パシフィックゲートウェイ島の高校生たちが自作のインダストリアルメックを出品して競い合うロボットコンテスト『Mech Genesis(メック・ジェネシス)』の大会開催が迫る中、アマチュア自作による初の飛行型インダストリアルメックとして「Sky Strider(スカイ・ストライダー)」を完成させた「タイタン=テックスクワッド(Titan Tech Squad)」のチームリーダー・カイル=ヤマグチに対して、よい意味での刺激とライバル意識を燃やす我らが「トロピカル・ギアーズ(Tropical Gears)」の橘拓斗たち。
一方その頃、スパルトイによって全滅させられていたと思われていたハント星人の残党は、本星から地球侵略の遅れを指摘されて焦り、一気に劣勢を盛り返すべくメック・ジェネシスの大会に乗じてブライトバレー市長の暗殺を企てていた。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
トロピカル・ギアーズのラボにて
昼下がりの陽が斜めに差し込むトロピカル・ギアーズのラボ(工房)。
壁際には工具とパーツが並び、中央には製作途中のメックの骨組みが無骨な存在感を放っている。空気は溶接の匂いと金属の粉じんがわずかに漂っていた。
パソコンの前に座る橘拓斗は、ディスプレイに映る新型インダストリアルメックの設計画面と睨めっこしていた。マウスを何度も往復させ、仮想パーツの配置を入れ替えてはため息をつく。
「……くそ、やっぱりこの推力じゃ機体が浮き上がんねぇか」
独り言ともつかぬ呟きとともに、肩を落とす拓斗。
「メック・ジェネシス」まで時間はない。それなのに、カイル=ヤマグチたちのスカイ・ストライダーに勝てる手応えが、まだ見えない。
その時――
「拓斗くん、こんにちわーっ!」
元気な声がラボに響き、入り口のドアが軽快な音を立てて開いた。
「おじゃましまーす」
と、もう一人の少女が続く。

「おぉ、弘樹、それに美香ちゃんも。よく来たな。まあ適当なとこ座ってくれよ」
拓斗は気分を切り替えるように、にこやかに迎え入れた。
「今、お茶を出すわね」とレイラ=ジェーン=ウィルソンが立ち上がる。
「あっ、どうかお構いなく!」
と慌てて手を振る美香。「あの……もし忙しいようでしたら出直しましょうか?」
「いいんだよ美香、拓斗がああなのはいつものことだからな」
と、滝沢俊彦が笑って応じた。
訪ねてきた中村弘樹は、エバーグレン高校の普通科に通う1年生。学科も学年も違えど、拓斗とはよく学校でも顔を合わせ、先輩後輩の垣根を越えて親しい間柄だ。弘樹とともにやって来た滝沢美香は、俊彦の親戚であり、弘樹の同級生だ。
レイラがお茶を淹れてくる間、拓斗たちは先日目にしたスカイ・ストライダーの試験飛行について、やや興奮気味且つ楽しそうに語った。
その時の迫力、そしてカイルの高い操縦技術――すべてが印象的だった。
「へぇ~……噂には聞いてたけど、ヤマグチ先輩もすごいんだなぁ」
弘樹は素直な敬意を口にした。
話が一段落したころ、美香がふと首を傾げるように問いかけた。
「あの……素人考えかもしれないけど……拓斗さんたちが託されてる、ほら、“アストラルロイド”? あれから何か技術を転用したりできないんですか?」
その瞬間、ラボの空気がわずかに変わった。
冗談のような沈黙が、ほんの一瞬、全員の間に流れる。
「……あれは、コスモスの民のみんなとの約束で、軽々しく異星のテクノロジーを表には出せないのよ」
レイラが、柔らかいが真剣な声で答えた。
拓斗も口を開いた。
「それに俺は、そんなズルい手まで使ってカイルに勝ちたいとは思わない。あくまでも五分五分、対等な条件で、自分たちの力だけで勝たないと意味ねーよ」
彼の声には、まっすぐな誇りがあった。
「……ご、ごめんなさい💦」
美香が小さく肩をすくめる。「私、余計なこと言っちゃったかしら……」
「いや、いいんだ」
俊彦がすぐにフォローする。「拓斗も本気で怒ってるわけじゃないから」
「……まあ、見てな」
拓斗が苦笑混じりに言って、立ち上がった。
「大会までには、必ず俺たちの作品を、タイタン=テックスクワッドのスカイ・ストライダーにも負けない一級品に仕上げて見せるからさ♪」
そう言って拓斗は再びパソコンの前に戻る。
モニターに映る機体の設計図に向き合う背中には、かすかに決意の光が宿っていた。
コスモスの叡智を守る者として。
そして、ライバルと真正面から競い合うメック開発者として。
青春と技術が交錯するラボの空気は、今日も熱かった。
スパルトイ上陸
南太平洋に浮かぶ孤島、パシフィックゲートウェイ島――
その最深部、密林と断崖の入り組む地形をくぐり抜けた先に、それは存在していた。黒鋼と石で築かれた威容、禍々しくも荘厳な地下要塞。そこが、悪の秘密結社「ネオブラックマフィア」の総本部である。
