインダストリアルメックは何とか機能を停止した。

「助かったぜ弘樹！」
「一時はどうなることかと思ったよ。ま、拓斗が僕を攻撃する訳がないとは思ってたけどね」
「おい俊彦、このインダストリアルメック、動かせるか？」
「勿論！ コントロールさえこちらの手に渡ればこっちのものだ！」

手動操縦モードで再起動したインダストリアルメックは、K-0016がいる管制室に向かって動き出す。

「ガキどもめ、この程度で儂が降参するとでも思っているのか！？ これを見ろ！！」

「んん～っ！！んん～っ！！」
「んぐぐんーっ！！ んむぅぅーっ！！」

K-0016が指で指し示した先には、黒い医者ブラックドクターに捕らえられているレイラ=ジェーン=ウィルソンと中村友美の姿が！ どうやら彼女たちはまだ獣娘に改造される前だったようだ。

「この娘たちがどうなってもいいのか！？ 無駄な抵抗は止めろ！！」

「くそっ！ 卑怯な手を使いやがって！！」

「怪人ブラッディサウルスよ～！ 巨大化してコイツらを叩き潰せ！！」

ネオブラックマフィアの怪人ブラッディサウルスは巨大化し、拓斗と俊彦が操るインダストリアルメックに向かって襲い掛かって来た！

「どこに行くんですか弘樹くん！？」
「美香さんはここに隠れてて！ 姉ちゃんとレイラさんを助ける！」

拓斗と俊彦が巨大ブラッディサウルスと戦っている間に、インダストリアルメックのコクピットから降りて外へ出た弘樹は、再び鉄パイプを手に取り管制室に殴り込みをかけた。

「…な、何だこのガキは！？」
「ぐっ、ぐわあァァッッ!!」

黒いドクターたちを倒した弘樹は友美とレイラを助け出すと、一人残されていたK-0016を締め上げる！

「…く、苦しいッ!! その手を放してくれー!!」
「このクソジジイ！ 怪物にされた人たちを今すぐ元の姿に戻せ～！！」
「そうよそうよ！ サラちゃんにシャンリンちゃん、それに眞一くんを元に戻しなさいよ！！💢」

エピローグ

弘樹や拓斗たちの活躍により、K-0016を初めとするネオブラックマフィアの一味は残らず警察に逮捕された。

「人魚に改造手術された時は、一時はどうなることかと思ったわ」
「ホントよね。あんな怖い思いは二度とごめんよね。でも記憶は朧気なんだけど、ハーピーにされて大空を飛んでいた時はなんか楽しかったような気もするけどね…ww」
「君たちのおかげで元の人間に戻れて、論文も取り返すことが出来た。本当にありがとう」

モンスターに改造されていたサラ=ベネットとシャン=リン、そして怪人ブラッディサウルスにされていた白石眞一は、復元手術で無事に元の人間に戻ることが出来た。

「誠に申し訳ない。謹んでお詫びする。補償についても誠心誠意対応させてもらいたい」

自ら赴いて、拓斗たちに深々と頭を下げて謝罪するネオヴゥンタジスコーポレーションのアレクサンダー=Ｄ=ハリス会長。ハリス会長の話では、モーリス博士の素性やプロジェクトがネオブラックマフィアに乗っ取られていたことについては、会社は一切関知していないとのことだった。表面上はその会長の説明で納得したような風を装う拓斗と俊彦だったが――

「なあ拓斗、まさか会長のあの言葉をそのまま鵜呑みに信じた訳じゃないよな？」
「まさかww 典型的な知らぬ存ぜぬで蜥蜴の尻尾切りだろ。でもハリス会長が今回の件に関与していた証拠は何もないんだ。いつか必ずあの会社の化けの皮を剥いでやるぜッ！」

ネオヴゥンタジスコーポレーションとネオブラックマフィアの闇の繋がりを確信した拓斗と俊彦。ネオブラックマフィアとの戦いは、まだ始まったばかりなのだ！

END

エピローグおまけ

警察に護送される途中でネオブラックマフィアの奪還部隊の奇襲作戦によって脱走に成功した、ネオブラックマフィアの主任特務工作員K-0016。しかしこの奪還作戦は、彼を救出するためのものではなかった…。ネオブラックマフィアのアジトでK-0016は、直ちにデスクローン総統の御前へと引き出される。

「これはデスクローン総統！ この度は私を見捨てることなくお助けいただき、ありがとうございます！」
「勘違いするなK-0016よ。余は怒っているのだ…」
「ハ…??」
「誰が許可なく捕虜の美少女を化け物に改造してよいと言った！？ この罪…万死に値するッ!!💢」
「…お、お待ちくださいッ!! これには私なりの考えがッ!!💦」

「〇しねぃッッ！！」

玉座に座るデスクローン総統の指先から処刑光線が発射される。

「ウギャアアッー!!!!!!!!!!!」

K-0016は断末魔の悲鳴と共に高温で焼き尽くされ、蒸発して跡形もなく消滅してしまった…。

「フン、これだから旧ブラックマフィアの流れを汲む構成員は困るのだ…。ネオブラックマフィアは、もはやかつてのおかめ党とは違う。余の崇高な理想を理解できぬ者は〇しをもって償うべし！」

恐るべしデスクローン総統！ 果たして冷酷非情なる悪の組織の次なる一手とは…！？

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