グラビティ・ブレイカーズ　第10話

竜門会と戦うために厳しい特訓に励むグラビティ・ブレイカーズ。一方、隙を見て監獄から逃げ出した恋中七香は、同じアジトのどこかに捕まっているはずの寺瀬聖佳の行方を捜す。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

聖佳を探せ！

薄暗い廊下を、忍び足で進む恋中七香。
足枷を外して得た自由はたしかに大きいが、ここが竜門会のアジトである以上、一歩でも油断すれば即座に囲まれ、再び囚われるだけでは済まされないかもしれない。だが、七香の表情には焦りも怯えもなかった。あるのはただ、寺瀬聖佳という親しい人間を救いたいという、強い意志だけだ。

「黒服にサングラス……ホント、絵に描いたような悪役だよね……」

曲がり角に差し掛かったところで、遠くからカツンカツンと靴音が響いてきた。七香は咄嗟に空いた扉の隙間に身を滑り込ませ、呼吸を殺す。

「――異常なし。東ブロック、巡回完了」

無線越しの声が聞こえ、男が通り過ぎていく。
七香は姿勢を低くしたまま、その背中が完全に見えなくなるまで待った。少しでも音を立てればアウト。まるで呼吸すら咎められるような緊張が張り詰める。

やがて、再び静寂。七香は床を蹴って立ち上がると、慎重に扉の外へ顔を出す。

「ふぅ……この感じ、施設の構造はたぶん放射状。だったら、中央の監視室はあの辺りだよね」

通ってきた廊下の構造と、壁に貼られた避難経路図の一部を頭に描きながら、七香は進む方向を定める。

曲がり角を三つ、階段を一つ上り、監視カメラの死角を縫うように移動していく。時折、巡回の足音が近づけばコンテナの影に身を隠し、監視窓のある部屋では机の下に潜り込む。
どんな状況でも諦めない。そういう性格が、今の彼女を支えていた。

そして――

「……！」

ふと、壁越しに微かに声が聞こえた。女の声。震えてはいるが、どこか冷静さもある。
聞き覚えのあるその声に、七香の心臓が跳ねた。

「……聖佳さん！」

声を漏らしそうになるのをぐっと堪え、七香は音のした部屋に近づいた。ドアの小さな覗き窓から中を覗くと、薄暗い部屋の奥に、立った状態のまま柱に縛り付けられ、口に猿轡を噛まされている少女の姿が見えた。

その長い栗色の髪。凛とした目元。間違いない。
――寺瀬聖佳だ。

「……見つけた」

七香は小さく呟くと、ドアノブに手をかけた。だが、当然のように鍵はかかっている。
すぐにポケットの中の鍵束を取り出す。ついさっき、見張りの男から拝借した例の鍵だ。

「合ってて……お願い！」

順に鍵を試す――一つ、二つ、三つ目。

「……カチッ」

わずかな金属音。ドアノブが軽く動いた。

七香はドアを静かに押し開け、中に足を踏み入れた。

「聖佳さん……！」

その声に、目を伏せていた聖佳が顔を上げる。
七香の姿を見た彼女は一瞬、信じられないというように目を見開く。

「んん…？ んぐっ！！んむむーっ！！」

聖佳は、必死に何か言いたそうに首を横に振りながら呻き声を上げている。

「迎えに来たよ！ 大丈夫、今解くから！」

七香が聖佳に近づいたその瞬間、天井から身体捕獲用ネットが七香めがけて覆いかぶさるように降っていた！

「…な、なによこれ！？💦」

驚愕した七香だが、時すでに遅し。七香の身体に絡みついた網は、まるで蜘蛛の巣のように彼女をしっかりと捕らえている。そしていつの間にか、竜門会配下の黒服男たちが、身動きの取れない七香を嘲笑しながら取り囲んだ。

「フハハハハ！！ バカめ、まんまと罠にかかったなww」

再捕獲

「んーっ！んんー！！んむぅー！！」

「ここで大人しくして居ろ！」
「また逃げ出そうなんて考えたらただじゃ置かんぞッ！！」

先程閉じ込められていた部屋へと連れ戻されてしまった七香。足に鉄枷が嵌められていただけだったさっきとは違い、今度は両手両足をしっかりと縄で縛られ、口には声を出せないようにガムテープが貼られている。

果たして、脱出に失敗してしまった七香の運命はどうなるのか！？

（つづく）

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