玉座の間。
仄暗い空間に、天井から吊るされた鎖の灯りが不規則に明滅し、巨大な玉座の背後に映し出すは、まるで悪夢のような影。その中心に鎮座するのは、全身を漆黒の甲冑に包んだ怪人物――デスクローン総統。そのマントは無風の空間でもなぜか揺れ、金属的な仮面の奥から覗く瞳は、人間のものとは思えぬ冷たさと知性を湛えていた。

その前に、3人の兵士が整列していた。いずれも、軍服にベレー帽をかぶった人間兵士のようでありながら、ただの人間ではない。
義肢、強化筋肉、人工神経によって構成された**スパルトイのS級傭兵部隊・「竜牙(ドラゴントゥース)」**のサイボーグたちである。
「デスクローン総統閣下。はじめまして。私どもは、スパルトイ所属のアレクシア=バーンズと申します」
言葉は丁寧だが、声に宿る感情は極めて希薄。
ブロンドの髪を短く刈り、冷たい灰色の瞳を持つ美女――アレクシアは、軍人の礼をもって一歩前へ進んだ。
「こちら、ブライアン=ノーラン。彼は無口ですが、命令遂行においては誰よりも確実です。そしてもう一人、クリストファー=デーヴィス。冷静な判断力と観測支援を担います」
ブライアンは口を利かず、無言で一礼。その巨体がわずかに軋む。
クリストファーは軽く顎を引いて微笑むでもなく、鋭い黒い瞳で総統を見据えた。
「我々は、スポンサーであるMr.Unknownからのご依頼により、ハント星人の残党を掃討すべくこの島に派遣されました。貴組織の縄張りと承知しておりますが、我々の活動に対しては、どうかご許可を頂けますようお願い申し上げます」
「……ハント星人、だと?」
仮面の奥から低い、金属を軋ませるような声が漏れた。
デスクローン総統の指が、玉座の肘掛けをトンと叩いた。
「フン、奴らめ――まだ生き残りがいたとは。てっきりお前たちの手で全滅させられたものとばかり思っていたぞ。忌々しい。だが、もう我らネオブラックマフィアとは何の関係もない。滅ぶも存続するも、余の知ったことにあらず。……好きにするがよい」
アレクシアは、ゆっくりと礼をした。
「感謝いたします、総統閣下」
3人のサイボーグ兵士は、言葉を交わすことなく踵を返し、玉座の間から姿を消した。
ただその足音だけが、機械仕掛けのように規則正しく鳴り響いていた。
重い扉が閉ざされた後、玉座の間に再び静寂が訪れる。
その時、玉座の脇からスッと現れたのは、漆黒のスーツを着た美女――ヴァネッサ=レイヴンズクロフト。デスクローン総統の側近であり、諜報と政略を担う女幹部である。
「よろしいのですか? あのような連中に、我々の島で好き勝手させて。スパルトイのS級部隊など、何を仕出かすか分かりませんわ」
「……案ずるな、ヴァネッサ」
デスクローンは悠然と立ち上がった。マントが音もなく床を滑る。
「奴らの背後にいるのがMr.Unknownならば、いずれにせよ島の静寂は保たれまい。だが、我らが動くのはまだ早い。今は――傍観に徹するとしよう」
「はっ」
ヴァネッサは一礼する。
その頬には、謎の余裕を見せる総統に対する、わずかな不安と興味が入り混じっていた。
こうして、悪の組織ネオブラックマフィアは、スパルトイという異分子の上陸を許した。
だが、それが島にとって何をもたらすかは、まだ誰にも分かっていない。
スカイ・ストライダー、緊急捕獲
蒼穹を裂く轟音とともに、スカイ・ストライダーは大気中を滑空していた。
陽光を浴びて輝く艶やかな青い機体が、空中を切り裂きながら加速と旋回を繰り返す。
操縦桿を握るのは、カイル=ヤマグチ。タイタン=テックスクワッドの若きエースであり、来たるメック・ジェネシス大会における優勝候補の一角だ。
「推力調整よし。動翼の反応、異常なし……今日もいい感じだ」
彼はモニターを確認しながら、薄く笑った。
だがその刹那、警告音がコックピット内に鳴り響いた。
《警告:上空より未確認飛行物体接近中。》
「なっ……!?」

雲間から突如として姿を現したのは、黒光りする異形のUFO。
有機的な質感と金属的な鋭利さが混在するその外殻から、牽引ビームが解き放たれる。
スカイ・ストライダーのエンジンが悲鳴を上げ、機体がみるみるうちに制御を失っていく。
「ぐっ、制御不能!? こいつ、俺の機体を――!」
眩い光に包まれ、スカイ・ストライダーはゆっくりと、しかし確実に吸い上げられていった。
彼の声も、機体も、やがて雲間の彼方へと消えた――。
目覚めた時、カイルは無重力に近い感覚の中で、固い床の上に倒れていた。
天井には脈動するような光が走り、壁面には不規則な文様が刻まれている。まるで生き物の体内にいるかのような不快な密閉空間。
そして彼を取り囲んでいたのは――黒い甲殻を持ち、長い触手のような腕を持つ異形の存在たち。
