かんなづき駅と呼ばれる謎の無人駅で電車から降りて、現世とは時空を隔てているらしい不気味な異世界へと迷い込んでしまった女子大生・星愛怜美花。たまたま近くを通りかかった車の親切そうな男性ドライバーに助けられ、車に同乗させてもらうことになりホッとしたのも束の間、ドライバーの男が意味不明な独り言を呟き始め、突如として態度を豹変させる。怜美花は囚われの身となり、山の主がいるという洞窟の祭壇に生贄として捧げられてしまった。
「ンンムゥーッ‼ムグゥーッ‼」
洞窟内で一人縛られたまま放置されていた怜美花だったが、そんな彼女の窮地を救ったのは、琴川玲奈という少女だった。洞窟内に忍び込んでいた玲奈は怜美花を見つけるや、すぐに彼女の口の猿轡を外し縄の戒めを解き始めた。
「大丈夫ですか!? 待ってて、今解きます!」
「助けてくれてありがとう。でも貴女は…?」
「私の名前は琴川玲奈。貴方よりも先にこの異界の地に迷い込んでしまっていた者です。さあ早くここから逃げましょう! そうじゃないと山の主とかいう化け物に食べられてしまいます!」
玲奈の話によると、彼女は怜美花よりも数日前に乗車していた電車からかんなづき駅のホームに降り立ってしまったらしい。そして玲奈の他にもかんなづき駅に迷い込んでしまった人間が数人いて、徘徊する異形のアヤカシの者たちから身を隠しつつ隠れ家に拠点を築いているらしい。これから仲間のいる隠れ家に戻るという玲奈に、とりあえず行く当てもない怜美花も同行することにした。
「この世界から脱出する方法はないの?」
「この世界をうろついているアヤカシたちが、次にかんなづき駅に停車する電車の運行表を持っているらしいんです。それさえ手に入れることが出来れば…」
やがて2人は深い森の街道に差し掛かった。
「キャアアッ!!」
怜美花は森に生息する異形のアヤカシたちの姿を見て、たまらず悲鳴を上げてしまう。その様子を見て、怜美花に安全だと諭す玲奈。
「大丈夫です。このアヤカシたちはこっちから刺激しない限り、決して人間に危害を加えたりはしません」
「そ、そうなの…?」
「さあ怜美花さん、こっちです。急いで!」
果たして二人は無事にアジトへと帰りつけるのか!?
かんなづき駅 その三に続く。
コメント
やはり玲奈ちゃんは既に捕らわれていたんですね。山の主の生贄に捧げられそうになった怜美花ちゃんを救出、ファイティングポーズが凛々しいですね。あまり縁起のような展開を考えてしまますが、隠れ家は既に正体不明の山の主に襲われ、仲間は既に捕らわれているということになりそうです。前回祐一郎君はかんなづき駅について何か知っているような口ぶりをしておりましたが、果たして彼はどうかかわっていくのか。新ブログでは初の三択形式でパターンを考えてみました。
1.異世界に乗り込み怜美花ちゃんを始めとする迷い込んだ人たちを救出する。
2.かんなづき駅を降りた後で怜美花ちゃんたちと同じように捕らわれる。
3.車でかんなづき駅の位置まで来て脱出した人と鉢合わせをする。
最期は個人的にはしまらないかなとは思いますが、よくあるパターンということで入れてみました。
> 隠れ家は既に正体不明の山の主に襲われ、仲間は既に捕らわれているということになりそうです。
さすがbakubond様、なかなか勘が鋭いですね。( ̄ー ̄)ニヤリ
> 新ブログでは初の三択形式でパターンを考えてみました。
祐一郎くんは救出役の役割を与えようと考えておりましたので、勿論「1.異世界に乗り込み怜美花ちゃんを始めとする迷い込んだ人たちを救出する。」です。彼は過去に一度かんなづき駅に行ったことがあるようです。ゆえに脱出方法もきっと知っているのでしょう。
山の主の生贄に捧げられようとしている怜美花ちゃんを救出したのはまさかの玲奈ちゃん、
やだ…かっこいい…異形のアヤカシに怯える怜美花ちゃんを守る姿が確かに凛々しいですね~
なんだか既にこの世界に慣れている感じがしますね~、いったいここまで何があったのか…
>彼女は怜美花よりも数日前に乗車していた電車からかんなづき駅のホームに降り立ってしまったらしい。そして玲奈の他にもかんなづき駅に迷い込んでしまった人間が数人いて、徘徊する異形のアヤカシの者たちから身を隠しつつ隠れ家に拠点を築いているらしい。
あの予告の展開が本編と関係あるのであれば、玲奈ちゃんも誰かに助けられたという事になるのでしょうね、まだ知った顔が出てきそうな予感がしますね~
そして一度かんなづき駅に行ったことがある祐一郎君が、他の迷い込んだ人間(知っているキャラクター)と合流し、怜美花ちゃんと玲奈ちゃんを探しに行くストーリー裏ストーリーがあると考えているのですがどうでしょうか?
「そっちに行ってはいけなない!」
この声の主の正体が気になりますね~、この駅に迷い込んだ人間の1人なのか、それともこの世界の人ならざるものの1人なのか、どちらにしても味方なのは間違いないですね、どんな形でまた現れるのかとても楽しみです。
本日は「かんなづき駅編」の続きはお休みしますが、その代わり孝森祐宜や椿姫絢那たちが活躍するストーリーの世界観設定を固めましたので、よろしければそちらもご覧ください。
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