人間の言葉では語り難い、不気味で不自然なフォルム。それがハント星人だった。
「ここは……UFOの中か。もしかしてお前らはエイリアン!?」
カイルは素早く状況を把握し、立ち上がった。敵意を隠そうともせずに向けられる複数の視線。その中央に、ひときわ大きな体躯のハント星人が進み出る。

ハント星人イラストは、みょうち麒麟様。
背景は、Stable Diffusion Onlineで生成しました。
『地球人、カイル=ヤマグチ……』
その声は、耳で聞くのではなく、直接頭に響いてくるテレパシーだった。
『貴様は次回のメック・ジェネシスにて、最有力の優勝者候補として名を連ねていると聞く。ならば貴様には、我らの“祭典”にて一役買ってもらわねばならぬ』
「……冗談だろ。俺を拉致して何をさせようっていうんだ」
カイルは睨みつけた。拳を握りしめ、油断なく周囲を見渡す。
『大会後に行われる表彰式に、ブライトバレー市長も出席するそうだ。――我らはその場にて、“小さな贈り物”を届けたいだけだ。大会に優勝した貴様の協力があれば、それは容易となる』
その“贈り物”が、ただの祝福でないことは、言葉に出されずとも明白だった。
「なるほどな……つまり、テロに協力しろってわけだ。そんなこと、絶対にやるもんか!」
即答だった。カイルの瞳は一点の曇りもない。
『考え直すのだ。拒めば……貴様の機体も仲間も、未来も――』
「何を失おうと、お前らに屈するつもりはない! ミナや他のチームの仲間たちだって、きっと分かってくれるはずだ!」
鋭い怒声が司令室に響いた。
サイボーグでもなければ強化兵士でもない、ひとりの少年のままの、しかし確かな決意がそこにあった。
ハント星人たちがざわめく。
予想以上の意志力に、彼らの計画にほころびが生じ始めていた。
中央の個体が、もう一歩前へ出る。
その触手がうごめき、まるで感情を読み取ろうとするかのように、カイルの前に伸びてくる――
「……させるかよッ!!」
カイルは咄嗟に跳び下がった。
腰のツールベルトから閃光弾を抜き出すと、壁に投げつける!
閃光が迸る。悲鳴とも唸りともつかぬ咆哮が飛び交い、司令室の天井が警告色に染まった。
この隙に、脱出できるか――否、しなければならない。
「タイタン=テックスクワッドに、俺は戻る! スカイ・ストライダーも、俺の仲間も、こんなところで終わらせてたまるかよ!!」
少年の反撃が、今始まった。
(つづく)
コメント
拓斗くんがライバルのカイル=ヤマグチに大会で勝つために思案しているその裏で、ブラックマフィア首領、デスクローン総統はある人物達と会っていた…
久しぶりですねスパルトイの面々、戦闘キチのアレクシアと愉快な仲間達、
何しにきたねんと思ったら、エイリアン嫌いのMr.Unknownの依頼を受け、ハント星人を狩りにきたみたいで、ここは礼儀としてパシフィックゲートウェイ島を縄張りとするデスクローン総統にお許しを得にきたようです、まあどうせ騒ぎになるでしょうからやっぱり断りは入れておかないとですね。
ここは心のお広いデスクローン総統はお許しくださいましたが、ヴァネッサ女史の仰る通り、なんか島がまたうるさくなりそうな予感が…
そして当のハント星人はと言うと、スカイ・ストライダーのテスト飛行をしていたカイルくんをアブダクト、まあ宇宙人らしいっちゃ宇宙人らしいですが。
カイルくんを拉致った理由は、彼が大会で優勝し表彰されるときに何かをドカンさせてブライトバレー市長を暗殺するのが目的のようですが…だが断る。
断固としてハント星人の要望をつっぱねるカイルくん、いくら脅されても首を縦に振らない、なかなかの男のようですね。
しかも、閃光弾をつかってなんと脱出、なんとゆう行動力と決断力、さすが拓斗くんのライバルといったところですね。
だが、そのまますんなり逃げられるだろうか…?
どうやらカイルくんにもコスモスの民からアストラルロイドが提供されるようですね、どのタイミングでそれがくるのか楽しみですね。
> 久しぶりですねスパルトイの面々、戦闘キチのアレクシアと愉快な仲間達、
最近は竜門会の暗躍が目立ってましたが、彼(彼女)らのことも忘れちゃいけません。
今回、拓斗君たちとその周辺人物は、ハント星人に誘拐される面子と、スパルトイに誘拐される面子に同時に分かれそうです。自分たちは労せずして拘束された美少年美少女の様子をたくさん堪能できるデスクローン総統にとっては、まさに飯ウマ案件ですね。
> どうやらカイルくんにもコスモスの民からアストラルロイドが提供されるようですね、どのタイミングでそれがくるのか楽しみですね。
今回のエピソードでそれが実現するかまではまだ未定ですが、サブリーダーのミナちゃんとの二人乗り設定にするのもいいかな?とか検討中だったりして…。